INTERVIEW
2022.02.18
――続いては皆さんの『BORUTO』の印象をお聞かせください。
KEIGO 『BORUTO』を見始めたときには、火影になったナルトが出てきて、「あれ?めちゃくちゃ責任職で悩んでるじゃん!」「良かった!サスケはこんなふうになってくれたのね」と思ったり。後日談っぽいところが最初に入ってきたのが印象的でしたね。『NARUTO』の登場人物たちが出てくると、嬉しくなるんですよね。序盤は、当時のキャラクターが出てくる度に「ああ、良かった!」って思うような、そんな楽しみ方をしていましたね
TAKE ナルト世代の人たちはあんなにしっかりして偉くなっているのに、俺たちは全然立場が変わらないなっていうのはまず思っているところではあります(笑)。でも次世代のお話ですから。ナルトは火影だけど、ボルトは火影を目指さない、みたいな。でもサスケの娘のサラダは逆に火影を目指したり。その対比も新しい感じで面白くて、『NARUTO』とは違う『BORUTO』の良さも別の形であると思うし、そこにカワキがジョインしてきて、また新たなライバル関係が築かれたりとか。『NARUTO』の世界観だけどまったく新しい物語、今の感じを描いているなという印象を受けました。
Anly アニメも全部見ていますし、マンガも読んでいるんですが、新世代という部分で科学忍具が出てきたり、時代が進んだ、本当にNEXT GENERATIONSな世界観になっているなと思いました。でも受け継いでいるものもあって。仲間を大事にするところや、自分が言ったことは曲げない、というところもちゃんと受け継がれていて。そこをブレずにやっているところは『NARUTO』ファンとしても、『BORUTO』を見ていて楽しいなぁと思いました。あと、『BORUTO』世代の登場人物の個性も際立っているなって。平和になった時代だからこそ生まれた子たちなんだなとも思いましたし、ボルトが背負う運命も物語が進むにつれてシビアになってきて、また大きな戦いが起きるかもしれない雰囲気もあって。ファンとしてはドキドキワクワクとこの先の展開に期待を高鳴らせながら待っている状態です。
――そんな『BORUTO』でOPテーマ&EDテーマを担当されている皆さん。まずはFLOWの「GOLD」。どのような想いを持って制作されたのでしょうか。
TAKE 『NARUTO』でいうところの「GO!!!」、『BORUTO』でいうところの「GOLD」という立ち位置の曲になってほしいなと思っています。少年篇ということで同じ世代感でもあるし、『NARUTO』のときに「虹の空」までいった音楽性ではないところで、久々に若々しくはっちゃけた曲をやろうと思ったところがサウンドでも表現できたのではないのかなと思います。
――その楽曲に対してKOHSHIさんの書いた歌詞をご覧になって、どんなことを感じられましたか?
KEIGO この間ライブでもやったのですが、曲調については「これはどんどん化けていくんだろうな」と思わされましたし、ライブでも絶対に盛り上がるので、自分たちにとっても新たなライブ曲ができたなと思った部分はありました。あとは今、TAKEが言ったように、久々にはっちゃけた感がある曲ですが、KOHSHIの歌詞はまた少し違っていましたよね。「GO!!!」では自分たちはスクラムを組んで、「We are Fighting Dreamerだ!」って声高らかに叫んで、前へ進もうぜ!という感じで、今回の「GOLD」は、気持ちは同じような部分が乗っているけれど、どこかで俯瞰で見ているような言葉があるのが面白くて。バンドとしても少なからず20年近く色んな経験をさせてもらってきて、ここからまた新たなFLOWとして、今年20周年目に入る一歩を踏み出す意味でも、前のようななりふり構わないものとは違って経験値があるなかでの一歩になるから。そのバンドとしての感情も息づいているんだな、と感じました。
TAKE 今回制作側から、ボルトとカワキの関係を描いてほしい、という依頼があったんです。義理の兄弟であり、ライバルでもある。そこを意識しつつ歌詞に落とし込まれた部分があるのかなと思います。
――「GO!!!」から18年。あの頃には歌えなかった1曲だと思いますが、ここまで一緒に歩んできた戦友の子供たちの世代の歌。今だからこそ届けられたのは、どんなところですか?
