リスアニ!本誌で好評だったOP・EDレビューを、 前回の2021年冬アニメ主題歌レビューに引き続きリスアニ!WEBにて実施! 2021年春アニメ主題歌のレビューを随時掲載していきますので、ぜひチェックしてください♪
※一部掲載のない作品もございます
(最終更新日:2021年6月22日)
●OP「EASY LOVE」上坂すみれ
作詞:上坂すみれ、森月キャス 作曲:丸山真由子 編曲:日比野裕史×渡辺 徹
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●ED「カラフル・キャンバス」長瀞さん(CV:上坂すみれ)、ガモちゃん(CV:小松未可子)、ヨッシー(CV:鈴木愛奈)、桜(CV:井澤詩織)
作詞・作曲:金子麻友美 編曲:久下真音
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ドSな女子高生ヒロイン・長瀞さんの魅力がたっぷり描かれる人気コミックが原作。OPを歌うのはその長瀞さんを演じる上坂すみれ! 上坂は作詞にも参加しており(森月キャスとの共作)、歌詞には“イジらないで”というタイトルに掛けたフレーズが散りばめられている。タイトル“Easy Love(Night Date)”と連呼されるフレーズが“いーじらないでー”に聞こえるのが天才的な発想。ギラギラしたロックな曲調もゴキゲンだ。
EDは長瀞さんと長瀞フレンズによるノスタルジックなバラードで、個性溢れるキャラクターを演じる4人のキャストはいずれも歌唱力抜群。これが本編でセンパイをめちゃめちゃイジりまくってる人たちの歌とは思えないほど胸キュン。
(TEXT BY 金子光晴)
©ナナシ・講談社/「イジらないで、長瀞さん」製作委員会
●OP「EVERYBODY! EVERYBODY!」芹澤 優 with DJ KOO & MOTSU
作詞・作曲:MOTSU 編曲:大久保 薫
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●ED「YOU YOU YOU」芹澤 優 with DJ KOO & MOTSU
作詞・作曲・編曲 :MOTSU
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ゲーム内の姿で異世界に召喚された魔王・ディアヴロ(CV:水中雅章)が、召喚主でもあるレム(CV:和氣あず未)と、シェラ(CV:芹澤 優)を従えて旅をするという物語。
第1期(2018年)のEDテーマ「最悪な日でもあなたが好き。」に引き続き、OP/EDテーマを芹澤 優が担当。しかも今回は、DJ界からDJ KOO、ラップ界からMOTSUを召喚! イントロからアゲアゲなユーロビートで突っ走るOP「EVERYBODY! EVERYBODY!」は、DJ KOO & MOTSUのテンションにも負けない、美しくてキュートな歌声を響かせる芹澤の存在感が味わえる1曲だ。
ED「YOU YOU YOU」は、MOTSUと芹澤の掛け合い、陽気なスカビートと、ちょっぴり 切なく乙女なボーカルが絶妙! 後半の展開もかなりダイナミックなので、フルでも楽しんでほしい。
(TEXT BY 塚越淳一)
©むらさきゆきや・講談社/異世界魔王Ω製作委員会
●OP「3分29秒」ヒトリエ
作詞・作曲:シノダ 編曲:ヒトリエ
●ED
「Avid」SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
作詞:cAnON. 作曲・編曲:澤野弘之
●ED「Hands Up to the Sky」SawanoHiroyuki[nZk]:Laco
作詞:cAnON. 作曲・編曲:澤野弘之
ダークでハードコアな作品を彩る楽曲は、ヒトリエとSawanoHiroyuki[nZk]という対照的な2ユニットが手がける。
人として扱われず、死ぬことを宿命づけられたエイティシックスの面々の心情を歪み、揺れるサウンドで表現したOPは、泥臭く、アイロニカルで、突き放したスタンス。諦観に満ちた視線は、物語開始当初の主人公・シンエイ・ノウゼンに重なる。
劇伴も担当する澤野弘之のボーカルプロジェクト、SawanoHiroyuki[nZk]のED「Avid」は、お馴染みの澤野サウンドでmizukiのクリアで伸びのあるボーカルが、ヒロイン・レーナの心情を歌う。OPの「3分29秒」との対比がシンとレーナ、二人の氏素性の違いとなって表れていて面白い。そしてもう1つのED、「Hands Up to the Sky」は、Lacoをボーカルに迎えた開放的なデジロック。空に伸ばした手が掴むものは、自由か、平和か、それとも……。
(TEXT BY 田中尚道)
©2020 安里アサト/KADOKAWA/Project-86
●OP「誰が為に愛は鳴る」TrySail
作詞:上坂梨紗 作曲・編曲:川崎智哉
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●ED「今日まで生きたあなたへ」スカイピース
作詞:スカイピース 作曲:スカイピース、宮川 拓 編曲:宮川 拓
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OPは人気女性声優3人によるユニット・TrySail、EDはYouTubeとして人気の音楽ユニット・スカイピースという異色の組み合わせ。
OPはTrySailのなかでも激しい熱血アニソンで、徐々にテンションが上がっていって一瞬のタメからサビで一気に跳ねるという展開はまさに王道。雨宮 天の力強さ、麻倉ももの懐の深さ、夏川椎菜の熱量の高さというそれぞれのかっこ良さが表れた歌声で、作品の雰囲気を最高に高めてくれる王道のアニソンになっている。
EDは戦いに疲れた“あなた”に向けたバラード。熱い展開のストーリーをクールダウンさせてくれる曲調は、やはりロボットアニメの正統派といえるだろう。
(TEXT BY 金子光晴)
©SOTSU・SUNRISE
●OP「Eden through the rough」西川貴教
作詞:Spirit Garden 作曲・編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
●ED「冒険のVLOG」CHiCO with HoneyWorks
作詞・作曲・編曲:HoneyWorks
『RAVE』や『FAIRY TAIL』でボーイミーツガールな王道冒険譚を描いてきた真島ヒロの最新作のOP、EDはこれまた王道の布陣。
壮大な物語の幕を開けるのは力強いロックサウンド。紛うことなき西川貴教の世界観ながら、使われるタームはスペースオペラのそれで、ある種の懐かしさがある。逆に若い視聴者にはそれが新鮮に映るのでは?
