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2021.12.13

【アルバム全24曲レビュー】ChouCho、ベストアルバム『ChouCho the BEST』10年の活動と数々のアニメ作品を彩ってきた名曲の魅力に迫る

【アルバム全24曲レビュー】ChouCho、ベストアルバム『ChouCho the BEST』10年の活動と数々のアニメ作品を彩ってきた名曲の魅力に迫る

今年7月にメジャーデビュー10周年を迎えたChouChoが、それを記念したベストアルバム『ChouCho the BEST』をリリースした。2011年7月27日にランティスより1stシングル「カワルミライ」でデビューして以来、これまでに19枚のシングルと3枚のオリジナルアルバムを発表してきた彼女。CD2枚組となる今回のベスト盤には、そのなかからタイアップ曲を中心に、新曲「Aurorise」を含む全24曲を収録している(初回限定盤には“ChouCho 10th Anniversary Online Live”より6曲の映像を収めたBlu-rayも同梱)。リスアニ!WEBでは、ChouCho本人へのインタビュー記事と、ベストアルバム収録曲の全曲レビューの2段構えで特集。彼女の10年の活動と数々のアニメ作品を彩ってきた名曲の魅力に迫る。

■ベストアルバム『ChouCho the BEST』インタビューはこちら

Disc1

1.Aurorise

ベストアルバムの1曲目を飾るのは、デビュー10周年を自ら祝うかのような幸福感のある新曲。1番ではファンに向けた10年間の感謝が、2番ではまだ見ぬ空へ羽ばたいていこうとする彼女の決意と希望が、壮大なオーケストレーションとともに鮮やかに表現されている。“虹色に輝けるように”という彼女の願いが叶えられるように、私たちファンもこれからも共に歩んでいきたい。

2.優しさの理由(TVアニメ『氷菓』OP主題歌)
*4th シングル(2012年5月2日)

A・Bメロの溜めからサビで一気に弾ける青々しい疾走感がたまらない、青春真っ只中の10代の心の動きを丁寧に紡いだ名曲。イントロのピアノの音色に心をグッと掴まれた人も多いことだろう。TVアニメ『氷菓』の主人公・折木奉太郎の退屈な日常が、彼女の柔らかな歌声と清涼感のあるサウンドによってどんどん色づいてくようだ。

3.Here comes The SUN(TVアニメ『厨病激発ボーイ』ED主題歌 カバー)

2019年に声優・仲村宗悟へ提供した楽曲のセルフカバーバージョンは、心が弾むような躍動感はそのままに、ChouChoの柔らかな歌声とマッチするようにピアノとスラップベースが前面に出たアレンジへと生まれ変わっている。アコースティックギターをかき鳴らす原曲と聴き比べて、それぞれの魅力を感じてもらいたい。

4.Elemental World(TVアニメ『政宗くんのリベンジ』ED主題歌)
*14th シングル(2017年2月15日)

瑞々しく晴れやかなサウンドと心に真っ直ぐ届く歌声が気持ち良い、洋楽ライクなオシャレな楽曲。幼い頃から抱き続けてきた大切な想いについて書かれた歌詞は、心の奥に大事にしまっている夢への熱い想いにも、アニメのヒロインが主人公へ抱く想いにも取れるバランス感が絶妙だ。

5.Authentic symphony(TVアニメ『ましろ色シンフォニー』OP主題歌)
*2nd シングル(2011年10月26日)

冬の凛とした空気感を感じられる、シンフォニックな音色が美しいラブソング。アニソンらしいサビの疾走感は、恋心を自覚したヒロインの止まらない想いを表現しているかのようにピュアで爽やかだ。アニメ内の季節のせいもあるが、彼女の楽曲で明確に冬を感じられる歌はもしかしたら珍しいかもしれない。

6.風のソルフェ(TVアニメ『ツルネ ―風舞高校弓道部―』挿入歌)
*配信シングル(2018年12月25日)

『ツルネ ―風舞高校弓道部―』第10話の歩道橋のシーンで流れる、鳴宮 湊と竹早静弥の友情に寄り添ったナンバー。美しさすら感じるピアノの旋律、優しさと切なさが折り重なった柔らかな歌声、2番サビからラスサビにかけてのドラマチックな展開など、シーンのドラマ性と相まって、聴いている我々の心を掴んで離さない。

7.明日の君さえいればいい。(TVアニメ『妹さえいればいい。』OP主題歌)
*16th シングル(2017年10月25日)

20秒もある長いイントロや、2段階で繰り出されるサビといった従来のアニソンには珍しいトリッキーな構成が特徴的で、どこで息継ぎをしたらいいのかわからない、畳み掛けるような言葉の詰め込み具合も含めて、楽曲の情報量の高さに驚いてしまう。そんな曲を難なく歌いこなす彼女の歌唱力にも、改めて聴き惚れてしまうに違いない。

8.夏の日と君の声(TVアニメ『グラスリップ』OP主題歌)
*9th シングル(2014年8月6日)

恋心を初めて自覚した少女のピュアな想いを掬い取った、爽やかな夏の風景が目に浮かぶカントリー調のナンバー。全体的にほんわかした穏やかな曲調ではあるが、少女の気持ちの変化は意外と激動的。1番サビの出だしのパーカッションの音を境にほんの少し上がる歌声の温度感など、細やかな表現から少女の気持ちを感じ取ってほしい。

9.ハルモニア(OVA『英雄伝説 空の軌跡 THE ANIMATION』ED主題歌)
*3rd シングル(2011年11月23日)

ファンタジー世界の風を感じる、3拍子のリズムが心地良い民族調楽曲。優しく伸びやかなChouChoの歌声との親和性も抜群だ。遠い彼方にいる大切な人を想う気持ちを綴った歌詞は、『英雄伝説 空の軌跡』の義弟・ヨシュアを探す主人公・エステルの想いを反映しているかのように、力強く希望に溢れたものとなっている。

10.フロンティア(Nintendo Switch 『ガールズ&パンツァー ドリームタンクマッチDX』主題歌)
*ChouCho×佐咲紗花 アルバム『Still a long way to go』収録(2018年12月26日)

爽やかで清涼感のある『ガールズ&パンツァー』シリーズの歴代楽曲とは異なり、彼女のかっこいい部分が前面に押し出た、ダンサブルなビート感とリバーブ多めの独特な浮遊感が特徴的なEDMナンバー。そのうえで歌詞はしっかり『ガールズ&パンツァー』に沿ったものに。仲間と刻む熱い想いにあなたの心も震えるはずだ。

11.DreamRiser(TVアニメ『ガールズ&パンツァー』OP主題歌)
*5th シングル(2012年10月24日)

シンガー・ChouChoの名前を一躍有名にした代表曲であり、2010年代を代表する名アニソンの1つ。明るく透き通った歌声と、叶わないと思っていた夢に向かって我武者羅に走っていく姿を描いた前向きな歌詞は、聴く人の背中を自然と押してくれる力に溢れている。現代の王道のアニソンとはまさにこの曲のことを言うのかもしれない。

12.なないろのたね(特撮ドラマ『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第1クールエンディングテーマ)
*19th シングル(2021年7月21日)

自身初の特撮ドラマのタイアップ曲ということもあり、楽曲の対象年齢も変化。子供たちに向けたストレートな表現が並ぶ、未来への希望に溢れた温かな楽曲となっている。また、歌声以外の部分では、2番サビ後の3拍子の間奏や、ヴァイオリンの音色を重ねたアウトロなど、所々フックが織り交ぜる構成なのも面白い。

Disc2 楽曲レビューはこちら

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