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INTERVIEW

2022.03.08

【インタビュー】映画『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』では母親役に挑戦!ヒャダインが提供した本作の主題歌「君のまんまが いいんだよ」について、中川翔子が語りつくす!

【インタビュー】映画『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』では母親役に挑戦!ヒャダインが提供した本作の主題歌「君のまんまが いいんだよ」について、中川翔子が語りつくす!

子供たちから見て「楽しそう」に思える背中を目指して

――演じる上でと、歌う上で、母親らしさは意識しましたか?

中川 考えすぎない方がいいと思っていました。そこは経験があって。以前にお姉さん役を演じたとき、すごいお姉さん感を目指したら、音響監督さんから「すでに実年齢がお姉さんなんだからむしろ年下を演じるつもりで」と言われました。小学生の頃の気持ちで止まっているところがあるけど、もう大人になっているんですよね。だから、ごちゃごちゃ考えるとダメだと思いました。でも、優しさや包容力や働く女性感といったいろいろなエッセンスを入れたくて、悩みました。

――歌の面では?

中川 歌に関してもシンプルに。元気なアニメソングのときはわざと癖をつけてみることもあるんですけど、ストレートに優しく歌いました。でもやっぱり「母親らしさ」も出しました。Bメロとかそうですけど。ただ、この曲は、子供がいる方でなくても、家族や友達などの大事な存在に対して、「あなたがいてくれることで私の人生があるんだよというメッセージが入った曲なので。大切な人にカラオケで歌って届けてあげてほしいですね。

――中川さんの中に理想の母親像というのはありますか?

中川 難しいですよね。うちは父が早くに亡くなって、母は忙しく働いていたので。でも寂しくはなくて。なぜかというと、遅くに帰ってくる母を、私も夜型だったから待っていたんですけど、そうしたら疲れているだろうに一緒にスーパーファミコンとかで遊んでくれるんです。絵を見せたら褒めてくれるとか。今振り返るとそれはありがたかったですね。料理しないから遠足のお弁当は、ご飯の上にぐちゃぐちゃの苺が乗っているとか、ひどかったんですけど、それでも嬉しかったし。父が亡くなったから全然裕福ではなかったですけど、貯金をはたいてフロリダのディズニーワールドに連れてってくれたこともありました。東京ディズニーランドとは違う規模にすごいカルチャーショックを受けて、買ってもらったアリエルのセル画セットみたいなものはずっと宝物でした。それで絵を描くのがもっと好きになったし、そうやって、お金がなくても漫画やゲームや絵を描く道具は買ってくれたところがあって、そのすべてが役に立って20年の活動に繋がっているので、お母さんらしいお母さんじゃなくても人それぞれでいいですよね。家庭的で刺繍したりご飯作ってくれたりするお母さんもいいと思いますし、仲良しだったらいいんじゃないですかね。子供のことを命かけて愛しているなら。その上で、お母さん自身も疲れているだけではなく、自分が輝けるような大好きなことを一つでも持っていたら素敵だと思います。

――そこでも自分で自分を褒めることが大切ですね。

中川 昨日、美容院に行ったらたまたま帰りのエレベーターで青年2人に、TVでしょこたん部長と戦ったことがあるんです、って言われたんですよ。エア子育てさせてもらっていますね。最近、子供たちに届いていたらいいな、そうなってくれたらな、という夢が一つずつ叶って、一歩ずつ成仏に近づいてる気もしますけど、でも、夢の形や目標もどんどん変わってきていますね。

――新しい夢や目標というのは?

中川 今だと何だろうな? あ、元旦に入院したんですよ。

――ニュースになっていましたね。

中川 これまでは忙しかったり疲れたりしていても気合で何とかしていたけど、「そういうことじゃないよな」って思いました。長く歌い続けるためにも、朝早く起きて、3食ご飯を作ってちゃんと食べて、そうやって健康を意識するようになりました。腹筋を鍛えるためのアブローラーも100回くらいやり始めて、やったことないこと、食べたことないものにチャレンジし続ける年にしようと思っています。