ポジティブ全開でハニワらしさが光るEDは、ミドルテンポのポップス。リズミカルな曲と、遊び心に溢れた歌詞がライブ映えするのはもちろんだが、学校行事でも使えそうで、なかなか懐が深い。
(TEXT BY 田中尚道)
©真島ヒロ/講談社・NTV
●OP「Chance! & Revenge!」安月名莉子
作詞・作曲・編曲:涼木シンジ
●ED「戦略的で予測不能なラブコメディのエンディング曲」志田黒羽(CV:水瀬いのり)、可知白草(CV:佐倉綾音)
作詞・作曲・編曲:橘 亮祐・篠崎あやと
主人公の幼なじみ、初恋相手、そして若手人気女優と個性豊かなヒロインたちが恋愛バトルを繰り広げる、大注目のライトノベルが待望のTVアニメ化。OPはシンガーソングライターの安月名莉子が担当する。ラブコメ作品で冷遇されがちな幼なじみの“復讐”がテーマなだけにタイトルに“Revenge”が入っているが、明るくポップなダンスナンバーでテンションを上げてくれる1曲。
EDは志田黒羽役の水瀬いのりと可知白草役の佐倉綾音という、キャラソンの歌い手としても当代随一の絶対に負けないコンビ。ヒロインたちがバチバチに対抗意識を燃やすという歌詞なのに、サビになると二人の歌声による絶妙のハーモニーが生まれている。
(TEXT BY 金子光晴)
©2021 二丸修一/KADOKAWA/おさまけ製作委員会
●OP「てんこりんのテーマ」CHAI/岡倉てんこりん(CV:和氣あず未)/雷神(CV:小西克幸)
作詞:ユウキ 作曲:マナ、カナ、ユナ
●ED「おしえて北斎!」上鈴木兄弟(P.O.P)&YMCK
作詞:上鈴木タカヒロ、上鈴木伯周 作曲・編曲:除村武志
夢は大きいけど根はズボラな女子高生が、日本絵画の巨匠たちの手ほどきを受けながら絵師を目指す姿を通して、ゆる~く楽しく“日本美術”と“人生哲学”を学べるショートアニメ。
OPを担当するのは、“NEOかわいい”をコンセプトにポップでキッチュな魅力を世界に届けるガールズバンド、CHAI。本作の主人公である女子高生・岡倉てんこりんの、まだ何も持っていないけど何かを目指して頑張りたい気持ちを、渋谷系とローファイポップが合体したような不可思議メルヘンサウンドでネオかわいく表現している。てんこりんと雷神による合いの手も賑やか。
EDは、映画「SR サイタマノラッパー」やTVアニメ『Bラッパーズストリート』のラップ監修などで知られる上鈴木兄弟(P.O.P)と、チップチューン界きっての人気ユニット・YMCKによるコラボ曲。ウキウキと弾む8ビットサウンド、兄弟ならではのコンビネーションが絶妙なラップ、栗原みどり(YMCK)によるスイートなサビメロ、それらが合わさったレトロフューチャーなポップ感が、てんこりんの夢を叶えたい気持ちをキャッチーに描き出している。
(TEXT BY 北野 創(リスアニ!))
●OP「ODDTAXI」スカートとPUNPEE
作詞・作曲:スカートとPUNPEE 編曲:PUNPEE
●ED「シュガーレス・キッス」三森すずこ
作詞・作曲・編曲:PandaBoY
愛らしい動物のフォルムを纏ったキャラクターたちとは裏腹に、どこか不穏でミステリアスな物語が展開される新感覚オリジナルアニメのOPを歌うのは、同作の劇伴も手がけるラッパー/プロデューサーのPUNPEEと、シンガーソングライターの澤部 渡によるソロプロジェクト・スカートの板橋出身コンビ。チル系の大本命と言えるグッドメロウなトラックに乗せて紡がれるのは、大切なピースが欠けたまま日々をやり過ごすような、レイジーで滑稽な感傷。甘いような、苦いような、独特の感触がクセになる。
その一方、PWL直系の80s風シンセポップで陽気にダンシングするのが、ファンには馴染みの三森すずこ×PandaBoYコンビによるED。三森は劇中に登場するアイドル・二階堂ルイ役を演じていることもあり、おきゃん(死語)なラップを含めキュートさに徹した格好だ。明と暗、ユーモアとペーソスが入り混じったアニメ本編の内容ともリンクする、対照的な二組の楽曲が作品を彩っている。
(TEXT BY 北野 創(リスアニ!))
© P.I.C.S. / 小戸川交通パートナーズ
●OP「ZEAL of proud」Roselia
作詞:織田あすか(Elements Garden) 作曲・編曲:藤永龍太郎(Elements Garden)
●ED「Y」Argonavis
作詞・作曲・編曲:TAKE(FLOW)
ブシロードの屋台骨を支える「カードファイト!! ヴァンガード」シリーズ10周年を記念した新作アニメを彩るのは、これまたブシロードの顔となるコンテンツ「BanG Dream!」シリーズから生まれた2組のリアルバンドだ。
Roseliaの歌うOPは、かっこ良さの塊とも呼ぶべき激しいロックナンバー。様々な物語を経て強固となった、高みを目指す彼女たちの覚悟と闘志が詞・音・歌すべてから伝わってくる。「私たちについてこい」と言わんばかりにラウドに歌い上げる湊 友希那(CV: 相羽あいな)のボーカルに、聴き惚れない人なんていないだろう。
FLOWのTAKEが楽曲提供したArgonavisの歌うEDは、『ヴァンガード』と『ARGONAVIS BanG Dream!』という2作品の世界観にシンクロするような、ミディアムテンポのバラード。Argonavisらしい星の煌めきを感じるサウンドはそのままに、温かさと寂しさが同居した歌詞が、柔らかく優しい歌声と合わさることでダイレクトに心に響いてくる。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©VANGUARD overDress Character Design ©2021 CLAMP・ST
●OP「ANSWER」前島麻由
作詞:AIJ 作曲・編曲:ANCHOR
●ED「キスイダ!」如月玲於奈(CV:竹達彩奈)、アリシア(CV:ファイルーズあい)、ミザリサ(CV:井澤詩織)、結城 楓(CV:古賀 葵)
作詞:烏屋茶房 作曲:烏屋茶房、橘 亮祐、篠崎あやと 編曲:橘 亮祐、篠崎あやと
「この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる」の土日月による原作で、リアルすぎてストレスフルなフルダイブRPGの世界が描かれる。
日英ハイブリッド歌詞のOP「ANSWER」を歌うのは前島麻由。ゲームと同じく無限の選択肢の中から答えを探し求める歌詞を歌い上げたハイスピードな楽曲だ。
EDは主人公・ヒロへの“愛”をそれぞれの視点から歌ったヒロイン4人によるキャラソン(「キスイダ!」を逆から読むと……)。しかしハーレム的な甘さは微塵も感じられず、歌詞が不穏なのに曲はポップ。“殺してあげるね”という歌詞のあとに“Fu~”と能天気な合いの手が入ったりするミスマッチが面白い。4人とも個性的なキャラソンの歌唱はお手の物で、しかもキュートさも失っていないのがさすがといったところ。(TEXT BY 金子光晴)
©土日月・株式会社KADOKAWA刊/究極進化した製作委員会
●OP「Bursty Greedy Spider」鈴木このみ
作詞・作曲:草野華余子 編曲:草野華余子、岸田(岸田教団&THE明星ロケッツ)
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●ED「現実凸撃ヒエラルキー」「私」(CV:悠木碧)
作詞:hotaru 作曲・編曲:神田ジョン
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4月から後期クールに突入した『蜘蛛ですが、なにか?』。
OPは今、一躍注目を浴びている草野華余子が作詞・作曲・編曲・サウンドプロデュースを担当。編曲には草野の盟友である岸田教団&THE明星ロケッツの岸田も参加している。生存を賭けた小さい蜘蛛の叫びを、鈴木このみが魂のこもったボーカルで歌い上げ、後期の盛り上がりにふさわしい熱いOPとなっている。
そして、主人公「私」を演じる悠木碧の熱演が見逃せない本作だが、インパクト抜群だった前期ED「がんばれ!蜘蛛子さんのテーマ」に引き続き、後期EDも「私」によるキャラクターソング。今度は一転して煽りセリフ満載のメタルだが、デスボイスにもどこか憎めない感じがあるのが「私」らしくて、悠木の表現力に驚かされる。
(TEXT BY 金子光晴)
ⓒ馬場翁・輝竜司/KADOKAWA/蜘蛛ですが、なにか?製作委員会
●OP「シュフノミチ」打首獄門同好会
作詞・作曲:大澤敦史
●ED「極・夫婦街道」
作詞・作曲:大澤敦史
かつて“不死身の龍”と恐れられた元極道・龍が、なぜか専業主夫の道に。“毎日の家事がちょっと楽しくなる”アットホームギャグコメディ『極主夫道』。そのOP&EDを担っているのが、打首獄門同好会。超ヘビーなサウンドと生活密着型の歌を融合させた音楽性と“極道×家事”をテーマにした本作は、まさにベストタッグだ。
OP「シュフノミチ」は、極悪な(?)重低音と轟音ギターに貫かれたバンドサウンドのなかで、“≪主夫/主婦≫は止まらない そして極め続ける ≪主夫/主婦≫の道”というキラーフレーズが鳴り響くアッパーチューン。
そしてED「極・主夫街道」は、日々の生活と闘い続ける主夫/主婦の姿を描いたメタル演歌。哀愁的なブルーズを感じさせる歌声にグッとくる。
(TEXT BY 森 朋之)
Netflixオリジナルアニメシリーズ『極主夫道』4月8日(木)より全世界独占配信
ⓒおおのこうすけ/新潮社
●OP「in case…」BiSH
作詞:JxSxK 作曲:松隈ケンタ 編曲:SCRAMBLES
●ED「青い」ポルカドットスティングレイ
作詞・作曲:雫 編曲:ポルカドットスティングレイ
4/1(木)よりTOKYO MXほかにて放送中の“ゴジラ”の完全新作TVアニメシリーズ『ゴジラ S.P<シンギュラポイント>』。OPテーマ「in case…」を歌うのは、既存の音楽シーンに戦いを挑むように自らの存在価値を示し続けるBiSH。ロックとエレクトロが火花を散らすようにぶつかり、攻撃的なボーカルとともに“立ち向かう用意をしよう”とリスナーを鼓舞するこの曲は、世界を襲う未曽有の危機に挑む人々の姿を描いた本作の物語はもちろん、社会の現状とも強くリンクしている。
熾烈な戦いのなかにある、瑞々しい感情を描いているのは、ポルカドットスティングレイによるEDテーマ「青い」。鮮烈なギターサウンド、切なさと愛らしさを放つメロディが、青春群像劇としての本作の魅力を際立たせている。
(TEXT BY 森 朋之)
© 2020 TOHO CO., LTD.
