リスアニ!本誌で好評だったOP・EDレビューをリスアニ!WEBにて実施! 2021年秋アニメ主題歌のレビューを随時掲載していきますので、ぜひチェックしてください♪
※一部掲載のない作品もございます
(最終更新日:2022年1月31日)
●OP「おんなじキモチ。」安野希世乃
作詞・作曲・編曲:フワリ
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●ED「冷めない魔法」東山奈央
作詞・作曲:RIRIKO 編曲:中土智博
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本作は、“ぽかぽかイオン”の2人が揃ってOPとEDを担当。
OP「おんなじキモチ。」は、ファンタジー感のあるイントロから、ものすごくキャッチーでかわいいメロディが展開される。安野のボーカルからも、みんなとごはんを食べる幸せが感じられて思わず頬が緩む。バンド演奏もゴージャスで、生楽器の血の通ったサウンドが作品の雰囲気にも合っている。
ED「冷めない魔法」はカントリー調で、軽やかにステップを踏みたくなる楽曲。1番で食器の音などをパーカッション代わりに使っているところも、遊び心と作品への愛を感じる。歌の難易度が高い曲だったそうだが、真っ直ぐな歌声をベースにところどころニュアンスを入れるなど、食事が楽しくなるような仕掛けがたくさんある。
(TEXT BY 塚越淳一)
©犬塚惇平・主婦の友インフォス/「異世界食堂2」製作委員会
●OP「残酷シャングリラ」O★Z(結希アンジュ、ギルティア・ブリオン、イヴ・ルイーズ、ロビン・ラフィット[CV:千葉翔也、古川 慎、七海ひろき、堀江 瞬])
作詞・作曲:上松範康(Elements Garden) 編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
●ED「BLOODY KISS」LOS†EDEN(サガ・ラトゥール、ミスト・フレーヴ、ヴーヴ・エリザベス、ジャック・ムートン[CV:江口拓也、島﨑信長、永塚拓馬、矢野奨吾])
作詞・作曲:上松範康(Elements Garden) 編曲:竹田祐介(Elements Garden)
東京・ハラジュクを舞台に、ヴァンパイアたちによる“ヴィジュアル系ライブバトル”が描かれる『ヴィジュアルプリズン』は“上松範康×A-1 Pictures×アニプレックス”が手がける新プロジェクト。OP、EDの作詞・作曲は上松が担っている。どちらもユニットの個性が際立った、強烈なインパクトを与える曲だ。
幕開けを飾るのは気鋭のヴォーカルユニット、O★Z。ピアノの旋律と共に疾走するロックナンバー「残酷シャングリラ」は、新しき世界に飛び込もうとするO★Zの決意を感じる覚醒的な1曲。元宝塚歌劇団星組所属・七海ひろきの歌声も美しく、サビのユニゾンは“闇を切り裂く”という言葉がよく似合う。
一方のEDは、「インディーズの帝王」ことLOS†EDENによる“闇の道を照らす”ような好戦的なナンバー。サガの“…愛してやろうか?”“吸ってやる”というオラオラな声に痺れる。
(TEXT BY 逆井マリ)
©Noriyasu Agematsu,Afredes/Project VP
●OP「境界線」amazarashi
作詞:秋田ひろむ 作曲:秋田ひろむ 編曲:出羽良彰
●ED「アルケミラ」リーガルリリー
作詞:たかはしほのか 作曲:たかはしほのか
死神は、居るべき場所へと呼ばれる——―。第2クールへと突入したエイティシックスたちの物語を彩るのは、独自の世界観を有している2組のロックバンド。
amazarashiによるOPは、『86―エイティシックス―』の世界観を隅々まで表現した疾走感のあるロックナンバー。絶望の中で散っていく仲間たちへの鎮魂歌であった第1クールOPとは異なり、今作のOPは絶望の中に微かな希望を見出すエイティシックスたちの決意の歌となっている。特にサビ後半の歌詞は、主人公のシンからヒロインのレーナへ向けての言葉に思えてならない。
3ピースガールズバンド・リーガルリリーが歌うEDは、たかはしほのか(vo、g)の透明感のある歌声が耳を惹く、まどろみの中にいるような不思議な雰囲気を纏った1曲。眠りへと誘う独創的な歌詞は、辛い現実からの逃避か、それとも過酷な運命を背負うシンたちへの祈りか。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©2020 安里アサト/KADOKAWA/Project-86
●オープニング・テーマ「BOY」King Gnu
作詞・作曲:常田大希 編曲:King Gnu
●エンディング・テーマ「Oz.」yama
作詞・作曲:泣き虫 編曲:浅野尚志
生まれつき耳が聞こえず、口もきけない王子ボッジは、初めてできた友達のカゲとの出会いにより、運命を切り開いていくーー。本当の強さ、優しさとは?というテーマを備えたTVアニメ『王様ランキング』の楽曲は、現在の音楽シーンを代表する2組が担当。
King Gnuが手がけるオープニング・テーマ「BOY」は、軽やかで愛らしいメロディと、クラシック、ネオソウル、ファンクなどを融合させたサウンドを軸にしたポップチューン。“確かに未来へと今駆けてゆく”に象徴される、未来への光を感じさせる歌詞も心に残る。
“ひとりぼっちにはさせないでよ”から始まるエンディング・テーマ「Oz.」はyamaの歌唱によるミディアムバラード。お互いの弱さを共有し、共に生きようと呼びかける歌詞は視聴者の感情を優しく包み込む。
(TEXT BY 森 朋之)
© 十日草輔・KADOKAWA刊/アニメ「王様ランキング」製作委員会
