INTERVIEW
2021.12.29
――アフレコ現場での印象についてもお聞かせください。日向さんは本作が初主演作ですが、錚々たる役者陣と一緒にアフレコを行うなかで、勉強になったことはありましたか?
日向 ありすぎてどれから話していいのかわからないレベルです(笑)。先輩方のどのセリフの言い回しを聞いても、「こういう風に解釈するんだ」とか「この息遣いだとこう聞こえるんだ」という学びがあって、毎各話収録するごとに自分の経験値が積み重なっていく感覚がありました。例えば、ヒリングさん(CV:佐藤利奈)のヒステリック具合も、うるさい感じなのに聞き苦しくない、ずっと聞いていても全然苦にならない声の出し方をされていて。デスハ―さん(CV:下山吉光)とデスパーさん(CV:櫻井孝宏)の癖の強さもそうですし、本当に勉強しっぱなしでした。
村瀬 僕も、櫻井さんが3枚目というよりもはや3.5枚目のキャラクターを演じること自体が新鮮だったので印象に残っています。お芝居や演技が上手いというのは大正義だなって思いましたね。上手であれば説得力が加算されるし、面白いことも本当に面白く見える。櫻井さんがこんなふうにアプローチするのであれば、カゲも小さいけどエネルギーは負けてないはずと思って、すごく引っ張られた感覚がありました。(第八話で)デスパーさんが(ボッジの作った)ご飯を食べてブオーとなるシーンも面白くて。カメラカットが3回くらい変わるし、巨人が出てくるし、あそこは何回観ても好きです。
日向 あのシーンで初めてボッジに恐怖を感じました(笑)。
村瀬 絶対に料理を作らせちゃいけない(笑)。
――その流れで、第1クールまでの物語を振り返って、特に印象深いエピソードやキャラクターを教えていただけますでしょうか。
日向 たくさんあるんですけど……今、思いついた順にお話しすると、ホクロがヒリングさんに「八つ裂きよ!」と言われて処刑されそうになるところで、助けに来たドーマスが、ダイダの姿をしたボッスにボッジは生きていることを知らされて安心するシーンがあるんですよ。そのドーマスのホッとする感じがかわいらしくて。ドーマスがボッジを突き落とした直後に「ボッジさま、お許しを」と悔いるシーンもすごく好きで、何回も観てしまうので、多分自分はドーマス推しなのかもしれません(笑)。
――ハハハ(笑)。ボッジ絡みのエピソードだといかがですか?
日向 これはあちこちで言っているんですけど、第五話前半のボッジとカゲの再会するシーンは本当に大好きです。というかボッジとカゲがワチャワチャしていたり、2人で手を取り合っているシーンは全部大好きですね(笑)。もう、かわいすぎて……。
村瀬 僕も特に印象的なのはカゲとボッジのシーンになるんですけど、それ以外だと、冥府騎士団の隊長さんに「バカ!」って怒られて、推薦状を返してもらうシーンが好きですね。あそこでカゲはボッジ以外の人の優しさにきちんと触れて、人を信頼するという社会性を取り戻すと思うんですけど、それが説教臭くなく描かれていて。しかもあのシーンでは結構能天気な音楽が流れているんですよね。それも含めて温かいけどシリアスすぎないし、カゲがほかの人と関わっていくことに背中を押されたシーンなのかなと思って印象に残っています。
――そのほかに、映像や音楽、演出が合わさったアニメーションの見せ方として新鮮さを感じたシーンはありましたか?
