――共作曲・共編曲の矢野さんとは、ミニアルバムでもご一緒されていました。
結城 駒形友梨ちゃんに歌詞を書かせていただいたとき、いくつかの楽曲を矢野さんが作編曲されていて、それがすごく素敵だったんです。なので、前回のミニアルバムでセルフカバーした「Paradeが生まれる」(5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』より)で初めて矢野さんに編曲をお願いしたんですけど、それも本当に爽やかでとっても素敵な仕上がりにしてくださって。機会があったらぜひまたご一緒したいと思っていたところで今回のシングル制作が決まったので、さっそくお声がけさせていただきました。
――アレンジ面については、ピアノとストリングスがメインのところに、Bメロから少し打ち込み感が出てくるじゃないですか。デジタルサウンドが入ってくるところがすごく良いなと感じました。
結城 実は、最初はもっとクラシカルなアレンジになる予定だったんですよ。でも、矢野さんとやり取りを重ねるうちに、「打ち込み感を出したほうが作品の世界観に馴染むんじゃないかな」と思って。例えば『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のような戦いや人の死を扱う作品だったら、クラシカルなオーケストラってすごくマッチすると思うんですけど、『聖女の魔力は万能です』は「スローライフ」「日常」というイメージの作品なので、最終的にはそういう方向性になりました。
――レコーディングはいかがでしたか?
結城 歌に関しては、1番はわりと落ち着いているものの、後半で張り上げるところが出てくるので……。「結城アイラさんにとっては過酷な曲を作ってしまったな」「ごめん」って思いながら歌っていただいた感じです(笑)。
――作曲する段階では、歌いやすさは気にせず……?
結城 メロディの美しさとか、歌詞の乗りの良さを優先して、レコーディングのときどうなるかはあまり考えずに作っていましたね。ほかの作家さんたちはきっと歌いやすさも考えて作曲されているんだろうなと思うと、今までお世話になった作家さんをリスペクトする気持ちがぐんと増しました。
――これまでに提供を受けた楽曲は歌いやすいものが多かったんですか?
結城 そうですね。息継ぎができないとか、音域がすごく広いっていうことはあまりなかったので、歌いやすい曲を作ってくださっていたんだなぁと。この曲、キーが低いところはめちゃめちゃ低いし、高いところはかなり高いんです。何回も歌うと声が枯れてしまいそうなので、ライブのときはリハは適当にやって本番で頑張るタイプの曲かもしれません(笑)。
――「Blessing (English Ver.)」が5月26日に配信限定でリリースされますが、英語バージョンはどういった経緯で作ることになったんでしょう?
結城 もともと英語の曲が好きなんですけど、この楽曲も、洋楽を意識した部分があるので「きっと英詞も合うだろうな」と思って。それと、外国の方にもこの楽曲の良さを伝えたかったんです。というのも、「Blessing」の歌詞ってすごく抽象的なんですよ。監督から「セイちゃんの気持ちに寄りすぎてもいけないし、わかりやすすぎてもいけないし、ちょっと抽象的な感じがいい」というリクエストがあったので、主語をはっきりさせていなくて。でも、そういう歌詞って直訳を見ても意味がわかりづらいと思うんですよね。なので、Joelleさんに英訳をお願いして、具体的でわかりやすい英語詞にしていただきました。
――Joelleさんとはいつ頃から関わりが?
結城 梶浦由記さんのライブでご一緒したのがきっかけですね。それ以降、作詞しているときによくLINEで「この英語で大丈夫かな?」という相談をしていて(笑)。快くお返事をしてくださるのでちゃんとお仕事という形でご一緒したいなと思い、『Leading role』ではミュージックビデオ用の英訳をお願いしました。今回、仮歌も「このままリリースしていいんじゃないか」と思うぐらいのクオリティで歌ってくださって……。海外の方たちもこれをカバーしてくれたらすごく素敵だと思うので、「歌ってみた」動画がたくさん上がるのを期待しています(笑)。
――4月28日(水)21時からYouTubeチャンネルで「Blessing」のミュージックビデオがプレミア公開されますが、ミュージックビデオはどのような仕上がりになっていますか?
結城 日本の自然の良さ、春夏秋冬を感じられるような映像になっているんじゃないかな、と。このミュージックビデオも皆さんの癒やしになればと思っています。森や海で撮影してきたんですが、なかなか人と会えなくなってしまった今、スタッフさんたちと一緒にいられたり、1年ぶりに海へ行けたりしたことに、ロケ中は私自身も癒やされていました。
――内容については何か希望を出されたんですか?
結城 今回はすべておまかせでしたね。楽曲のイメージから作っていただいて。実はそのあとに見せていただいたアニメのOP映像もミュージックビデオと同じような世界感だったので、アニメとミュージックビデオ、それぞれの監督に楽曲だけで同じイメージを持っていただけたのはとても嬉しかったです。
――OP映像から「ミュージックビデオはこんな感じなのかな?」と想像できるということですね。ちなみに、結城さんがもし異世界に転生するとしたら……?
結城 私はきっと、セイちゃんみたいに転生してもお仕事をしちゃうタイプなんですけど……。でも、最近はオンラインゲームにハマっているので、不思議な世界観のところに行ってみたいですね。馬とか乗りたいです。ふふふっ(笑)。
――オンラインゲームというと。
結城 『フォートナイト』です。今プレイできるシーズン(チャプター2シーズン6)はマップが原始的で、狼や恐竜が周りを走っていたりするので、そういう世界も楽しそうだなって。
――プレイするきっかけは何だったんですか?
結城 もともと旦那さんがずっと一人でやっていたんですよ。それを見て「面白そうだな」と思って私も自粛期間中に始めて、今はディスプレイを2台並べてプレイしています(笑)。コロナが流行りだしてから、『ファイナルファンタジー』のリメイクを買って楽しんだり、『ぷよぷよ』とか『パネルでポン』みたいな大好きなパズルゲームをやったりしていたんですけど、オンラインゲームって一度やり始めたら「アップデートするだけでずっとプレイできるなんて!」「これは一生やっていられるんじゃないか」ってなるじゃないですか(笑)。すっかりハマってしまいました。
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