高橋 李依、楠木 ともり、芹澤 優が演じるアイドルキャラクターたちと、実際に手紙のやりとりができる話題のキャラクターコンテンツ「Princess Letter(s)! フロムアイドル」(以下、「プリレタ」)。リスアニ!WEBでは、声優×ポエトリーリーディング楽曲という新鮮な試みを含め音楽面でも見逃せない本作を全5回にわたって特集。その第4弾となる今回は、感情を表に出すことが苦手ながらも、憧れのアイドルになることを目指す女の子・水茎あやめ役の楠木ともりにインタビュー。自身が演じるキャラクターや初挑戦となったポエトリーリーディング楽曲、待望のアイドル楽曲「よあけのあやめ」の印象などについて語ってもらった。
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――最初に「Princess Letter(s)! フロムアイドル」のお話をいただいたときの印象をお聞かせください。アイドルのキャラクターと手書きの「お手紙」でやりとりができるということで、驚かれたのでは?
楠木ともり 夢のようなコンテンツであると同時に、どうやってそんな素敵なことを実現させるんだろう?と、システム自体にとても興味が湧きました。アイドルと自分だけの秘密のやりとりが「お手紙」でできるなんて……奥ゆかしくて、もどかしくて、とってもドキドキしますよね。
――出演のオファーをいただいた際、運営サイドから実際に「お手紙」をいただいたそうですね。
楠木 お手紙で出演オファーをいただくなんて初めての経験で驚きました。そしてとても嬉しかったです。「お手紙」がキーワードとなるコンテンツのスタッフさんが、お手紙そのものを大事にされていることに、ものすごく大きな愛を感じました。書いてあることも、愛が溢れる心温まる内容でした。詳しいことはもちろん内緒ですが、いただいた言葉を胸に精一杯あやめちゃんを演じることができています。
――楠木さんが声を担当するキャラクター「水茎あやめ」は、一度は諦めていたアイドルになる夢を叶えるため、自分なりのアイドル活動を行っている物静かな女の子。彼女にはどんな印象をお持ちでしょうか。
楠木 アイドルらしさである“眩しい”“華やか”“笑顔”のようなイメージではなく、少し危うさがあるような、支えてあげたくなるような、儚く消えてしまいそうな印象があります。苦手を受け入れて、それでも乗り越えて、誰かのために、憧れのために頑張ろうとする強さが大好きですし、応援したくなります。ギャップが多めなのもかわいらしいです。
――necömiさんが手がけたキャラクターデザインの印象はいかがですか?
楠木 黒髪ストレートで儚くて透明感のあるキャラクターデザインが魅力的なのはもちろんのこと、ポージングのなかに見える指の先まで綺麗な所作が素敵です。
――そんな彼女を演じるにあたり、意識していることを教えてください。
楠木 まずは感情の起伏を付けすぎないようにすることです。3人で話していると、つい2人(雁矢よしの、金魚鉢たより)の雰囲気につられてしまいそうになるのですが、頑張って抑えています。声質はキャラクターデザインに大きく影響を受けていて、芯と儚さが両立するように意識しています。滑舌はあえてはっきり強く発音しすぎないようにしていて、柔らかくおしとやかな表情が表現できたらなと思っています。
――水茎あやめは、とある女の子との出会いと、その子からの「お手紙」がきっかけで、自分の夢と憧れを叶えるために頑張る決心をした過去があります。楠木さんも「誰かの言葉」をきっかけに新しい一歩を踏み出せたような経験はありますか?
楠木 それはもうたくさんあります。応援してくださっている皆様からいただく一言一言が嬉しいですし、家族、友人、一緒にお仕事させていただく皆様もそうです。特に印象的なものを1つ挙げるとするならば、以前演じさせていただいたとある作品の原作者の先生からいただいた言葉です。自信がない自分に勇気と自信を与えてくださいました。今でも忘れられない言葉です。
――「プリレタ」の特色の1つとして、「キャラクターソング×ポエトリーリーディング楽曲」という新たな試みがあります。楠木さん演じる水茎あやめも何曲か歌っていますが、楠木さん自身はこれまで、ポエトリーリーディングの楽曲に触れたり、自分で歌ってみたことはありましたか?
楠木 ポエトリーリーディングのようなパートが含まれる楽曲を聴いたことはありましたが、全編ポエトリーの楽曲は聴くのも挑戦するのも初めてでした。セリフのように自分で間やテンポを作り出せないし、歌に使う技術とも違うので新鮮なことばかりですが、難しいぶん、考えながらやり方を模索できて楽しいです。
――初めてポエトリーリーディング楽曲をレコーディングするにあたり、何か参考にしたものはありましたか?
楠木 ポエトリーとは違う気がしますが、「恋愛サーキュレーション」(TVアニメ『化物語』のキャラクターソング)はラップの中にセリフっぽいニュアンスを感じるので頭にイメージしていたのと、参考用にいただいたポエトリー楽曲も聴かせていただき、レコーディングに臨みました。
――あやめによる最初のポエトリーリーディング楽曲「水茎あやめの話」のレコーディングで印象に残っていること、特にお気に入りのポイントを教えてください。
楠木 あやめちゃんは感情をあまり外に出さないのですが、内に秘めた強い気持ちが徐々に溢れて出していくような、楽曲が進んでいくにつれて印象が変わっていったらいいなと思っていました。「ここがお気に入り!」というよりも、その流れこそが美しい楽曲だと思っています。ぽつりぽつりとこぼれる一人の空間から始まり、次第に抑えきれなくなり、もしもの未来に向けて一歩を踏み出すあやめちゃんの感情変化を受け取っていただけたら嬉しいです。
――その後、雁矢よしの、金魚鉢たより、水茎あやめの3人によるポエトリーリーディング楽曲「Spring Letter(s)!」も発表されました。こちらのレコーディングはいかがでしたか?
楠木 よしのちゃんとたよりちゃんが明るい雰囲気なのですが、そこはあまり意識しない方があやめちゃんらしさが出るかなと思い、ソロとの変化はあまりつけませんでした。あやめちゃんにはないエッセンスがたくさん散りばめられていて、かつ埋もれることなく3人の個性がそれぞれしっかりと出ているのが素敵だなと思います。最後のあやめちゃんパートは、あやめちゃんにしか出せない表情が必要だと思ったので、ものすごくこだわって収録させていただきました。
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