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2021.12.03

【ライブレポート】キュートなEDMから激しいロックまで、多彩な楽曲を魅せきる! 諏訪ななか“Nanaka Suwa 2ndLIVE ~LIVE FANTASIC*~”レポート

【ライブレポート】キュートなEDMから激しいロックまで、多彩な楽曲を魅せきる! 諏訪ななか“Nanaka Suwa 2ndLIVE ~LIVE FANTASIC*~”レポート

11月23日に、声優・諏訪ななかが“Nanaka Suwa 2ndLIVE ~LIVE FANTASIC*~”を立川ステージガーデンにて開催。約1年ぶりとなる二度目のワンマンライブとなった今回の公演は、このライブの翌日リリースの2ndミニアルバム『Winter Cocktail』を引っさげてのライブに。この1年でよりバリエーション豊かになった持ち歌の数々を、楽曲のテイストごとに固めて立て続けに披露し、それぞれの魅力をさらに増幅させて届けてくれた。本稿ではそのうち、昼公演の模様をお届けする。

まずは前奏曲のような Overtureが流れて“FANTASTIC”なショーの始まりを予告すると、ライトの当たったメインステージの中央に、『Winter Cocktail』のジャケット写真のラブリーな衣装に身を包んだ諏訪が登場。キュートな歌声や、ふわりとしながらも要所を締めるステップとともに、「DATE-ALAMODE」を披露していく。リズム細かめの曲にもかかわらず比較的振付自体は緩めな点が、楽曲や歌声のもつ甘々な雰囲気をさらに引き立てると、続く「Morning glow」ではステージの両端に移動しながらの歌唱。比較的客席との距離の近い会場で、ファンの近くまで行って手を振りながらの披露は、ファンには序盤からうれしいポイントだったのではないだろうか。そのうえで、大サビの入りの部分のステップや歌声の具合で、改めてかわいらしさも感じさせてくれる。

2曲歌ってからの、パープルのペンライトの輝きを前にしたこの日初のMCでは、個人的にも慌ただしかった11月を振り返り「みんなに会えることをモチベーションにして、楽しみにしてきました」と伝える諏訪。そして「声を出して応援してもらうことはできないんですが、皆さんの顔は見えてますので、たくさん笑顔と想いを伝えてください!」と呼びかけ、ライブ再開。

ここからは、ロック調のナンバーが続くライブ前半のポイント。まずは少々艶っぽいロック調の「My Prologue」を、歌声・表情の両面にせつなさを乗せて歌い上げていく。少々アタック強めになる歌声にも、感情の激しさが表れていたように感じた。そんな激しい曲にもかかわらず、間奏や後奏ではいたずらに煽らずに、パフォーマンスで世界を構築していく姿に、改めてショーの印象が強化される。それに続く「Strawberry Egoist」も、構成的にはドンピシャのナンバー。曲に合わせて真っ赤に染まった客席を前に、オトナな表情とともに強さも付加した歌声で歌唱。特にDメロなど、かわいげと艶っぽさを両立させた抜き気味の歌声の魅力を、強い曲の中で改めて感じさせてくれる曲だった。

「Poison Girl」では、ライブ版として延長されたイントロの間に、階段ステージ下の扉から一旦降壇。。2階ステージに再登場してから、キュートな要素も残したロックをアリーナに向けて力強く歌い下ろす。さらにユーロ調のせつないラブソング「Merlot Tears」にはぐっと入り込み、情熱も乗ったサウンドのこの曲を凛とした表情のまま歌い上げていくと、スタンドマイクを用いての「ノスタルジック・キネマ」へ。セピア調のメインスクリーンの映像が雰囲気を作るなか、ハイテンポなピアノロックを、両手を空けて振付も交えながら魅せていく。また、2サビ明けの間奏ではマイクから離れて背を向けてリズムを取るという“想像させる”パフォーマンス。大サビでその映像がフルカラーに戻る点も含めて、曲の展開になぞらえた面白い見せ方のなされた曲となった。

後奏が流れるなか衣装を変えた諏訪が再び降壇し、リズムに合わせたファンのクラップに包まれていく場内。曲が終わると、神々しいライティングのなされた2階ステージに諏訪が再度登場。この演出にマッチするオーケストラアレンジの「ショコラ フレーズ」を、ファルセットを交えて美しさもまとわせながら歌唱していく。2番に入ってからはCD版のアレンジに戻ると、再び甘めの歌声へとスイッチし、直前までのロックゾーンを締めくくってポップなナンバーへの橋渡しをする大事な役割を担った。さらに、よりポップさを増すこれからの季節にピッタリなクリスマスソング「Holy holiday」では、イントロでの諏訪の呼びかけに応じてファンのクラップが再び場内を包む。2番に入ってからは、ステージ上を歌唱しながら左右往復。その歩みにも曲に沿ったウキウキが表れているようだった。
その後奏でメインステージに降りると、デビュー作のリード曲「So Sweet」へ。ぴょんと跳ねる振付の織り込まれた部分でかわいさもみせつつ、流れないように要所はちゃんと締めるメリハリのあるパフォーマンスで、さらに甘さ全開となった歌声とともにキュートさを場内いっぱいに振りまいていく。表情の活かし方まで含めて、彼女の大事な曲のひとつであることを再認識させられる。そのキュートさを残しつつ、爽やかな疾走感をもつ「Wonderland!!」が続く。ファンを腕でさらって「ともに駆け抜けていく」というメッセージも込められたようなサビを含め、テクニカルな振付も含めてファンを惹きつけていった。

一気に10曲近くを駆け抜けてきた諏訪、ここで一旦MCを挟む。『Winter Cocktail』同様に冬をコンセプトとした衣装のポイントについてトークを繰り広げると、座席番号を用いたプレゼント抽選会に。ゆったりとしたムードのなか、サイン入りライブパンフレットやチェキなど、一足早いクリスマスプレゼントが贈られる形となった。