●OP「AMBITIOUS GOAL」小林愛香
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
●ED「悔しいことは蹴っ飛ばせ」小松未可子
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
目の肥えたサッカーファンをも唸らせる熱い試合と、女子サッカーに情熱を注ぐ高校生たちの姿を描いた青春物語の主題歌は、どちらも畑 亜貴・田代智一・黒須克彦・田淵智也によるプロデュースチーム・Q-MHzが作詞作曲を担当。
小林愛香が歌うOPテーマは、スカッとした歌声と躍動感のあるキラキラしたサウンドが耳を惹く青春ソングだ。チームスポーツを題材にしているからこそ説得力が増す「熱くなるのは自分のためだけじゃない」という熱量の高いメッセージは、青春の真っ只中にいるサッカー少女たちの心にダイレクトに響くことだろう。
軽快なバンドサウンドが印象的な小松未可子によるEDテーマも、青春をキーワードに据えた爽やかな1曲に仕上がっている。弱小サッカー部として奮闘していくキャラクターたちを励ますような優しい歌声と、“頑張れ”という言葉を使ってあえてシンプルに綴られた詞の組み合わせは、まさに王道な応援歌。夢に向かう人の背中をそっと押してくれるはずだ。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©新川直司・講談社/さよなら私のクラマー製作委員会
●OP「Judgement」西川貴教
作詞:エンドケイプ 作曲・編曲:澤野弘之
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台湾で知らない人間はいないと言われる程親しまれてきた人形演劇『布袋劇』。台湾で随一の知名度とクオリティの“霹靂社” が操演・撮影を、虚淵 玄(ニトロプラス)が原案・脚本・総監修を担当する日台合同映像企画のTVシリーズ3期『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀3』。魔界と人間界の挟間で展開される激しくも妖しい物語を彩る主題歌は、西川貴教の「Judgement」だ。T.M.Revolution名義を含め、西川は同シリーズのすべての主題歌を担当している。
鋭利なエレクトロと重厚なロックサウンドがぶつかり合うトラックは、作編曲を手がけた澤野弘之の真骨頂。自らの命を賭け、新たな未来を切り開こうとするキャラクターたちの姿を反映した歌詞、そして、壮大にして攻撃的なメロディラインを高らかに響かせる西川のボーカルも最強。堂々たる風格と鮮烈な雰囲気を併せ持った歌に強く心を揺さぶられてしまう。
(TEXT BY 森 朋之)
ⓒ2016 Thunderbolt Fantasy Project
●OP「a hollow shadow」末廣健一郎
作曲・編曲:末廣健一郎
●ED「ないない」ReoNa
作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.)、毛蟹(LIVE LAB.) 作曲:毛蟹(LIVE LAB.) 編曲:小松一也
顔のない一族「シャドー」と、その“顔“として仕える世話係の「生き人形」による独創性溢れるファンタジーミステリーを支える音楽には、どこか“不気味さ”が漂っている。
オープニングテーマは、数多くのアニメ・ドラマの劇伴を手がける作曲家・末廣健一郎によるインストゥルメンタル。ヴァイオリンやアコーディオンの高貴な音色が聞こえるなか、短調のメロディとサブリミナル的に挿入されるコーラスが「シャドーハウス」に潜む不穏な雰囲気を演出している。
ReoNaが歌うエンディングテーマは、“絶望系アニソンシンガー”としての世界観と『シャドーハウス』の世界観が見事にシンクロした衝撃作。背筋をゾクリとさせるイントロのコーラス、韻を踏みながらウィスパー気味に訥々と歌われるAメロ、同じフレーズを繰り返すことで強調される救いのない歌詞、そしてラストで砕け散るガラスの音。89秒の間で何度鳥肌が立ったかわからない。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
Ⓒソウマトウ/集英社・シャドーハウス製作委員会
●OP「Soul salvation」林原めぐみ
作詞:MEGUMI 作曲・編曲:たかはしごう
●ED「#ボクノユビサキ」林原めぐみ
作詞:MEGUMI 作曲・編曲:要田 健
20年の時を経て“よみがえった”霊とともに戦うシャーマンたちの物語を彩るのは、アーティストデビュー30周年を迎えた声優・林原めぐみ。
2000年放送版と同じく、たかはしごうが作編曲を手がけたOPテーマは少年マンガの王道を往く熱さと希望に溢れた1曲。強大な敵に立ち向かうような力強い歌声、そして令和の時代性と『SHAMAN KING』のワードを融合させた背中を押すような歌詞に、心が動かされない人などいないだろう。
音声合成ソフトのような無機質なボーカルから人間らしい歌声に戻るラストにゾクリとするEDテーマは、“声優・林原めぐみ”の本領が発揮された新境地だ。まるで、ファンメイドの楽曲から林原めぐみ本人歌唱に至った「恐山ル・ヴォワール」を意識しているかのようで、メインキャラクターたちをイメージした高速セリフも含めて、20年分の愛が幾重にも詰め込まれている。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京
●OP「FIRE BIRD」大平峻也
作詞:天月-あまつき-・宮田’レフティ’リョウ 作曲:宮田’レフティ’リョウ・天月-あまつき 編曲:宮田’レフティ’リョウ
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●ED「Cominʼ Back」内⽥雄⾺
作詞:JuliShono 作曲:Erde・DENZIL“DR”REMEDIOS 編曲:Erde
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かつて「不倒の宵越」と呼ばれたサッカーの名選手・宵越竜哉が出会ったのは、仲間と協力し縄張りに侵入する敵を捕らえ、引きずり倒すことで勝利へと繋げる“走る格闘技”のカバディだった。「マンガワン」で 連載中の武蔵野 創 によるコミックスがアニメ化。
OP「FIRE BIRD」は「ミュージカル『刀剣乱舞』」の今剣役をはじめ数多くの舞台で活躍する大平峻也が歌うグルーヴ感あるアッパーロックチューン。天月-あまつき-と宮田’レフティ’リョウが手がける ラウドビートで彩られた軽快なサウンドがカバディさながら疾走する。EDである「Cominʼ Back」は本作の主人公・宵越竜哉を演じる内田雄馬が歌唱。 硬質なロックとEDMを ハイブリッドした サウンドコラージュが エモーショナルに響く 、熱宿る1曲。
(TEXT BY えびさわなち)
ⓒ2020武蔵野創・小学館/灼熱カバディ製作委員会
●OP『EXIST』RAISE A SUILEN