●OP「START」すとぷり
作詞:白井 裕紀. 作曲:るぅと x 松 編曲:松
●ED「Fateful…」Morfonica
作詞:織田あすか(Elements Garden) 作曲:上松範康(Elements Garden) 編曲:下田晃太郎(Elements Garden)
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チーム・ブラックアウトが巻き起こすドラマチックなヴァンガードファイトもシーズン2に突入。彼らの物語を彩るのは、若い世代に人気の2組のアーティストだ。
10代に人気のエンタメユニット・すとぷりが歌うOPは、抜けのいい6人の歌声や躍動感のあるギター&ドラムスが耳を惹くアッパーチューン。「START」というタイトルに相応しい前向きな言葉が並んだ歌詞は、奇をてらわないストレートな表現だからこそ聴く人の胸に響くのだろう。
「BanG Dream!(バンドリ!)」から生まれた第4のリアルバンド・Morfonicaが歌うEDは、痛みを乗り越えてゆっくり前へと進んでいく強さを表現したシンフォニックな1曲。ミディアムテンポな曲調だからこそ映える流麗なバイオリンと、その音色に呼応するかのような一本芯のある歌声の組み合わせは美しさすら感じさせる。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
TVアニメ『カードファイト!! ヴァンガード overDress』公式サイト
©VANGUARD overDress Character Design ©2021 CLAMP・ST
●OP「海と真珠」JUNNA
作詞・作曲・編曲:梶浦由記
●ED「サイハテ」鈴木みのり
作詞:饗庭 純 作曲・編曲:出羽良彰
海賊や侍が登場する和洋折衷な世界を舞台にしたオリジナルアニメーション。その主題歌を歌うのは、ユニットでは共演多数ながらソロとしては初めて同じアニメのテーマ曲を担当する2人の歌姫だ。
稀代の作曲家・梶浦由記と初タッグを組んだJUNNAが歌うOPは、作品の雰囲気にぴったりな異国感の漂う雄大なナンバー。物語の始まりを告げるような、明るく開けたサウンドが印象的だ。言葉のチョイス、メロディライン、楽曲の展開構成といった特徴的な“梶浦節”と、パワフルなJUNNAの歌声の組み合わせは、新たな化学反応が生まれたと言っても過言ではないだろう。
鈴木みのりが歌うEDは、激動の物語を彩るようなスケール感のあるロックバラード。聴く人の魂を震わせる歌詞とサウンドは、主人公・フェナの人生を表現しているかのように繊細でダイナミックだ。圧巻なのは、楽曲のドラマチックさをさらに数段上に押し上げる、鈴木の感情表現豊かなボーカル力。彼女の卓越した歌声に、何度心が奪われたかわからない。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©Kazuto Nakazawa / Production I.G
●OP「ちいさなキセキ」 Lia
作詞:魁 作曲:折戸伸治 編曲:高瀬一矢(I’ve)
『Kanon』から『Rewrite』まで、一時代を築いたkey作品のキャラクターたちが織りなす初のクロスワールドショートアニメ。
魁、折戸伸治、高瀬一也そしてLia。クレジットを書き出すまでもなく、鍵っ子にはあまりに慣れ親しんだクリエイター陣にもはや言うことはない。それぞれの作品を象徴するセンテンスが盛り込まれているのも往年のファンには嬉しいポイントだろう。では、新規の視聴者には楽しめないのかと言われればそんなことはない。Liaのクリアなボーカルに惹かれたならkey作品という“世界”への扉が開かれたも同然だから。
(TEXT BY 田中尚道)
©VISUAL ARTS/Key/KAGINADO
●OP「Fever Dreamer」Mia REGINA
作詞:hotaru(TaWaRa) 作曲:Tom-H@ck(TaWaRa) 編曲: RINZO(TaWaRa)
●ED「Reverse-Rebirth」鈴木愛奈
作詞:ha-j、出口たかし、PA-NON 作曲:ha-j、出口たかし、PA-NON 編曲: ha-j
Otaku is not dead! 異世界から現れた“真国日本”に侵略されサブカル文化が弾圧された日本を舞台に、その支配に抗うレジスタンス・アラハバキたちの奮闘を描くオリジナルロボットアニメ。サブカルへの愛が存分に溢れた作品の主題歌を歌うのは、オタクを公言する2組のアーティストだ。
アニソンボーカルユニット・Mia REGINAの歌うOPテーマは、開始3秒で心をワクワクさせる、ビートの早い4つ打ちダンスナンバー。あえて現在の流行から外した“旧き良きアニソン感”なサウンドと、「常識なんか関係なく、好きなものは好きだと叫べ!」というメッセージは、ストレートに聴く人の心の温度を上げてくれる。
蒼葉夕紀役としても出演する鈴木愛奈が歌うEDテーマは、シリアスなアレンジと力強くも伸びやかな歌声がとにかく美しい1曲だ。パッションに溢れたOPテーマとは対照的に、この楽曲ではクールな心に秘めた熱い想いが歌われている。ときめきを力にする電池少女たちのことを歌っているのはもちろん、鈴木自身の歌に対する想いとも共鳴していると言ってもいいだろう。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©伽藍堂/「逆転世界ノ電池少女」製作委員会
●OP「DIES IN NO TIME」福山 潤
作詞:福山潤、松井洋平 作曲:猟平、めんま、41730(SPVRK) 編曲:神田ジョン
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●ED「Strangers」TRD
