INTERVIEW
2021.12.28
――続いては、こちらも先行配信されていた「Guns & Loudness」ですが、こちらは一転してハードロッキンな作風になりましたね。
小笠原 そうですね。やっぱり僕がこのソロを始める前に、「from ARGONAVIS」という作品でGYROAXIAというミクスチャーロックバンドをリアルバンドとして活動させていただいているなかで、やっぱり自分のやりたい音楽ジャンルの中でロックというものはずっと切っても切れない存在としてあって。基本的にはGYROAXIAというバンドの中でロックサウンドってたくさんやっているんですけど、だからといってソロではやらなくていいかとはならないくらいロックは好きなので、頻度を多くするかは置いておいて、1曲こういう曲はやりたいなと。この曲はコンペティションだったんですけど、30曲くらいの中から選ばせていただいて、このデモの曲が一番イメージが合うかなと選ばせていただいた曲に、RUCCAさんに歌詞を書いていただき、この攻撃性の高い曲が出来ました。
――やはりこうしたアグレッシブなロックというものは小笠原さんのルーツの1つであると。
小笠原 はい、こういうサウンドは絶対取り入れていきたい思いの表れでもありますね。
――そして続いては白戸祐輔さんの作編曲となる「Out of the Frame」です。
小笠原 この曲も作詞はコンペティションだったんです。元々プロデューサーとも英歌詞の曲もやりたいですねって最初の頃から話していて、じゃあ次の曲でやってみようってお話になったときに、白戸さんの曲がすでにあって、それがメロディもすごく印象に残る特徴的なフレーズが多かったんです。メロディに最初からドラマがあると、自分の中でもどういうふうにドラマを乗せていこうかなと思うんですが、そんなワクワクがこのデモを聴いたときからあって。であれば、この曲で英詞にチャレンジしてみたいですって流れがあった気がします。
――そこでこうした英語の多い歌詞になっていったと。
小笠原 ただ、コンペティションで募集した際に30曲近くあったのですが、全部の歌詞がポジティブで爽やかなものが多くて、自分の中ではこの方向じゃないなって思っていたんですよ。でもその歌詞の中で、やたらと英語が堪能な方がいるなって思って、それが作詞を担当してくださったsoranoさんだったんですよね。僕も英語できるわけではないんですが、明らかに「おや、相当英語をやられている方なのかな」って思うくらい言葉選びとか単語選びが日本人っぽくないなって。聞いてみたらアメリカ在住の日本人の作詞家さんで、じゃあ今回やろうとしていることに適任かもしれないと思い、お願いすることになりました。そのあとに、この曲でやりたいことを定めていこうとなって。
――そこでsoranoさんにはどんな歌詞を発注したんですか?
小笠原 オルタナティブロックやミクスチャーロック、聴感上はアニメーションのオープニングになりそうな王道サウンド、メロディラインも真っ直ぐ刺していくような感じのものだったので、歌詞でそれとは真逆なことしてみようと、とにかくネガティブな感情をこの曲に込めたいと思ったんです。
――あえてネガティブな歌詞にしようと。
小笠原 僕は生来ポジティブな人間で、本当に悩みとか一晩以上持ち越すことはないポジティブモンスターなんですけど、物事を考えるのが好きだしそういう性分なので、ネガティブな題材に対して考えることはあるんですよ、それで落ち込んだりはしないですけど。ちゃんと考えて自分の中で1つ出た持論的なもの、それがポジティブなものだったら自分から語るじゃないですか。でもマイナスなことって人前で話しても利のあるものではないし、別にそもそも共感してほしいってメンタルにあまりなったこともないので、ネガティブな持論が生まれてもそれをアウトプットする場がなくて。そこで「そうか、だったらそれは音楽で全部出していいかもしれないな」って思ったんです。
――なるほど。