そんな抽選会が終わったところで、「じゃあ、これを持とうかな」とフラッグを取り出す諏訪。「これを持つということは?」と問いかけるやいなや客席は青一色に染まり、初披露となる1stシングル曲「コバルトの鼓動」で後半戦のスタート。MC明けの滑り出しにはうってつけの疾走感あるこの曲、サビでは左右に振られるフラッグに合わせてペンライトも左右に揺れる。2サビ明けの間奏ではマイクを一旦置いて、両手にフラッグを持ってのパフォーマンスを披露。ここでもメリハリをしっかりつけた質の高いダンスを通じて、軽やかなステップとともにまたひとつ見せ場を作ってくれた。

そして「ラストスパート、盛り上がっていきましょう!」とイントロ中に声をかけてからの、少々渋谷系寄りのポップナンバー「溶けるみたい」にも、甘い歌声を乗せて場内を魅了していくと、続く「揺れていたい」のサビではクラップを呼び込むような振付を織り交ぜたり手を左右に振ったりと、ファンを巻き込んでいくような形に。そのうえで、表情や歌声の愛らしさが歌詞と絡み合って、たまらないいとおしさを生んでいた。そしてブチ上がるナンバー「Lilac」では、イントロでファンを「思いっきり、いくよー!」と煽ると、ハイテンポでアガるナンバーでもありながら、サビ前のパートなどにぐっとかわいげも織り交ぜ、1曲の中に様々な表情をみせて惹き込んでいく。ファンの盛り上がりを前に、逆に諏訪もそのファンからパワーをもらい、雰囲気に合わせるように体を揺らすような場面もあった。
そんな曲に続いて、本編ラストを飾ったのは、彼女が敬愛する音楽ユニット・marbleから提供を受けた大切な曲「突風スパークル」。彼女がまたひとつ、自分の夢を叶えた曲だ。客席が緑のペンライトの輝きに染まるなか、前半は暖かく、サビでは力いっぱいに歌っていく。ひとつのライブを締めくくる存在でありながら、さらなる未来を見据えたかのような曲を、姿勢も左右を向いたりと会場全体へと届くようにしっかり大切に表現しきり、後奏中に一礼してステージを降りて本編を締めくくった。

諏訪がステージを降りてから、メインスクリーンにはライブロゴが映し出されてステージ両端のパープルのカーテンが上がり場の切り替えが示される。アンコールを求めるクラップが鳴り響くなか、そのロゴが消えると「記憶ファンタジック」のイントロがスタート。カーテンが上がったステージ奥には、無数の星のような白と青の光が。本編後の夜空……という意味でも、アンコールにふさわしい光景がステージ上には広がっていた。さらにその星空は、歌詞になぞらえてサビでカラフルに色を変えたかと思えば、2サビ明けには背景の照明が白一色に変わり、観客のペンライトも白。まるで星に囲まれた中で歌うようなドリーミングな光景は諏訪の歌声の特質にもマッチした魅力的なもので、アンコールにしてこの公演のハイライトのひとつでもあった。

歌唱後には、ラストナンバーを前にしたで、今年1年を振り返っていく諏訪。初のアニメ主題歌歌唱や前述したmarbleからの楽曲提供など、音楽面でも思い出がたくさんできた1年になったと振り返り、「今日のライブが、皆さんにとっていつまでも記憶に残りますように」と締めくくる。そして「来年もこうやって皆さんと一緒に過ごせる時間をたくさん持てるように頑張ります」と2022年へ向けた意気込みを語ったところで、本当のラストナンバー「ふれてみたい」へ。
跳ねるようなベースが小気味よいアップテンポなナンバーを、ステージ上を左右に移動しながらファンの近くでキュートに歌っていく。比較的歌詞が詰め込まれ気味なサビも小気味よく乗りこなし、間奏では手を振りファンともコミュニケーション。楽曲自体、心の距離を近くに感じられるナンバーを、実際にファンへと近づいて歌ってくれたのもファンにはうれしいポイントだったのではないだろうか。サビ明けの間奏では、腕を少々突き上げて煽るような素振りもみせて最後のひと盛り上がりを呼び込むと、大サビではパープルの紙吹雪がパープルのカーテン登場とともに発射。最後にまた諏訪ななかのワンダーランドにファンを巻き込んで、ライブを締めくくったのだった。

気づけば持ち歌も20曲を超え、そのバリエーションも非常に多彩なものとなってきた諏訪ななか。だからこそ構成できた序盤のロックゾーンなど、はっきり色分けがなされつつひとつの公演としての流れもしっかり存在した今回のライブは、非常に中身の詰まった充実したものになったように感じる。ここからさらに、どんなあらたな一歩を踏み出してくれるのか。2022年の諏訪ななかのアーティスト活動も、間違いなく要注目だ。

TEXT BY 須永兼次

Nanaka Suwa 2ndLIVE ~LIVE FANTASIC*~
2021.11.23@立川ステージガーデン
<昼公演 セットリスト>
01.DATE-ALAMODE
02.Morning glow
03.My Prologue
04.Strawberry Egoist
05.Poison Girl
06.Merlot Tears
07.ノスタルジック・キネマ
08.ショコラ フレーズ
09.Holy holiday
10.So Sweet
11.Wonderland!!
12.コバルトの鼓動
13.溶けるみたい
14.揺れていたい
15.Lilac
16.突風スパークル
<ENCORE>
EN01.記憶ファンタジック
EN02.ふれてみたい

関連リンク

諏訪ななかレーベルサイト
https://columbia.jp/suwananaka/

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