作詞:織田あすか(Elements Garden) 作曲:上松範康(Elements Garden) 編曲:菊田大介(Elements Garden)
●ED『Embrace of light』RAISE A SUILEN
作詞:織田あすか(Elements Garden) 作曲・編曲:藤田淳平(Elements Garden)
徳川政権が持続している明治64年の日本を舞台に、政府お抱えの闇組織「鵺」に所属する処刑人・雪村咲羽の復讐劇と流転する運命を描くオリジナルアニメ。そのOP・EDを担当するのは、「BanG Dream!(バンドリ!)」発の5人組ガールズバンド、RAISE A SUILENだ。
和琴や尺八といった和楽器を彷彿させる音色とミクスチャーロックを融合させたOPは、ボーカル・Raychellのこぶしを効かせた恨み節とでも言うべき歌唱表現が凄まじく、まるで憎悪に身を任せる咲羽を憑依させたかのような気迫を感じさせる。
その一方、慈愛に満ちた歌声を聴かせるのがED。こちらも和の要素をアクセントにしつつ、メンバーによる神聖なコーラスを含め、全体としては浄化作用満点のパワーバラードに仕上がっている。作品に寄り添うことでRASとしても新境地を切り拓いた、意義のあるタイアップに。
(TEXT BY 北野 創(リスアニ!))
©擾乱製作委員会
●OP「ニューチャレンジャー」BOYS AND MEN
作詞:Hayato Yamamoto, Kanata Okajima 作曲:Hayato Yamamoto, Kanata Okajima 編曲:Hayato Yamamoto
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●ED「キズナ・レール」森中花咲 meets ▽▲TRiNITY▲▽
作詞:児玉雨子 作曲・編曲:ミフメイ(BNSI)
新幹線がロボに変形して敵と戦う、子供心を刺激するような王道ロボットアニメの続編。
アニメ1期に引き続いての起用となるBOYS AND MENが歌うOPは、熱さとワクワク感が詰め込まれた王道アニソン。彼らのポジティブで力強い歌声と、歌詞にも表れている猪突猛進で前のめりな姿勢は、まさに挑戦者の心意気そのものだ。
にじさんじ所属のVTuber・森中花咲と▽▲TRiNITY▲▽が歌うEDは、中毒性の高いコーラスが耳を惹く、お洒落なクラブミュージック。トラックメイカー・ミフメイによる、常に走り続けているようなハイテンポで多幸感溢れるサウンドと、4人の歌声のマッチ具合が絶妙である。一見するとダサくなってしまう電車の擬音の“ガタゴト”が、“Gotta Go”と掛けることでキャッチーさに変換されているのも見逃せない。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
ⓒプロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所Z・TX
●OP「まほうのかぜ」熊田茜音
作詞:きみコ 作曲・編曲:佐々木 淳
●ED「春への伝言」夜道 雪、七瀬彩夏、日岡なつみ
作詞:ZAQ 作曲・編曲:AstroNoteS
スーパーカブというバイクと出会った少女の日常を描いた、雰囲気ある作品。BGMはピアノの静かな音色が中心で、環境音のみの場面も多い。音楽面でも過剰な演出を排して、閑寂な世界が描かれている。
熊田茜音の爽やかな歌声のOPは、ノスタルジックなギターの音色が印象的。静かな作品の雰囲気との対比で、スーパーカブと出会った喜びに満ちた、解放感があるOPだ。何もなかった主人公の小熊の日常を変えてくれたスーパーカブの存在を、“まほうのかぜ”と表現したきみコによる歌詞も光っている。
EDは主演声優の夜道 雪、七瀬彩夏、日岡なつみによる歌唱。過剰に力が入っていない声優の演技もこの作品の良さだが、EDでも自然体の歌声が心地良く、優しい気持ちにさせてくれる。
(TEXT BY 金子光晴)
©Tone Koken,hiro/ベアモータース
●OP「ぐだふわエブリデー」悠木 碧
作詞:OSTER project 作曲・編曲: 涼木シンジ
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●ED「Viewtiful Days!」和氣あず未
作詞:坂井竜二 作曲・編曲:持田裕輔
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働きすぎて過労死したOLが異世界に転生し、不老不死の魔女となってのんびりスローライフを目指す“異世界アットホームコメディ”。
主人公のアズサを演じる声優・悠木 碧がOPを担当する。畳みかけるような早口のセリフが切れ目なく歌に繋がっていくというトリッキーな楽曲で、ぐだふわな世界観を見事に表現。これはもう、緩急自在な表現力を持つ悠木にしか歌えないなという信頼感がある。
EDは声優・アーティストとして注目を集めている和氣あず未が担当。こちらは新しい世界へ飛び込む期待感をストレートに歌った前向きな楽曲で、彼女の真っ直ぐな歌声が映えるEDとなっている。スローライフと和氣あず未、相性良すぎない!?なお、和氣あず未もフラットルテ役で声優としても本作に出演する。
(TEXT BY 金子光晴)
©森田季節・SBクリエイティブ/高原の魔女の家
●OP「Blessing」結城アイラ
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:結城アイラ、矢野達也
●ED「Page for Tomorrow」NOW ON AIR
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:結城アイラ、柳澤奈緒樹、石倉誉之
突如、異世界に“聖女”として召喚された20代OLのスローライフを描く本作。音楽プロデュースを務める結城アイラ がOPの歌唱も担当し、EDの作詞・作曲も行っている。
OP・EDともにこの作品の世界観にふさわしいヒーリングの楽曲。OPは結城アイラの神々しい歌声が、心の底まで浄化してくれるような1曲。ゆったりとしたメロディで異世界にいざなってくれる。
EDは結城がサウンドプロデュースを担当している声優ユニットのNOW ON AIRが歌唱。希望も不安も全てを包み込むような温かみのある楽曲で、サビでのハーモニーが尊さを感じさせる。癒しの中にもスケールの大きさを感じさせる 名EDといえよう。
(TEXT BY 金子光晴)
©2021 橘由華・珠梨やすゆき/KADOKAWA/「聖女の魔力は万能です」製作委員会
●OP「エンデヴァー」Dragon Ash
作詞:Kj 作曲・編曲:Dragon Ash
●ED「きれいだ」門脇更紗
作詞・作曲:門脇更紗 編曲:Sasanomaly
1997年の連載開始より現在に至るまで巻を重ね続ける大河コミックが原作だけあって、音楽も新旧のファンに刺さる布陣。
Dragon Ashが歌うOPは、物語の始まりを予感させるメロディアスで力強いミクスチャーロック。エンデヴァーとは英語で努力の意味だが、ここでは、キャプテンクックのエンデヴァー号のイメージだろう。未知なる世界への渇望と不安が作品にふさわしい。
