REPORT
2021.06.04
「アイドルマスター シャイニーカラーズ」のライブイベント“THE IDOLM@STER SHINY COLORS 3rdLIVE TOUR PIECE ON PLANET / FUKUOKA”DAY1が2021年5月29日、西日本総合展示場 新館ABCにて開催された。
DAY1にはイルミネーションスターズより櫻木真乃役の関根瞳、八宮めぐる役の峯田茉優、アンティーカより月岡恋鐘役の礒部花凜、田中摩美々役の菅沼千紗、白瀬咲耶役の八巻アンナ、三峰結華役の成海瑠奈、幽谷霧子役の結名美月、放課後クライマックスガールズより小宮果穂役の河野ひより、西城樹里役の永井真里子、杜野凛世役の丸岡和佳奈、有栖川夏葉役の涼本あきほ、アルストロメリアより大崎甘奈役の黒木ほの香、大崎甜花役の前川涼子、桑山千雪役の芝崎典子、ストレイライトより芹沢あさひ役の田中有紀、黛冬優子役の幸村恵理、和泉愛依役の北原沙弥香、ノクチルより浅倉透役の和久井優、樋口円香役の土屋李央、福丸小糸役の田嶌紗蘭、市川雛菜役の岡咲美保、シーズより七草にちか役の紫月杏朱彩、緋田美琴役の山根綺が出演した。東京公演のアンコールにサプライズ登場したシーズのふたりだが、事前告知での公演出演は今回が初めてとなる。
前説は天井努社長と事務員の七草はづきが担当。七草はづきの「七色の光が、どうか、この空を満たしますように」という祈りのようなメッセージが、この公演が正式に7つのユニットが揃った初めてのライブであることを実感させる。
短冊型のスクリーンが大海原や宇宙を征く開幕映像はツアーでおなじみのものだが、福岡では虹の七色や燃え上がる真紅など色彩を強く感じた。
開幕を「SOLAR WAY」→「リフレクトサイン」→「プラニスフィア ~planisphere~」の3チームが飾るのは、順番こそ違えど他会場と共通の流れ。だからこそ「SOLAR WAY」でセンターの峯田(ポニーテール)から順番に映していくソロショットの中に、ごく自然に七草にちか役の紫月杏朱彩がいることに思わず二度見してしまう。チーム曲への初めての参加、揃いのビヨンドザブルースカイ(1st)衣装、そしてライブ仕様のにちかのロングウィッグの着用。さらっと入ってくる情報量の多さに戸惑うほどだ。
となれば気になる緋田美琴役の山根綺は、Team.Stellaの「プラニスフィア ~planisphere~」に参加。ウィッグの色が燃えるように鮮やかな緋色のロングでこちらも戦闘仕様だ。サイドステージから登場したチームがセンターに向かう際、名古屋・東京では(もっとも新しいチームだった)ノクチルのメンバーが先頭に立ったのだが、この曲では山根がメンバーを先導した。客席の応援の気持ちに手を振って応えながら、びっと親指を立ててみせる。チームに新しい仲間が加わるとステージの印象がまた変わる、この公演を象徴するチーム曲だった。
ということは、ロングイントロにアレンジされた「Spread the Wings!!」も、新たな姿に生まれ変わる時だ。ソロショットの中にさりげなく紫月の姿を入れ込みつつ、二番の“ユニット単位で”映すパートへ。各ユニットを映し出し、6番目のイルミネーションスターズに続くトリはもちろんシーズのふたり! 7番目の翼が加わって283プロの虹がついに完成したところで、“Spread the Wings 行こう まだ知らない世界”とサビに雪崩こんでいく構成があつらえたように見事だ。カメラをいっぱいに引いた映像で、会場の上空にARの虹が渡った時は声が出てしまった。
あたたかい拍手で迎えられたオープニングのMCでは、紫月が「今日はサプライズじゃないので最初っからいます! はい、がんばります!」と元気に挨拶。山根が「プロデューサーさん、会いたかったです!」と話す様子からは緊張が伝わってくる。ご当地ネタでは長崎出身の月岡恋鐘を演じる礒部花凜が「ただいま九州! 今日はうちが引っ張るけん、とっておき、バーリバリのライブに、ついてきてほしかー!」と全力で挨拶。芝崎典子は照れに照れながら「ちかっぱ、好いとーよ!」と博多弁で挨拶していた。
