INTERVIEW
2021.09.06
2019年に結成した声優ユニット・DIALOGUE+が、待望の1stフルアルバム『DIALOGUE+1(読み:ダイアローグワン)』を9月1日にリリース。既発シングル曲や新曲に加え、ライブでは披露済の未音源化曲やデビューシングルの再レコーディング版「はじめてのかくめい!2021」からなる、盛りだくさんの作品だ。リスアニ!WEBでは本作のリリースを記念し、メンバーと結成当初からDIALOGUE+のプロデュースを手がける田淵智也の対談インタビューを、4回にわたってお届け。
連続インタビューのラストは鷹村彩花・宮原颯希の二人が登場。アルバム制作にまつわる話題はもちろん、対談中に多々飛び出した二人の変化や成長についてのエピソードなど、この2年間を総ざらいするかのような話を聞かせてくれた。
――これは皆さんに聞いてきたお話なのですが、皆さんが最初に会われたときの、お互いの印象からお伺いできますか。
鷹村彩花 多分すごく緊張してたからだと思うんですけど、「はじめてのかくめい!」のレコーディングの記憶が、曲の最初の“れぼるじゃーん”っていうフレーズを褒めていただけて嬉しかったことくらいしかなくて(笑)。はっきりと覚えているのは『DREAMY-LOGUE』のレコーディングのときですかね?そのときは「すごい、ノリのいい方だなぁ」みたいな(笑)。
宮原颯希 それは、いつのタイミングでそう感じたの?(笑)
鷹村 レコーディングの休憩中、プロデューサーさんがふざけて動画を撮っていたことがあって。何の曲かは覚えてないんですけど、田淵さんがDIALOGUE+の曲に合わせて踊っていたのが印象深く残っています。
田淵智也 鷹村さんは最初、髪型が違ったよね?僕、二つに分けて結んでいるのを見たのが初めてに近いくらいだったので、「アニメから出てきたみたい……!」って思った(笑)。
宮原 私、「はじめてのかくめい!」のときって田淵さんにディレクションしてもらえると思っていなかったので、「恐れ多いわ!」みたいな気持ちでマイク前に立ったことを覚えています。でも、私のモチベーションが決して下がらないように「良い感じ良い感じ!」みたいに言葉をかけながらレコーディングしてくださったのもあって、すごく歌いやすくて。「優しいし、めちゃくちゃお仕事ができる方なんだろうなぁ……」みたいな印象がありました(笑)。
田淵 僕は、宮原さんはまず風邪で休んだので、最初は身体が弱い印象が……。
宮原 そうなんですよ!(笑)。初回のレコーディングを、扁桃炎か何かで飛ばしてしまって……。
田淵 あと、今もかもしれないですけど、失敗することにすごく抵抗があったのかな?それはネガティブな印象にはなっていたわけではないんですけど、間違ったら歌の途中でも「すみません!」って謝っていた覚えがある。今でもそういうところはありますけど、根っこの性格として自分の狙ったことができなかったことをすごく恥ずかしく感じるタイプの子なのかな?という印象がありましたね。
――それから今までの約2年間で、印象の変化や新しく見えた部分はありますか?
鷹村 最初の頃緊張していた理由の1つに、私の親友がUNISON SQUARE GARDENさんのファンで、毎回ライブに行っていて神のように崇めていたというのがあったんですよ。でも何度かお会いしてお話していくうちに、「親しみやすくしてくださる方だなぁ」とか「優しい方だなぁ」っていう印象に変わっていって。
田淵 おー、嬉しい。
鷹村 今は、プロデューサーさんとして神のように思ってはいるんですけど……距離が縮まったような気がしています。逆に「面白い方だなぁ」みたいな印象は、最初のままですね。
――友達から「神だ!」みたいな話を聞いていると、「ヤバい!」ってなりますもんね。
鷹村 はい。情報解禁されたときに、その親友が感動して号泣しちゃって!「娘を嫁に出した気分だ」って言われたのは今でも覚えています。
宮原 あはは(笑)。
田淵 鷹村さんは多分、元々プライドがすごく高いというか「私、これはできてるわ!」っていうマインドで生きてきた子だと思うんだけど、できてないところを一緒にできるようにするという僕の立場としては、そういう子って対等に話ができるまでまずじっくり時間をかけようというのがあったんです。僕の中では、さっき言ってくれた「親しみやすい」というのと多分同じような感じで、時間が経つにつれてちゃんと対等に話せるようになってきているのを感じていて。そうなると意見交換もしやすくなるし、目指すべきところのイメージがどんどん共有しやすくなってくる。そうなると「私はこれができるんだ!」っていう鷹村彩花はもういなくて。「次に行くためには、どうしたらいいんでしょう?」ということを一緒に考えられることが、とても嬉しいです……ごめんね、偉そうなこと言って(笑)。
鷹村 いえいえ。自分でもプライドというか、「プロならできて当然!」みたいな意識を重りみたいに自分に課しているところは、今でも変わらないといえば変わらないかもしれないんです。でも、できない自分を認められなかったところから、できない自分を理解して「どこができないのか?」「じゃあ、それをできるためにどうするか?」ってちゃんと認められるようになったのは、すごく感じますね。
――宮原さんはいかがですか?
宮原 田淵さんは今でも、どんなときもこちらの気持ちを考えて言葉を選んでくれるところはずっと変わらないんです。でもそれにプラスして、この2年を通じて……最初の頃は、私よりも何年も音楽に触れている方だし、当然私の何倍も経験もお持ちなので、「私は、田淵さんがおっしゃったことを実現するんだ!」みたいな気持ちで挑んでいたんです。けれど、結構早い段階から、音楽に対して私の自我みたいなものが出てきたんです。そんなとき「こういうふうにやってみたいんですけど」みたいなことを伝えると、私の意見もすごく尊重して、まさに対等にすり合わせしてくださったんです。それが驚きでしたし、言葉が偉そうなんですけど、大人としてもプロデューサーとしても、信頼できる方だなぁ……とすごく思っています。
田淵 宮原さんは、最初のイメージとして「多分波がある人だろうなぁ」と思っていたので、自我の芽生え方が間違った方向に行っちゃったときにコントロールしづらくなったらどうしよう?と心配していたんです。でも、意外とフラットにものを聞いてくれるし自分のことをちゃんと言語化してくれる印象でここまで来ています。むしろ宮原さんは、最近になるにつれなんか変わった気がするというか……。
宮原 そうですか?
田淵 僕の最初の頃のイメージが間違っていたのかも(笑)。対等に話をしようとしても、「大人がなんか言ってるわ」みたいにファイティングポーズを取っても全然おかしくないだろうと思っていたんだけど、割と早い段階からすんなり意見交換できるようになっていたので。しかも最近は日々言うことが正しくアップデートされている成長の時期に入ってきている感じもするので、毎回彼女と話をするのは楽しみです。
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