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REVIEW&COLUMN

2022.04.13

【連載】マクロス40周年記念超時空コラボアルバム『デカルチャー!!ミクスチャー!!!!!』特集 ~歌姫インタビューと全曲レビューからアルバムの魅力を紐解く!~ 第3回 プロデューサーインタビュー&アルバム全曲レビュー

【連載】マクロス40周年記念超時空コラボアルバム『デカルチャー!!ミクスチャー!!!!!』特集 ~歌姫インタビューと全曲レビューからアルバムの魅力を紐解く!~ 第3回 プロデューサーインタビュー&アルバム全曲レビュー

<PART.2>
『デカルチャー!!ミクスチャー!!!!!』収録曲全曲レビュー

01. 僕らの戦場 / シェリル・ノーム & ランカ・リー
作詞:唐沢美帆、加藤裕介 作曲・編曲:加藤裕介

それぞれがソロのアーティストで、もともと戦いの中で歌っていたわけではない。だから「僕らの戦場」はあまりないタイプの歌詞だし、切迫した感情を吐き出しながら、何かを鼓舞するように歌っているのも新鮮に感じた。歌だけは誰にも負けまいとぐいぐいと引っ張っていくシェリルと、何があっても揺るがない芯の強さを持つランカ。ハモリも含めて、それぞれが個性を出しながらも一つになっているところも、シェリルとランカらしかった。

02. ライオン / ワルキューレ
作詞:Gabriela Robin 作曲・編曲:菅野よう子

シェリルパートを美雲が、ランカパートをフレイアが主に担当して、カナメ、レイナ、マキナの3人がコーラスで2人を支えるという、初期のワルキューレスタイルで懐かしさも感じる。出だしでJUNNAが低音を効かせた歌唱でガツンと先陣を切っていくあたりもワルキューレらしさだし、厚みのあるハモリを聴くと、一気にワルキューレ色が強まる。落ちサビの美雲ソロの憂いと、一番最後の2人のロングトーンは迫力満点で聴きどころ。

03. いけないボーダーライン / シェリル・ノーム & ランカ・リー
作詞:西 直紀 作曲・編曲:コモリタミノル

「超時空コラボ歌選挙!!!!!!!」投票第1位。『マクロスΔ』の第1話のクライマックスでワルキューレとワルキューレ加入前のフレイアが歌っていたのも印象的。歌謡曲テイストとブラス隊でジャズという斬新な組み合わせがおしゃれで、この曲でワルキューレに“歌謡曲”という印象も付いたように思う。1コーラス目はシェリルが、2コーラス目はランカがメインで担当していて、この曲もそれぞれの色が濃く出ているのだが、シェリルもランカも、この曲の裏のリズムをしっかりと体で掴みながら、何よりも楽しそうに歌っているのが印象的だった。

04. ノーザンクロス / ワルキューレ
作詞:岩里祐穂、Gabriela Robin 作曲・編曲:菅野よう子

『マクロスF』のEDテーマのイメージが強いが、シェリルの曲なのでエースの美雲がメインで歌う1番の素晴らしさは言うまでもない。ただ2番のカナメからレイナ、そしてフレイアをメインにしたコーラスワークにつながる流れもカッコいい。特に〈君を尽きるまで愛して死にたいよ〉の叫びにも近い、感情むき出しのフレイアのボーカルにはシビれた。〈そして始まるのだ〉から、美雲、レイナ、カナメ、マキナ、フレイアと1行ずつ歌っていくところは、今のワルキューレっぽさを感じるので、シェリルの曲をワルキューレが歌うとこうなる、というのが色濃く出ている曲とも言える。

05. GIRAFFE BLUES / シェリル・ノーム
作詞:菜穂 作曲・編曲:h-wonder ストリングス編曲:加藤裕介

『マクロスΔ』では、美雲やフレイア、カナメがソロでも歌っていたが、シェリルが一人で情感たっぷりに歌っている。バラードなので歌い手の表現力がより出やすい曲だが、銀河の妖精として、毅然としているシェリルではなく、その裏にあるシェリルの素の感じが表れている歌唱にも注目してほしい。ファルセットと余韻が本当に美しい。この曲はラストの“I know your blues…”のあとのフェイクがそれぞれのバージョンですべて違っていて、そこに誰を思っているのか、何を込めているのかを想像しながら聴くと、泣けてくる。

