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INTERVIEW

2021.07.27

【インタビュー】雨宮天、待望のニューシングルは壮大なバラードと自作曲を含む歌謡曲による1枚に。自身の表現力の幅を広げた今作と、歌謡曲への愛をたっぷり語る!

【インタビュー】雨宮天、待望のニューシングルは壮大なバラードと自作曲を含む歌謡曲による1枚に。自身の表現力の幅を広げた今作と、歌謡曲への愛をたっぷり語る!

自身の詞曲で聴かせる歌謡曲への愛

――さて、本作のカップリングについても伺います。今回のカップリングは2曲とも歌謡曲テイストのものになりましたが、改めて雨宮さんの、歌謡曲の好きなところはなんですか?

雨宮 歌謡曲って、もうAメロからしてずっとサビみたいな感じで、最初から一瞬でハートを撃ち抜いてくれる、グサッと刺さるような衝撃があると思うんです。テンポが速かったりキーが高かったりするのではなく、歌われている歌手の方の表現力で、1ワード目から心をふっと持っていかれるような素晴らしさが歌謡曲にはあるなと感じています。1曲3分から4分の中でも素敵なドラマを感じさせてくれるドラマチックな感じが好きですね。カラオケでもよく歌うんですけど、メロディが気持ちいいし、歌謡曲ってわかりやすくキメというのがあるじゃないですか。ここでキメ!みたいなのがあるから、歌っていてすごく楽しいんですけど、やっぱり本家の素晴らしさを知っているから、なんか、うん……って感じです……って、熱く語っちゃってすみません(笑)。

――まずは「情熱のテ・アモ」ですが、こちらは詞曲を雨宮さんが手がけています。元々こうしたスパニッシュテイストの楽曲を作ろうと考えていたのですか?

雨宮 そうですね、一番最初に曲を書こうと思ったときにはラテン歌謡を作ろうというところから始まっていて。歌謡曲ってラテンのノリを入れたものが多いじゃないですか。私もそういう楽曲に惹かれていたので、自分も作りたいと思って作ったんですよね。昨年から家にいる時間が増えて、改めて作曲の勉強をして色んな曲を作るようになったんです。そのなかの1曲としてラテン歌謡を作りたい、作っていくうえで勉強したいという思いで作りました。

――そんなご自身の曲に、スパニッシュギターなどラテンフレーバー溢れるアレンジが加わった感想は?

雨宮 すごく感動しましたね、めちゃくちゃテンション上がって。私が作っている段階では、楽器もパソコンで色々研究して打ち込んでみたものの、それっぽくならないというか。私はギターも弾けるわけじゃないですし、限られた楽器の打ち込みでは安っぽくて、いまいち雰囲気が出せなかったんですけど、アレンジしてもらった途端にラテンの雰囲気が増して。これなら自信をもってみんなに聴いてもらえる!と思って、自分の中でも一気にランクが上がりましたね。

――自分が書いたメロディを歌うというのは、ほかの楽曲とは違った感情になりますか?

雨宮 そうですね……なんていうんだろう、自分で作ったのでメロディは完全に把握しているから、作ってもらった曲よりも気楽な気持ちで歌えますね。自分で作ったしメロディもわかっていて表現も自分のイメージ通りにすればいいんだと、軽い気持ちで現場に行くんですけど(笑)、実際レコーディングに歌ってみると、自分が作った歌って正直うたいづらくて。

――それはなぜ?

雨宮 自分の好みで作っていくと、非常に歌いづらいメロディになっちゃうんですよね。聴いていて耳が心地良いメロディを作っていくと、半音上がったり下がったりするメロディが多かったり、異国感のあるスケールを使いたい放題使っていたりして。歌いやすさを考えて作っていないので、すごく歌いづらくて。自分に優しくないんですよね(笑)。

――ご自身で作られたのに(笑)。

雨宮 はい、「あれっ、自分で作ったのに音痴だな……」って(笑)。

――情熱的なボーカルが聴かれる素敵な歌謡曲ですよ。

雨宮 よかったです。作詞作曲している時点で歌謡曲に対する愛をしっかり詰め込みたいとは思っていて、それを歌声にも乗せたいなって。聴いた人が「この人、歌謡曲が本当に好きなんだな」って感じてもらえるような歌をうたいたいという目標があったので、大人っぽく歌うことも意識しましたね。

自分の“好き”とともに突っ走る2021年

――そしてもう1曲、「Emerald」ですが、こちらもイントロからして異国感溢れる歌謡曲となりましたね。

雨宮 この曲もひと聴き惚れで、聴いた瞬間「この曲好き!」ってなって。好きすぎて、「この曲が自分の曲になるんだ!」という嬉しさと、「……いや、ほかの人に歌ってもらったほうがいいんじゃないか?」という思いが同時に沸いてきた曲ですね(笑)。

――この曲も、雨宮さんの表現力の素晴らしさを感じさせる1曲です。冒頭の“嗚呼 夜に咲くエメラルド”の歌い出しからそれを感じました。

雨宮 “嗚呼”ですね。この曲は見事に苦労したんですよ。“嗚呼”という高いところから始まるあそこでエッジを効かせなくてはならないというのが、今まで自分が歌ってきた楽曲にはない挑戦で。曲の中で一瞬エッジを効かせるというのはあったんですけど、こんなサビのど頭の印象的なメロディで、高いところから始まるというのはやったことがなかったので、慣れていないのもあり手こずりましたね。あと、“嗚呼”のエッジ部分ばかり注目しすぎると、そこの一番高いところに当たらなくなるんですよ。エッジを効かせるには高いところから始まるその直前から聴かせないときれいに聴こえない。どこから声を入れるかというところは、今までと違う苦労がありましたね。