KEIGO 歌詞に出てくる言葉は、2004年では出てこない言葉で。もしも同じ言葉だったとしても、当時は今のような様々な経験をしてきた想いは乗せられなかったわけですよね。あのときは「経験値がないからこその勢い」で「GO!!!」をやっていますが、「GOLD」は経験値を持った勢い。その、乗っているものの違いはあると思うし、20年経ってもFLOWはここからですよ!というものを歌えているんじゃないかなと思います。
TAKE とにかくめちゃくちゃ若作りをしましたね。
KEIGO NEXT GENERATIONSには負けねぇぞ、と。
TAKE ボルトやカワキを後押しする曲なので、俺らもNEXT GENERATIONSの立場での曲を歌うってことですから。
KEIGO 40代中盤に差し掛かった人たちが、忍び走りしてます(笑)。
Anly あはははは(笑)。
TAKE だから、サウンドスケープもそこを意識していて。最近ではストリングスを入れたりシンセを入れたり、アディショナル楽器も入れているんだけど、今回は3ピースだけ。ベース、ギター、ドラムの3点で作る、という若作りをしているんです。芯のある勢いを意識して作りました。
――続いてAnlyさんは「VOLTAGE」。スペルは違うけれど発音するとボルトがいます。そんな1曲で『BORUTO』のエンディングを飾るために、どのようなことを意識されましたか?
Anly 正直、「オープニングを奪うぞ!」って気持ちで書きました。エンディングだけど、次の話に向かっていくような「終わりではなく次に向かう曲」という想いで、「この曲をオープニングにしたいです」って言われるようなものを、と思って。「VOLTAGE」というタイトルは、もちろんボルトの発音にも掛けていますが、「ボルト」って電圧や、心の中のふつふつとした熱いものを感じる言葉だと思い、忍が戦うときの素早さとかも意識できるかなと想像してタイトルを決めて書いていきました。歌詞に関しては「カラノココロ」はすごく悩みながら書いた歌詞だったのですが、今回は最初から『BORUTO』のためだけに書こうと決めてカワキとボルトの関係性を意識して書き始めたんです。カワキはすごく辛い過去を抱えていてちゃんと暖かいものに触れたことがないですし、人からもらう愛に対してまだ慣れていなくて。でもナルトやボルトたちのおかげで、人に対しての怒りではない感情を抱き始めることがすごく感動した部分だったので、そういうところを織り交ぜながら歌詞を書いていきました。書いているうちに、自分自身への言葉になるというか。今はこういう世界になっていて、落ち込むことがたくさん起きる世の中になっているけれど、今からボルテージをアゲていかなくてどうするんだ!と自分自身や周りの人たちにも言えるような曲になったなと思います。
――その1曲がエンディングを飾る様をご覧になってどのような感想がありましたか?
Anly すごく感動しました。ボルトたちが雷車の上に乗っていて、景色がどんどん変わっていくのが“THE・青春”みたいな感じがして、素敵ですよね。そこにカワキはずっと座っていて、仲間が集まっていくところも感動しましたね。Aメロでトンネルに入るシーンがあるんですが、そこも曲調と合っていて、見ていて鳥肌モノでした。オープニングの映像もすごいですよね!
TAKE ヤバかった。
KEIGO とんでもないっすよね。
TAKE スタジオぴえろ、ありがとう!映画か!っていう感じで。
Anly 劇場版並みでしたよね。本当に。
TAKE サビの疾走感あるなかでのスピード感のあるみんなの動きも、サビをさらに盛り上げてくれたし、Bメロの次世代感がすごい。今回、ナルト世代の出ていないオープニングは初めてなんだよね。まさにボルト世代の人たちの活躍を後押しできるようなオープニングと曲のリンクになったのかなと思います。
――お互いの楽曲の印象をお願いします。まずはAnlyさん。FLOWさんの楽曲はいかがでしたか?
Anly 『BORUTO』のオープニングで初めて聴きました。映像と曲、タイミングもバッチリ。「Oi!Oi!」というところで拳を上げていくところもすごくリンクしていて、感動しました。最初のギターの音も大好きで、いつか生で聴きたい!と思いました。ギターのフレーズに三味線を感じるんですね。全編聴いたのですが、日本らしい雰囲気も感じてサウンド的にもすごくかっこいいなと思えた曲です。歌詞で一番印象に残っているのは“太陽に似ていた あの季節のように”。そのときにちょうどボルトがヒマワリを背負っているんですよね。私の中でヒマワリって太陽のイメージだから、あそこも勝手にグッときちゃって。オープニングでは、全編聴いたときに本来の最後の歌詞が前にきているんだということを知ったんですが、それ以外のサビも「BORUTO」を読んでいると当てはまっていく言葉がたくさんあって、聴いていて楽しかったです。
TAKE ありがとうございます!
