ここでライブは後半戦へ突入。轟くTAKEのギターとGOT’Sのベース、そしてIWASAKIのドラムの音が「Hey!!!」を掻き鳴らす。爆発力ある豪快な展開あるアッパーロックに、画面の向こうの観客も拳を上げKEIGOとKOHSHIの声に想いを重ねたはず。配信とは言え、全力でカメラの向こうを煽り、高く腕を上げる二人が日本中のライブ会場を一体にした。デジタルビートが響くなか重々しいイントロからアグレッシブなビートとともに轟く「おはようジャポニカ」ではサウンドにも歌詞にも「現状をぶち壊したい」ともがく行き場のないエネルギーの爆発する様を感じさせ、エモーショナルな歌声が聴覚から全身に叩きつけられるような感覚を覚える。「クラップをせよ」とKOHSHIが英語で言う。ダンサブルで美しい旋律に彩られながらも魂の叫びのような歌が響く「BLACK & WHITE」。エレクトロとFLOWのロックがダンスサウンドに昇華されていくこの曲は、強いメッセージからも“2011年”という時間を象徴していると感じた。僕らが信じた音楽は今も鳴り響いているよ、とのFLOWからのメッセージが込められた当時のツアー映像が流れ、「ON THE LINE」へ。未来の、希望の音が宿る1曲は、溢れ出すポジティブな音が軽快に跳ね、鼓動を逸らせるドラマチックなナンバー。彼らの背後にあるRensaのフラッグまでも光り輝いているように感じる。力強い演奏と想いを込める歌が紡ぐのは、未来と過去を結ぶ線。光が待つ未来を信じる力。そしてFLOWが歌う理由。「縁を感じた」と、この夜のライブについて語っていたKEIGO。そう、彼らが音楽を奏で届けることも、たくさんの縁があり今へと繋がっているのだ。
「10年前まさにツアーを回っていて、アルバムを作っているときに僕らはピンチを味わいました。あのときは何をしたらいいのかもわからず、音楽をやっていいのかと自粛をし、そんなときに名取市ボランティアセンターの皆さんに出会って。皆さんが“どんどんやってくれ。自粛自粛とエンターテインメントを失っていくのは嫌だ”という声をもらって、僕らは『BLACK & WHITE』を作りました。今もこんな時期です。でもあのときと違うのは、僕らは音楽をやり続けるという気持ちでいることです。色々不安はいっぱいあると思うし、新生活の始まる季節と言われてもまだまだいつもの4月のようにはいけない人たちもいると思うんだけど、でも大丈夫。何回も言っているけど俺たちは一人じゃない。確実に自分たちの足で歩いていきましょう。そのために俺たちはライブをやり続けます。これからも毎月26日にこの気持ちを伝えていきます。これからもよろしくお願いします。そんな俺たちの作る未来へ。ラストの1曲を歌いましょう」。
KEIGOの言葉から優しい鍵盤の音とつま弾かれるギターの音色が重なって、KOHSHIが歌い出したのは「光」。一歩一歩を着実に踏み出していく歌。あの日から10年を経た今だからこそ、未曾有の事態に苛まれている今だからこそより強く伝わる「一人じゃない」という想いと「共に踏み出そう」というメッセージ。ラストにはボランティアセンターで撮られた1枚の記念写真が画面に映し出され、ライブは幕を閉じた。ライブの熱、温かな想い、そして希望に満ちたライブだった。
<セットリスト>
SE.
01. ロッククライマーズ
02. 革命
03. 感情行進曲
04. この際はっきりさせとこうか!
05. チェルシーガール
06. 旅立ちグラフィティ
07. 08 Hey!!!
08. 09 おはようジャポニカ
09. 10 BLACK & WHITE(LIVE.ver)
10. ON THE LINE
11. 光
SHARE