作詞:畑 亜貴 作曲:黒須克彦 編曲:西岡和哉
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「週刊少年チャンピオン」で連載中の人気ギャグマンガ「吸血鬼すぐ死ぬ」がアニメ化。苦労人体質の吸血鬼ハンター・ロナルド(CV:古川 慎)が、タイトル通りすさまじい頻度で死ぬ“史上最弱のザコ吸血鬼”ドラルク(CV:福山 潤)とコンビを組み事件に挑む。主題歌もバンパイアのニヒルでシリアスなイメージとは一線を画したナンバーとなった。
“明るくにぎやか”がテーマになったOP「DIES IN NO TIME」はドラルク役の福山が担当。これまでもタッグを組んできた作詞家・松井洋平と共に仕上げた歌詞は“這い蹲り 灰になろうと ハイな気分さ”と遊び心たっぷりで、2人の“らしさ”に思わずニヤり。作曲は新進気鋭の作家トリオ・猟平、めんま、41730(SPVRK)によるもので、ジャジーでスウィンギー、かつダンサブルと“福山 潤サウンド”の新境地を見せている。
明るく爽やかな清涼感のある楽曲となっているEDは、キャストとしても出演している、声優の近藤孝行(カメ谷役)と小野大輔(ヒヨシ役)によるテクノロジックボーカルユニット・TRD(トラッド)の1stシングル「Strangers」。サウンドプロデュースは西岡和哉が手がけている。くるくると表情を変えながら爽やかに疾走していく、2人の歌声とハーモニーが絶品だ。
(TEXT BY 逆井マリ)
©盆ノ木至(秋田書店)/製作委員会すぐ死ぬ
●OP「SWITCH!」ぐんまちゃん(CV:高橋花林)、あおま(CV:内田 彩)、みーみ(CV:小倉 唯)
作詞:meg rock 作曲・編曲:宮野弦士
●ED「Happy」今村麻莉愛(HKT48)
作詞・作曲:多胡邦夫 編曲:米田浩徳
OP「SWITCH!」は、ディスコファンクな曲調やアレンジ含めてとてもかっこいいのだが、歌っているのがぐんまちゃんたちというギャップがものすごい。この曲調を、どこからどう聴いてもぐんまちゃんとあおまとみーみで歌っていることに驚く。OPアニメのハジけっぷりを見ても『ぐんまちゃん』は、なかなかに攻めた作品だと感じるはずだ。
一方ED「Happy」は癒やし系のポップソング。日常の小さなことにスポットを当てて、「何でもないことだって君といたら幸せだよ」と歌っている曲なのだが、これがソロデビュー曲となる今村麻莉愛のピュアな歌声がじわじわと染みてくる。アニメで流れないCメロが実は泣ける。
(TEXT BY 塚越淳一)
© 群馬県 All Rights Reserved.
●OP「シンデレラ」サイダーガール
作詞・作曲:Yurin 編曲:江口 亮
●ED「ヒカレイノチ」Kitri
作詞:Mona、Hina 作曲:Mona 編曲:Shohei Amimori、 Kitri
主人公は、極度のコミュ症であることに悩んでいる古見さん。クラスメイトの只野くんと友達になった古見さんが“友達100人”を目指して奮闘する姿を描いた『古見さんは、コミュ症』は、OP/EDを彩る楽曲でも、切なくも愛おしい青春を想起させてくれる。
サイダーガールが担当するOP「シンデレラ」は、“些細なよろこびたちを育てていきませんか”というフレーズから始まるポップチューン。青さを感じさせる旋律、カラフルなバンドサウンドは、すべてのリスナーの心の扉を開いてくれるはず。
ED「ヒカレイノチ」は、Mona、Hinaの姉妹によるピアノ連弾ボーカルユニット・Kitriによる楽曲。素朴で穏やかな旋律とクラシカルなアレンジから伝わる心地良い波動に包まれたい。
(TEXT BY 森 朋之)
©オダトモヒト・小学館/私立伊旦高校
●OP「恍惚ラビリンス」遠藤正明
作詞:遠藤正明 作曲・編曲:Carlos K.、Keisuke Koyama、DAICHI、Konnie Aoki
●ED「Shine」MindaRyn
作詞・作曲:Misaki(SpecialThanks) 編曲:小山 寿
凸凹父娘の冒険メカアクション・TVアニメ『サクガン』を歌うのは、遠藤正明とタイのアニソンシンガー・MindaRyn。対照的な二人によって作品が浮かび上がる。
聴いた瞬間に意識が“Sci-Fi”にチューニングされてしまう、遠藤のロックで強いボーカル。リフレイン多用のメロディも、英語日本語が対置される歌詞も、90年代に世に出された同ジャンル作品の作法に忠実でトラディショナルな印象。そういう意味でもはや伝統芸能というかクラシックの域。
一方「Shine」のタイの女性シンガーが日本語詞を歌うという無国籍感は過去に例がないわけではないが、観念ではなく現実としてのボーダレスが隣にあるという世界のフェーズの変わりようを感じられて、爽やかでロックなこの曲とともになんだかワクワクを喚起する。
(TEXT BY 田中尚道)
©「サクガン」製作委員会/SAKUGAN Project
●OP「サイカ」フレデリック
作詞・作曲:三原康司 編曲:フレデリック
●ED「Breakers」羽多野 渉
作詞:岩城由美 作曲・編曲:Evan Call
除霊師の冷川理人、“視えてしまう”体質の三角康介を主人公にした霊感エンターテインメント作品「さんかく窓の外側は夜」が実写映画に続き待望のTVアニメ化。
シティポップ的なサウンドメイクと「仲間とともに才能や感情を分かち合うことで未来を切り開く」というテーマで綴られた歌詞が1つになったOP「サイカ」は、フレデリックが制作。言葉を大切に届けるボーカル、豊かなグルーヴを感じさせるメロディラインも印象的だ。
