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2021.06.08

ライブが私の生きる場所――。彼女の紡ぐ“うた”を届けた1日限りのワンマンライブ“MARiA Live 2021 「うたものがたり」”ライブレポート

ライブが私の生きる場所――。彼女の紡ぐ“うた”を届けた1日限りのワンマンライブ“MARiA Live 2021 「うたものがたり」”ライブレポート

アコギを弾きながら、紫色の髪を振り乱して激しく「おわりものがたり」をパフォーマンスする草野。それにつられるように、MARiAもまたバンドの生演奏による強烈なグルーヴに乗って身をくねらせながら熱唱する。続く「おろかものがたり」でもその熱は冷めないどころかますます熱くなっていく一方で、ときにお互いの方を向きながら、情熱的に声を重ね合い、観客を熱狂させた。

そしてライブはバンドのセッションに突入。この日のバンドメンバーは、バンマスを務めた清水信之(key)、『うたものがたり』のサウンドプロデュースを手がけた本間昭光(key)を筆頭に、和田健一郎(g)、ハピネス徳永(b)、海老原 諒(ds)と敏腕プレイヤーが揃い踏み。各メンバーのソロも交えながらロッキンな演奏を展開すると、その最後にゲストである元JUDY AND MARYのギタリスト・TAKUYA(g)が突如乱入。彼がどこかで聴き覚えのあるフレーズを弾くと、そこからなんとJUDY AND MARY「そばかす」のカバーへ。TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』のOPテーマとしても知られる同曲を、黒い衣装にお色直ししたMARiAが元気よく歌唱して会場を盛り上げる。

続けてMARiAが「さあみんな、もっともっと遊んじゃいませんか?」と呼びかけると、今度はJUDY AND MARY「over drive」をカバー。こちらのサビではTAKUYAがコーラスも担当したほか、間奏ではMARiAとTAKUYAがステージの上手・下手へとそれぞれダッシュして会場に隈なくパフォーマンスを届けるサービスっぷり。その後のMCでTAKUYAが「この2曲をやるのはレア」と語っていた通り、ジュディマリの名曲を元メンバーの演奏でMARiAが歌唱する、またとない機会となった。

TAKUYAが登場したということは、当然、彼が『うたものがたり』に提供したナンバー「キスしてみようか」も披露することに。しかも音源には入っていなかったTAKUYAのコーラスが加わった、この日だけのスペシャルバージョンでのお届けだ。ワイルドに暴れまくるギターリフとトリッキーなメロディ、奔放なイメージを抱かせる歌詞はまさにTAKUYAならではの世界観で、MARiAはそれをスカートの裾をつまんだりしながらキュートかつアグレッシブに歌う。ラストには彼女がTAKUYAの肩を掴んで寄り添う場面も見られた。

ここで照明が暗転し、会場にスクエアなビートが鳴り響くと、今度はダンサーのパフォーマンスコーナーに。GARNiDELiAでの活動や“踊っちゃってみた”シリーズを含め、ダンスにも力を入れているMARiAだからこその演出と言えるだろう。そこからバトンを持ったパフォーマー二人が再登場してトワリングで魅了すると、ライブは後半戦へ。今度は仲良し女子たちの会話風の音声が会場に流れ始め、「あー、今日もまたか~」というぼやきの声を合図に、懐かしい曲調のミディアムポップ「あー、今日もまた」が始まる。ドレスタイプの大人っぽい衣装に着替えたMARiAは、OL風の衣装を着たダンサーたちとともに、同世代の女子へと向けた部分もある同楽曲を優しい声音で歌う。

続いて歌われたのは、宇宙まおが歌詞を提供したエモーショナルなバラード「光」(ちなみに「あー、今日もまた」「光」はどちらも本間昭光が作曲)。時の流れとともに薄らいでいくかつての想い、その儚さと切なさを日常的な情景のなかで表現した詞世界を、MARiAは情感たっぷりに歌い上げていく。歌詞に“星座”などのワードが散りばめられていることもあってか、会場の照明も最初は夜のように青みがかった雰囲気だったのが、最後はまたたく星のように光り輝いていたのも印象的だった。

その美麗なバラード曲から一転、フューチャリスティックなR&Bサウンドで会場をシックなダンスフロアに変貌させたのが、これもまた本公演で初公開となる新曲「Heart Breaker」。スポーティーな衣装に着替えたダンサー4名と動きをシンクロさせながら、クールかつ情熱的な歌声を響かせるMARiA。間奏でのダンスパフォーマンスも見事で、先の「手探る夢、繋ぐ糸」と併せて彼女のソロ活動の新たな可能性を感じさせるナンバーだった。

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