EDは、今年3月にメジャーデビューしたばかりのシンガーソングライター・門脇更紗が担当。彼女の歌うスローバラードは、傷ついても立ち上がる姿にエールを送る曲になっており、苛酷にして壮大な拳奴の物語をしっとり閉じてくれる。
(TEXT BY 田中尚道)
©技来静也, 白泉社/セスタス製作委員会
●OP「フリーズ」flumpool
作詞:山村隆太 作曲:阪井一生 編曲:百田留衣
●ED「Tail」山下大輝
作詞:松原さらり 作曲・編曲:南田健吾
flumpoolが担当するOP「フリーズ」は、静かに何か大きな物語が始まっていくイメージのイントロから、徐々に気持ちが高まっていき、サビで大きく広がっていくという構成で、ファンタジー作品のオープニングらしさがある。山村隆太(vo)がストーリーを読んで書き下ろしたという歌詞は、作品を連想させる言葉選びをしているのが印象的だ。2番では、“自分で変えてくんだ”など、よりリアルに生きる人にも響く言葉になっているので、ぜひフルサイズでも聴いてほしい。
ED「Tail」を歌うのは、本作で主人公の少年・ネモを演じている声優の山下大輝で、この楽曲が彼のアーティストデビュー曲となる。まず冒頭や曲の終盤にある、WOW WOWというコーラスに強く惹き込まれる。ライブなどでみんなが拳を上げて声を重ねている景色が想像できて、一人じゃないと言ってくれているような感じがした。とてもグルービーな楽曲だが、リズムを意識しながらも彼の歌声からは悩みもがきながらも前へ進んでいくという意思の強さを感じられて、その表現力の高さに驚かされた。
(TEXT BY 塚越淳一)
©Netmarble Corp.& Netmarble Nexus Inc.・セブンナイツ製作委員会
●OP「No.6」伊藤美来
作詞・作曲:園田健太郎 編曲:千葉岳洋
●ED「Home Sweet Home」キサラギ=アリス(CV:富田美憂)、スノウ(CV:菊池紗矢香)、ロゼ(CV:村上奈津実)、グリム(CV:髙橋ミナミ)
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:設楽哲也
『この素晴らしい世界に祝福を!』の暁 なつめの新作は、やはりシンガーとキャラソンの2段構え。でもこれが王道の布陣なのである。
伊藤美来のキュートでポップな歌声をブラスサウンドに乗せるのは、園田健太郎と千葉岳洋。Machico「fantastic dreamer」(『このすば』第1期OPテーマ)の作詞、作曲、編曲と言えばおわかりになるだろう(園田智也名義)。それゆえ相性は抜群。一点の曇りもないポジティブな楽曲は、これぞ暁作品のOPと言える。
冒険はうちに帰るまでが冒険なのである。メロディはどこか童謡っぽくもあるが、決まった時間にみんなで帰るというのは、子供の頃にしかないことなのだからこれでいい。EDのこの曲が流れたらみんなうち(現実)に帰るのだ。
(TEXT BY 田中尚道)
©2021 暁なつめ, カカオ・ランタン/KADOKAWA/「戦闘員、派遣します!」製作委員会
●OP「インパーフェクト」オーイシマサヨシ
作詞・作曲・編曲:大石昌良
●ED「ストロボメモリー」内田真礼
作詞・作曲・編曲:RIRIKO
TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』(2018年) のスタッフが送る、新作アニメ『SSSS.DYNAZENON』が4月からスタート。今回の原作も『グリッドマン』となる。
『SSSS.GRIDMAN』のOPとなったOxTの「UNION」で、作品世界と完璧にリンクする歌詞を書き上げたオーイシマサヨシが、今回はソロとしてOP「インパーフェクト」を歌う。この曲でも作品の世界観につながる言葉が歌詞に散りばめられていて、サビのキャッチーさと力強さが未来を照らしてくれている気がする。“DYNAZENON”というワードを歌詞に入れているところに、作品に対する熱い思いも感じた。
内田真礼が歌うED「ストロボメモリー」は、ピアノが印象的に響くロックで、「youthful beautiful」(『SSSS.GRIDMAN』ED)の弾けた歌声から少し大人になった説得力のある歌声に、ドキッとする。
(TEXT BY 塚越淳一)
©円谷プロ ©2021 TRIGGER・雨宮哲/「DYNAZENON」製作委員会
●OP「大河よ共に泣いてくれ」フランシュシュ
作詞:古屋 真 作曲:加藤裕介 編曲:加藤裕介
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●ED「夢を手に、戻れる場所もない日々を」フランシュシュ
作詞:古屋 真 作曲:山下洋介 編曲:山下洋介
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ゾンビとなって生き返った少女たちが、ご当地アイドル・フランシュシュとして、佐賀を救うべく奮闘するストーリー。第1期が放送されていたの2018年―― あの興奮と熱狂、汗と笑いと涙が帰ってくる!
ますます戦隊ソングっぽく、熱さがほとばしるOPの「大河よ共に泣いてくれ」。第1期のOP「徒花ネクロマンシー」と同じく源 さくらの口上から始まるので、改めて、フランシュシュが帰ってきた感が強い。このユニットの武器は超個性的な歌声だ。しかも単体でも強力なのに、まとまったときの一体感はさらに凄まじい。聴きどころは、さくらと紺野純子のソロパートにある“Ah”という叫びだろう。胸を熱くさせてくれる。
ED「夢を手に、戻れる場所もない日々を」は、90年代に流行ったJ-ROCK感が漂う楽曲で、メンバーそれぞれが気持ちを込めて歌い上げているところがエモい。
(TEXT BY 塚越淳一)
©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会
●OP「Updating Life」DOBERMAN INFINITY
作詞:KUBO-C、GS、P-CHO、SWAY、KAZUKI 作曲:Mitsu.J、KUBO-C、GS、P-CHO、SWAY、KAZUKI 編曲:Mitsu.J (Digz, Inc. Group)
●ED「Act」vistlip
作詞:智 作曲:海 編曲:vistlip
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大人気のトレーディングカードゲームを題材にしたTVアニメ『デュエル・マスターズ』シリーズの最新作『デュエル・マスターズ キング!』。
第二期のOPを飾るのは、4MC+1ボーカルのヒップホップグループ・DOBERMAN INFINITYの「Updating Life」。クールななかに“熱さ”を感じるかっこ良い楽曲で、“そうぶつかり合わなきゃ 未来なんてない”という歌詞も、競い合うことで自分を高め続けるキャラクターたちとも重なる。明日へと立ち向かうすべての人に響くメッセージが詰め込まれている!
