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INTERVIEW

2021.09.04

【スペシャル対談:第2弾】素直な歌から全力の“遊び”まで、今だから形にできた表現。DIALOGUE+、1stアルバム『DIALOGUE+1』リリース記念、飯塚麻結・村上まなつ×田淵智也スペシャルインタビュー

【スペシャル対談:第2弾】素直な歌から全力の“遊び”まで、今だから形にできた表現。DIALOGUE+、1stアルバム『DIALOGUE+1』リリース記念、飯塚麻結・村上まなつ×田淵智也スペシャルインタビュー

2019年に結成した声優ユニット・DIALOGUE+が、待望の1stフルアルバム『DIALOGUE+1(読み:ダイアローグワン)』を9月1日(水)にリリース。既発シングル曲や新曲に加え、ライブでは披露済の未音源化曲やデビューシングルを改めて歌唱した「はじめてのかくめい!2021」からなる、盛りだくさんの作品だ。リスアニ!WEBでは本作のリリースを記念し、メンバーと結成当初からDIALOGUE+のプロデュースを手がける田淵智也の対談インタビューを、4回にわたってお届け。

第2弾は飯塚麻結・村上まなつの二人。アルバム制作についての話題に加え、田淵がこの2年で感じたこの二人ならではの成長への驚きや期待など、ログっ子(※DIALOGUE+ファンの総称)必読の濃く深いエピソードが次々飛び出した。

【スペシャル対談:第1弾】音楽とユニットへの、三人の愛が炸裂! DIALOGUE+、1stアルバム『DIALOGUE+1』リリース記念、内山悠里菜・稗田寧々×田淵智也スペシャルインタビュー

【スペシャル対談:第3弾】新たな挑戦を可能にしたのは、2年間磨き続けたそれぞれの武器。 DIALOGUE+、1stアルバム『DIALOGUE+1』リリース記念、守屋亨香・緒方佑奈×田淵智也スペシャルインタビュー

【スペシャル対談:第4弾】変化を重ねた2年間と、その結晶に迫る! DIALOGUE+、1stアルバム『DIALOGUE+1』リリース記念、鷹村彩花・宮原颯希×田淵智也スペシャルインタビュー

最も歌ってきた曲の再レコーディングで、飯塚が受けた今ならではの感覚</2>

――まず始めに、皆さんが顔合わせされたときのお互いの印象からお聞きしたいのですが。

村上まなつ 私は元々軽音楽部に入っていたのもあって田淵さんのことは「存じ上げまくりです!」みたいな感じだったので、最初のレコーディングはすごく緊張していたんです。なのでちょっと、記憶が定かではなくて……。でもステージでのすごく暴れるような力強い姿とかクールなイメージとは違って、すごく優しく丁寧にディレクションしていただいたのは覚えていますし、2年間の活動のなかでもどんどん優しくて温かい印象が強くなっていきました。1回私が肌荒れしちゃったときにも、お薦めの皮膚科を教えてくれましたし。

田淵智也 持てる知識を全部注ぎ込んでるから(笑)。

村上 音楽面もそれ以外も、ありがとうございます(笑)。

田淵 村上さんは「はじめてのかくめい!」のレコーディングのときから受け答えがすごくウィットに富んでいたんですよ。何か1ギャグ混ぜて返す……みたいな周りを盛り上げようとするマインドみたいなものは、今も引き継がれていると思いますし。その頭の回転の速さみたいなものって、メンバーの中では結構長期的に必要なものになってくるところもすごくあるだろうなぁ……という印象のままきています。あと村上さんはユニットが始まってから、努力をすることによって自分の実力が伸びることをいち早く体感した子かな、というイメージもありますね。

村上まなつ

――どんなことを通じて、それを感じましたか?

田淵 僕はDIALOGUE+の活動をもって「人が努力するのってかっこいい!」というのを証明できたら、というのが長期的な目標の1つなんですけれども、いち早くそこに真面目に取り組んでいた印象があって。村上さんって、本当に「そこまでやるの?」っていうくらい一生懸命考えるんですよ。歌のときも「そのときの表情は?」ってめちゃくちゃ書き込んでいて。それってすごく無駄にもなりかねないことなんだけど、僕は表現をよくすることに必ず一役買っていることだと思うんです。そういうことを諦めずにずっとやっていたから、まずその伸びが早かったんでしょうね。

飯塚麻結 私もお会いする前の印象はまなつと近くて、ライブ映像とかでの音楽をやっているところと、こういう対談でのクールな姿、あとはたくさん聴いていた田淵さんが作っている曲の情報しかなかったので「え?クールな天才がいるの?」とイメージしてすごく怖かったんです。初日、私がスタジオに入った瞬間から緊張を和らげようとずっと色んな質問をしてくださっていたんですけど、最初は「レコーディングになったらきっと、豹変してすごく怖くなるんだろうな」と思っていて……。

田淵 まだ信じてもらえてなかった(笑)。

飯塚 と思っていたら(笑)、まだレコーディングにも慣れていなかったのに「こういうふうにして!」じゃなくて「こういうイメージで歌ってみて」みたいに言ってくださったりと、「この人は、表面だけ優しい人ではないんだ」と。

田淵 いやいや、表面だけですよ。

村上 とか言っちゃってですよ!本当に(笑)。

飯塚 それで最近は……私も皮膚科を教えてもらって。

村上 さらに(笑)。

飯塚 ほかにもいつもの整骨院の話とか喉の病院の話とかも、いつもメンバーにしてくれていて……。

田淵 生活お役立ち情報チャンネルとしてね(笑)。

飯塚 気づいたこととか、「こういうふうにやったらいいかも」みたいなのは常に教えてもらっています。

田淵 飯塚さんは初めて会った日、大きなトレーナーを着ていて……。

飯塚 よく覚えてますね……(笑)。

田淵 あと大きい黒縁眼鏡をかけてて、「業界っぽい人だなぁ」って思いました。

飯塚 わー!