ここからはユニットメドレーブロック。イルミネーションスターズは関根瞳と峯田茉優が「Twinkle way」を披露。ふたりは浮上していくキューブに乗って登場。ふたりを照らす映像演出は黄色とピンクと青、三人分だ。身体をいっぱいに伸ばして踊る峯田のキューブは、なんだか窮屈そうに見える。動きと表情の躍動感。“私の 髪がなびいたら”というパートを峯田が担当しているのだが、今日はいつも以上に峯田のポニーテールが躍動しているようだ。ラストのサビでふたりが向かい合って歌い合うシーンでは、光りに包まれたお互いに向けて生き生きと歌い、踊る姿がとても印象的だった。
アルストロメリアの「ダブル・イフェクト」は、まだ東京公演のふたりバージョンの記憶も濃いだけに、そこに芝崎がいる、3人が揃っていることに対する安心感と嬉しさがある。それでも前川が演じる甜花の頼もしさはそのままそこにあるようで、彼女が変わったのか、それとも見る側が気づいただけなのか。3人が円を描くようにくるくると立ち位置を入れ替える動きは、やはりこれぞアルストロメリア。バレリーナのように回ったあとの三人三様の笑顔や、黒木のキメポーズの瞬間など、生き生きとした表情が記憶に残った。
放課後クライマックスガールズは河野ひより、永井真里子、丸岡和佳奈、涼本あきほの4人で「五ツ座流星群」を披露。冒頭から河野の表現の振り幅の大きさというか、いつも以上に感情の高まりを表に出す感じにおっとなる。丸岡や涼本はツアーで磨き上げられた完成度と安定感を感じる。永井はその中間、安定を追求しながらも表情のひとつひとつに気持ちがこもっているように感じた。これまで4人の五ツ座は永井と丸岡、永井と涼本の掛け合いの印象が強かったが、今回は河野と丸岡が向かい合って楽しそうにセッションする様子にフォーカスされていて、星座は見るたびに見え方が変わるのだなと感じた。
アンティ―カの「Black Reverie」。赤くに染まったキューブでメンバーがポーズを取る奥で、真紅の文様が光って独特の空気を作り出す。各メンバーがアップで映し出される歌いだしの一発目で、5人それぞれがこれぞベストと思えるキメの表情を持ってくるのがツアー終盤ならではだ。結名の歌声の膨らみと表現の奥行きや、八巻の妖艶な表情の目力。どこを見ていいかわからなくなってもおかしくないところだが、センターに礒部という絶対的な華が柱としてあるから軸がぶれないのだと思う。
ストレイライトの「Hide & Attack」はダンスの激しさ……ではなく、その前後の緩急とメリハリが印象に残った。それは、田中がフードを脱ぎ捨てる瞬間のたっぷりともたせた間だったり。幸村の“Won’t you come with me? 覚悟決めて Show you my serious 確かめてよ”のロングソロでは、表情と佇まいで見るものの意識を引っ張って引っ張ってからのウィンク一発があまりにも鮮やかだ。ダンスだけでも押し引きができるのが北原で、間奏のダンスタイムではぐっと存在感が増してステージ全体を支配し、牽引する。「Hide & Attack」では被写界深度の浅いサイドカメラを効果的に使っているのも印象的だった。
ノクチルの「いつだって僕らは」。ツアーの中で一番成長した彼女たちを見ることができる福岡のプロデューサーたちは幸福だ。明日にはもう一公演残っているとは言え、千秋楽は特別な感情がステージと会場を満たすもの。“磨かれたもの”を見届けるにはこの公演がベストだろう。向かい合って歌い合う幼なじみたちの、内圧の高まりとパフォーマンスの完成度のバランスが見事だった。
