INTERVIEW
2021.10.20
1994年に登場し、今や群馬県の宣伝部長も務めるマスコットキャラクター・ぐんまちゃんが、この秋なんとTVアニメ化!ひらがな「ぐんま」の世界を舞台に繰り広げられる、群馬の名所や名産をモチーフにしたものを散りばめながらぐんまちゃんの日常を描く、老若男女が楽しめる作品『ぐんまちゃん』として現在放送されている。本稿では、そのOPテーマ「SWITCH!」を始めとする楽曲を収録した「SWITCH!-ぐんまちゃん SONG COLLECTION-」のリリースを記念して、ぐんまちゃん役・高橋花林へのインタビューを敢行。アニメ本編や自身も歌唱するOPテーマにまつわるエピソードはもちろん、ぐんまちゃんや群馬についてもたっぷり語ってもらった。
――高橋さんはアニメ化が決まる前から、ぐんまちゃんはご存知でしたか?
高橋花林 はい。私は元々ご当地キャラがすごく好きなので、かわいい子だなぁとずっと思っていました。ただ、「この子はどんな子なんだろう?」とまでは考えていなかったので、オーディションの資料を見て「あ、個性的な声の子なんだ」とか「好奇心旺盛な子なんだ」と知っていきました。もちろん楽しく動いているのは知っていたので明るい子だとは思っていたんですけど、おっとりしているというのもそのとき初めて知りましたね。
――実は僕も群馬出身なので元々すごく親しみのある子なんですけど、新しく知った点が多くて。でもアニメを拝見するなかで、そんな部分もすぐに馴染みました。
高橋 おー!良かったです!観てくださっている皆さんにも、そう思っていただけていたら嬉しいです。
――おっとりというのも、ぼけっとしたときの顔がすごくかわいらしい子なので納得です。
高橋 本当にかわいい……ぐんまちゃんにこの作品に携わる前には直接会ったことはなくて、公式の動画でほかのご当地キャラと一緒にわちゃわちゃしているのを観ていたくらいなんですけど、もう会えば会うほどかわいくて。初めて会ったときはちょっと圧の強さも感じて「あ、ぐんまちゃんさん初めまして……」みたいになったんですけど(笑)、それはサービス精神が旺盛で、私のことをすごく気にかけてくれたからなんですよ。初めて一緒に取材を受けたときも、机の上に置いてあるお水を「どうぞ」みたいに差し出してくれましたし、私が一人で座ってたら「大丈夫?」みたいに肩をポーンとしてくれたり……若輩者にもすごく気を使ってくれるんですよ。
――さすがは大ベテラン(笑)。
高橋 今日持ってきたタブレットのケースに入っているこのステッカーも、ぐんまちゃんがくれました。先行試写会のときに配る予定だった、抽選に当たった方にお渡ししたものをくれたので、その場で入れたんです。なので私も最近は「ぐんまちゃん今日はなにで来たの?」とか「お弁当食べた?」みたいに、色々しゃべれるようになりました(笑)。
――そんななかだと、10月23日に行われるリリースイベントもより楽しみですね。
高橋 はい。それ以外にも、会える機会がもっと増えたら嬉しいです!
――ちなみに高橋さんは、群馬自体にはどんなイメージがありましたか?
高橋 会ったり関わったことのあった、草津温泉やゆもみちゃん、ころとん……のイメージが一番強かったです。なので、ぐんまちゃんが1話で温泉に入って癒やされて元気を回復しているシーンを観て「やっぱ温泉だよねぇ」と思いましたね。それに群馬って、草津以外にもたくさん温泉地があるじゃないですか?
――そうですね。伊香保温泉とか四万温泉とか。
高橋 だからやっぱり群馬といえば、温泉だなぁ……というイメージです。
――ただ、例えば放送開始前に先行公開された回では富岡製糸場をモチーフにした工場も出てきましたし、そういう名所もこれから続々登場する?
高橋 そうですね。なので色々な名所とか群馬ならではのものを、たくさん知っていただけると思います。あと、第1話の焼きまんじゅうのお話の収録で、(内田)彩さんと(小倉)唯さんが「餡入りの焼きまんじゅうって見たことない」って言っていて。
――僕も餡入りはアニメで初めて知りました。縁日の屋台では餡なしのものが出ていることが多いので、もしかしたらそのイメージが強いのかもしれないですね。
高橋 なるほど……群馬県の職員の方は「お店によって餡入りがあるんですよ」とおっしゃっていたので、「群馬県の中にも、色んな焼きまんじゅう派があるんだなぁ」と感じました。
――ちなみに、高橋さんは召し上がられたことは?