ED「Act」を歌っているのはロックバンド・vistlip。楽曲から感じるのは、OPテーマ同様“熱さ”だ。ストレートで疾走感があるギターロックで、作品に寄り添った歌詞も印象的。特に“好きな物に囲まれて、憧れを実現させて、何故か生まれる痛みに泣かされてる。/誰にも負けたくないのは愛してるからなんだね。”というフレーズは深く、心を打つ。きっと同じような経験をしている人は多いのではないだろうか。
(TEXT BY 塚越淳一)
ⓒ2021, Wizards of the Coast, Shogakukan, Mitsui/Kids, ShoPro,TV TOKYO
●OP「Brand new diary」熊田茜音
作詞:寺島拓篤 作曲・編曲:R・O・N
●ED
「カモナ・テンペスト!」歌:リムル(CV.岡咲美保)、大賢者(CV.豊口めぐみ)、ヴェルドラ(CV.前野智昭)、シュナ(CV.千本木彩花)、シオン(CV.M・A・O)、ランガ(CV.小林親弘)、ゴブタ(CV.泊 明日菜)
作詞:松井洋平 作曲・編曲:⾺渕直純
「おやすみオレンジ」歌:リムル(CV:岡咲美保)
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:設楽哲也
ジュラ・テンペスト連邦国で暮らす仲間たちのドタバタの日常を描く4コママンガ『転スラ日記 転生したらスライムだった件』がアニメ化。
OPはブルムンドの冒険者・エレンを演じる熊田茜音が歌う、風のような爽快ナンバー。作詞はアニメ第1期OPを担当した寺島拓篤、作曲はアニメ第2期EDを担当したSTEREO DIVE FOUNDATIONのR・O・Nという『転スラ』を知るコンビが作り上げたドラマチックな1曲だ。
EDはリムルが歌い、ほかのキャラクターたちが騒ぎながら合いの手を入れるパーティチューン「カモナ・テンペスト!」と、木琴やトイピアノで紡ぐノスタルジックな「おやすみオレンジ」。物語の終わり方で変化するEDを物語とともに楽しみたい。
(TEXT BY えびさわなち)
©柴・伏瀬・講談社/転スラ⽇記製作委員会
●OP「Cry Baby」Official髭男dism
作詞・作曲:藤原 聡 編曲:Official髭男dism
●ED「ここで息をして」eill
作詞:eill 作曲:eill、Ryo’LEFTY’Miyata 編曲:Ryo’LEFTY’Miyata
“タイムリープ×不良”の異色の組み合わせで人気をさらう、週刊少年マガジンで連載中のコミックが待望のアニメ化。
国民的バンドの地位を確固たるものとしているOfficial髭男dismが歌うOPは、リスナーの想像を超えていく楽曲展開と、魂をぶつけ合うような泥臭く熱い詞がたまらない、リベンジ精神に溢れたナンバー。1曲の中で何度も転調を繰り返す様は、まるでタイムリープを繰り返して世界線を変えていくタケミチを表しているかのようだ。
この曲でメジャーデビューを飾るeillによるEDは、ジャズ・R&Bなど様々な要素が合わさったお洒落な1曲。艶のあるハスキーな歌声は洗練されており、ストレートな愛情を注ぐヒロインを描いた歌詞とのギャップも相まってドキドキしてしまうこと間違いなしだ。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会
●OP「ロールプレイング」オーイシマサヨシ
作詞・作曲・編曲:大石昌良
●ED「静かな風」Non Stop Rabbit
作詞・作曲:田口達也 編曲:鈴木Daichi秀行
臆病なドラゴンが安住の地(マイホーム)を求めて旅をする、“RPGあるある”を下地にした不動産ファンタジーコメディを彩る主題歌は、どちらも異世界の匂いを感じさせる。
アニソン界の貴公子・オーイシマサヨシが歌うOPは、ケルティックな雰囲気を上手にアニソンに昇華させた民族行進曲。RPG要素を散りばめた詞、耳に残るキャッチーな旋律、シンガロングできそうな合唱パートなど、1曲の中に楽しいという感情を増幅させるギミックが満載だ。彼のジャンルに依らない引き出しの多さには、今回も唸らされてしまう。
YouTuberとしても活躍する3ピースロックバンド・Non Stop Rabbitが手がけたEDは、コメディタッチの本編の雰囲気を一変させる幻想的な1曲。たおやかなサウンドとファルセットを多用した優しい歌声で、余韻を残すというEDの役割を見事に果たしている。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
© 多貫カヲ・絢 薔子/マッグガーデン・「ドラゴン、家を買う。」製作委員会
●OP「永遠のAria」雨宮 天
作詞:上坂梨紗 作曲:家原正樹、Giz’Mo (from Jam9) 編曲:家原正樹
●ED「NAMELY」UVERworld
作詞:TAKUYA∞ 作曲:彰、Yuzuru Kusugo、Satoshi Shibayama 編曲:UVERworld、平出 悟
最終章のさらにクライマックスへと突入していく第2クールのテーマソングは、シリーズではお馴染みの雨宮 天とUVERworldが担当。
「アイドルマスター」シリーズなどの楽曲を手がける家原正樹のOPは、加速していく物語を反映した疾走感溢れるオルタナティブロック。エリザベスと重なる雨宮の独唱“Aria”が高らかに響く。
出会いと別れを繰り返す、メリオダスとエリザベス。その無限の中の有限を切り取ったかのような歌詞が染みるのがUVERworldによるEDだ。抑圧的な出だしから、サビに向けて解放されていく構成は、UVERのお家芸。エピックというか、もはやミソロジーの領域である。
(TEXT BY 田中尚道)
©️鈴木央・講談社/「七つの大罪 憤怒の審判」製作委員会・テレビ東京
●OP「The theme of the NOMAD」
作曲:mabanua
●ED「El Canto del Colibrí」mabanua
作詞:佐々木 誠 作曲:mabanua 字幕翻訳:真辺克彦
伝説のチャンピオン“ギアレス・ジョー”が、“ノマド(=放浪者)”となって戻ってきた――。ボクシング漫画の金字塔「あしたのジョー」を原案とし、ギアを装着して闘う格闘技“メガロボクス”が人気を博する近未来を舞台にした2018年のアニメ『メガロボクス』。その3年ぶりの続編となる本作では、前作に引き続き劇伴を手がけるトラックメイカー/ドラマーのmabanuaが、OP・EDテーマも併せて担当することで、音楽的にも一本筋の通った作品になった。
OPテーマのインスト曲「The theme of the NOMAD」は、マリアッチやラテンロックの香り漂う情熱と哀愁のロックンロール。後半で挿入されるコーラスの命を燃やし尽くさんばかりの高ぶりが、ジョーの行く末を暗示するかのようだ。
一方のEDテーマ「El Canto del Colibrí」はmabanua自身がスペイン語で歌うロマ音楽風フォーク。劇中にも度々登場するハチドリのことが歌われており、これもまた本編の物語と重なりながら、寓話のように不思議な余韻を残してくれる。
(TEXT BY 北野 創(リスアニ!))
