クラムボンのミトが、アニメ/アニソンシーン、そして音楽シーンのホットな話題を、圧倒的テキスト量で語り尽くす、リスアニ!本誌で好評連載中の「画声人音」。次回で連載第十回を迎えるその前に一度連載の軌跡を振り返ってみようと、ミト、アニメ音楽ライター・澄川龍一、馬嶋 亮(リスアニ!編集長)のイツメン3人がリスアニ!編集部に集合し新シーズンに向けて緊急会議を開催! 画声人音のこれまで、そしてこれからについてあれこれ語ってみました。
馬嶋 亮 「画声人音」の連載も2019年の春からスタートして、いよいよ節目の十回目に突入ということで。
ミト 2年半もやっているんだ。
馬嶋 そうなんです。そこで今回は過去の連載を振り返りつつ、我々のスピードの向こう側をここ「リスアニ!WEB」で改めて体験していただきつつ、来たる十回に向けてのあれこれをざっくばらんに話していきたいなと。
澄川龍一 我々の手元に過去の連載ページの刷り出しがあるんですが、見開きでかなりの文字量があるので、それを読み返す気力が……A3とかに拡大できなかったの?
馬嶋 最初は拡大したものを刷り出そうとしたんですけど、何を日和ってるんだと。
ミト 私、今日はそんな予感がしていて。寝室にいつも置いてある一番ちゃんと見える老眼を持ってきました。
澄川 ちゃんと備えてきたぞと!
ミト 今日、なんか絶対読むことになるんだろうなって。
澄川 さて、連載1回目から、我々が愛用している「ミラグレーン」(*1)が登場しているわけですが、ミトさんがミラグレーンとともに愛用している「よいとき」(*2)が……。
ミト 製造終了になって。
馬嶋 製造終了前にミトさんめちゃくちゃ箱買いしてましたよね。
ミト あと2年間は大丈夫だと思う。
澄川 そのニュースをミトさんのインスタのストーリーズで見たときは、好きなバンドが解散発表したときと同じ衝撃が走りました。
ミト 「よいとき」が終わるって、私たち「画声人音」の中での星団歴(*3)が終わるみたいなもので。モーターヘッド時代からゴティックメードの時代(*4)に入るのかと。
澄川 わははは、連載のデザインも刷新されるかもしれないぞと。これで1つの時代の終焉を迎えたわけですよ。
*1 ミラグレーン/日邦薬品から発売されている健康商品。二日酔い対策をはじめ肝機能を改善する作用がある。画声人音ではこれを飲んでから収録をスタートさせるのが恒例の儀式になっている。
*2 よいとき/キユーピーによる酢酸酵母素配合のサプリメント。ミラグレーンと並んで「画声人音」のお酒のお供として愛されてきたが、2021年9月をもって惜しまれながら製造終了となる。
*3 星団歴/ミトのバイブルである永野 護著「ファイブスター物語」の物語の中心となる暦。
*4 モーターヘッド時代からゴティックメードの時代/「ファイブスター物語」において、本作が連載されている月刊ニュータイプ2013年5月号より、物語のメイン兵器であるモーターヘッドがゴティックメードに変わるなど、作品内の名称やデザイン、設定などが大幅に変更された。
澄川 連載第一回目から読み返して驚いたのが、ミトさんの「ところで今、『特攻の拓』がアニメ化したらどうなるだろう」っていう発言ですよ。
馬嶋 僕もびっくりして。
澄川 『東京リベンジャーズ』が大ヒットする前ですからね。これってすごいことですよ。
ミト それ、今言われて私も驚いていますね。
澄川 みんなびっくりしちゃったと。連載初期は時事ネタもありつつ、アニメやアニソンに対してどう思っているのかという話題が多かったですね。
ミト 世間の時節柄から、アニメシーンへの影響や未来を私らが話すという。そこに理性がちょっと伴うと、どうしても概念的な発想、ロジカルになっちゃうから、そこのリミッターをはずして本能のままいかんといけないのではないかというのを新宿の養老乃瀧(*5)で話したのが最初です。
馬嶋 “リスアニ!ナイト”の打ち上げの朝ですね。
澄川 それを大々的に出していこうとなったのが連載第一回目ですね。時事を切る系とかは、第2回の”ランティス祭り”の話題でもありましたね。ライブと酒問題。
馬嶋 あったなあ。
澄川 これも今からすると、当時はライブ会場で酒を飲むような行為、飲食が可能だったという時代が2年前まではあったということなんですよね。
ミト 今は緊急事態宣言も解除されていますけど、私たちが秋にツアーをやっていたのがその解除されたあとで、東京公演(10月23日)はリバウンド防止措置も解除された翌々日(10月21日)だったんですよ。そのときは、入口でドリンクチケットを買うんだけど、それ以降の販売はなしという感じ。
澄川 僕も先日ARCANA PROJECTのライブを観にLIQUIDROOMに行きましたが、終演後のドリンク販売はいたしませんというアナウンスでしたね。
ミト それは解除後も変わらないと思うよね。あと、今まではお酒の席でみんなで飲みながら話して何かが生まれるとか、いわゆる飲みニケーションで生まれるアイデアっていうのがあったんだけど、それが確実に少なくなっていて。よいときが終わった理由ってそこなんですよね。
澄川 そっかあ……。
ミト 外で飲めなくなり、家でもそんな量が飲めなくなり、さらに言うと家で飲むとよいときが必要なのか?って。だからキユーピーさんは製造中止にしたのかな。
澄川 これもコロナで一連の幕が閉じた例なのかなと。
ミト それでも私たちは果敢に飲みながら連載を続けようとするわけですよ。この、酒の人でなし感というか。
馬嶋 過去の連載はほとんど飲みながらやっていましたからね。今日は会社の会議室なのでさすがに飲んでいませんが。
ミト 今日飲んでいたらこんな小さい字読めませんよ!でも、ちょっと考えたのは、そこそこ話して突っ込んでいたりするとカロリー消費がすごいから、前日とかはあまり飲まないようしようとか考えるようになって。
澄川 連載に向けてコンディションを整えておくという。
ミト 話しているうちにどんどん自己を解放していくんだけど、解放するまでの間に体力がもたなくなってくるんだなって気がつき。だから、途中からミラグレーンとよいときは陰で2錠飲んでますから。
馬嶋 バイキルト(*6)二度がけ!
ミト ドーピングするタイミングを前半中盤と分けておかないとまずいなと。でも最近はある程度落ち着いてきたかな?
澄川 我々も筋肉がついてきたと。
*5 新宿の養老乃瀧/2019年3月15日に開催された”リスアニ!ナイト Vol.09”の打ち上げ2軒目の会場。そこでミト、澄川、馬嶋の3人で連載の構想が練られた。
*6 バイキルト/国民的RPG「ドラゴンクエスト」の攻撃補助魔法。一度かけると攻撃力がアップし、二度かけるとさらにアップ。
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