――そこが見事にキマっていて、そのあとのボーカルも素晴らしかったです。そんな楽曲たちが収められたシングルをリリースしたあとは、9月に歌謡曲カバーイベント“第三回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル”が開催されます。リサイタルとしてもそうですが、リアルイベントとしても久しぶりになりますね。

雨宮 そうですね、雨宮天のソロとしては久々です。リサイタルは私が大好きなイベントで、今まで2017年、2019年という奇数年に開催していて今年も絶対にやりたいと思っていましたし、楽しみにしているというファンの皆さんの声もたくさん目にしていたので、開催が決まったときはすごく嬉しかったですね。リサイタルは私が私の好きな歌謡曲を好きなように歌うという、私のためのイベントなんですよね(笑)。それはずっと言っていることなんですけど、それをお客さん自身が楽しんでくれて、開催を望んでくれているというのが嬉しくて。

――雨宮さんもファンの皆さんも、みんなが望んでいるイベントなんですね。

雨宮 そうですね。非常におこがましいですが、歌謡曲の素晴らしさみたいなものを伝えていきたいという思いもあって。私のファンも色んな年代の方がいらっしゃって、そのなかで十代や二十代の若い方にも私を通して歌謡曲の素晴らしさを知ってもらえると嬉しいですし、目の前にお客さんがいてくれて、歌謡曲の素晴らしさを感じてくれるのかもしれないって思うとすごく嬉しいです。あと、ライブはみんなで盛り上がるものですけど、リサイタルは楽しそうにする私をみんなが見守ってくれるというか、発表会での保護者のみなさんのような(笑)、そういう優しさがあるんですよね。「あの子、頑張って好きなものをやっているな」っていう優しさや温かさ、そういった独特な雰囲気がリサイタルにはあって。それを含めてすごく好きなので、私にとっては最高のイベントです。

――3回目を数えるリサイタル、どんなイベントにしたいですか?

雨宮 私が楽しいかどうかを突き詰めていくコンセプトは変わらないんですけど、3回目なので選曲はどうしていこうかなと考えている最中です。1回目、2回目は自分のためのイベントといいつつ、若いお客さんもどこかで耳にしたことのあるようなザ・歌謡曲、ザ・名曲というラインナップだったんですけど、3回目なので選曲の雰囲気も変えていいのかなっていう思いもあったりして、どうしようかな……ってワクワクしています……ひたすら自分が何を歌いたいのか、より欲望のままに突っ走っていいのかもしれない(笑)。

――今作がリリースされリサイタルの開催も決まっている雨宮さんですが、2021年後半をどう過ごしていきたいかを最後に伺えますか。

雨宮 2021年前半は、まったく自分では予想していなかったチャンスをたくさんいただけて、活動の幅が広がったと思っています。自分の作詞作曲を積極的に出すことができましたし、「テレ東音楽祭」という地上波の音楽番組で自分のソロ曲を歌うのも初めてだったんですよね。ほかにも「THE FIRST TAKE」に出させていただいたりとか、本当に色んなことがあった前半だったので、後半も周りに作っていただいた勢いのままに全力で突っ走っていきたいなと歌い手として思いつつ、「情熱のテ・アモ」のように音楽の制作についてもお客さんが求めている限りは積極的にやっていきたいなと思いますね。2021年はとにかく、つけてもらった勢いのままに、色んな活動をして、とにかく幅を広げてグングン前に進めていけたらと思います。

――「テレ東音楽祭」や「THE FIRST TAKE」といった場所、あるいは自作曲でご自身の表現の幅を広げていこうと。

雨宮 音楽って、その1曲の中にも色んな面をもっているんだなってよく知る機会が多かったんですよね。歌っていくうちに自分の中で「もっとこういうふうに見せたいな」とか、音楽制作でも街中で流れる音楽を聴いて閃きがあったりもする。音楽活動ってそういうライブ感があるものだなって改めて思いましたし、自分がこうしたいという思いのままに作ったものが受け入れてもらえるという体験もさせていただいたので……欲望のままに突っ走っていきたいですね。今年の活動で欲望がエネルギーになるのがよくわかったので、楽しく、強く勢いに乗ってやっていきたいです!

INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一


●リリース情報
雨宮天 12thシングル
「フリイジア」
発売中

【初回生産限定盤(CD+DVD)】

品番:SMCL-717~SMCL-718
価格:¥2,200(税込)

【通常盤(CD only)】

品番:SMCL-719
価格:¥1,650(税込)

<CD>
1.フリイジア
作詞:上坂梨紗 作曲:SHIKI 編曲:立山秋航
2.情熱のテ・アモ
作詞・作曲:雨宮天 編曲:宮永治郎
3.Emerald
作詞:TATSUNE 作曲・編曲:原 一博
4.フリイジア(Instrumental)
5.情熱のテ・アモ(Instrumental)
6.Emerald(Instrumental)

<DVD>
フリイジア
Music Video(雨宮天本人出演によるMV)
TV SPOT 15sec+30sec

●イベント情報
LAWSON presents 第三回 雨宮天 音楽で彩るリサイタル
2021年9月5日(日)
出演:雨宮天
会場:LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
※チケット最速先行申込券が12thシングル「フリイジア」の初回プレス分に封入

関連リンク

雨宮天 オフィシャルサイト
http://www.amamiyasora.jp/

雨宮天 オフィシャルTwitter
https://twitter.com/sora_haruyasumi

雨宮天 オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/channel/UCc4xpujLxnUBSI1XX-SdldQ

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