MCを挟んでアンティーカの「純白トロイメライ」。直前まで熱い明太子トークに花を咲かせていた礒部が、スイッチを入れるのに一寸時間がかかっていたのが微笑ましい。それでも玉座に座る八巻と、傍らに控える美しく着飾った操り人形たちとしてスタンバイするとガチンとスイッチが入るのが流石だ。ソロアングルよりも少しだけ引いたカメラをうまく使っている印象で、ソロパートを歌う誰かの隣や前後で踊るアイドルの動きや表情が感じられて、パフォーマンスの線のつながりが見えた気がした。アウトロのダンスから王座につく礒部を中心とした5人の鮮烈なキメは、練習と本番で磨き上げられた完成度だった。
アルストロメリアの「Anniversary」、世界が浄化される時間だ。芝崎は歌唱中笑顔を絶やさない印象が強いからこそ、歌い出しのまっすぐで真摯な表情にひきつけられる。前川の深いまばたきのタイミングの効果だったり、黒木のソロの語りかけるような空気感だったり。違いを生み出すのはちょっとしたニュアンスの積み重ねなのだろう。“贈る ひとひら”の芝崎の慈愛に満ちた表情がより深く感じられて、笑顔の強さ、濃淡のメリハリの重要性を感じる。“これからの未来へ続く道を”で未来を指す前川の力強さを見ていると、東京公演での2人のアルストロメリアが下敷きになっている気がした。歌い終わった3人はまた一緒に歌えたことを喜びあいながら、おそろいの指輪をプロデューサーに見せてくれた。
ノクチルの「あの花のように」。両サイドに広がっていくフォーメーションで、田嶌がサイドカメラに笑顔でアピール。このツアーを通して、ステージ裏で田嶌が寄ってきてはげましてくれた、といったエピソードを何度も聞いた気がする。頭上に仮想の花火が上がると、4人はトロッコに乗って客席を巡る旅へ。やはりこの曲には、花火よりも眩しいアイドルを見つめる観客という存在が必要なピースだと思う。トロッコ上で交錯する岡咲のウィンクや土屋のおだやかな表情をきっちりと拾っていくカメラワークの熟練。福岡ではトロッコで歌うメンバーとすれ違ったり、歌う姿を見つめる仲間の姿を一緒に捉える立体的な構図が多かった気がした。
後半戦は各公演で演目が変わるソロコーナーから。トップバッターは北原沙弥香の「Going my way」だ。キューブに立つ北原のシルエットを、背後からのライトが鮮烈な逆光で浮かび上がらせる。ゆったりと歩みながら右手を突き出すと、何かを振り切るような鋭いダンス。初めて見せるソロでのパフォーマンスは、透き通るようでいて貫く鋭さも併せ持ったボーカルが印象的だ。それでいて、ひとつひとつの動きがキレとエネルギーの躍動を感じさせるのは流石の一言。セットリスト上のパフォーマー名義は“和泉愛依”になっている通り、作中のステージでクールに振る舞う愛依のイメージに一番近いパフォーマンスだったかもしれない。全力の表現を見せた北原は暗転したステージでそっと胸に右拳をあてて、小さく笑顔を見せた。
和久井優の「statice」。清涼なイントロとともに、にっと笑った和久井が舞うようなダンスを見せる。両手で大切にマイクを持ち直すと、ステージを歩みながら透明感のある歌声を響かせる。背後のスクリーンに映し出されるのは高山と森林、そして海鳥が舞う大海原といった自然の光景だ。おだやかで心地よい歌声に、ただただ聴き惚れていたくなる。心が示す直感のままに進みながらも、“きみ”が変わらず側にいることへの信頼は揺るがない。そんな透らしさあふれる歌唱だった。
礒部花凜の「アポイント・シグナル」。ソロ曲はユニットでの表現から離れたアイドル個人の色が見える場……ということはツアーで実感していたが、礒部のそれは突出していた。それぐらい、リズミカルに踊り、爪先を鳴らし、駆け出して転びそうになる様子はキュートで“月岡恋鐘”そのもの。日頃アンティーカの世界を表現することに注いでいる力を、アイドル個人の素顔の表現に向ければこうなるということか。衣装が見慣れたアンティーカの基本衣装なのもそのギャップを後押ししている。それでもサイドカメラを覗きこんで歌う際の引力の強さは変わらず。後半はトロッコに乗って、ピンクのサイリウムの海に漕ぎだした。声なき声援に応えながら、満面の笑顔でモーションの大きな投げキッスを飛ばす姿は、アイドル性も宇宙一だった。
