INTERVIEW
2022.01.19
――収録順に各楽曲について伺います。先行配信シングルの「フォーチュンテラー」については以前のインタビューでもじっくり語っていただきましたが、今回はお互いの歌声で好きなポイントを教えてください
村上 田中は“はじけろ sweet popcorn”のpopcornの言い方がかわいい。
田中 ありがとう。あそこは自由に発音させてもらったんだよね。私はなっちゃんのソロなら最初の部分が好きかな。「フォーチュンテラー」は2人の英語でのユニゾンで始まって、そこから“ブラックキャット私のSP”というなっちゃんのソロになるんですけど、それが曲の世界観にピッタリ。聴いていてすごく「この曲はこういう感じ」「かわいい声で弾けていて元気になれるんだな」と伝わるし。
村上 でも逆に、田中の声にもみんなびっくりしてるよ。私も「田中かっこよ!」って驚いたし。
田中 キャラクターの声のイメージが強い人はそうだよね。でも私は地声が高くないから。
――2曲目の「silly silly silly」を初めて聴いた際、お二人はどんな印象をお持ちでしたか?
田中 「ガチなロックがきたな」です。「フォーチュンテラー」は弾けたガールズロックでしたけど、「silly silly silly」は男性が歌ってもすごくかっこいい感じのロックだなと思っていました。しかもデモでは男性が全部英語で歌っていたから、なおさら「これを私たちが歌うとどんな感じになるんだろう?」ってイメージが付かなかったんです。
村上 さすがTHE BAWDIESさん。
田中 でも、2人の声が合わさるとまた全然違った印象の曲になって、男性が歌っても女性が歌ってもすごくかっこいい曲なんだなと思いました。
村上 私はいつもは感情を大事にして歌うんですけど、「silly silly silly」は感情だけでなくテクニックも求められる歌ですごく苦戦しました。田中はすんなりクリアしていたんですけど、私は「頑張らねば」と思い、焦ってしまって。練習も時間がかかり、大きな壁にぶつかった曲でした。
田中 なっちゃんはそんなふうに「私全然できなくって」という感じだったんですけど、「そんなことないよ」というところもたくさんあって。例えば最初の私のソロのあとのなっちゃんのソロの“分かんない”のところとかすごく上手にできてるから。私的には100点だと思ったんですけど。
村上 嬉しい!ライブでもできるように頑張ります。
――テクニカルな曲ということですが、特に苦戦したところは?
村上 2番の終わりにある「アォ!」っていうところです。THE BAWDIESさんの曲によくある合いの手というか。仮歌ではなかったんですけど、現場で入れることになりました。
田中 自分たち的には犬にしか聞こえなくって……(笑)。私はあれはあれで成り立ってると思うんですけど。
村上 そこを田中は上手にできてて。
田中 嘘!あそこは私も苦戦したよ。正解がわからなさすぎて、ちょっと半泣きになった。何回も何回も「アォ!」って言ってるけど、これでいいのかなって思いながら。
村上 でも出来上がった楽曲では、田中の声がよく聞こえるよね。
田中 ありがとう。私は「silly silly silly」はキーが少し低いので比較的歌いやすかったです。なっちゃんはどちらかと言えば高いほうが歌いやすいよね。だから低い声のなっちゃんはレアなので、この曲でたくさん楽しんでいただけると思います。
――3曲目の「リブラ」は同じ男性のことを好きになった友人同士の女の子2人の曲ですね。
田中 私は音楽を聴くのが好きなんですけど、歌詞よりはサウンドやメロディが好きというタイプなんです。でも「リブラ」はノリノリのロックサウンドもさることながら、歌詞を見たら恋愛と友情の間で揺れる、めっちゃいじらしい女の子たちが主人公で。それがかわいらしいし、サウンドとのギャップがあってやられました。
村上 私はNACHERRY初の恋愛曲キター!って感じでした。でも歌詞を見たりレコーディングしたりしている段階では、1人の女の子の気持ちの歌だと捉えていたんですけど、田中と私がパートを分けて歌った楽曲を聴くと、女の子2人が1人の男の子を取り合っているように聞こえて面白かったです。
――ちなみにこの歌詞のように恋愛と友情のどちらかを選ぶような状況になった場合、お二人ならどちらを選びますか?
村上 そんな状況にまずなったことがない!