声優としても絶大な人気を得ている羽多野 渉によるED「Breakers」は、繊細な響きのピアノに導かれる楽曲。ファルセットを交えた歌声から放たれる、“信じないままでもいいかな だけどそばにいたいんだ”というアンビバレントな感情を映し出す歌詞も素晴らしい。
(TEXT BY 森 朋之)
© ヤマシタトモコ/リブレ・さんかく窓プロジェクト
●OP「BELIEVE MYSELF」亜咲花
作詞:亜咲花 作曲:夢見クジラ 編曲:大沢圭一
●ED「シキザクラ」May’n
作詞・作曲・編曲:くじら
名古屋を中心とした、愛知、岐阜、三重の東海三県のスタッフで作られるアニメシリーズは、OP、EDのアーティストももちろん名古屋出身なのである。
OPは亜咲花が歌う「BELIEVE MYSELF」。快活だった『ゆるキャン△』の記憶からアップデートされていなかったため、雰囲気の違いに少し驚いた。そして、内省的でメロウな曲もしっかり聴かせる亜咲花の実力にもう一度驚く。歌詞では登場人物の「覚悟」を表現しており、マイナーとメジャーの狭間のコードが、揺れる心情を上手く表現している。
亜咲花はMay’nに憧れていたそうで、コラボレーションのキーが名古屋という土地になったのはちょっと面白い。さて、ED「シキザクラ」は変わりゆく今から過去を懐かしむスローバラード。桜といえば出会いと別れ、春のイメージだが物語の舞台は紅葉と桜が同時に楽しめる地なので、秋番組の主題歌でも問題ないのだ。
(TEXT BY 田中尚道)
©シキザクラ製作委員会
●OP「とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか」ARCANA PROJECT
作詞:田淵智也 作曲:草野華余子 編曲:堀江晶太
●ED「新月のダ・カーポ」/相沢梨紗(でんぱ組.inc)
作詞・作曲:草野華余子 編曲:中山真斗
名作『色づく世界の明日から』の制作チームによる『白い砂のアクアトープ』は、沖縄の小さな水族館を舞台に、少女たちの夢と現実、希望や葛藤をリリカルに描いた青春物語。第2クール目からは、「アクアリウム・ティンガーラ」から物語が紡がれる。
五人組アニソンボーカルユニット・ARCANA PROJECTが歌うOP「とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか」は、アニソンシーンを支える凄腕クリエイターによる楽曲。洗練とエモさを共存させたメロディと“ちゃんと生きて 僕たちだけの歌を歌っていく”というフレーズが響き合い、豊かな感動を生み出す。
ED「新月のダ・カーポ」は、でんぱ組.incのリーダー・相沢梨紗の芯のある歌声が印象的なナンバー。美しいストリングを軸にしたトラック、“歩き始めれば 何処へでもゆけるよ”と語り掛ける歌詞が心に響く。
(TEXT BY 森 朋之)
©projectティンガーラ
●OP「EVOLUTiON:」南條愛乃
作詞:yozuca* 作曲・編曲:黒須克彦
●ED「Moonlight Walk」Poppin’Party
作詞:中村 航 作曲・編曲:日高勇輝(Elements Garden)
原作は人気ライトノベルで、ヒロインのサリア役を花澤香菜&稲田 徹が務めることでも話題に。
OP「EVOLUTiON:」はヒロインの1人、神無月華蓮役で出演している南條愛乃が担当する。いじめられていた主人公が異世界で勝ち組になっていくという痛快さや、主人公のキャラクターを表現。南條の力強い歌声で作品のテーマである“進化”を感じさせるパワフルな1曲。
ED「Moonlight Walk」はBanG Dream!よりPoppin’Partyが担当。思いっきり声を上げてぶち上がるロックチューンで、ポピパらしい青春感も盛り込まれている。キャラクターがかわいいゲーム画面風のEDアニメも相まって、疾走感のある冒険の世界を演出している。
(TEXT BY 金子光晴)
TVアニメ『進化の実~知らないうちに勝ち組人生~』公式サイト
© 美紅/双葉社・「進化の実」製作委員会
●OP「息を吸う ここで吸う 生きてく」ゆいにしお
●ED「みんなおなじ」JYOCHO
TVアニメ『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』公式サイト
©ざっぽん・やすも/KADOKAWA/真の仲間製作委員会
●OP「Dark seeks light」ニノミヤユイ
作詞:ニノミヤユイ 作曲・編曲:ケンカイヨシ
●ED「A Promise」結城アイラ
作詞・作曲:結城アイラ 編曲:蓮尾理之
ファンタジー世界に転生した暗殺者。新たな任務は“勇者暗殺”。ハードボイルドでピカレスクな物語は、主題歌もスタイリッシュ。
これまでもロックな楽曲を世に送り出してきたニノミヤユイ。今回は大分R&B風味だが、相変わらずBPMが速く持ち前の疾走感がいかんなく発揮されている。厨二テイストが溢れる歌詞は、彼女が歌うと実にかっこいいのである。
EDは一転してしっとりしたシンセポップ。というか、シティポップというかAORというか。ファンタジー作品との相性はどうかと思ったが、意外とこれが上手くはまっている。結城アイラの歌声もあり、物語の締めとしてなんとも落ち着く楽曲となっている。
(TEXT BY 田中尚道)
TVアニメ『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』公式サイト
© 2021 月夜 涙・れい亜/KADOKAWA/暗殺貴族製作委員会
●OP「Glorious Days」9-tie(キューティー)
作詞・作曲・編曲:橘 亮祐、篠崎あやと
●ED「Only one yell」9-tie(キューティー)
作詞・作曲・編曲:橘 亮祐、篠崎あやと