06. 放課後オーバーフロウ / ワルキューレ
作詞:Gabriela Robin 作曲・編曲:菅野よう子

“放課後別れたら明日は もう会えないかもしれない”というのは『マクロス』の世界観をよく表していて、そういうリアリティがあるところが『マクロス』という作品の大きな魅力であるように思う。そういう意味で、ほかにも代表曲、人気曲がたくさんある中で、この曲が第3位に選ばれていることが素晴らしい。劇中ではランカ・リーが作詞をした曲になっていて、アルトを思って歌っているのだが、フレイアも明確に相手が想像できて、感情がより輪郭を持って伝わってくる感じがしたので、1番と2番の頭のボーカルなどは心がギュッとしてしまう。

07. 不確定性☆COSMIC MOVEMENT / ランカ・リー
作詞:深川琴美、六ツ見純代、渡邊亜希子、姉田ウ夢ヤ 作曲・編曲:姉田ウ夢ヤ ストリングス編曲:倉内達矢

ワルキューレでは美雲とフレイアが中心で歌っている曲。カウントのところや“Ride on!”“Cosmic”などキャラクターそれぞれの個性が出ているところもあるのだが、それをランカ一人で担当。こういうノリノリでカラフルな曲というのは、ランカのキャッチーな歌声やキャラクター性とも合っているので、ランカの持ち歌かと錯覚してしまうほど。ファルセットのきれいさはもちろん魅力的だったし、“1センチ 跳べば もう違う世界”などは、一言ずつ声色も変えていたりして、ランカをたっぷりと堪能できる1曲になっていた。

08. ユニバーサル・バニー / ワルキューレ
作詞:しほり、PA-NON、Gabriela Robin 作曲・編曲:菅野よう子

シェリルが、白ウサギと黒ウサギの2つの人格を一人で歌い分けるという、特にライブだと難易度が跳ね上がる曲だったと思うが、ワルキューレは5人いるので、そこは歌い分けで表現。基本的には白がフレイア・レイナ・マキナ、黒が美雲とカナメになるような感じなのだが、1曲通して下ハモでレイナが大活躍している。また、“コマドリが言いました”からをマキナソロで、“キミ次第 キミとシタイ”からをレイナソロにしているところが絶妙で、2人の個性的なボーカルがピッタリだったし、そこからの“Perfect choiceをきかせてよ”の美雲の爆発力あるヴォーカルは、最高にテンションが上がった。

09. 破滅の純情 / シェリル・ノーム & ランカ・リー
作詞:西 直紀 作曲・編曲:コモリタミノル

『マクロスΔ』第14話からのEDテーマ。「いけないボーダーライン」や「ルンがピカッと光ったら」に続く、作詞:西直紀、作曲:コモリタミノルのコンビで、歌謡曲テイストは変わらずにありつつ、さらにおしゃれでノりやすい、疾走感溢れる曲になっている。ブラスアレンジやギターソロも最高にカッコいい。そのギターソロ前の、“純情”をシェリルとランカで交互に歌い、最後に一緒にユニゾンするところは、何度聴いてもゾクッと来る。声を振り絞りながら歌うシェリルとランカのヴォーカルは聴きどころだ。

10. サヨナラノツバサ ~the end of triangle / ワルキューレ
作詞:Gabriela Robin、河森正治 作曲・編曲:菅野よう子

『劇場版 マクロスF ~サヨナラノツバサ~』のクライマックスで歌われたシリーズ屈指の名曲で、「超時空コラボ歌選挙!!!!!!!」投票も第1位。一つの作品で様々な曲を作曲してきて、最後の最後でこの曲や「ホシキラ」が生まれるのだから、あらためて菅野よう子の凄さを感じる。『マクロスF』と『マクロスΔ』で、ストーリーは違うし、バジュラの鳴き声があっても、『マクロスΔ』にバジュラは出てこないが、不思議と歌詞の内容はリンクしているように感じるし、バルキリーが空を翔けていき、ワルキューレの歌声がそれを後押ししている映像が浮かんでくる。だがやはり何と言っても、最後のフレイアの“愛してる…”だろう。『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』を見ていたら、涙なしには聴けないフレーズになっている。

11. 愛・おぼえていますか(40th Anniversary DeCulture Edition)/ シェリル・ランカ・ワルキューレ
作詞:安井かずみ 作曲:加藤和彦 編曲:服部隆之

日本を代表する作・編曲家である服部隆之による、美しく、そして壮大なアレンジが施された「愛・おぼえていますか」。『マクロス』シリーズに語り継がれる、何万年も昔に異星人たちの街で流行った当たり前のラブソング。ランカ・リー、ワルキューレと歌い継いできた曲で、そこにシェリルも加わりスペシャルな1曲となった。1番はシェリルとランカ、2番はワルキューレがメインで、例えば、シェリルと美雲が同じメロディをユニゾンすることはないという適度な距離が心地良い。だからこそ最後のサビで、ランカ&シェリルの主メロにワルキューレの5人でハモを入れるところが活きてくる。また全部で6回繰り返されるDメロの“もう一人ぼっちじゃない あなたがいるから”も感動的だ