芝崎典子の「Darling you!」。開幕、頬に人さし指をあてたいたずらっぽい笑顔で早くも勝利は約束された感じだ。洒脱なサウンドに乗せて贈られる輝くような笑顔たち。「キミを喜ばせたいから」の弾むような響きから、それが桑山千雪の根本にある感情なのかな、と感じる。間奏でスカートをそっと広げてポーズを取ったり、客席の応援に応える姿がとても可憐で絵になる。アウトロのキメポーズで万雷の拍手を受けた芝崎は、はにかむようにくしゃっと笑顔を見せた。
ソロコーナーを歌い終えてのMCで、北原が開口一番に「ふたりに会いたい!」とストレイライトの仲間の話を始めたのが、驚くほど“和泉愛依”を感じさせるものだった。和久井と礒部のトークからは、本番でプロデューサーの前で歌える特別さと楽しさが伝わってきた。芝崎の「サプライズを考えるうちに自分が楽しくなっちゃう千雪と同じ気持ちで今日を迎えた」という言葉に、彼女のステージのすべてがつまっていた気がした。
ラストブロックはストレイライトの「Destined Rival」から。ステージ裏で“再会”した3人がどんな言葉をかわし、スイッチを入れ直してこのステージに臨んでいるのか……と想像してしまう物語が自然に生まれるのがソロ曲を挟んだ妙だ。スタイリッシュな仮想ステージ上のキューブで、歌い踊る3人のパフォーマンスには悠然、雄大、といった表現が似合う。やみくもに動くのではなく、間や溜め、静止の時間を大切にするからこそ生まれるメリハリ。間奏のソロダンスタイムには、またしても違うアレンジを加えた。ソロダンスで少し引いたカメラで全身を映し出すごまかしの効かない見せ方は、全員のパフォーマンスのクオリティに対する信頼があればこそだろう。
歌い終えた幸村がさきほどのMCについて「泣かせるつもりだったでしょ」と冗談っぽく言うと、「会いたかったんだもん」と北原の方が泣きそうになって、幸村がちょっとうろたえている感じが伝わってくる。ここで「まだ名乗ってなくてね?」と空気をブレイクする田中の間合いが素晴らしい。どうやら再会はこのタイミングだったようだ。あらためて先程の言葉への感想を求められた幸村が、完全に素のローテンションで「同じユニットで良かった」と応えると、田中も「同じ気持ちです」とシンプルに。予定とはまったく違ったMCになったようだが、これで良かったと思えるあたたかな時間が流れていた。
放課後クライマックスガールズの「学祭革命夜明け前」、4人でのパフォーマンスはツアーラストとなる。観客が発声できない分のコールアンドレスポンスをARの吹き出しでフォローする演出はおなじみだが、東京DAY2の無観客を一度経験していると、そこに呼吸して、応援の気持ちを送る仲間たちがいるということがどんなに頼もしく、嬉しいことかを改めて感じる。歌い出しでは客席が放クラのユニットカラーのオレンジに染まり、そこにユニットメンバー“5”人のカラーが混ざるのが泣けてくる。客席のサイリウムの色を見ようと映像をストップすると、ちょうど4人がジャンプするところ。河野は片足を上げて元気いっぱいに、丸岡は両足を後ろにたたみながらも女の子らしく。涼本は片足を軽く曲げて控えめに。そして永井が一番高く思いきったジャンプを決めていて、そんなところにも個性があふれていた。
放課後クライマックスガールズのMCの時間では、「五ツ座流星群」の振付の変化を説明するために、永井の凛々しい生ラップと、丸岡の「あ~れ~」をアカペラで披露する嬉しい一幕もあった。4人での最後のステージへの感慨を語りながら、永井の「5人揃ったらどうなっちゃうんだろう?」という言葉が、翌日につながる言葉になった。
ツアーで本編のユニットラストを飾ってきたのがイルミネーションスターズの「Happy Funny Lucky」だ。完成度を増すばかりのパフォーマンスだが、ここに来て峯田の“虹をかけよう”の歌唱に合わせてふたりの手元に虹が渡るAR演出に驚かされた。二番の“仲間達と同じ時を 生きるって奇跡だよ”の灯織パートをふたりで歌うときに、声を揃えながら身体ごと視線を合わせて想いをつなげる姿に、3人で一緒に歌っている感じがした。