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全国9つの地区予選を勝ち抜いたアイドルを目指す少女たちが、ともに本選オーディションに挑む姿を描いていくアニメ『SELECTION PROJECT』。オーディション番組で少女たちが努力する姿をアニメとして見る感覚が新しい。そして、OP、EDともに作中ユニットの 9-tie が担当する。
OP「Glorious Days」は、夜明けを感じるイントロから憧れのステージを目指す少女たちの想いが歌詞に込められている楽曲。手描きのダンスシーンや努力する姿を切り取ったOPアニメーションもグッとくる。
ED「Only one yell」はミディアムテンポのバラードで、なんと言ってもサビのメロディが美しすぎる名曲。9人の止め絵がかわいいエンディングアニメーションを見ながら作品と楽曲に浸ってほしい。
(TEXT BY 塚越淳一)
©SELECTION PROJECT PARTNERS
●OP「アノーイング!さんさんウィーク!」五十嵐双葉(CV:楠木ともり)、桜井桃子(CV:早見沙織)、黒部夏美(CV:青山玲菜)、月城モナ(CV:古賀 葵)
作詞・作曲:Junky
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●ED「虹が架かるまでの話」堀江由衣
作詞:金丸佳史 作曲・編曲:中野領太
OP「アノーイング!さんさんウィーク!」は中毒性のある、アニソンらしい社会人応援歌。ボーカルも見事で、短いフレーズにキャラの特徴を詰め込んでいる。素晴らしいのはOPアニメーションだ。会社の新入社員応援プロジェクトのPV作成というストーリーを持たせつつ、歌詞に合わせてキャラを動かしたり、実際に色んなカメラで働く姿を映したり、画面全体の色使い、缶ジュースの描写までこだわりまくっている。ぜひ映像と一緒に聴いてほしい。
堀江由衣によるED「虹が架かるまでの話」は恋愛面にフィーチャーした切なく心がキュンとするラブソング。こちらのアニメーションでも「根詰めすぎです。」の付箋のついた緑茶の缶とおしるこ缶が武田先輩と双葉を表していて良い。
(TEXT BY 塚越淳一)
©しろまんた・一迅社/先輩がうざい製作委員会
●OP「オトメの心得」GARNiDELiA
作詞:メイリア 作曲・編曲:toku
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●ED「真心に奏」土岐隼一
作詞:RUCCA 作曲:森本 練 編曲:ミト(クラムボン)
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大正時代、ペシミストの主人公と天真爛漫な少女の恋を描くノスタルジックなラブストーリー。
GARNiDELiAによるOPは、オトメの一途な恋心を歌った華やかな楽曲。ヒロインである立花夕月の献身的な一面だけでなく、強さや凛々しさが歌詞に込められていて、大正モダンの明るさも感じさせる。ブラスバンドを使ったポップな曲調で、これまでのGARNiDELiAとは違った新境地を切り開いた。
EDは白鳥策役を演じる土岐隼一が担当。どこか懐かしさを感じさせるサウンドに乗せて、温かい出会いの心情を歌う。約100年前の世界を描いた本作に寄り添って、“百年先も変わらない”想いが描かれている。
(TEXT BY 金子光晴)
©桐丘さな/集英社・大正オトメ御伽話製作委員会
●OP「タクト」ryo (supercell) feat. まふまふ, gaku
作詞・作曲・編曲:ryo (supercell)
●ED「SYMPHONIA」中島美嘉
作詞・作曲・編曲:rionos
『サクラ大戦』などで知られる広井王子の原作による、クラシック音楽をモチーフにした「takt op.Destiny」。音楽が失われた世界で、音楽の力を与えられた少女たちが葛藤や苦悩を抱えながら過酷なバトルに挑む姿を描いた本作は当然、楽曲のクオリティも極めて高い。
OPは、ryo (supercell) feat. まふまふ, gaku名義による「タクト」。クラシック、ロック、ミュージカルの要素が絡み合うサウンド、切ない叙情性と大らかな解放感を共存させたメロディは、あらゆるジャンルを超越した普遍性を放っている。
ED「SYMPOHNIA」は、中島美嘉の歌唱による壮大なナンバー。ベートーヴェン交響曲第5番「運命」のフレーズを散りばめた旋律と、芯の強さ、繊細さを併せ持った歌声が見事に共鳴している。
(TEXT BY 森 朋之)
©DeNA/タクトオーパスフィルハーモニック
●OP「緋ノ月」ALI PROJECT
作詞:宝野アリカ 作曲・編曲:片倉三起也
●ED「ありふれたいつか」Chima
作詞・作曲:Chima 編曲:山口彰久
今期のアニメは奇しくも吸血鬼モノが多い。しかし一口に“吸血鬼”と言えど物語は多彩。『月とライカと吸血姫』は、宇宙開発競争が繰り広げられる世界で、吸血鬼の少女(イリナ)と人間の青年(レフ)が種族の壁を越え、共に宇宙を目指す切ない物語だ。
吸血鬼、宇宙が似合うアーティストと言えば、ALI PROJECTである。OPは来年30周年を迎えるアリプロによる「緋ノ月」が彩る。89秒サイズには2番を採用。メランコリックに、ゴシカルに、ノスタルジックにと激しくチェンジするサウンドに、祈りを込めるかのような宝野アリカの歌声が重なる愛の歌である。特にイリナとレフ、2人の決意と切なさを感じる力強いサビは、視聴者にグッとくるものがあるだろう。