©高森朝雄・ちばてつや/講談社/メガロボクス2プロジェクト
●OP「青春の演舞」センチミリメンタル
作詞・作曲:温詞 編曲:深澤恵梨香、温詞
●ED「あなたがいる」wacci
作詞・作曲:橋口洋平 編曲:深澤恵梨香、村中慧慈
男子新体操に青春を懸ける高校生たちを描いたノイタミナの新作を彩る主題歌は、どちらもスポーツアニメらしく青春を軸にした楽曲に仕上がっている。
センチミリメンタルの歌うOPは、青春の爽やかさとほろ苦さを詰め込んだ軽やかなロックナンバー。普段のセンチミリメンタルとは絶望と希望のバランスが真逆の配分ではあるが、挫折という絶望に優しく寄り添ったリリックや、心にダイレクトに訴えかけてくる歌声はまったく変わっていない。センチミリメンタルの新たな可能性を感じさせる1曲だ。
日常に寄り添うポップロックバンド・wacciの歌うEDは、感謝の気持ちを飾らない言葉で表現した暖かいバラードソング。思いやりに溢れた歌声、胸に響くピアノとストリングスの音色、夢に向かって努力した人ほどグッとくる共感性の高い歌詞など、構成する1つ1つの要素が優しさに満ちているのが伝わってくる。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©バクテン製作委員会
●OP「鼓動」藍井エイル
作詞:Eir 作曲・編曲:山田竜平
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●ED「United Sparrows」FLOW
作詞:KOHSHI ASAKAWA 作曲:TAKESHI ASAKAWA 編曲:FLOW
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後半クールに入り、アーティストもLiSA、斉藤朱夏から、藍井エイル、FLOWへとバトンタッチ。壁と世界の謎へのアプローチが加速する。
信念を力に換えるリンガリンドにおいて、信念を持たないバック・アロウが変えるものは己か世界か。藍井エイルによるOP「鼓動」は、変革を賛美する応援歌ながら、壁というキーワードを使うことにより作品テーマと見事にリンクする。
一方、FLOWが歌うED「United Sparrows」はスローバラード。こちらも壁がキーになる。“United Arrows”なら、束ねた力で壁を排除するのだろうが、“United Sparrows”ならみんなで一緒に壁を飛び越えるのだ。矢とスズメ、着眼点が面白い。
(TEXT BY 田中尚道)
ⓒ谷口悟朗・中島かずき・ANIPLEX/バック・アロウ製作委員会
●OP「コバルトの鼓動」諏訪ななか
作詞・作曲・編曲:OSTER project
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●ED「桜舞い散る夜に」近藤玲奈
作詞・作曲:浅井 真 編曲:佐藤清喜
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1990年代後半に放送された伝説の美少女SFスポ根アニメの100年後を描く本作の主題歌は、どちらもソロとしては初のアニメタイアップとなる若手声優アーティストが担当。
アスリートアニメらしい疾走感と躍動感を携えたOPは、諏訪ななかのポジティブで真っ直ぐな歌声と、OSTER projectのポップなテイストが見事にマッチした1曲だ。弾むような楽器隊の音色をバックに紡がれる希望に満ちた歌詞が、物語の新たな始まりを予感させてくれる。
この曲でデビューを飾る近藤玲奈によるEDは、曲名どおりライトアップされた夜桜がひらひらと舞い散る景色が目に浮かぶ、柔らかいサウンドが印象的なミディアムナンバー。心にスッと入ってくるような、優しさと少しばかりの切なさが入り混じった彼女の歌声は、アニメ本編の余韻を際立たせてくれることだろう。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©AICライツ/太陽系管理委員会
●OP「おもいでしりとり」DIALOGUE+
作詞・作曲:田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN) 編曲:睦月周平
●ED「Plastic Smile」石原夏織
作詞:磯谷佳江 作曲:三好啓太 編曲:佐藤純一(fhána)
家出女子高生とサラリーマンの共同生活を描いた人気のライトノベルが原作。
OPはUNISON SQUARE GARDENの田淵智也がプロデュースする声優ユニット、DIALOGUE+が歌い、ポップな曲に作品の世界観に沿った繊細さを乗せた楽曲。“「嬉しい」「いつもありがとね」「ねえちゃんと見て」「手を繋ぎたい」”という歌詞がタイトルの通り“しりとり”になっていて、サビにソロのセリフが入ることで曲としても強い印象を残している。この仕掛けはさすが田淵智也といったところ。
EDは本作に三島柚葉役で出演する声優の石原夏織が担当。明るく見える笑顔の裏側に潜むヒロインの心情を描いている歌詞で、石原夏織の優しく前向きな歌声によって後味の良いEDに仕上がっている。
(TEXT BY 金子光晴)
©しめさば・KADOKAWA/『ひげひろ』製作委員会
●OP「Shake & Shake」sumika
作詞・作曲:片岡健太 編曲:宮田’レフティ’リョウ&sumika
●ED
EDテーマ①:「Beautiful Reasoning」 美少年探偵団(双頭院 学 ・咲口長広・袋井 満・足利飆太・指輪創作)
作詞:RUCCA 作曲・編曲:太田雅友
EDテーマ②:「Welcoming Days」美少年探偵団(双頭院 学 ・咲口長広・袋井 満・足利飆太・指輪創作)
作詞:RUCCA 作曲:太田雅友・光増ハジメ 編曲:太田雅友・EFFY・光増ハジメ
西尾維新作品、久々のアニメ化! 人気絵師・キナコが手がけたイラストと合わせて人気の高い「美少年シリーズ」が待望のアニメ化。私立指輪学園中等部で秘密裏に活動する組織・美少年探偵団は日々校内のトラブルや事件を美しく解決中。
そんな彼らの活躍の幕開けとなるOPはsumikaによる1曲。華やぐピアノの旋律とリズミカルなビート、 軽やかに響く片岡健太のボーカルに心が躍る。EDは双頭院 学(CV:村瀬 歩)ら探偵団のメンバーが歌う、個性的な彼ららしくカラフルでビビッドかつダンサブルな“事件篇”「Beautiful Reasoning」と、解放感と爽やかさに満ちた“解決篇”「Welcoming Days」の2曲。物語の余韻を味わえるEDの印象さえも、美少年探偵団が華麗に美しく彩る。
(TEXT BY えびさわなち)
©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
●OP「妖しく Get your heart」5 to HEAVEN
作詞:hotaru 作曲・編曲:奥井康介
●ED「夭聖哀歌」5 to HEAVEN
作詞:hotaru 作曲・編曲:高尾奏之介
夭聖界にて女王の前に集められ、人間界で愛著を集めるよう命を受けた5人の夭聖が、年長の雅楽代 寶が営むBAR「F」で共同生活をしながら人間界で活躍(!?)する姿を追うオリジナルアニメ。
OP&EDはどちらも夭聖によるユニット・5 to HEAVENが担当。OPはラウドに響くヘビーなギターロック。ギタリストでもある奥井康介が勢いの加速するアグレッシブなサウンドを手がけ、そこにhotaruの歌詞が乗り、熱い想いが歌い上げられる。
EDは高尾奏之介が描くムード歌謡ナンバー。彼らの拠点であるBAR「F」の店内を彷彿とさせる色気と哀愁のあるメロディを5 to HEAVENのメンバーがソウルたっぷりに歌う。どちらの曲もhotaruが言葉を紡いだ、夭聖たちの想いが滲む珠玉チューンだ。
(TEXT BY えびさわなち)
ⓒ馬谷たいが/ F蘭
●OP「Pleasure」WARPs UP
作詞:Kenko-P 作曲・編曲:Daniel James, Leah Haywood
●ED「春うらら」GENIC
作詞:五戸 力 ・小池竜暉・西澤 呈 作曲:五戸 力 編曲:小池竜暉
全世界累計発行部数3,000 万部を超える大人気少女コミック「フルーツバスケット」のTVアニメ版、最終章となる“The Final”がついにスタート!