小笠原 このお仕事をしているなかで声優や俳優、歌手っていう存在は、絶対に自分1人ではできない仕事で、常にお客さんや業界内で関わらせていただく方々の他者評価というか、自己評価だけじゃどうしようもない世界だと思っていて。常に誰かの認識内に居続けないと、自分がどれだけベストパフォーマンスを発揮できるような状態であってもその認識の外に出てしまっては意味がないよねみたいなことを考えていたことがあったんです。じゃあそういうものを1stシングルで出しちゃうのもいいなと思って、そういういう意味合いのものを箇条書きにしたメモをsoranoさんと共有して書き上げていただいたものが、今この形になっています。
――最初の作品でそれをやり切るということも含めて、小笠原さんのそういった側面が見られるのは新鮮だと思います。
小笠原 最初はそういうネガティブな歌詞じゃなくてもいいかなというタイミングもあったのですが、ネガティブな自分の思いを語るなら、それこそ作詞まで自分でやったほうがいいのかなと思ったんですよね。でもプラスなことって日本語で歌詞にすると気持ちよかったりするんですけど、ネガティブな日本語歌詞って聴いていて疲れちゃわないかな?って。でも英語だと、それこそ自分が好きなリンキン・パークもサウンドはすごく攻撃的ですが、歌詞はめちゃくちゃ鬱屈としたもの書いていて、ああいうやり方は一番良いプリセットなのかなって。
――全4曲の中で様々なサウンドアプローチが見られ、そこで語られるテーマも様々な1枚となりましたが、本作を経た今後、2022年はどんなことをやってみたいですか?
小笠原 やってみたいことを挙げ出したらキリがないほどありますけど、抱負として1つにまとめると、とにかく今まで以上に頑張っていきたいですね。自分が現状皆さんの前で披露するに足るスキルはアーティスト活動のなかで余すことなく披露していきたいと思います。
――とにかく小笠原 仁のすべてを出すアーティスト活動にしていくと。
小笠原 そうですね。あと、自分が昔から歌と同じぐらい好きな絵を描くという趣味も、歌詞カードなどに自分で描いてみたりしたいですし、もちろん自分で曲を作ったりしてみたいです。これは夢ではなく、そう遠くない未来にやるということで考えています。もちろんダンスにも挑戦したいですね。アーティストとしてデビューするとはいえ、昨今の声優という職業の界隈に身を置いているゆえ、マルチな性分が身につきすぎていて(笑)。
――なるほど(笑)。自分の多岐にわたる趣味性を存分に出す場でもあるわけですね。
小笠原 本当に幅広く色々と自分の小さな好きを叶えるということを声優業でもやらせていただいたので、そういうモチベの元作っていくものってソロアーティストの活動の音楽という面でもその魅力は変わらないのかなと。そういう意味では声優の関わり方と近いモチベーションなのかなと思います。作詞ももっとやっていきたいですし、自分でも英歌詞が書けるように今めちゃくちゃ英語を勉強しているんですけど、全然やっぱり拙くて……勉強もしつつ、自分が楽しそうだな、面白そうだな、音楽に紐づけるものだなって思ったものは余すことなく1つ1つやっていきたいと思います。
――来年もどんな小笠原さんが見られるのか、楽しみにしています。
小笠原 あ、そうだ。あとお客さんからは「おがじんはインキャだから恋愛経験乏しいよね」って言われるんですけど、ちゃんと経験あるぞってラブソングを作りたいですね(笑)。
――証明のためのラブソングを!(笑)。
小笠原 絶対、これは絶対書くので!豊富じゃないけど経験はあるぞ、舐めんなよっていうところを見せたいです(笑)。
――これも見たことのない小笠原さんの一面になるかもしれないですね。
小笠原 ラブソングは2曲作りたいと思っていて、1つは舐めんなよっていうガチラブソングで、もう1曲は恋愛にうつつを抜かさずにギャルゲーばっかりやっていた中学時代に溜め込んだ、ギャルゲーの知識だけを詰め込んだラブソング。この2曲を作ります(笑)。
――わははは、きっと皆さんは後者を聴いたら「キター!」ってなりますね(笑)。
小笠原 「これこれこれ!」って(笑)。楽しみにしていてください。
INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一
●リリース情報