一方のED、Chimaの「ありふれたいつか」は、日常にある匂いやぬくもりが伝わるような優しい歌。彼女のトレードマークであるギターにエレクトロニカ要素を加えて宇宙を表現し“君と生きてたいな”と語り掛けるように歌唱している。OPとは裏腹の穏やかさがかえって切なく、日常の尊さを浮き彫りにする。
(TEXT BY 逆井マリ)
© 牧野圭祐・小学館/「月とライカと吸血姫」製作委員会
●主題歌①「LOVE ‘Em ALL」SolidS
作詞・作曲・編曲:滝沢 章
●主題歌②「Gonna Be Alright」SOARA
作詞・作曲・編曲:滝沢 章
●主題歌③「YOUR FREEDOM」QUELL
作詞・作曲・編曲:はまたけし
●主題歌④「自由の旅路」Growth
作詞・作曲・編曲:滝沢 章
前作に続き、OPは4ユニットがそれぞれ新曲を歌う。SolidSは激しいビートと華やぎある音が派手に響くギターとともに躍動感に溢れた歌声で聴かせる「LOVE ‘Em ALL」。志季、翼、里津花、大の声がクロスし、重なり、ユニゾンしていくなか、歌い踊る四人のパフォーマンスが浮かんでくるようなダイナミックさとライブ感のある1曲だ。
SOARAはバンドの勢いがそのまま詰まったような元気で快活な「Gonna Be Alright」。高校生の頃の楽曲よりも展開やメロディの進行に彼らが大人へと向かっていることを感じさせるポジティブチューンでは、五人それぞれのキャラクター性も滲む言葉を渡し合っていくように歌のバトンを繋いでいくのが印象的。
柊羽の歌い出しから英知へ、壱星、壱流とバトンを渡していき、四人のユニゾンへと歌声が紡がれていく様が印象的なQUELLの「YOUR FREEDOM」は、現代的なエレクトロで描く透明感が美麗なナンバー。水をテーマにした彼らの歌は、波紋のように広がり、清流となり、海原へと繋がるよう。
祈りの歌をうたいあげるGrowthは「自由の旅路」。神秘的で大地のように雄大な世界観を持つサウンドに乗せて、丁寧に織り上げられた四人の層の厚いユニゾンは、リスナーを鼓舞するようで、強さのある祈りの歌にGrowthの進化を感じさせる。SolidS、SOARA、Growthは滝沢 章が、QUELLははまたけしが継続して手がけているだけに、それぞれの音楽性が色濃くなった感の強い4曲が、それぞれのユニットの当番回のOPを飾る。
(TEXT BY えびさわなち)
TVアニメ『TSUKIPRO THE ANIMATION』公式サイト
©PROANI2
●メインテーマ「お伽話のような奇跡」久保あおい
作詞・作曲・編曲:詠人不知
沖縄を舞台としたちょっと不思議な世界観のショートアニメ。沖縄出身の漫画家・丸紅 茜がキャラクター原案・シリーズ構成を務めるなど、気鋭のクリエイターが参加している。
そんななかでテーマソングを担当するのが、YouTubeでの高速の歌声が話題となっている16歳のアーティスト・久保あおい。これが初のアニメタイアップ曲となる。アップテンポな楽曲で、サビの部分だけを聴くと明るくキャッチーだが、全体は心象風景を映し出すような深い世界観に基づく歌詞になっている。歌声の爽やかさ、軽やかさに隠れたわずかな痛み。そこに若い世代の共感を呼ぶアニソンの新しい息吹を感じる。
(TEXT BY 金子光晴)
© 波之上青年団/でーじミーツガール製作委員会
●OP「PUPPET’S」TOKYO MONSTERS
作詞:MANA、TOKYO MONSTERS 作曲・編曲:TOKYO MONSTERS
●ED「散文的LIFE」ニノミヤユイ
作詞:ニノミヤユイ 作曲・編曲:ケンカイヨシ
忍者の末裔の女子高生と自称No.1諜報員の凸凹コンビが奮闘するスパイSFアクション。彼女たちの活躍を後押しするのは、現代的なスタイリッシュさをまとった2曲の主題歌だ。
謎のクリエイター集団・TOKYO MONSTERSが歌うOPは、作品のサスペンスな雰囲気を見事に昇華したヒップホップナンバー。英語と日本語を織り交ぜた独特な歌詞を、時にリズミカルに、時にパワフルに歌い分けていくテクニカルなボーカル捌きは、聴く人を圧倒させること間違いなしだ。
“陰キャのカリスマ”ニノミヤユイによるEDは、ジャズやR&Bの要素を盛り込んだスマートなポップス。散文的に綴られた若者特有の陰のある歌詞を、お洒落なトラックに乗せて軽快に紡いでいく様は、ギャップも相まって非常に面白い。ED映像のシルエットダンスも含め、目でも耳でもこの曲を楽しんでしまおう。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
© 西田征史・久保忠佳・三宮宏太・講談社/ミッションT
●主題歌「ピコたるもの、ふぃーばー!」香澄×蘭×彩×友希那×こころ×ましろ×レイヤ
作詞:織田あすか(Elements Garden) 作曲:藤田淳平(Elements Garden) 編曲:笠井雄太(Elements Garden)、藤田淳平(Elements Garden)
『ガルパ☆ピコ』第3作のEDで、ついに『BanG Dream!』7バンドのボーカルが集結! EDはたった30秒しかないのに、サビだけで一気にテンションが急上昇。しかもその中に7人のボーカル全員の聞かせどころが用意されているという、Elements Garden作家陣の職人技が光っている。
曲全体では7人のボーカルが個性を発揮しつつ様々な組み合わせで歌っていて、さらにパーティ感がアップ。みんなで歌う楽しさに溢れた『BanG Dream!』らしいお祭り曲だ。
(TEXT BY 金子光晴)
TVアニメ『BanG Dream! ガルパ☆ピコ ふぃーばー!』公式サイト
©BanG Dream! Project ©Craft Egg Inc. ©bushiroad All Rights Reserved.