村瀬 ヒリングさんとボッジの過去の回想シーンで絵と音楽のタッチが変わったのはすごいなと思いました。エンディング映像も絵本っぽいタッチですし、アニメ本編でも背景の描かれ方が絵本っぽいなと思っていたら、「そのどちらとも違う手法がまた出てきた!」と思って。あの柔らかいタッチが本当に温かな気持ちになれて、すごく効果的ですよね。
日向 あのシーンのヒリングさんはすごくかわいいですよね。私は役者の息遣いに合わせて絵を描いてらっしゃることに感動しました。私が息を吸うタイミングに合わせてボッジも息を吸っていたので、私の未熟な演技もハマっているように見えて。それと音楽を制作されているMAYUKOさんとTwitterでよくやり取りさせていただいているんですけど、「このシーンの音楽はボッジがこういう心情だったからこうしている」ということを色々と教えていただくんです。作画もそうですし、音楽も役者の芝居も、みんなの力が合わさってできた、愛されている作品なんだなって感じます。
――全体のクオリティの高さを含め、作品に対する愛情が強く感じられます。
日向 この間、番組の収録でプロデューサーの岡田麻衣子さんと一緒にWIT STUDIOさんを見学させていただいたんですけど、作画班の方たちも皆さん『王様ランキング』のことが大好きで、デスクの上にボッジのフィギュアが置いてあったりするんです。私はアニメ制作スタジオに行くのが初めてだったので、こんなにも作品に対する愛に溢れた人たちが作っているんだと思って感動しました。
村瀬 感動するよね。岡田さんとは5~6年前に別作品で初めてご一緒したのですが、そのときもすごく熱のある人だということを感じて。そういう実感が沸くと、無駄にできないって思うよね。
日向 はい、自分ももっと頑張らねばって思いました。
――では最後に、来年1月から放送される第2クールを楽しみにしているファンに向けて、メッセージをお願いします。
村瀬 第1クールも怒涛の展開でしたけど、第2クールは舞台がボッス王国に戻って、そのなかでめちゃくちゃ色んなことが起きます。カゲが活躍するのは後半のほうになると思うので、そこまでぜひ刮目して観ていただけたらと思います。それとオープニング、エンディングテーマも新しく変わるということで、名残惜しい気持ちもありますけど、僕自身、映像も音楽も楽しみにしているので、皆さんも引き続きよろしくお願いします。
日向 私は全部のアフレコに参加したにも関わらず、毎週ただのファンとしてオンエアを楽しんでいて(笑)、本当に面白い作品だと思うんです。第2クール目からは、ミランジョ側やボッスが何を思って行動しているのかだんだん明らかになっていって。『王様ランキング』の登場人物はみんな憎めない人たちばかりで、ミランジョやダイダにもそれぞれの考え方があるということを、第2クール目で感じていただきたいです。それとこの先、ボッジが戦うことになるのですが、そのときのボッジとカゲが超かっこいいんです。そして、とても感極まるお話なので絶対に最後まで観ていただきたいです。よろしくお願いします!
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創
●作品情報
TVアニメ『王様ランキング』
フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて
第2クール 2022年1月6日より 毎週木曜24:55~
フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送
Amazon Prime Videoにて見放題独占配信!
※放送時間は予告なく変更になる場合があります。
【STORY】
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、
そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、
それらを総合的にランキングしたもの、それが〝王様ランキング〟である。
主人公のボッジは、王様ランキング七位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。
ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。
そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。
カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす―――。
【STAFF】
原作:十日草輔 『王様ランキング』(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
監督:八田洋介
シリーズ構成:岸本 卓
キャラクターデザイン・総作画監督:野崎あつこ
サブキャラクターデザイン・総作画監督:河毛雅妃
副監督:今井有文
チーフ演出:渕上 真
メインアニメーター:大城 勝/小笠原真/藤井 望/吉田奏子
美術監督:金子雄司
美術設定:藤井一志
色彩設計:橋本 賢
撮影監督:上田程之
編集:廣瀬清志
音楽:MAYUKO
音響監督:えびなやすのり
音響効果:緒方康恭
アニメーションプロデューサー:岡田麻衣子
アニメーション制作:WIT STUDIO
【CAST】
ボッジ:日向未南
カゲ:村瀬 歩
ダイダ:梶 裕貴
ヒリング:佐藤利奈
ドーマス:江口拓也
ベビン:上田燿司
アピス:安元洋貴
ドルーシ:田所陽向
ホクロ:山下大輝
ボッス:三宅健太
シーナ:本田貴子
ミランジョ:坂本真綾
デスハ―:下山吉光
デスパー:櫻井孝宏
オウケン:遊佐浩二
© 十日草輔・KADOKAWA刊/アニメ「王様ランキング」製作委員会
●リリース情報
「王様ランキング オリジナルサウンドトラック」
2022年3月23日(水)発売
価格:¥4,180(税込)
価格:SVWC-70573~70575
・描き下ろしジャケット
・セルフライナーノーツ
■初回仕様限定盤特典:三方背ケース
※特典内容および仕様は予告なく変更になる場合がございます。
TVアニメ『王様ランキング』公式サイト
https://osama-ranking.com/
TVアニメ『王様ランキング』公式twitter
https://twitter.com/osama_ranking
日向未南 公式Twitter
https://twitter.com/hinata_axl
村瀬 歩 公式Twitter
https://twitter.com/murase_pipipi
SHARE