――久々の写真集も決まりましたしね。

中川 芸能界デビュー20周年の節目に写真集を出すことができて本当に光栄に思います。男女問わず、多くの方に読んでいただきたいです。

――シングルのカップリング曲「雲の上に雲はなくて」では、「ヲ」ともだちの夢を後押しするYouTube企画の「ヲ」ーディションで選んだ17歳の子2人と共演しました。

中川 900人もの方が応募してくれて。番組でもないのにありがたいですね。あまりにも素敵だったので、急遽2人が合格になったんですけど、中村莉子さんはミュージカルもやっているのでとにかく歌がうまくて、いきなりオーディションでYOASOBIを歌いこなしていました。それでいて17歳にしか出せないピュアさがあり、「本当の僕を知らないくせに!」という心の叫びは中村さんだから出せる、17歳みのある会心の一撃でした。もう1人の安井 南さんはいきなりヌンチャクを持っての登場だったんですけど。私も17歳でデビューしたときに誰も周りの人はわかってくれなかったけど、家で映画をコマ送りしながらヌンチャクを練習していた成果をオーディションで披露していたのでデジャヴを感じました。TikTokの厳選クリエイターということで、「TikTok、ウェーイ」みたいな子が来るかと思っていたら、対極の、17歳なのにSNSをやっていないという、これまたピュアな子でした。

――一緒に歌ってみていかがでしたか?

中川 安井さんは初めてのレコーディングだったから緊張気味でしたけど、ヒャダさんが「ブースにヌンチャクを持って入ってみたら?」と提案したら、途端に声が柔らかくなったんですよね、やっぱり若いと一瞬で進化するんですよね。ヒャダさんは彼女には直球のディレクションをしていて、これから歌い続けるだろう中村さんには、ミュージカルっぽくとかハロプロっぽくとかいろいろオーダーを出していました。私も、17歳でデビューした頃のことを思い出しながら歌っていました。ソニーで音源が残るってすごいことだと思うし、でもその責任も感じながら、彼女たちがどうなっていくか楽しみですね。

――自分が17歳の頃を思い出すとどんな感覚ですか?

中川 自分の17歳の頃って危うかった気がしますね。グラビアや歌手といった夢が叶ったときの喜びがドーンってきたり、ネガティブに鬱になったり、表裏一体だったと思います。17歳って一番未知数で、思春期のぐちゃぐちゃのもやもやから抜けて大人になりつつあって、無限の進化の可能性を持っていますよね。ポケモンじゃなくてデジモンかもしれない。たまごっちかな?だから、彼女たちがどうなるかは関わる人たち次第なんですよ。多分、彼女たちからすると私やヒャダさんってめちゃくちゃ大人で、言われた言葉を言った本人よりも色んな意味に捉えるかもしれない。だからドキドキもしましたね。

――中川さんはどのような気持ちを込めましたか?

中川 最初、歌詞の内容が葛藤していたからささやくように歌おうかと勝手に悩んでいたんです。そうしたらヒャダさんから、「大丈夫、中川さんらしくアニソンのように元気よく」って言われて。(前山田健一が編曲した)「タイプ:ワイルド」をカバーしたときも、サトシの真似にならないかを心配していたら、いつものアニソンのお姉さんとして歌ったら「タイプ:ワイルド」になると言われ、迷いなく歌えたんですけど、今回もヒャダさんに鍵を外してもらいました。嬉しかったのは「やっぱり空が似合うね」って言われたんですよ。空って、まぶしさもあれば、夕方の綺麗な“Magic Time”もあれば、曇りも雨もあるし。色々と変わるけど、でも雲の上は絶対的な青い空なんですよね。ヒャダさんが飛行機に乗ったときに見えた景色から歌詞を思いついたらしいですけど、私もこの間飛行機に乗ったらまさにこれで。雲の上の絶対的青!悩みや壁が出てくるけど、あきらめなければ急に光がその先で差し込んでくるかも、と思うと頑張って生きるしかないですよね。それは17歳ではわからなかったことでした。

――歌詞に“僕は僕のまんまがいい”とあるように、「君のまんまが いいんだよ」に繋がる曲ですね。

中川 違った角度で自己肯定感を上げてくれますね。ヒャダさんによると、思春期の「うわっ!」っていう悩みを入れたらしいんですけど、大人になった今の私の悩みに重なるのはどういうことでしょうね。それがヒャダさんのすごいところです。