●OP「BANG!!!」EGOIST
作詞:ryo (supercell) 作曲・編曲:Giga
●ED「不可逆的な命の肖像」眩暈SIREN
作詞:京寺 作曲:オオサワレイ、眩暈 SIREN 編曲:眩暈SIREN
アニプレックス初となるTCG(トレーディングカードゲーム)とオリジナルアニメーションの連動企画。ハイターゲットとなる作品の主題歌がEGOISTと眩暈SIRENなのは納得である。
安定して平穏だが、閉塞したディストピアを破壊する「BANG!!!」という砲声。物語の始まりを象徴するOPだろう。奔流のようなバイオレンス、自己の絶対肯定は意外と最近なかったロックの本流である。内省を超えて怯懦を振り切る勢いが、実に気持ち良い。
反面EDは内省的。ペシミスティックな歌詞は眩暈SIRENらしさに溢れている。独り世界の真実に至り、自己の位置を確認して見渡したときに歪んで見える世界の像。果たして歪んでいるのは世界か自己か。最後の“再構築して”は懇願なのか、願望なのか、聞き手の受け取り方で大分印象が変わる。
(TEXT BY 田中尚道)
©build-divide project
●OP「ファイオー・ファイト!」SMILE PRINCESS
作詞:只野菜摘 作曲・編曲:田中秀和(MONACA)
●ED「オレンジ」May’n
作詞・作曲:May’n 編曲:今井了介
日光を舞台に、アイスホッケーに燃える少女たちの青春が描かれたメディアミックス作品。
OPを歌唱するSMILE PRINCESSは本作のキャラクターユニット(ちなみに、アイスホッケー女子日本代表の愛称がスマイルジャパン)。ホッケー用語が歌詞に入っているだけでなく、“ヒノヒカリ”(日の光)、“進まザルをえない”(日光の三猿?)という日光にまつわるワードも入っているのが天才の所業である。一度聴いたら忘れられない青春ソングの王道感もさすが。
EDテーマはMay’nが自ら作詞・作曲も担当。一度はアイスホッケーを辞める決意をした登場人物の清瀬 優が仲間と出会い、オレンジのユニフォームに袖を通す決意を描いた歌詞になっている。
(TEXT BY 金子光晴)
TVアニメ『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』公式サイト
©2020 プラオレ!メディアミックスパートナーズ
●OP「Sense」BAND-MAID
作詞:MIKU KOBATO 作曲・編曲:BAND-MAID
●ED「降伏論」宮下 遊
作詞:hotaru(TaWaRa) 作曲:Tom-H@ck(TaWaRa) 編曲:KanadeYUK(TaWaRa)
大場つぐみ・小畑 健の人気コミックをTVアニメ化。OPテーマはメイド姿のハードロックバンド、BAND-MAIDが担当する。「幸せになりたい」という作品のキーワードに真っ向から挑んだ歌詞で、OPアニメとのマッチングも巧み。最後の“勇往邁進”という歌詞が映像と合わさると衝撃的だ。
1stシーズンEDテーマはネットを中心に活躍するシンガー/イラストレーター、宮下 遊の初のシングルリリース。「幸福論」ならぬ「降伏論」は、絶望に“降伏”した主人公が天使と出会い、人間性の根幹を問いかける哲学的ともいえる歌詞となっている。ストリングスの音色と中性的な歌声が天使の美しさを醸し出した、妖しい魅力のある1曲。
(TEXT BY 金子光晴)
©大場つぐみ・小畑健/集英社・プラチナエンド製作委員会
●OP「EVERBLUE」Omoinotake
作詞:福島智朗 作曲:藤井怜央 編曲:蔦谷好位置、Omoinotake
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●ED「Replica」mol-74
作詞:武市和希 作曲:mol-74 編曲:mol-74
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夜な夜な友人と渋谷の街に繰り出すヤンキーにして、昼は成績優秀の高校2年生・矢口八虎はどこかで虚しさを感じていた。美術室でたまたま目にした絵画に惹かれ、東京藝術大学を目指す――。
“アート系スポ根物語”という新ジャンルを打ち立てた「ブルーピリオド」のOPを飾るのは、この曲がメジャーデビュー作となるバンド・Omoinotakeの「EVERBLUE」。80’sシティポップを現代的なポップスに昇華させたサウンド、エモーショナルに起伏するメロディ、“イメージした未来”を描き出す歌詞が1つになった、まさに色褪せない名曲と称すべき楽曲だ。
ポストロック系バンド・mol-74が手がけるED「Replica」は、繊細な音作りと切ない旋律が心地良く溶け合うポップナンバー。緻密に構築されたアレンジと、焦燥感を美しく映し出す歌詞のバランスが素晴らしい。
(TEXT BY 森 朋之)
©︎山口つばさ・講談社/ブルーピリオド製作委員会
●OP「見えないからね!?」四谷みこ(CV:雨宮 天)
作詞・作曲:斉藤信治 編曲:高木龍一(Dream Monster)
●ED「ミタナ? ミタヨネ?? ミテルヨネ???」四谷みこ(CV:雨宮 天)
作詞:烏屋茶房 作曲・編曲:本田正樹(Dream Monster)
“見てはいけないもの”が見えてしまう女子高生・四谷みこが主人公のホラーコメディ。
OPは、そんなみこがバケモノに終始怯えているという歌詞なのだが、曲調やワードが妙にポップで耳が気持ち良い。合いの手で入る怯えのセリフもゾクッとするような感情を沸き立たせる。みこを演じる雨宮 天の声の美しさと表現力が存分に発揮されている1曲で、ついつい何度も聴いてしまう魅力がある。
