『機動戦士ガンダム』誕生40周年、さらに宇宙世紀の新たな100年を紡ぐ「UC NexT 0100」プロジェクトの第2弾となる映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』。
本作の主題歌を手がけるのは、これが初アニメタイアップとなるロックバンド、[Alexandros]。その主題歌「閃光」は、高揚感に溢れたバンドサウンド、未来の希望を描いた歌詞が一つになったロックチューンだ。
メンバーの川上洋平(Vo&G)、磯部寛之(Ba&Cho)、白井眞輝(G)、リアド偉武(Dr)に「閃光」の制作と映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』について、またバンドの現状も語ってもらった。
――[Alexandros]は今年3月に10周年の締めくくりとして、初のベストアルバム『Where’s My History?』をリリース。4月10日に新メンバー・リアド偉武さんが加入しました。
リアド偉武 以前からサポート・ドラムとして関わっていたんですけど、(正式加入して)こうやってインタビューを受けるのは新鮮ですね。
川上洋平 毎作毎作、新鮮な気持ちでやってるんですけど、リアドが加入してくれたのは気持ちいいですね。好きなヤツだし、いいドラマーだし、「さあ、ここから!」という感じもあって。
磯部寛之 [Alexandros]はまだまだ道の途中だし、“新生”は言い過ぎというか、チャプターが変わった感じはありますね。
白井眞輝 リアドはライブも一緒にやってるし、レコーディングでも叩いてくれてるので、自分たちとしては既に馴染んでいて。まあ、“ここから新しく……”という感じで見せたほうがいいのかもしれないけど(笑)。
磯部 アーティスト写真も4人になったしね(笑)。
川上 リアドは本物のイケメンだから、ちょっと困るんだけど(笑)。
磯部 フロントマン泣かせのドラマー(笑)。
――(笑)。正式に4人体制になってから最初の楽曲「閃光」は、映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』主題歌。やはり映画のストーリー、世界観を意識して制作されたんでしょうか?
川上 タイアップ楽曲でも、半分以上は自分たちの曲として作ってるというか。[Alexandros]の楽曲としてリリースするわけだし、完全に映画の世界に沿って作ったわけではないんですよね。まず原作の小説を読んで、映画も観させてもらって、そこから自分が受けた影響を素直に音と歌詞にした感じです。劇伴のプロではないので、「このシーンに合わせる」みたいなことではなく、自分たちの表現や色をそのまま出すというか。それを信頼してオファーしてもらってると思うので。
――なるほど。サウンドの軸になっているのは、白井さんのギターリフですね。
白井 このリフはけっこう前からあったんですよ。ニューヨークに滞在してた頃(2018年)なので。
川上 そのときから「何かの曲に使いたいね」って話してたんですよ。「閃光」は一聴するとアップテンポで爽やかに聴こえるかもしれないけど、じつは切なさや悲しさ、寂しさも込められていて。その部分を担っているのが、ギターリフだと思うんですよね。たぶん、まーくん(白井)は何の気ナシに弾いただけだと思うんだけど。
白井 そうだね(笑)。手癖みたいなものだから。
川上 そういう自然に出てきたフレーズをキャッチするのが、僕の役割なんですよね。ミュージシャンが無意識で弾いたフレーズには、本当の感情や心のなかにあるものが出てると思うので。
――その瞬間の閃きが、サウンドやアレンジに反映される。
磯部 そうですね。何かを意識するわけではなくて、「楽曲のメロディや情景を思い浮かべながら弾いたら、こうなった」という。
リアド アレンジも、みんなでセッションしているときに出てきたことが取り入れられるんですよね。当たり前ですけど、他のメンバーの音をよく聴きながら演奏するのも大事で。そうすることで、バンドの魔法がどんどん出てくるので。
川上 じつは(コロナ禍により)映画の公開が延びたことも影響していて(※当初は2020年7月公開予定だった)。1回完成したんだけど、ライブのためにリハーサルしているときに、「このアレンジもいいね」というアイデアがどんどん出てきて。
磯部 やってると育っていくからね、曲が。
――“新しい世界を紡ぎ出していけ”という前向きな歌詞も印象的でした。
川上 それもメロディやサウンドに引っ張られて出てきた言葉なんですよ。元々希望を歌うことは多いし、自然でしたね。
――シングルには「閃光」の英語バージョンも収録。
川上 映画は海外でも公開されるし、マネージャーに「英語バージョンも作ってみたら?」と言われて。今までやったことなかったので、面白かったですね。そのちょっと前にTVの「おしゃれイズム」に出たんですけど、そのときに初恋のイタリア人の女の子と話をして、「洋平がバンドで活躍してるのは知ってたけど、曲のタイトルが日本語だからわからない」と言われて。それも英語バージョンを作った理由かも(笑)。
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