“Subversive”という言葉を軸に作り上げた本作――高槻かなこ、TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』EDテーマ「Subversive」リリースインタビュー

私の鼻歌から作ったのにレコーディングをしたらすごく難しくて！

――カップリングはタイアップではないので、自分が伝えたいことを詰め込めたのではないですか？

高槻　そうですね。「金魚」は元々書きたい内容ではあって、歌詞のプロットはあったんです。なのでそれを提出し、こういうバンドサウンドで、マイナー調でエモーショナルな楽曲をお願いしますと伝えたところ、やしきんさんが曲を書いてくださいました。

――イントロから、バンドサウンドが好きな感じが伝わってきました。

高槻　本当ですか？実は好きなバンドがあって、そのサウンドに寄せたいですとはお伝えしていたんですよ。

――書きたい内容というのは、ずっと温めていたことなのですか？

高槻　結構前に金魚の水族館に行って、すごくきれいだったんですけど、そこには金魚の歴史も書いてあって、元々フナだったものが、人間の手によって観賞用に作られていったみたいなんです。それを見て、使命は全うしているんだろうけど、それぞれに命はあるしなぁとか。そんなことを考えちゃったんですよね。

――しかも人為的に作られたと知ったら、なおさら重くなりますし。

高槻　そうなんですよ。え！そうなの！って思っちゃって。

――でも、もっと自分を認めてあげようとも思える曲なのかなと。

高槻　人ってポジティブな気持ちだけではなく、ネガティブな部分もあって、そんなもやもやした気持ちとか、ふわふわしていたいという思いは曲の中に入っているのかもしれません。

――ふわふわでいうと、ボーカルはバンドサウンドの中で、ふわふわと漂っている感じもしました。

高槻　熱いパッションというより浮遊感のある感じ。憂鬱さをボーカルでも表現したいと思い、何も力を入れずに歌うよう気をつけていました。なので、脱力系のバンドのイメージですね。やしきんさんがディレクションしてくださったんですけど、歌詞の意味も汲み取ってくれて、一緒にブレスの位置も考えてくれたのですごく歌いやすかったです。

――3曲目の「soda」は、一転してゆるっとした歌詞ですね。この曲は作詞・作曲をしています。

高槻　はい。ゆるゆるです（笑）。ただただこの夏にやりたいことを並べました。

――夏の曲というと、海だ！ハジけよう！みたいなものもあるけど、それともまた違っていましたね。

高槻　違いましたね（笑）。夏っぽいテーマでもう1曲書きたいと思ったんですけど、パキパキとした夏ソングでも、ライブ曲のイメージでもないのが今年っぽいのかなと思っていたところ、「メロンソーダって夏っぽいよな」というイメージが出てきて、ソーダ……“相談もなしに”ってダジャレから始まり、曲と歌詞を同時に書き始めたのがキッカケでした。

――そのあとも、“そうだ海に行こう”とありますしね。“soda”と歌っているのかと思ったら“そうだ”で、驚きました。でも、歌詞とメロディを同時に作っていくんですね！

高槻　歌いながら歌詞を書いていくような感じですね。お風呂に入りながらとか。

――今は浴室にスマホを持って行けるから、すぐに録音できますしね。

高槻　でも実は、最初のダジャレ部分はアロママッサージを受けているときに思い浮かんだので、終わった瞬間に速攻でメモしたんですよ（笑）。まずいっ、忘れないようにしなきゃ！って。

――忘れなかったことによって1曲になったわけですね。でも、すごくお洒落で良い曲でした。

高槻　良かったです。レコーディングをしたらすごく難しくて苦労したんですけどね（笑）。リズムの取り方とかハネた感じだったり……。でもシングルのカップリングだからこそ書けた曲ですし、季節の曲がほしかったので良かったです。

――歌詞にある、フェスとかキャンプに行きたい気持ちなのですか？

高槻　今年は行くぞ！と思っていたんですけど、行けそうにないなと思っているので来年こそは、ここで書いた夏にやりたいことを全部回収できたらいいなと思います。それに今までやったことで楽しかったことも書いているんです。水鉄砲も大人になってからハマったりしたので、それを一緒にやっていた友達の顔が思い浮かぶんですよね。あと、夏はだいたい“二日酔い”だったりしますし（笑）。

――（笑）。でも、聴く人も何かしらに当てはまるでしょうから、そういう景色や顔が思い浮かぶ曲かもしれません。2枚目のシングルになりますが、音楽チームとのチームワークもできてきて、言いたいことを言い合えている感じでしょうか？

高槻　そうですね。私が結構はっきり言うタイプなので（笑）。「soda」も最後に絶対ソーダのシュワっていう音を入れてくださいとか。

――2番のAメロも、自分のボーカルを小さくしてまでSEが入っていますからね（笑）。

高槻　そうなんです（笑）。これからもどんどん言っていこうと思っています。それを具現化してくださる方は大変かもしれないですけど、やっぱり妥協はしたくないので。

――バラエティ豊かな3曲になりましたけど、まだまだ高槻かなこを限定されたくない感じじゃないですか？

高槻　そうですね。もっともっと幅を広げていきたいですし、自分でも自分がわかっていないので、やりたいことをとにかくやっていきたいです。それこそメタルとかウィスパー系の曲とかもやりたい。でもそれって、アニソン歌手であれば許されるというか。アニソン自体がジャンルになっているから、そこで自分のやりたいことを表現していけたらなと思います。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

●リリース情報
高槻かなこ 2ndシングル
「Subversive」
8月11日（水）発売

【初回限定盤（CD+BD）】

品番：LACM-34161
価格：￥3,630 (税込)

【通常盤（CD）】

品番：LACM-24161
価格：￥1,430(税込)

【俺100盤（CD）】

品番：LACM-24162
価格：￥1,430 (税込)

＜CD＞
1. Subversive
作詞：高槻かなこ作曲・編曲：睦月周平コーラスアレンジ：渡部沙智子
2. 金魚
作詞：高槻かなこ作曲・編曲：やしきん
3. soda
作詞・作曲：高槻かなこ編曲：奈良悠樹
4. Subversive (Off Vocal)
5. 金魚 (Off Vocal)
6. soda (Off Vocal)

＜BD＞
「Subversive」Music Video
「Subversive」Behind The Scenes (メイキング映像)

●作品情報
TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』第2シーズン
現在放送中

TOKYO MX　毎週金曜24:30～
BS11　毎週金曜24:30～
MBS　毎週金曜26:55～
WOWOW　毎週水曜24:30～
AT-X　毎週月曜21:00～
リピート放送：毎週（水）9：00／毎週（金）15：00

配信
ABEMA/dアニメストア　他にて随時配信予定

※放送1週目は第1シーズンの総集編を放送予定
※放送/配信日程は予告なく変更となる可能性があります

＜ストーリー＞
合理的で単独行動が好きな中学3年生四谷友助は、ある日ゲームじみた異世界に転送された――。すでに転送されていたクラスメイトの新堂衣宇、箱崎紅末とともに3人目のプレイヤーとなった彼は、命を懸けたクエストに挑むことに。感情論を廃してすべての要素をフラットに、時には仲間の命すら駒として扱う冷酷な四谷。襲い来る魔物、厄介な事件、そして暗躍する強敵からパーティの全滅を防ぎ、このゲームをクリアすることができるのか？

【キャスト】
四谷友助：上村祐翔
新堂衣宇：久保田梨沙
箱崎紅末：和氣あず未
時舘由香：小市眞琴
鳥井啓太：豊永利行
ヤーナ：竹達彩奈
アォユー：悠木碧
カンティル：三木眞一郎ほか