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2022.02.11

【ライブレポート】多種多彩、変幻自在――BURNOUT SYNDROMES“全国ワンマンツアー2022「TOKYO」”レポート

【ライブレポート】多種多彩、変幻自在――BURNOUT SYNDROMES“全国ワンマンツアー2022「TOKYO」”レポート

BURNOUT SYNDROMES“全国ワンマンツアー2022「TOKYO」”が1月27日、Zepp Hanedaで行われた。当初2021年2月28日に開催される予定が、コロナによる自粛のため延期となり、さらに9月の日程もさらに延期され、約2年振り有観客ワンマンの公演となった。1月21日には“リスアニ!LIVE 2022”にも参加しているが、“リスアニ!LIVE”とはまた異なった魅力に溢れていた。

リスタートを告げる「Good Morning World!」

リスアニ!WEBでのインタビューにある通り、熊谷和海(G、Vo)が、映画「2001年宇宙の旅」にインスパイアされたという、リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」モチーフのオープニングに引き続き、「Good Morning World!」からスタート。いうまでもなく、『Dr.STONE』のオープニング曲である。人類の突然の石化現象から3700年の時を経て、文明をやり直すストーリーが、コロナによる延期を経た本ツアーとより深くリンクする。“リスアニ!LIVE”では「キミの半分は水」と変えて呼びかけた歌詞は、“人体(ヒト)の半分は水”に戻ったが、歌詞のあとに「そうだろ!」という熊谷の強い同意が差し込まれる。“何だってなれる 定型は無い”という歌詞には、コロナという社会的な変異を乗り越えてこの場に集まっているというのだという確信、「おはようTOKYO、あなたに会いに来ました」という曲の締めにそれが顕著に表れる。続いて『BLACK LAGOON』の空気感を表現したかったという「ロザリオをはずして」、さらに、メジャー1stアルバム『檸檬』から、「エレベーターガール」。『ハイキュー!!』で清水潔子を演じた声優名塚佳織が語りを務めるこの曲は、コロナ以前の日常のフラッシュバックである。

4曲目は、声優、シンガーである駒形友梨に提供した「Love is Action!」のセルフカバー。「ライブを作るのはあなたのアクション、手拍子聞かせてください」という石川大裕(b、cho)の語りかけは、ステージと客席を繋ぐ唯一のアクションがクラップであるという現実へのエクスキューズでもあるが、その声に応えるように会場はリズミカルなクラップに包まれた。そして、「世界は愛で満ちている」へと続く。ウェディングソングのあとは、「賭博黙示録カイジ」をイメージしたという「邪教・拝金教」である。

MCでは、「『TOKYO』というアルバムだけに、東京公演は特別である」と語る熊谷に、石川が「特別な日に皆さんの声が聞きたい」と無茶ぶり、無論発声でのコミュニケーションはできないので、そのためのLINEアカウントを作り、客席のファンとやりとりをする企画「LINEでトーク」がスタート。石川は、廣瀬拓哉(ds、cho)の出したお題でファンと競ってみたり、人生相談に乗ってみたり。そんな企画がフリになって、続く曲は「Wake Up H×ERO! feat.炎城烈人」のカップリング「Love is @ U.F.O」。「ギターボーカルは痩せる」とぼやく熊谷に、日本一ハンドマイクが似合うという石川。先日の“リスアニ!LIVE”以来、ハンドマイクで歌いたかったらしく、隙があったらこの曲を振ってくれと石川に言っていたらしい。(余談だが、UFO繋がりで思い出されるのが来場者に日清焼きそばUFOが配られた“閃光ライオット2010”。このイベントで彼らは準グランプリを獲得している)

バラード、ロックと観客のテンションを翻弄する後半戦

コロナ禍のこの2年間は人流の制限などがあり、対面で感謝の気持ちを簡単に伝えられなかった熊谷は、メンバーやファンの大切さを痛感したという。そんな彼が眠れぬ夜に書いた「模範囚」が続く。アルバムの中でもっともメッセージ性が強いこの曲のもっとも歌詞の強いパートを「このツアーTOKYOで俺はそう思ったんだ」と変えて歌う。水を打ったように落ち着いた客席に着席を促し、ファンへの想いを乗せた「逢いたい逢えないfeat.CHiCO (CHiCO with HoneyWorks)」へと繋ぐ。アルバムではCHiCO with HoneyWorksのCHiCOをゲストに迎え、“リスアニ!LIVE”では対バンの形でCHiCOとコラボレイトしたバラードである。

配信ライブはあったものの、直接会えない期間が長かったという廣瀬は、ツアーが始まってみて、直接会えることのありがたみと感謝を噛み締めていた。石川も歓声のなさに慣れすぎて、新鮮で幸せだという。一方熊谷は、デビューしたての無観客だったころを思い出し、観客0がデフォだったから、配信ライブは怖くなかったと嘯く。

そこからの「BLIZZARD」。TVアニメ『ましろのおと』のOPテーマであるこの曲は、主人公澤村 雪役、島﨑信長の語りが入り、アルバムでは語りなしの「Smoked Sliver Ver.」が収録されたが、今回は、語りありのシングルバージョンで披露。和ロックは、会場の空気を変えるのに十分である。続いて『ましろのおと』の2nd OPテーマである『銀世界』へ。メンバー全員が疾走感と一体感を感じるこの曲はライブでの演奏が楽しみだと言っていたが、実際、客席の温度が上がるのがわかる。

そして、そこからの「PHOENIX」。TVアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』のOPテーマであるこの曲は、四番バッターだというだけあって、必殺技級の破壊力である。曲中、ライブではお馴染みのメンバー紹介からの「あなた(観客)を含めてBURNOUT SYNDROMESです!」も飛び出す。「皆さんの最高速はそんなもんじゃないですよね」と、さらに煽る石川のMCに続くのは「FLY HIGH!!」。メジャーデビュー1stシングルにして、『ハイキュー!! セカンドシーズン』のOPテーマ。「BLIZZARD」から始まり「FLY HIGH!!」へと収斂していく流れは完璧と言わざるを得ない。どこまでも高く高くステージ観客が一体となって上がっていく。そして最後に「Hikousen」。アルバムでは「模範囚」とセットとして作られ、別れと再会を歌う曲。歌詞の最後を「この広い世界のどこかでまた会いましょう」としてライブを締め括った。

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