「TURBO」小笠原仁
発売中
【DVD付盤】
品番:BTMC-0005
価格:¥3,300(税込)
【通常盤】
品番:BTMC-0006
価格:¥2,420(税込)
<CD>
01. TURBO ※新曲
02. Guns&Loudness
03. Out of the Frame ※新曲
04. Only one thing
05. TURBO – off vocal –
06. Guns&Loudness – off vocal –
07. Out of the Frame – off vocal –
08. Only one thing – off vocal –
<DVD>
・TURBO Music Video
・Only one thing Music Video
・TURBO Music Video – Making –
封入特典
・DVD付盤のみ 初回封入特典
小笠原仁直筆サイン入りCD(盤面に本人サイン)をランダム封入
・DVD付盤、通常盤 共通 初回封入特典
小笠原仁プリントサイン入り生写真 ※全5種類のうち1枚をランダム封入
オリジナル店舗特典の詳細はこちら
※絵柄は各法人ごとに異なる小笠原仁撮り下ろし写真を使用します。
※特典は無くなり次第終了となります。予めご了承ください。
※店舗により特典がつかない場合がございます。詳しくは店舗にご確認ください。
小笠原仁「TURBO」応援店特典キャンペーン
小笠原仁デビュー1stシングル「TURBO」の発売を記念して、対象商品を下記店舗にてご購入いただいたお客様に応援店特典「告知用B2ポスター」を先着でプレゼントするキャンペーンを実施決定!
応援店特典実施店舗
アニメイト(通販含む)
あみあみオンラインショップ
ゲーマーズ
ステラワース
ソフマップ・アニメガ
タワーレコード(一部店舗を除く)
TSUTAYA RECORDS(※一部店舗除く)/TSUTAYAオンライン
とらのあな全店(一部店舗除く)・通信販売
※特典は数に限りがございます。無くなり次第終了となりますので、予めご了承ください。
※一部店舗では付与しない場合がございます。詳細は各店舗にお問い合わせください。
※応援店特典は、キャンペーン実施店舗でご購入の方が対象となります。法人別特典がある店舗の場合、法人特典と応援店特典の2種類を先着でお渡しいたします。
※特典は、後日他の店舗でも付与する可能性がございます。予めご了承ください。
<小笠原 仁 プロフィール>
小笠原 仁 – Jin Ogasawara
所属事務所:EARLY WING準所属
誕生日:8月16日
血液型:O型
出身:神奈川県
趣味:一人カラオケ、絵を描くこと
特技:モノマネ、麻雀
レーベル:Beyond The Music
声優として2016年にゲーム作品でデビューを果たしその後、ゲームアプリやテレビアニメのCVを務める。
2018年にpixivコミック「俺たちマジ校デストロイ」でドラマC DのC Vとキャラクターソングを担当。2019年の「ラフラフ!-laugh life-」では越智遊太役で劇中で漫才と歌を披露している。
2020年「ARGONAVIS from BanG Dream!AAsaide」では作中バンドGYROAXIAのVo.旭那由多役としてテレビアニメ、ゲームのC Vを務めるとともに、リアルバンドとしても2019年から『BanG Dream!Argonavis 2nd live 「VOICE-星空の下の約束-」』にも出演し活動している。
2021年テレビアニメ「WAVE!!〜サーフィンやっぺ!!〜」秋月ショウのC Vを担当。作中ではユニット「波乗りボーイズ」として主題歌なども歌っている。
声優としても、アーティストとしても今最も注目されている若手の一人である。
小笠原 仁 オフィシャルサイト
https://jin-ogasawara.jp/
小笠原 仁 オフィシャルTwitter
https://twitter.com/oga_jin816
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