――前山田さんとは仲が良いのでレコーディングは楽しそうですね。

中川 ヒャダさんってレコーディングが天才的で。私が迷いながらブースに入るといつも見抜かれるんですよ。今回も、3人で歌ったことなんてないから合わせるようにちょっと引いた方がいいのか迷っていたら、「翔子ちゃんらしく、語尾がしゃくりあげる感じとかそのままで元気にやって」と言ってくれたので迷わず歌えました。ヒャダさんの言葉って的確で短くて、その人に合わせた一番わかりやすい言葉で、しかも褒めてくれるから、「あ、そっか」ってすぐつかめるんですよね。

――最近はYouTuberとしても活躍し、今回は母親役という新たな挑戦を超えた中川さんですが、今後についてはどのように感じていますか?

中川 最近思うのが「毎日本当に違うことをしているな」ということで。この間、パネルディスカッションをはしごする日があったんですよ。未来のSDGsについて語ったあとに、『朝日宇宙フォーラム2022』に出て。と思ったら歌う日があったり、イラストの締め切りがあったり。アニメに対するコメントを頼まれたら、ちゃんと見直して自分なりの好きなポイント見つけないといけないし。朝に『ひるおび』出てから、YouTubeを1週間分の3本撮りして、それから久々にゲーム実況をやったら楽しすぎて6時間やっちゃって。その全部が語彙は違うし、使う脳みその部位も違うんですけど、でも、好きなことをお仕事にできている人生だな、とは思うんですよね。なかなかそういうわけにはできない中で、ありがたい人生です。「雲の上に雲はなくて」の中に、“思い描いた夢が 傷にならぬように”という歌詞がありますけど、子供たちが見て「この大人の人、楽しそうだな」と思えるような、そんな背中でありたいと思いながら毎日仕事しています。

INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)


●リリース情報
中川翔子 ニューシングル
映画『しまじろうと きらきらおうこくの おうじさま』主題歌
「君のまんまが いいんだよ」
3月9日発売

【完全生産限定盤(CD+Blu-ray+グッズ)】

品番:SRCL-12050~2
価格:¥4,980(税込)

<CD>
1.君のまんまが いいんだよ
2.雲の上に雲はなくて
3.雲の上に雲はなくて -Self cover ver.-
4.君のまんまが いいんだよ -Instrumental-
5.雲の上に雲はなくて -Instrumental-

<Blu-ray>
1.「君のまんまが いいんだよ」 -Music Video-
2.「中川翔子 クリスマスディナーショー2021〜One for all〜」
(綺麗ア・ラ・モード/snow tears/ストロベリmelody/愛いっぱい、せいいっぱい/君のまんまが いいんだよ)

<グッズ>
ジグソーパズル(全3種のうちランダム1種封入)

【通常盤(CD only)】

品番:SRCL-12053
価格:¥1,300(税込)

<CD>
1.君のまんまが いいんだよ
2.雲の上に雲はなくて
3.君のまんまが いいんだよ -Instrumental-
4.雲の上に雲はなくて -Instrumental-

●作品情報
映画しまじろう『しまじろうと キラキラおうこくの おうじさま』
公開日:2022年3月11日(金)全国ロードショー

声の出演:南央美 高橋美紀 山崎たくみ 杉本沙織 井上喜久子 茶風林 稲葉実
三村ゆうな 諏訪部順一 下野紘 / 中川翔子
主題歌:「君のまんまが いいんだよ」作詞作曲:ヒャダイン/歌唱:中川翔子
監督:河村貴光 脚本:三浦浩児
アニメーション制作:アンサー・スタジオ 企画:こどもちゃれんじ
配給:東宝映像事業部
製作:ベネッセコーポレーション/テレビせとうち
協賛:イオンモール/カゴメ

©Benesse Corporation1988-2022/しまじろう

関連リンク

中川翔子オフィシャルサイト
https://www.shokotan.jp/

映画しまじろう「しまじろうと きらきらおうこくの おうじさま」公式サイト
https://kodomo.benesse.ne.jp/open/movie/2022/

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