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INTERVIEW

2021.11.20

【インタビュー】angela、「Shangri-La」新ver制作秘話と『蒼穹のファフナー』との17年間の深い絆を振り返る

【インタビュー】angela、「Shangri-La」新ver制作秘話と『蒼穹のファフナー』との17年間の深い絆を振り返る

『ファフナー』の主題歌がangelaにとって特別な理由とは

――この『蒼穹のファフナー THE BEYOND』になってからも8曲も楽曲を作られてきました。このシリーズはどのように作られてきましたか?

atsuko 最終話までのシナリオを早々に読ませていただいたので、OP「THE BEYOND」とED主題歌の「何故に..」はセットで書いていきました。そして書ききったと思った矢先にEDを3話ずつ変えて行きたいというお話がありまして。やっぱり『ファフナー』はそう簡単に終わらせてくれない(笑)。さすがにエグゼクティブプロデューサー側も発注の際にテーマを出してくれて、第四~六話は「大切な人の喪失、悲しみ」(実際には第五~七話に使用された「君を許すように」を指す)、第七~九話は「理解と希望。色々と不利な状況の中で光を求め、ようやく反撃の糸口を見いだせる、そんな希望が見えること」(同じく第八~九話に使用された「夜明け待ちのバラード」)、第十~十二話は「帰結。激しさとその先の未来」(同じく第十話に使用された「今を、生きる為に」)というものがありました。そしてこの3曲を提出して、「よし、今度こそ終わった」と思ったら、後半のOP曲ということで「叫べ」の発注があり、そこからさらに挿入歌のように使える民謡感のある島唄風の楽曲がほしいというオーダーがあり、本当になかなか終わらせてくれません(笑)。

――それが本当にこのシリーズとして1から作った最後の曲「過ぎ去りし日よ」なんですね。

KATSU 沖縄の島唄のようなバラードというオーダーで、監督と直接お話をする機会をいただき、島に帰る歌になりました。

atsuko 歌詞も“向かえ、契れ、島へ”とあって、これは「叫べ」の中でも使われているフレーズで、そこでもクロッシングしている。これも同一歌手だからこそできる技ですね。

KATSU 「過ぎ去りし日よ」も当初は戦闘シーンかどこか大事なシーンでかける曲という話だったのですが、実際は第十一話のED曲になりました。その次の最終話、「過ぎ去りし日よ」を当初ここでかけたかったのではと思しきところでかかるのが、「Separation[pf]」なんです。自分たちの想定してなかった使われ方で演出をされたことで、やはりアニメは総合芸術なんだなと再確認しました。オリジナルの「Separation」は悲しい時にかかる曲だったので、古くからのファンにとってはちょっとトラウマな曲なんです。でもピアノバージョンを最終回の良い場面に持ってくる。仮に僕が音響監督だったら、「せっかく新曲を書いてくれたのだから」といって「過ぎ去りし日よ」をそのまま使っていたと思うんです。でも音響監督の三間(雅文)さんはそういうことをしない。その演出力に感動しました。

atsuko 「Separation [pf]」も17年前の楽曲なんですよ。三間さんもずっと『ファフナー』に関わり続けてこられてきたので、どこかで「あの曲が使えるな」と思い出してくださったのかもしれません。長年積み重なった想いの深さを感じます。

KATSU 僕らとしても三間マジックを感じることはこれまでも度々ありました。例えば挿入歌のように使っている曲をサビ前で止めて、セリフを挟んで、また曲に戻ってサビに入るとか。そういうふうに仕上げてくる三間さんの技術を楽しませてもらっていましたので、今回もそのすごさを改めて感じました。このシリーズでもふんだんにあるので、視聴者の方はそれもぜひ楽しんでいただきたいですね。

――そして12月にはパシフィコ横浜で“蒼穹のファフナー FINAL Fes”が開催され、angelaは28日に“angela LIVE -蒼穹作戦-”と題したワンマンLIVEを開催します。

atsuko 『ファフナー』曲で固めたライブをするのはこのタイミングでしか考えられませんね。先日、能戸監督とライブ演出を相談した際に、「監督としてはどの曲がいいですか?」伺ったところ、「『~THE BEYOND』全部」とのことでした(笑)。ありがたかったのは、『ファフナー』本編の映像をすべて自由に使って構わないとおっしゃってくれたことです。