田中 でも、ここはイメージ壊さないように友情と答えておきます(笑)。そういう人間でありたいよね。でも正直、自分の両親を見てると恋愛関係は永遠に続くものでいいなと思うんですけど、「リブラ」の主人公は思春期の女の子ですよね。さすがに高校生だとずっとは続かないことが多いと思うから(笑)。
村上 その点、友情は長く続くよね。私も高校生の時から10年以上付き合ってる友達がいるし。もしその子と同じ人を取り合うことになったら多分譲っちゃうから、やっぱり友情かな。
――4曲目は誕生日がテーマの「HAPPY NACHERRY BIRTHDAY」です。ややアメリカンロック感は薄いですが、お二人の印象は?
田中 アメリカンロックを少しバラードに寄せたらこうなるのかな、と。あと海外って誕生日を盛大に祝うじゃないですか。庭で長いテーブルを出して料理がいっぱい置いてある、みたいな。その様子をイメージしながら、私だと身近ななっちゃん、なっちゃんだと私を思い合って歌いました。
――なるほど、世界観がアメリカンというのはたしかに納得です。
村上 田中が言ったように、この曲はテーマが明確にあったのでイメージしやすかったです。例えば2番の最初の“スマホ見て迷子になって 不思議だよね そんな時の君の言葉は魔法”という状況になったことはないけれど、もし私が迷子になって「助けて!」となったときに田中に連絡したら「とりあえず落ち着いて」って優しい言葉を言ってくれるだろうなと。だから感情を入れやすかったです。
田中 なっちゃんと同じで、私もこの曲はイメージしやすかったです。語り掛けるように「なっちゃんに届け」という気持ちで歌えたので。あと、この曲のなっちゃんはすごくお姉さんっぽいよね。
村上 そう?田中はほかの曲ではかっこいいけど、この楽曲ではかわいくって。そのぶん、私のほうが少し男らしくなったかも。田中を思って歌ったらこうなりました。(笑)
――そしてミニアルバムを締め括るのは「パールを落としたマーメイド」です。これは寓話的というか抽象的な世界観の楽曲ですが、お二人はどんなふうに捉えましたか?
田中 私達のラジオにコメントで出演された作詞家の岡田マリアさんが仰っていたように、たしかに現実的な歌詞ではないですよね。個人的には少女マンガみたいな曲だなという印象を受けました。しかもどちらかと言えば悲しい物語。でも聴いてくれる人が元気になってほしいという想いも感じられたので、その気持ちを込めて歌いました。
村上 私は、自分の人生とすごく重なるものがあって、リアリティを感じました。この曲で歌われる「パール」って自分が抱えている重みやトラウマみたいなもので、それを投げ出してもいいんだよと言ってくれているような曲なのかなって。そのメッセージが私にはすごく響いて聴いていてぼろ泣きしたし、同じように響く人がいるんじゃないかと思ったので大切に優しく歌いたいなと思いました。
――たしかに切なさのある曲調もあって泣ける1曲ですね。
村上 後半に向かうにつれて盛り上がるし、歌詞もどんどん感情が昂ぶるような内容なんですよね。最後のほうは私のパートに田中のパートが重なるようになっていて、そこで田中の歌っている“泣かなくていいよ”が優しい歌い方で泣けるんですよ。
田中 “泣かなくていい”って言ってるのに(笑)。
村上 この曲は泣いていいと思う!それくらい響く。
田中 逆になっちゃんの最後のソロパートには、あまり後ろの音がないんですよ。だから歌声がよく聴けて、だからこそすごく伝わるものがあって好きですね。
――そんな聴き応えたっぷりのミニアルバムですが、ここからは特典やグッズについて伺います。まず完全数量生産限定盤の特典としてフォトブックやアクリルスタンドに加えて、オリジナルサイコロが封入されています。これはなぜでしょうか?
村上 アルバムのコンセプトが「おもちゃ箱」だったので、すごろくで遊べるようにサイコロが入っています。面白いし、ほかと被らないしいいですよね。
田中 かわいくて、見てるだけでも楽しい。
村上 クリスマスに配信した生放送で、私たちもこのサイコロを使ってすごろくで遊んだんですけど、止まったマスの文言も面白かったです。
――たしかにユニークなアイテムですが、デビューミニアルバムでサイコロを付けてしまうと今後の特典のハードルが上がるかなと。
村上 たしかに(笑)。
田中 今回はおもちゃ箱というコンセプトだったからサイコロでしたが、今後もテーマに沿った特典があるかもしれませんね。
――ちなみにアクリルスタンドは、自分のものを机に飾ったりするのでしょうか?
