REPORT
2021.09.12
CHiCO with HoneyWorksがデビュー以来、何度も何度も記念的なライブを行ってきた聖地・中野サンプラザホール。そのステージに今年は、大小のかわいらしいバルーンがふわふわと浮かんでいる。その数は7つ。ライブ中、何度もCHiCOが口にしていた“ラッキー7”のデビュー7周年。そしてCHiCOとチコハニバンドのメンバーも7人という、“7つのピース”をキーワードに掲げたツアータイトル“CHiCO with HoneyWorks summer hall tour 2021 「SEVEN PiECES」”は、淡いピンク、オレンジ、グリーン、ブルーとカラフルなパステル色にゆっくりと色を変えていくバルーンとともに、これから始まるハッピーな“7”が詰め込まれたステージを祝う幸せな風景を作り出していた。
16時半。“「SEVEN PiECES」”ツアー東京公演DAY2のオープニングは、迫力あるパーカッションが誘うデジタルチューンから幕を開けた。客席から巻き起こる手拍子にのって手を振りながら登場したチコハニバンドのメンバーが、定位置についてエモーショナルなBGMを奏でる。一瞬のブレイクのあと、ドラムのAtsuyuK!がカウントを取ると、ステージ中央にスポットが当たり、ふわっとしたロングヘアを翻してキラキラとラメが輝く黒いワンピースに身を包んだCHiCOが颯爽と「醜い生き物」を歌い出す。アップテンポの手拍子に支えられたロックで弾けたオープニングはそのまま、アッパーな「ウルフ」へとバトンを繋ぐ。
前日公演の疲れを少しも感じさせないCHiCOのパワフルな声がツアータイトルを高らかにコールして「7周年、楽しんでいきましょう!!」と呼びかける。セットリストは高揚感をさらにアップしながら「アイのシナリオ」へとダイブ。宇都圭輝が頭を振りながら美麗なピアノを奏で、Hiroki169はベースのネックを高く挙げてOjiと中西、二人のギタリストがステージを駆け回る。お立ち台に座り込みドスをきかせるCHiCOが熱い。そんな熱気に満ちた「アイのシナリオ」のエンドで、CHiCOが一瞬にして早着替え!黒い衣装から白いミニのワンピース姿へとガラリと雰囲気を変えて、歌われたのは「color」だ。歌詞にある“色付き始める世界にHELLO”、そのままの色鮮やかな演出はまさにサプライズだ。
「東京、中野!元気かー!」と改めて挨拶し、オープニングの“ロックでかっこいいCHiCO”ゾーンから、“キュートで可憐なCHiCO”ゾーンへと突入し、和やかな「キララ」で爽やかな風を吹かせる。明るく胸をキュンとさせる歌声へとスタイルを変幻自在に変化させるCHiCOの巧みなボーカリゼーションにも、改めてハッとさせられる。ここからは、合間のMCもグッとフレンドリーにギアをチェンジ。ソーシャルゲームについて熱く意見を戦わせる中西とCHiCO、その間を取り持つHiroki169たちのフリーダムなトークに、声を出せないオーディエンスから思わず笑いが漏れる。そしてみんなで一緒に元気に腕を回した「ぐる恋」、CHiCOがニコニコと手拍子をリクエストした「冒険のVLOG」とアットホームな雰囲気の中で、セットリストは進んでいく。
会場の空気がほんわか温まったところで、CHiCOが「せっかくのラッキー7の年だから面白いことやりたい」と希望して実現したという “7”にまつわるトークコーナーがスタート。スタッフが紙に書いたオーダーをCHiCOがボックスから引き、メンバーみんなで答えていくというものだ。昨日の中野DAY1では、CHiCOがモノマネをやらされる場面もあったそうだが、この日の質問はいたって平和。「チコハニメンバーでどこかに遊びに行くなら?」「作りたいグッズは?」のお題で盛り上がった。
バンドとの仲良しトークを挟みながら「私、アイドル宣言」、この日だけの限定曲としてライブでは懐かしいHoneyWorksカバー曲「ロクベル」が披露され、ステージは穏やかなバラードブロックへ。伸びやかで雄大な歌声が響いた「鬼ノ森」、しっとりとした「恋人ツナギ」「11月の雨」を熱唱し、CHiCOは一度ステージを後にする。そして、残ったバンドが熱く、チコハニメドレーをインストゥルメンタルでプレイ。パッション溢れる演奏に大きな拍手が贈られ、ポニーテール姿でスカジャンを羽織った新コスチュームに着替えたCHiCOが再び合流。
SHARE