ふたりの日のMCではいつも灯織と近藤玲奈についてふれるイルミネコンビだが、今日も関根がこれからの抱負を「3人でもっともっと輝いていきたいな」と締めくくっていた。そして、関根が「それでは、次に! 行ってみたいと思います!」と告げると、峯田が「はー! 次に行くんだね! くっ!」と特別なニュアンスをにじませる。会場からは自然に拍手が巻き起こり、イントロが鳴る前に客席が緑に染まった。
続くのはもちろん、シーズの「OH MY GOD」。ライブでは、そしてフルサイズという意味でも世界初披露だ。重厚なイントロとともに緑のライトとレーザーが明滅し、シーズのふたりのシルエットが激しく踊る。“Let’s go!”のフレーズでふたりが軽く拳を合わせると、ライトが灯りふたりの姿が映しだされた。高らかな「Yeah」のシャウトとともに突き上げた拳の強者感。ロングウィッグと個別衣装で武装したシーズの初ステージだ。情感と個性あふれるボーカルを交わしながら、ふたりがズバッと交錯する瞬間のアングルがMCのワンシーンのように計算され尽くしている。山根のケレン味たっぷりのハイレベルな歌声と、紫月のキャラクターボイスを基調にしたオリジナルなラップの相性が素晴らしくぴったりで、本作初のデュオユニットならではの危うくも美しいバランスで楽しませてくれた。間奏の音と光の洪水の中で繰り広げられるダンスと、背中合わせでカメラを見下ろしながらの「「shh(シーッ)」」のなまめかしさ。圧巻のシーズ劇場だった。
息を切らしながらMCのマイクを持ったふたりはやりきった表情。山根が「会場と配信でご覧の皆さんの熱気が胸に響いて、とっても楽しいステージになりました」と感謝を伝えていた。ここでステージにはユニット衣装に身を包んだ283プロの面々が登場。仲間たちからは「最高だった」の声が相次いでいた。
全員揃っての本編ラストナンバーは「Multicolored Sky」。色とりどりのユニット衣装に身を包んだ7組が、ステージで、トロッコで歌い踊る。山根がシーズのパフォーマンスでは楽曲の世界に全振りな分、この曲ではトロッコから観客に向けて全力で手を振り続ける姿が印象的だった。
アンコールでは、スクリーンに「視聴プロデューサーアンコール数」が表示され、めまぐるしくカウントアップ。その数はまたたく間に283,000を超えた。アンコール数が100万を超えたところで画面に花火が上がるなど演出も芸が細かい。そして2,830,000に迫ろうというタイミングで、画面に再び七草はづきが登場。告知コーナーではゲームの今後の展開とともに、5月30日0時より、シーズの「OH MY GOD」をフルサイズで先行配信するという嬉しい知らせが届けられた。
ここでふたたびライブ開幕のovertureとともに、7ユニットのアイドルイラストがスクリーンに表示され、このライブが初めてユニットという虹の七色が揃った特別なライブであることをビジュアルでも伝えた。アンコール一曲目はシーズも加わった「Color Days」から。宇宙をイメージしたユナイトバースプラネタリ衣装はすっかりおなじみな感じになったが、ロングウィッグ姿の紫月は大人びてかなり新しいイメージに感じる。アッパーなラップパートはシーズのふたりの歌声の聴かせどころだ。七色の照明が衣装の白を照らし出す中、間奏ではアイドルたちの軽快なジャンプがステージにウェーブを描き出した。
ラストのユニット挨拶では、シーズを代表した紫月が東京公演ではアンコールまで仲間を見守るだけだったことの一抹の寂しさと、今回はライブの最初から283プロの仲間とステージに立てた喜びを語ると、「これからもプロデュースよろしくお願いします!」と深々と頭を下げた。その姿を見守っていたノクチルの和久井が「ノクチルがはじめてステージに立った時に、見守ってくれたみんなやプロデューサーさんの気持ちがわかった」と話していたことに、つながっていく何かを感じた。ソロの表現に悩んでいたという北原が、自分にはストレイライトの仲間がいるという気づきを語り、ステージを見渡して「あ、283プロのみんなだ!」と宝物を見つけたように声を弾ませたのも忘れられない光景になった。