12.娘々スペシャルサービスメドレー(特盛り)

「娘々サービスメドレー」というメドレーも存在するのだが、特盛のほうが収録されているところがまずありがたい。『マクロスF』はすべて菅野よう子が曲を手掛けているので、メドレーのつなぎが美しく、1曲として楽しめる仕上がりになっている。メドレーでは、カナメ、レイナ、マキナの活躍が光っているし、『マクロスF』を代表する「アイモ」「射手座☆午後九時Don’t be late」「What ‘bout my star?」「トライアングラー」「ダイアモンド クレバス」といった曲も聴けるので、ワルキューレファンには特に聴いてほしい。

13.爛々スペシャルボーナスメドレー(Δ得盛り)

シェリルとランカボーカルではあるが、“ワルキューレ”という歌詞がたくさん出てくるところが面白い。「ワルキューレがとまらない」「ワルキューレは裏切らない」「ワルキューレがあきらめない」の3曲がたっぷり楽しめるのだが、特に“果てるまで”のシェリルのロングトーンの迫力が凄まじすぎて鳥肌モノだった。最後に「ルンがピカッと光ったら」でハッピーに終わる感じも良い。途中の印象的な掛け声、フレイアの“「覚悟するんよ」”をランカが言うのではなく、シェリル(遠藤 綾)が上から“「覚悟しなさい」”と言うのは、最高のサプライズだった。

TEXT BY 塚越淳一


●リリース情報
マクロス40周年記念 超時空コラボアルバム
『デカルチャー!!ミクスチャー!!!!!』
シェリル・ランカ・ワルキューレ
発売中

【通常盤】

価格:¥2,750(税込)
品番:VTCL-60557

【初回限定フロンティア盤】

価格:¥3,300(税込)
品番:VTCL-60558

【初回限定デルタ盤】

価格:¥3,300(税込)
品番:VTCL-60559

mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら

<CD>
01. 僕らの戦場 / シェリル・ノーム & ランカ・リー
02. ライオン / ワルキューレ
03. いけないボーダーライン / シェリル・ノーム & ランカ・リー
04. ノーザンクロス / ワルキューレ
05. GIRAFFE BLUES / シェリル・ノーム
06. 放課後オーバーフロウ / ワルキューレ
07. 不確定性☆COSMIC MOVEMENT / ランカ・リー
08. ユニバーサル・バニー / ワルキューレ
09. 破滅の純情 / シェリル・ノーム & ランカ・リー
10. サヨナラノツバサ ~ the end of triangle / ワルキューレ
11. 愛・おぼえていますか(40th Anniversary DeCulture Edition)/ シェリル・ランカ・ワルキューレ

[限定盤特典]
【初回限定フロンティア盤】
『マクロスF』キャラクターデザイン・江端里沙 描き下ろしシェリル&ランカジャケットスリーブケース仕様

CDボーナストラック
・爛々スペシャルボーナスメドレー(Δ得盛り) / シェリル・ノーム & ランカ・リー
メドレー楽曲:一度だけの恋なら〜ワルキューレがとまらない〜Walküre Attack!〜ワルキューレは裏切らない〜LOVE! THUNDER GLOW〜God Bless You〜ワルキューレはあきらめない〜ワルキューレがとまらない〜ルンがピカッと光ったら

【初回限定デルタ盤】
『マクロスΔ』キャラクター原案・実田千聖(CAPCOM) 描き下ろしワルキューレジャケットスリーブケース仕様

CDボーナストラック
娘々スペシャルサービスメドレー(特盛り) / ワルキューレ
メドレー楽曲:ライオン〜インフィニティ〜私の彼はパイロット〜ダイアモンド クレバス〜星間飛行〜What ‘bout my star?〜射手座☆午後九時Don’t be late〜トライアングラー(fight on stage)〜アナタノオト〜アイモ〜What ‘bout my star?〜愛・おぼえていますか〜ライオン

シェリル・ランカ・ワルキューレ are
シェリル・ノーム starring May’n
ランカ・リー=中島 愛
美雲ΔJUNNA
フレイアΔ鈴木みのり
カナメΔ安野希世乃
レイナΔ東山奈央
マキナΔ西田望見

©2007 BIGWEST/MACROSS F PROJECT・MBS
©2015 BIGWEST/MACROSS DELTA PROJECT

関連リンク

マクロスポータルサイト
https://macross.jp/

「デカルチャー!!ミクスチャー!!!!!」スペシャルサイト
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/macross_decumix

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