高橋 まだなんです!食べたいんですけど、やっぱり最初は群馬で食べるべきだと思うので……ぐんまちゃんと一緒にいつか群馬に行ったときに、食べたいと思ってます。ぐんまちゃんについても、彩さんや唯さんから「元々はゆうまちゃんっていう名前だったんだよ」と教えてもらったりして……彩さんと唯さんは小さい頃からめっちゃぐんまちゃんに馴染みがあって「色んなところにいたよ」とおっしゃっていたので、「そんなに身近な存在なんだ!」と思って。なんだかもう、ご当地キャラの枠を超えていますよね。それにぐんまちゃん、実は1994年生まれなので私と同い年なんですよ!だからとても長く活躍してるんだなぁって、しみじみ感じました。
――続いては、高橋さんから見た『ぐんまちゃん』というアニメ作品自体の魅力についてお話しいただきたいのですが。
高橋 『ぐんまちゃん』のエピソードは優しくて温かくて、しかもちょっと不思議な回もあったりするんですよ。ぐんまちゃんとの日常を穏やかに緩やかに楽しみながら、群馬の良いところもわかるというか。群馬県の方は「あるよね、こういうの」と感じるでしょうし、ほかの県の方には「これ、群馬なんだ!」と知るようなものがあるはずなので、県民の方もそうじゃない方も楽しめると思うんです。しかも内容的には考えさせられるところもあるので、お子さんには純粋に「かわいいなぁ」と感じてもらいつつ、大人の方にも楽しんでいただけるものになっていると思います。
――特に印象に残っているエピソードはありますか?
高橋 私は、ヤヨイヒメが登場する回が好きです。その回を通じてやよいひめっていうイチゴがあることを初めて知ったというのもあるんですけど、ヤヨイヒメのキャラクター性が面白くて。あおまくんとみーみちゃんが言い合いをすることはありますけど、ヤヨイヒメは仕えている魔法の鏡たちと裏でバチバチしているところが(笑)、『ぐんまちゃん』の中では独特だなぁと思って。それをみーみちゃんが見抜いてしまうのも含めて、ヤヨイヒメの回は好きですね。
――たしかに、ヤヨイヒメは唯一裏表のある子かもしれない(笑)。
高橋 そうなんです。ほかのみんなは結構、良いことも悪いことも思ったことをはっきり言ったりしているんですけど、ヤヨイヒメだけはみんなとちょっと違う感じがして。惹きつけられます。
――あとは毎回、揉め事をぐんまちゃんがぐんまパワーで解決してくれますし。
高橋 はい。ぐんまパワーは癒やしの力なので、決めゼリフですけど癒やされるようにあまり力を込めすぎずに。何パターンかやっていくなかで今の形に決まっていったので、私としても今のものが一番しっくりきています。
――その決めゼリフ以外にも、演じながら楽しさを感じられた部分も色々ありましたか?
高橋 楽しかったです。特にあおまくんとみーみちゃん……彩さんと唯さんと結構一緒に収録ができて、その三人では掛け合いをする機会が多かったので。ただ、ぐんまちゃんは割といつでもフラットな子なんですよね。周りの状況によるテンションの高低はあおまくんとみーみちゃんがすごく表現してくれているんですけど、ぐんまちゃんは緩やかに盛り上がっている感じなんです。なので、二人に引っ張られすぎてテンションが上がりすぎないようにするのが大変でした(笑)。
――掛け合い中、ちょっと乗っかりたくなっちゃいますよね。
高橋 そうなんです。ぐんまちゃんの中ではテンションが上がっていても、あまり表には出てこない子なので、テンション高くなりすぎないようにというか。弾けすぎないというディレクションを監督からも結構いただいていたので、そこは気をつけました。あと、ぐんまちゃんってすごく素直で言葉に嘘のない子でもあるんですよ。1話で焼きまんじゅうの餡入り・餡なしどっちがいいか聞かれて、悩んでないのに「困ったなぁ……」と言っているうちに本当に悩みだしちゃうぐらいの素直な子なんです(笑)。なので言葉に裏があると思われないようなお芝居も、心がけたポイントでした。
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