――お二人からはAnlyさんの「VOLTAGE」の感想を。
TAKE 最高です。FLOW×GRANRODEOで『七つの大罪 戒めの復活』のOPテーマを担当したときの、EDテーマがAnlyちゃんで。サウンドスケープもすごく壮大な感じがあって勇ましいコーラスが入っていたり、小気味良いAメロから入っていきつつBメロの“道が崩れても闇に飲まれても”の部分はすごく革新的なメロにしてあってすごくアゲてくる。俺は勝手ながら「逆バンジーメロディ」と呼んでいるんだけど、そのBメロの最後のメロディも印象的だし、そのあとはループしながら推進力のあるメロディで進んでいって、サビで広がっていく感じはエキゾチックな感じもしつつ、チーム感や仲間感に繋がっていって面白かったなと。旅の始まりを予見させるサウンドスケープと歌の感じだったなと思っています。
KEIGO 多分に漏れず「オープニングじゃん!」っていう第一印象で。さっきも言ったんですが、「GOLD」はどこか俯瞰で見ているなかで示す「前へ進んでいこうぜ」っていうメッセージある曲ですが、Anlyちゃんはもう、ボルトたちが歌っている感じ。僕の中では最初のコーラスで全員出てきて肩組んで歌っているようなイメージなんです。ボルトたちが「ボルテージを上げろ」って言っているんだ!とすごく感じていて。ボルトのことだけを考えて作ったと聞いて納得しましたね。エンディングってどこか余韻を感じたり、物語の興奮が蘇るようなものが特徴だと思うんですが、鼓舞されるエンディングってすげぇなって思いました。アニメでいえば、来週の放送までこの熱から覚めなくていいんだ、逆に上げていく!というエンディングって素敵ですね。
――大変色濃いお話が伺えました。では最後に読者へメッセージをお願いします。
KEIGO またご縁があって『BORUTO』という作品に携われたこと、感謝しています。自分たちは『NARUTO』でアニメーションと出会わせていただいて、バンドの可能性と世界観を広げてもらいましたし、その戦友の、まさか息子の物語にまた携われることは本当に光栄なことで、それがまた自分たちのバンドの部分でももう一歩踏み出せるきっかけの曲にしていきたいとも思っています。この「GOLD」と共に『BORUTO』という作品をみんなと一緒に楽しんで、盛り上げられたら嬉しいです。そして、自分たちは曲でこの熱を全世界に伝えることができるので、それは続けていきたいなと思っています。
TAKE 我々にとって『NARUTO』シリーズは特別な作品で、今回その物語を楽曲で彩れたことは非常に嬉しいことなので、楽しんでいただければと思います。
Anly 『NARUTO』、そして『BORUTO』の作品に関わらせていただけて光栄です。わたしにとってもターニングポイントになるタイミングで楽曲を書かせてもらえていることにすごくご縁を感じていますし、この曲を聴いて、実生活でもボルテージを上げてほしいなと思いますし、ここから進んでいく物語も「VOLTAGE」と共に楽しんでください!
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
●リリース情報
FLOW
「GOLD」
先行配信中
『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』
新オープニング・テーマ
配信リンクはこちら
Anly シングル
「VOLTAGE」
2022年2月16日(水)発売
『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』
新エンディング・テーマ
【初回仕様限定盤(CD)】
品番:SRCL12042
価格:¥1,500
【初回生産限定盤(CD+DVD)】
品番:SRCL-12040~12041
価格:¥1,770
※DVD収録内容:MV+MVメイキング
<収録曲>
1.「VOLTAGE」
2.「大切なものはいつも歌の中にある」
3.「カラノココロ-MattCab&MATZRemix」
※『NARUTO-ナルト- 疾風伝』オープニングテーマソング
4.「VOLTAGEInstrumental」
© 岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ
FLOW 公式サイト
https://www.flow-official.jp/
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TAKE 公式Twitter
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『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』公式サイト
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/boruto/
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