村上 バレてるねぇ(笑)。

田淵 プロフィールの特技欄にウィンクって書いてあって、その話をしたら実際披露してくれたときはドキドキした(笑)。そういうことをサラリとやるのを見て、ネガティブな意味合いじゃなくて「現場での立ち居振る舞いや自分を出すことをちゃんとやってきた人なんだな」と感じました。

――それからの約2年で、印象の変化や新しく見えた部分はありましたか?

田淵 飯塚さんは、持っている役割が結構多くて。精神的支柱にもリーダーにもなれるし、ボランチもエースプレイヤーもできる。僕の中ではそのどれかを選んだほうがいいと思うんですけど、今は色々自分で試行錯誤をしながらやっている状況だから、割と面白がって「なんでもやりなはれ」と見守っています。あと、自分が考えることをあまり僕に見せないというか、常に秘めていて。でも恐らく自分で考えながらトライ&エラーしているんだろうし、僕の中で「どっちに向かってるんだろう?」と疑問に感じたときには解説してもらうようにしてはいるんですけど。でもその試行錯誤って、言語化できる“考え”というよりも反射神経でトライすることにトライしている……みたいな印象があるんだけど、やっぱり「言語化して」って言われても、できないもんだよね?

飯塚 難しいです。それに、聞くまでもなく課題はいっぱいあると感じているので、「やるしかない」という気持ちで毎回全力で向かっているのかな、と自分では思っています。

飯塚麻結

――そして成長がアルバムの中で形になっているという点では、「はじめてのかくめい!2021」がございます。デビュー曲を今歌い直すという点、お二人はいかがでしたか?

村上 逆に新鮮でした!一番最初に「はじめてのかくめい!」をいただいたときも「わくわく!」みたいな印象が強かったんですけど、この1~2年間色んなライブでも披露させていただくなかで曲に対する想いやライブで見た光景も曲のイメージに加わってきていたので、また「新鮮な曲だなぁ」と思いながら歌いました。

――歌う際のポイントも、少し変わりましたか?

村上 特に私と飯塚さんは、Bメロの“うっうー”、“あっあー”の感情の込め方がだいぶ変わっていると思うんです。

田淵 元のバージョンのそこに感情がないというのは、僕もずっと気になっていました(笑)。でもそれは、当時僕がちゃんとディレクションできていなかったから。とにかく「2時間で全部録らなきゃいけない」っていう意識が強すぎて、サラサラやってたなぁ……って反省しました。今はスキルもより上がっているし、ちゃんと録り直そうと思って頑張ってもらったので(笑)、一番わかりやすい変化が出ているはずです。

村上 私自身もライブを通して「より“うっうー感”と“あっあー感”があったほうがいいのでは?」と思っていたので、ぜひそこに注目していただきたいです!

飯塚 でも「難しい曲だなぁ」と思いました。2年近くずっと歌っているのに、レコーディング、難しくて。ライブだと「楽しい!」とか「元気になってくださいね!」みたいな気持ちが先行しちゃうんですけど、「デビューでこの曲レコーディングしたの、すごいな」って思っちゃったくらい難しさを感じたんです(笑)。それに、メンバーみんなさらに楽しそうな歌声になっていて。そこは、嬉しかったですね。

村上 たしかに!

――ということは、今回初めて難しさを感じた部分も?

飯塚 ありました。最初のときはがむしゃらだったし全部難しく感じたんですけど、歌い直したことで昔気づけていなかった自分の歌のできないクセみたいなものが見えたりもして。改めて自分の「はじめてのかくめい!」に対する、今後の課題まで見つかってしまいました。

田淵 まさに本人たちがおっしゃるように歌声から表情が見えてきたし、飯塚さんが「ライブではなんとなしにやっているけど、ちゃんと歌えと言われたらやっぱり難しい!」と言っていたのって、とても大きな気づきなんですよ。ステージでピッチを完璧にして歌えなきゃシンガーとして一流じゃないのかと言われたらそうではないんですけど、今はポテンシャルのアベレージはまだ高くしておかなきゃいけない時期ではあると思うんです。ただ、定点観測として改めてレコーディングし直してアルバムの最後に入れたことで、これまでの歴史をちゃんとお客さんにわかってもらうと、ツアーやライブでこの曲を歌うときにより意義が出てくるはず。そういう意味でも、アルバムに収録したことも彼女たちがもう1回歌と向き合ってみることも意義があったし、すごく良い1曲になったと感じています。

次ページ:村上が“勝手に遊んだ”!? 特にお気に入りの新曲

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