INTERVIEW
2021.09.05
2019年に結成した声優ユニット・DIALOGUE+が、待望の1stフルアルバム『DIALOGUE+1(読み:ダイアローグワン)』を9月1日(水)にリリース。既発シングル曲や新曲に加え、ライブでは披露済の未音源化曲やデビューシングルの再レコーディング版「はじめてのかくめい!2021」からなる、盛りだくさんの作品だ。リスアニ!WEBでは本作のリリースを記念し、メンバーと結成当初からDIALOGUE+のプロデュースを手がける田淵智也の対談インタビューを、4回にわたってお届け。
第3弾は守屋亨香・緒方佑奈の二人が登場し、この2年間を振り返りつつ、アルバムへの取り組みや聴きどころについても語ってもらった。
――最初に顔合わせされたのは「はじめてのかくめい!」のレコーディングのときだったとのことですが、そのときのことやお互いの印象について、皆さん覚えていますか?
守屋亨香 ちょうど昨日、一部のメンバーとそのお話をしたんですけど、私本当に記憶がなくて……。
緒方佑奈 (笑)。
守屋 でも、色々なアドバイスやお話をしてくださったりと想像よりもすごく優しくて、「こんなにお話してくれるんだ」と思ったのは覚えています。
田淵智也 守屋さんは、最初からすごく練習熱心な印象でした。というかこれは八人みんなそうだったんですけど、「事前に一生懸命練習したんだろうな」という跡をすごく感じたんですよ。歌のクオリティ的には上手とはまだ言い切れない時期ではあったんですけど、一生懸命準備してくれたことに対しては「たくさん練習してきてくれて嬉しい」と伝えました。
守屋 あ、覚えてます!それ!
田淵 デビュー時は一生懸命ちゃんと練習してくるということがとても大事なことなので、これはほかの子にも伝えていましたね。忙しくなると、おさらいをサラッとしかやらずに来てもレコーディングできちゃう……みたいなキャリアになるときがくるから、若い頃から「ちゃんと予習をしてくれるのってめちゃくちゃ嬉しいよ」って伝えておこうと思ったんです。
緒方 私はまず、「はじめてのかくめい!」を田淵さんが作ってくださるということにすごく驚きました。それこそ「オリオンをなぞる」や「シュガーソングとビターステップ」など学生時代に友達と歌っていた曲を作った方が、今度は私たちの曲を……!?ってびっくりしたし、「死ぬ気で練習していかなきゃ!」みたいに思って。
田淵 死ぬ気で(笑)。
緒方 でも、そのときは本当に歌に自信がなくて。現場でも、当日メロディラインが少しだけ変わったところがあって何度も教えてくださったのに、なかなか上手く歌えず悔しい思いをしたんです。そんなとき田淵さんは、「できるまでやる?」とおっしゃってくれたので、「こんなにヘタクソなのに、できるまで付き合ってくださるんだ……!」と思って。すごく優しくサポートしてくださったことを覚えています。
田淵 恐縮です……。でもたしかに、緒方さんは歌に自信ない感がめちゃ出ていたし、ド緊張していたのも強烈に覚えています。だから、「上手くなりましたね」という感動の象徴というか。自信がつけば顔つきも変わってくるということを、緒方さんを見ているとすごく感じるし、そういう瞬間がこの2年間で何回もピンポイントであった。そのたびに「緒方さん自身が、初日の転びまくってる感じの嫌な記憶だけでユニット活動を終えなくて良かった……」と思います。
緒方 (笑)。
田淵 そこにちゃんと食らいついてきてくれたことも、そのあと努力を止めずにちゃんと向き合ってくれたことも嬉しい。だからちゃんと成長できたし、お客さんもみんな喜んでくれているわけだから、一緒に頑張って良かったなとすごく思っています。とはいえ緒方さんは、毎回毎回目覚ましい成長を遂げているタイプではなくて。努力の方向がわかった瞬間にえげつなく伸びて、なんとなく落ち着いてから、また目指す先が決まるとすごく伸びて……というタイプの人なんです。だから僕も心配しながら見ているときもあったけど、そのぶん努力が実を結んだときの感動もでかかった。守屋さんも結構そういうタイプな印象があります。
――守屋さんについてもこの2年間で、印象変わった部分は結構ありましたか?
田淵 そうですね。僕、最初守屋さんは声の個性でどんどん飛び抜けていくような感じなんだろうなぁ……という印象だったんです。でも今は、パフォーマンスのアベレージが八人の中でも相当クレバーに取れるようになってきているので、立ち位置も変わってきたし可能性も無限に広がってきた。守屋さんの個性をフィーチャーすることもできるし、逆にほかのメンバーを支える側にも回れる。ポイントごとに、頼る分野が変わってきている印象ですね。それに、事前の準備も嫌じゃない人だとも思うので、課題を出せば出すほどそこに追いついて成長しているな……とも感じます。
守屋 それは、私が昔から「本番は失敗しないようにやるのが当たり前」というタイプだからかもしれないです。失敗すると、すごくショックを受けて帰るので……。逆に私は、この2年で田淵さんのことを「ときに厳しく」というところもある方だな、と感じるようになりました。
田淵 「怖いな」って思った?
守屋 怖いと思ったことはないですし、八人みんなで一緒に成長していくことを考えると、褒めるだけじゃなくて厳しく言ってくれる人がプロデューサーなのはすごく心強いです。そういう意味で私たちも結構切羽詰まって成長しているときもありますし、そのための課題や試練を与えてくださるのもすごく印象的で。そういうふうにいつも動いてくれることも、私は嬉しく思っています。
田淵 僕としても、歳が離れた子に何かを教えることって日々勉強なんですよ。色々なことを試しながらだから、「この人、いつも態度が変わるな」と思われているかもしれないけど(笑)。ほかのメンバーにも言いましたけど、特に今は何かを具体的に教えるんじゃなくて自分で考えて成長軸を見つけていかないと成長に繋がらない時期。だから厳しく見えるのかもしれないけど、それも大事なことだという気持ちで向き合っています。
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