田中 うーん、飾りません!
村上 実家の両親はすごく喜んで「欲しい」って言ってたなあ。
田中 私は、なっちゃんのと2人セットだったら、TVスタンドとかに飾ってもいいかもしれないけど……。
村上 でもやっぱり恥ずかしいので机には飾らないかな~。
――またデビューミニアルバム発売記念のグッズも発売されています。お薦めのものはありますか?
村上 2人とも多分共通しておすすめなのがアクリルキーホルダーです。私たちがキャラクター化されているんですけど、私この絵がすごく好きで。
田中 私も!
村上 元々アメリカの『パワーパフガールズ』が大好きなんですけど、そういうテイストの絵柄で。2人のイラスト化はNACHERRYがスタートするときからやりたいという話をしていました。想像していた以上に私たちに寄せて描いてくださって嬉しいです。あとはTシャツですね。皆さんにこれを着てライブに来ていただきたいです。
――そのNACHERRYの初ライブイベントが3月12日に開催されます。どんな内容になりそうでしょうか?
田中 私たちもまだどうなりそうかわかっていませんが、最初のライブイベントで決して大きい会場でもないのでお客さんとの距離感も近いんじゃないかなと。みんなとコミュニケーションが取れるようなライブにできればいいなと思っています。
村上 初めてなので色んなことに挑戦したいですし、そこで見える初々しさも楽しんでほしいです。
――最後に、NACHERRYとしての2022年の目標を教えてください。
村上 声優として私たちのことを知って応援してくれる方もいると思うんですけど、個人的には今年は「NACHERRYから私たちのことを知った」という方を増やしたいですね。
田中 私も同じです。元々私たちのことを知っていて聴き始めてくださるのももちろん嬉しいですけど、NACHERRYというアーティストとしても知って欲しいですね。「NACHERRYいいよ!」と周りの人に広めてもらえるように頑張り、ライブやイベントをたくさんできるようになればいいですね。
INTERVIEW & TEXT BY はるのおと
●リリース情報
デビューミニアルバム
『CANDY SUNDAY』
2022年1月19日(水)発売
【完全数量生産限定盤(CD+ Blu-ray)】
価格:¥6,050(税込)
品番:LACA-35929
仕様:フォトブック、アクリルスタンド4種、オリジナルサイコロ2個、豪華BOX仕様
【通常盤(CD)】
価格:¥2,200(税込)
品番:LACA-15929
<収録内容>
[CD]
01.フォーチュンテラー
作詞:岡田マリア 作曲・編曲:山田貴洋
02.silly silly silly
作詞:岡田マリア 作曲:TAXMAN 編曲:TAXMAN、山森大輔
03.リブラ
作詞:岡田マリア 作曲・編曲:TAXMAN
04.HAPPY NACHERRY BIRTHDAY
作詞:岡田マリア 作曲:山田貴洋 編曲:山田貴洋、山森大輔
05.パールを落としたマーメイド
作詞:岡田マリア 作曲・編曲:山森大輔
<Blu-ray> ※完全数量生産限定盤のみ
01.「フォーチュンテラー」Music Video
02.Music Video & Photo Shoot Making
<PROFILE>
NACHERRY(ナチェリ)
声優として活躍中の村上奈津実と田中ちえ美がユニットを結成し、Lantisよりアーティストデビュー。ユニット名「NACHERRY(ナチェリ)」は、自身の名前「奈津実」と「ちえ美」をかけ合わせ、“さくらんぼのように2人でひとつ。楽しいことは2倍楽しんで、足りないところは補い合おう!”という想いで、2人が名付けた。NACHERRYは、『好きなものに真っ直ぐな、遊び心を忘れない少女のように。ずっとずっと、ワクワクする。』というコンセプトのもと活動する。カラフルでポップな2人が、ポジティブで力強いアメリカンロックを歌い、ワクワクを届ける。
NACHERRY Official HP
https://nacherry.jp
NACHERRY Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCidjZB0LX5l8aKzjLN0-1ZQ
NACHERRY Official Twitter
https://twitter.com/NACHERRY_STAFF
NACHERRY Official Instagram
https://www.instagram.com/nacherry_official/
村上奈津実 Twitter
https://twitter.com/natyaaaaaaan07
田中ちえ美 Twitter
https://twitter.com/t_chiemi1006
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