KATSU むしろどんどんやれ、みたいな(笑)。なので、アドバイスを貰いつつ現在も編集作業を続けています。

atsuko やっぱりファンの皆さんは「このシーンで流れた」という印象が強いと思うので、そのイメージは裏切りたくない。ただ、「こう繋げたらこう感じるのか」という新たな驚きを提示したいなと思って主にKATSUさんが編集をしてくれています。主題歌を作っていた人がMVを作っている感覚で準備していますし、笑い要素はナシにするように頑張っています。

KATSU 今回はグッズでハンカチを作ってくださいとお願いしているんですよ。『ファフナー』ファンであればあるほどハンカチが何枚も必要になると思います。今までのangelaライブとは違う感じになりそうですね。

――最後に伺わせてください。これだけの時間積み重ねてきたangelaにとって『蒼穹のファフナー』とはどんな存在でしょうか?

atsuko 『ファフナー』は、angelaをangelaにしてくれた作品だと思います。様々なアニメ作品の主題歌を歌わせていただいていますが、「『ファフナー』のangelaさん」と言われることが多いですし、私もそれを喜ばしいことだと思って受け入れています。私たちがこれだけの楽曲を作ってきたなかで、『ファフナー』についてはブレずにブラッシュアップをしつづけ、その楽曲たちによって世間の皆さんにとってのangelaのイメージが確立されてきたのだと思います。そう考えると、私としては「angelaをangelaにしてくれた作品です」と言いきりたいですね。

KATSU 自分たちは「アニソン屋」として、その作品のために寄り添った楽曲を作り続けてきたのですが、先ほどのようにあえて“ファフソン”と区別しているように、angelaは『ファフナー』の曲を続けるために生かされてきたんじゃないかなって思っています。『~HEAVE AND EARTH』で終わるはずだったものを蘇らせ、この『~THE BEYOND』の終結まで連れてきた要因は、やっぱり「次が観たい」と言い続けてきた島民の皆さんの熱量だと思います。それがangelaを生かしてくれたといっても過言ではないくらい。angelaの年末ライブと言えば僕たちの一番得意な分野を見せる「大サーカス」で、代名詞的なライブです。でも2021年は『~THE BEYOND』の最後をファンのみんなと一緒に締め括りたい。つまり、angelaにとって『ファフナー』とはそれ以上の存在なんです。angelaの核の部分のライブを演る。必ず良いものにしてみせます!

TEXT & INTERVIEW BY 日詰明嘉


●配信情報
angela デジタルシングル
「Shangri-La ~THE BEYOND~」

各ダウンロード・サブスクリプションサービスで配信中

angela デジタルシングル
「夜明け待ちのバラード」

各ダウンロード・サブスクリプションサービスで配信中

「蒼穹のファフナー PLAYLIST」

配信リンクはこちら

●ライブ情報
「蒼穹のファフナー FINAL Fes in パシフィコ横浜」

<Day 1> 皆城総士生誕祭2021
日時:2021年12月27日(月) 開場 16:30/開演 18:00
会場:パシフィコ横浜 国立大ホール
出演者:喜安浩平、石井 真、諸星すみれ、白石 稔、新井里美、石川由依、田中正彦、土師孝也、佐々木 望、小林沙苗 他
料金:全席指定 ¥8,800(税込)

<Day 2> angela LIVE -蒼穹作戦-
日時:2021年12月28日(火) 開場 16:30/開演 18:00
会場:パシフィコ横浜 国立大ホール
出演者:angela
料金:全席指定 ¥8,800(税込)

関連リンク

angelaオフィシャルサイト
http://style-market.com/angela/

angelaキングレコード公式ページ
http://king-cr.jp/artist/angela/

angela STAFF 公式Twitter
https://twitter.com/angela_staff

『蒼穹のファフナー THE BEYOND』公式サイト
http://fafner-beyond.jp/

『蒼穹のファフナー』公式Twitter
https://twitter.com/fafnerproject

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