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INTERVIEW

2021.12.27

【インタビュー】長年の取り組みが、作品としてついに形に! 大橋彩香 アコースティックミニアルバム『Lumière』リリースインタビュー

【インタビュー】長年の取り組みが、作品としてついに形に! 大橋彩香 アコースティックミニアルバム『Lumière』リリースインタビュー

ガラリと印象が変わった曲も?セルフカバー曲について深堀り

――その中で、「明日の風よ」が1曲目に置かれているのは、長くファンでいる方はニヤリとするように思うのですが。

大橋 これは「YES!!」とどっちにするのか悩みました。ただ「明日の風よ」は1stワンマンのときにすでにアコースティックをやっていたんですけど、そのときはフル編成だったんですよ。でも今回は完全にギター1本のアレンジと、よりインパクトを与えられそうなだったので、こちらを最初に置かせていただきました。

――その「YES!!」と「ダイスキ。」は、ゆったりしたリズムになりながらも譜割り的にはきゅっと詰まったアレンジになっていますよね。

大橋 そうですね。特に「ダイスキ。」は元々踊るための四つ打ちのEDMだったので、踊らないアレンジになるとリズムの取り方とか落とし込むところが難しくて、ちょっと苦戦しましたね。

――コードがいちばん原曲からのリミックス感があるのは、「ダイスキ。」かもしれません。

大橋 たしかに。キー自体もちょっと下げましたし、ピアノとか使ってだいぶジャジーになりましたからね。あんなにも好きがあふれて止まらないド直球ラブソングが、ブランデーグラスを回しながら……みたいな(笑)、すごくオトナな雰囲気になっていて。「アレンジだけで、こんなに変わるのかぁ」ってびっくりしました。

――そうなると、歌うときに意識することもだいぶ変わりますよね。

大橋 実は今回は、意外とあまり何も考えずに歌っていて……(笑)。オトナっぽいアレンジに合わせるように、全体的にオトナっぽく歌った気がします。もちろん元々は明るい曲たちなので明るくは歌いますけど、原曲をレコーディングしたときから確実に年齢を重ねているわけなので、その年齢感とか人生経験の差みたいな部分で自然と元の歌声との差が出ているんじゃないかなと思いますね。それは「YES!!」もそうだと思います。原曲はもう、7年以上前に録った声ですから。

――ライブでのアコースティックの経験も、考えすぎずに歌う助けになったのでは?

大橋 はい。それに今回の曲はライブ人気曲を多く入れている気もするので、ライブでたくさん披露するなかで、ナチュラルにじわーっと歌い方が変わっていったと思うんです。その要素も、今回は入れられたんじゃないでしょうか。

――人気曲というと、「ワガママMIRROR HEART」はアコースティックとはいいながらも
比較的強めなサウンドになっています。

大橋 音数が減ってリズムのノリもちょっと変わりましたけど、バンド編成で。この曲はキーも下げましたし、リズムもすごく乗りやすかったです。

――この曲こそ、ワンマンはもちろんフェス必殺曲ですよね。

大橋 そうなんです。だからライブでめちゃくちゃ歌った経験を通じて得たものを、反映できたような気がしています。レコーディングのときって、曲をもらってすぐということもあるので、まだ歌い慣れていないところもあるんですよ。でもそのあと実際にお客さんの前で歌って感じたこととか、ダンスしながら歌ってついたクセとかいろんなものがあるので、それを違ったアレンジでも入れられたかなと思っています。

――その一方で、昨年のアルバム『WINGS』の収録曲「キミがいないクリスマスなんて」が選ばれているのも、特徴的だと思いました。

大橋 発売時期を考えて、というところもあったんですけど、この曲はライブですごく化けた感覚がありまして。

――大橋さんの中で、そういう実感があった。

大橋 そうなんです。ワンマン後に感想を見たら、「ダンスがすごくかわいい」と、「キミクリ」にハマってくれた方がすごく多かったんですよ。だからこの曲はライブの前後で印象の変わった方が多い曲だと思うんですけど、今回アレンジがガラッと変わったので、また違った意味で好きになる方が増えるんじゃないでしょうか。かわいいと思っていただいた曲が、だいぶ暗い感じになっちゃったんで(笑)。

――でも、歌詞を読んだら実は元々そういう曲でしたよね?

大橋 そうそう。歌詞にすごく寄っていったオケになったんですよ。「おひとりさまでもいいじゃない!」という曲から、「ひとりになっちゃったなぁ……家でひとりで、チキン食べるかぁ……」みたいな感じに。だから私、「クリスマスにファンの方は、どっちのバージョンを聴くんだろう?」って気になっていて。

――どちらを聴くかで心持ちも変わるでしょうし、逆にどちらを聴く心持ちなのか、というのも……。

大橋 明るいものも暗いものも両方できたので、ぜひお好きなほうを聴いてほしいです。

――ただ『Lumière』収録版は、まさにビルボードが似合うアレンジだと感じました。

大橋 たしかに。ピアノな感じでオシャレですし、「六本木」って感じがしますね(笑)。オケのテンポもすごくゆっくりになって音数も少なくなったことで、だいぶ原曲よりもしっとりとしたので、より感情も入れて歌わせていただきました。

――もう1曲、既存曲だと「流星タンバリン」も収録されています。こちらも原曲はライブ人気曲ですが。

大橋 もうライブといえば!の「音楽最高!」ソングですけど、結構壮大なアレンジになっていたので、「これも、アコースティックなのかぁ……」という新しい発見がありました。

――壮大さ、ですか。

大橋 なんだろう……「宇宙」って感じ?(笑)。地球が見えてきそうな……ってなると私、すごいところから見てることになりますけど(笑)。

――神みたいな目線からの俯瞰に(笑)。

大橋 そうなんです(笑)。でもそれぐらいの壮大さを感じられるアレンジになっていて。ド頭の歌詞を少し削ったり、尺感も割と変わっていたりするので、そういう違いも聴いていただきたいです。いろんな音も使っているので、それも探して楽しんでみてほしいですね。

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