ラストナンバーは「Resonance+」。上空には虹色の音符が浮かぶ。“織り成す七つの願いを込めて 歌になれ”のフレーズに合わせた“7”を示すハンドサインが新たな意味を獲得する。虹の七色が揃ったはじまりのステージ。この7組がオリジナルメンバーとして歌った楽曲だけで構成されたアンコールは、「シャイニーカラーズ」の新しいシーズンが、ようやく本当の意味で動き出したことを示しているようだった。
Text by 中里キリ
●THE IDOLM@STER SHINY COLORS 3rdLIVE TOUR PIECE ON PLANET / FUKUOKA DAY1
西日本総合展示場 新館ABC 2021.5.29 セットリスト
M01:SOLAR WAY(Team.Sol/峯田茉優、八巻アンナ、永井真里子、涼本あきほ、芝崎典子、幸村恵理、和久井 優、岡咲美保、紫月杏朱彩)
M02:リフレクトサイン(Team.Luna/菅沼千紗、成海瑠奈、結名美月、丸岡和佳奈、前川涼子、北原沙弥香、田嶌紗蘭)
M03:プラニスフィア ~planisphere~(Team.Stella/関根 瞳、礒部花凜、河野ひより、黒木ほの香、田中有紀、土屋李央、山根 綺)
M04:Spread the Wings!!(シャイニ―カラーズ)
M05:Twinkle way(イルミネーションスターズ/関根 瞳、峯田茉優)
M06:ダブル・イフェクト(アルストロメリア/黒木ほの香、前川涼子、芝崎典子)
M07:五ツ座流星群(放課後クライマックスガールズ/河野ひより、永井真里子、丸岡和佳奈、涼本あきほ)
M08:Black Reverie(アンティ―カ/礒部花凜、菅沼千紗、八巻アンナ、成海瑠奈、結名美月)
M09:Hide & Attack(ストレイライト/田中有紀、幸村恵理、北原沙弥香)
M10:いつだって僕らは(ノクチル/和久井 優、土屋李央、田嶌紗蘭、岡咲美保
M11:純白トロイメライ(アンティ―カ/礒部花凜、菅沼千紗、八巻アンナ、成海瑠奈、結名美月)
M12:Anniversary(アルストロメリア/黒木ほの香、前川涼子、芝崎典子)
M13:あの花のように(ノクチル/和久井 優、土屋李央、田嶌紗蘭、岡咲美保)
M14:Going my way(和泉愛依(CV.北原沙弥香))※表記は公式セットリストによる
M15:statice(浅倉 透(CV.和久井 優))
M16:アポイント・シグナル(月岡恋鐘(CV.礒部花凜))
M17:Darling you!(桑山千雪(CV.芝崎典子))
M18:Destined Rival(ストレイライト/田中有紀、幸村恵理、北原沙弥香)
M19:学祭革命夜明け前(放課後クライマックスガールズ/河野ひより、永井真里子、丸岡和佳奈、涼本あきほ)
M20:Happy Funny Lucky(イルミネーションスターズ/関根 瞳、峯田茉優)
M21:OH MY GOD(シーズ/紫月杏朱彩、山根 綺)
M22:Multicolored Sky(シャイニ―カラーズ)
-ENCORE-
EN1:Color Days(シャイニ―カラーズ)
EN2:Resonance+(シャイニ―カラーズ)
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
「アイドルマスター シャイニーカラーズ」公式サイト
https://shinycolors.idolmaster.jp/
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