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INTERVIEW

2021.12.20

【インタビュー】『エヴァ』との26年を込めた最後の5行とは? 新曲「Final Call」への想いを高橋洋子に聞く

【インタビュー】『エヴァ』との26年を込めた最後の5行とは? 新曲「Final Call」への想いを高橋洋子に聞く

公式アンバサダーとして伝えたかった5行の言葉

――この26年間、『エヴァ』との関わり方も高橋さんのなかで変化していったんですね。

高橋 そうですね。そんな「母性」に関わるような歌を歌ったら、それが社会現象になって、新聞の取材ではストーリーや謎の解釈まで聞かれるようになりましたから。そのとき初めて、アニメの主題歌を担当するということは、ただ歌うだけではなく自分で作品を理解した上で取り組まなければいけないとか、責任を持って語らなければいけないと意識するようになりました。以後は主題歌を担当させていただくときには必ず資料を頂いたりするようになりました。『エヴァ』という作品もあまりに大きくなりすぎて、私が触れるにはおこがましいようなポジションになってしまったのですが、ありがたいことに公式アンバサダーとして直接応援させていただける環境をいただき、とても嬉しかったです。この歌詞の最後の5行「ありがとう、 さようなら、 ありがとう、 さようなら、 『ありがとう』」はそんな自分として伝えたい思いを書きました。

――その前の「これが最後になるかもね」という1行もちょっと意味深な感じがします。

高橋 私もどうなるかは知りませんよ?(笑)。でも、あの5行の言葉は言えても「これで最後です」とはこちらからは言いたくない。だからやっぱりここは含みを残しておきたいところではあります。伝えたい言葉は伝えたし、「さようなら」は作中のセリフや宣伝のキャッチコピーでも使われていたので、これで良かったなという思いでいます。レコーディングのときはアンバサダーとして皆さんにどこまでお届けできるかの方を意識したので、そこまで感傷的にはなりませんでした。

――ダンスナンバーとしてリズムへのノリ方についてはどんな点を意識されましたか?

高橋 この曲は元々Wadaさんが仮歌詞を英語で付けてくれていたんです。私自身も英語に乗りやすいメロディを歌いたかったので。ただ、カラオケで歌いたい人のことまで考えると、英語歌詞はちょっとハードルが高いなと思って、歌詞は日本語で書いていきました。また、これを聴く環境を考えたうえで、歌詞の言葉が耳に残りやすいようにしている箇所がいくつもあります。「どうでもいいけど聞こえる?」なんてちょっと俗っぽいけれども、仲間に語りかけるような感じを出していくような言葉の使い方を意識しています。

――「Final Call」でいえばWadaさんと制作をされたり、12月にはビルボードライブ東京でピアニストのまらしぃさんと共演してステージに立たれたりと、高橋さんは幅広いジャンルの方とのコラボレーションを行なっています。キャリアを重ねてもなお新しいことに意欲的に取り組めてオープンな姿勢でいられる秘訣はどこにあるのでしょうか?

高橋 音楽という表現に終わりがないからだと思います。歳を取ると表現するものまで年齢感のあるものを見せなくてはいけないみたいな風潮があったりしますが、実際には現場でどんどんいろんな新しい人との出会いがあるわけです。「セッションしたいな」という気持ちは常に刺激として受けていて、そう思っているからどこかで見たり聞きつけたりして声をかけてくださるんだと思います。まらしぃ君も、最初は偶然ヴィレッジヴァンガードで流れていた彼のDVDを見かけたことがきっかけだったんです。「千本桜」を弾いていて、「こんなに速弾きできる若い子がいるんだ」と思っていたら、動画配信サイトでも「残酷な天使のテーゼ」を演奏しているのを拝見して。そんな中、ベストアルバム『YOKO SINGS FOREVER』を作るときに、プロデューサーが「ちょっとオススメしたい子がいて」と偶然紹介してくれたんです。そこでマネージャー同士を含め双方が親しくなって、コンサートのゲストに何度も呼んでいただいたんです。先日のコンサートもすばらしいお客様たちでした。おそらく、まらしぃ君のファンの方って、自分でもピアノを弾くとか、小編成のステージを観ることに慣れている方たちなんだと思います。でもこういうピアノと歌だけのステージって、聴く側にとっても逃げ場がない真っ向勝負の環境なんですよね。その意味では、こうした環境でしか味わえない貴重なものだと思います。それも含めて、同じ楽曲でも毎回違う何かを感じられるステージを見せていきたいなと思っています。1月の大阪公演も頑張ります。

INTERVIEW & TEXT BY 日詰明嘉


●配信情報
デジタルシングル
エヴァンゲリオン25周年記念作品パチンコ『新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~』新規搭載楽曲
「Final Call」
2021年12月20日配信開始

配信リンクはこちら

作詞:高橋洋子
作曲:Masaya Wada
編曲:Masaya Wada & MANABOON

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公開中
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©カラー ©カラー/Project Eva.

関連リンク

高橋洋子オフィシャルサイト
http://king-cr.jp/artist/takahashi/

「新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~」特設サイト
https://net-pachi.com

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