EDはみこのポップな歌に、バケモノ声のラップが乗っかっているという奇妙なコラボ。おどろおどろしい曲のようだが実は歌詞を見ると“タンスノカドニコユビヲブツケロ”などとバケモノの呪詛の内容が結構かわいかったりする。“聴こえてはいけない声”ほど気になるのが人間心理というもので、かわいさとホラーがうまく融合した技ありの逸品。
(TEXT BY 金子光晴)
©泉朝樹・KADOKAWA刊/見える子ちゃん製作委員会
●OP「継承の唄」大原ゆい子
作詞・作曲:大原ゆい子 編曲:MANYO
●ED「風と行く道」大原ゆい子
作詞・作曲:大原ゆい子 編曲:吉田 穣
魅力的なキャラクターと壮大な物語が人気を呼ぶ、異世界転生のパイオニア的な作品『無職転生』。第2クール目の音楽も、第1クールに引き続き、シンガーソングライターの大原ゆい子が全曲を担当している。
複数あるOPのうち「継承の唄」は、熱帯雨林が生い茂る獣族の村に滞在中の場面で使われる楽曲で、比較的ゆったりしたテンポが多いほかのOP楽曲と比べて、かなりアップテンポ寄りな1曲に。この曲で耳を惹くのはアフリカの民族楽器のようなリズミカルなパーカッション。ギターのカッティングなども駆使しながら、エスニックの要素をふんだんに盛り込んでいる。
雰囲気に浸れる曲とはこの曲のことを言うのかもしれない。そんな気持ちにさせてくれるのが、ED「風と行く道」だ。ルーデウスら、デッドエンド一行たちの旅路を歌うような歌詞は、大原の儚い歌声と郷愁を誘う優しいサウンドと相まって、とても心に響いてくる。故郷へと帰る彼らの旅路の果てには何があるのだろうか。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
TVアニメ『無職転生 ~異世界行ったら本気出す~』公式サイト
©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会
●アニメOP「夢中の先へ」MUG-MO/豊川姫乃(CV:田中美海)、久々梨三華(CV:芹澤優)、成瀬直子(CV: 若井友希)、青木十子(CV:本泉莉奈)
作詞:金子麻友美 作曲:和泉一弥 編曲:久下真音
●アニメED「Canary Yellow」内田 彩
作詞・作曲・編曲:hisakuni
伝説の陶芸家である亡き母・姫菜の影響で陶芸に出会った姫乃が、仲間たちと陶芸をしていくうちに、その奥深い魅力にのめり込んでいく『やくならマグカップも 二番窯』。好きなことに夢中になる気持ち、それを仲間と共有できることって素敵だなと感じられるのがOP「夢中の先へ」。曲調や歌声にはポジティブなオーラしかないので、勇気をもらえる1曲に仕上がっている。
EDの「Canary Yellow」は、内田 彩の楽曲らしい軽やかにノれるダンスポップチューン。彼女が第1期から演じているマスコット的キャラクターである真土泥右衛門(まっどでいえもん)がてくてくと歩いて活躍しているEDアニメーションがとにかくかわいくて、ほのぼのとする。
(TEXT BY 塚越淳一)
©プラネット・日本アニメーション/やくならマグカップも製作委員会
●OP「アシタノハナタチ」讃州中学勇者部
作詞:中村彼方 作曲・岡部啓一(MONACA)
●ED「地平線の向こうへ」讃州中学勇者部
作詞:中村彼方 作曲・編曲:岡部啓一(MONACA)
2014年から展開されているTVアニメ『結城友奈は勇者である』シリーズの第3期。今回は結城友奈たち讃州中学勇者部の面々だけではなく、楠 芽吹ら防人や、乃木若葉ら西暦勇者の物語も描かれていく。
第1期“結城友奈の章”と第2期“勇者の章”から引き続き、主題歌は讃州中学勇者部の6人が担当。OP「アシタノハナタチ」は、歴代OPにも劣らない壮大なサウンドと、美しさと儚さを感じる6人の歌声の組み合わせが幻想的で神々しい。神から見た勇者たちを描写した歌詞は1番と2番で雰囲気が異なるが、特に2番のサビは西暦勇者たちへ向けた言葉に思えてならない。
ED「地平線の向こうへ」は、彼女たちが過ごした日常、乗り越えた様々な困難や別れを慈しむように振り返りつつ、彼女たちが掴み取った明るい未来がいつまでも続いていくようにと願うバラードナンバーだ。相手への優しさと思いやりに溢れた、慈愛に満ちたような歌声は、聴いている私たちの心も浄化してくれることだろう。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©2021 Project 2H
●OP「タイムファクター」神はサイコロを振らない
作詞・作曲:柳田周作 編曲:小山 寿
●ED「雲外憧憬」FantasticYouth
作詞:Onyu 作曲・編曲:LowFat
未知なる力を持つ「近界民(ネイバー)」に対抗すべく設立された界境防衛機関“ボーダー”の隊員たちの姿を描いた『ワールドトリガー』。
3rdシーズンのOP「タイムファクター」は、2ndシーズンのED「未来永劫」を手がけた、神はサイコロを振らないが担当。“バンド史上最高にグルーヴィー”とメンバーが胸を張るサウンドメイク、「ボーダー」最高司令官・城戸正宗の視点で描かれた歌詞がぶつかり合うエモさ満点のロックナンバーだ。
Onyu、LowFatによるユニット・FantasticYouthのED「雲外憧憬」は、2人にとって初めてのバラード。切なくも力強いボーカル、“この場所は僕らのものだ”という切実な歌詞が、アニメのキャラクターたちの心情をしっかりと際立たせている。
(TEXT BY 森 朋之)
©葦原大介/集英社・テレビ朝日・東映アニメーション
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