日中混合ボーイズグループWARPs UP によるOPテーマ「Pleasure」は、R&Bテイストのトラック、叙情的なメロディが溶け合うミディアムバラード。自分自身を受け入れ、未来を切り開こうとする意思を描いたリリックに反映されているのは、自らの弱さを抱えながらも一生懸命に生きる「フルーツバスケット」のキャラクターたちの姿だ。
男女7人組ダンス&ボーカルグループ・GENICが担当するEDテーマ「春うらら」には、メンバー自身が作詞に参加。穏やかで切ないサウンドのなかで、別れと出会いが交差し、新たなスタートに彩られた春の情景を描き出している。
(TEXT BY 森 朋之)
©高屋奈月・白泉社/フルーツバスケット製作委員会
●OP「No.1」DISH//
作詞:いしわたり淳治 作曲:遠藤直弥 編曲:akkin
●ED「足跡」the peggies
作詞・作曲:北澤ゆうほ 編曲:川口圭太
脳無“ハイエンド”を辛うじて倒したエンデヴァーとホークス。この死闘がデクたち雄英高校の生徒たちにとって新たな戦いの幕開けとなり、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』の第5期が待望のスタートを切った。
主人公・緑谷出久たちがプロヒーローになるまでの熱い物語を新たに彩るのはダンスロックバンド・DISH//によるOP「No.1」。駆け昇るように躍動するピアノの旋律と力強いビート、エモーショナルなギターが印象的で、ヒーローたちの情熱宿るアッパーチューンに仕上がっている。
EDは3人組ガールズバンド・the peggiesによる切なさ滲む青春エモロック。学園モノならではの甘酸っぱさと疾走感とが融合し、雄英高校での学園生活という足跡を刻む1曲となっている。
(TEXT BY えびさわなち)
©堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
●OP「BAKU」いきものがかり
作詞・作曲:水野良樹 編曲:江口亮 管編曲:野々村昌樹(EGクリエイション)
●ED「キミがいたしるし」halca
作詞:宮嶋淳子 作曲・編曲:川崎智哉
『NARUTO -ナルト-』のメインキャラクターの子供たちの活躍を描いた本作も、遂に5年目に突入。秘密組織「殻」とのバトルを、疾走感のある主題歌で盛り上げていく。
OPは1月クールから引き続き、いきものがかりの「BAKU」を起用。夢を求める姿を描いたキャッチーで華やかなロックチューンは、分厚く鳴り響くブラスの音色とボーカル・吉岡聖恵の力強い歌声が印象的だ。ボルトたちを描いたCDジャケットが、『NARUTO -ナルト- 疾風伝』のタイアップ楽曲「ブルーバード」のセルフオマージュなのも、シリーズのファンにはたまらない仕掛けだろう。
halcaによるEDは、これまでキャッチーなポップソングを多く歌ってきた彼女のイメージを覆すアッパーなロックナンバー。会えなくなった仲間への想いをバンドサウンドというフィルターを通すことで、希望のある前向きな曲に昇華させている。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ
●OP「生命のアリア」和楽器バンド
作詞・作曲:町屋 編曲:町屋・和楽器バンド
●ED「ON MY OWN」HYDE
Written by HYDE, Kevin “Thrasher” Gruft, Aaron Edwards, Josh Wilbur
時は大正十二年。東京の夜の闇に紛れて人の生き血を啜る吸血鬼を取り締まるべく陸軍内部に創設された第十六特務隊、通称「零機関」の個性豊かな面々が吸血鬼を討伐、または勧誘しながら暗躍する物語「MARS RED」。音楽朗読劇 の第一人者・藤沢文翁の人気音楽朗読劇を原作に「曇天に笑う」の唐々煙がコミカライズした本作が待望のアニメ化。
和楽器バンドによるOP「生命のアリア」は大正ロマン感あるメロウなサウンドと繊細な 和楽器の音色が印象的な1曲。HYDEによるED「ON MY OWN」は夜を駆けるヴァンパイアのイメージが 浮かぶ妖しさと疾走感のあるナンバー。宵闇の深淵の中に立つ零機関、ヴァンパイアの双方の姿がそれぞれ浮かび上がるOP&EDだ。
(TEXT BY えびさわなち)
ⓒ 藤沢文翁/SIGNAL.MD/MARS RED製作委員会
●OP
「BLIZZARD」BURNOUT SYNDROMES
作詞・作曲:熊谷和海 編曲:井上 薫、熊谷和海
「銀世界」BURNOUT SYNDROMES
作詞・作曲:熊谷和海 編曲:西川 進、熊谷和海
●ED「この夢が醒めるまでfeat.吉田兄弟」加藤ミリヤ
作詞:加藤ミリヤ作曲:加藤ミリヤ、吉田健一、Carlos K. 編曲:加藤ミリヤ、吉田健一、Carlos K.
津軽三味線をテーマにした青春アニメの主題歌は、どちらも実力派アーティストたちによる“和”の要素を掛け合わせた挑戦作だ。
最初のOP「BLIZZARD」は、祖父を亡くした主人公・雪(せつ)の荒々しく冷え切った心の内を津軽三味線や尺八といった和楽器で表現した和ロックナンバー。雪の声を務める島﨑信長による勇ましい合いの手と、古風な言葉で語られる台詞パートも必聴だ。そして第6話から変更となった新たなOP「銀世界」は、様々な出会いを経て変化した雪の心情をアッパーなロックチューンで描写。2曲とも、作品の世界観に寄り添う青春文學ロックバンド・BURNOUT SYNDROMESの本領が発揮されている。
歌姫・加藤ミリヤと、作中の津軽三味線の監修も務める吉田兄弟によるコラボEDは、ラップと津軽三味線の異色の組み合わせが光るミディアムテンポな1曲。繊細でリズミカルな三味線の音色がプラスされたことで、主人公・雪の葛藤を歌う中に一本芯の通った力強さが加わった。これまでになかった新たな化学反応の形と言っても過言ではないだろう。
(TEXT BY 河瀬タツヤ)
©羅川真里茂・講談社/ましろのおと製作委員会
●OP「扉を開けたら」MUG-MO[豊川姫乃(CV:田中美海)、久々梨三華(CV:芹澤 優)、成瀬直子(CV:若井友希)、青木十子(CV:本泉莉奈)]
作詞:金子麻友美 作曲:和泉一弥 編曲:久下真音
●ED「Pale Blue」内田 彩
作詞・作曲・編曲:hisakuni
●実写パート主題歌「まわる世界に」まねきケチャ
作詞:古谷 完 作曲・編曲:竹田祐介(Elements Garden)
美濃焼で知られる岐阜県多治見市の町おこしプロジェクトから生まれたフリーコミックが、関係者の情熱によって9年の時を経てTVアニメに。
陶芸に魅せられた女子高生たちの“ゆるかわ”な物語で、OPはメインキャラクター4人によるユニット・MUG-MO(まぐも)が担当する。30分番組の前半部となるアニメパートのOPは、多治見市の景色を思わせるカントリー調の楽曲。歌詞は焼きあがっていく陶器と主人公の豊川姫乃たちの成長を重ね合わせた、爽やかな青春ソングとなっている。
EDはマスコット的なキャラクター・真土泥右衛門を演じる内田 彩。“ぐるぐるまわる”ろくろを変わっていく日常に見立てた歌詞で、明るくもちょっと切ない歌声が印象的。EDアニメのろくろで回る泥右衛門たちもかわいらしい。
番組後半に放送される実写パート「やくならマグカップも やくもの放課後」は、アイドルグループのまねきケチャが主題歌を担当。彼女たちの1年半ぶりの新曲となる。キャスト4人がアニメに登場する場所を巡る旅番組という内容にふさわしく、多治見市の風景や陶芸を連想させるノスタルジックな楽曲になっている。
(TEXT BY 金子光晴)
© プラネット・日本アニメーション/やくならマグカップも製作委員会
●OP「TWISTED HEARTS」畠中 祐
作詞:KOHTA YAMAMOTO, France AUDON 作曲・編曲:KOHTA YAMAMOTO
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●ED「OMEGA」STEREO DIVE FOUNDATION
作詞・作曲・編曲:R・O・N
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大英帝国を揺るがす新たな事件。謎の女の登場によって物語が加速していくなか、モリアーティとシャーロックの熾烈な戦いを描く、2021年4月から好評放送中の2クール目は 、1クール目と同じくOP主題歌に畠中 祐、ED主題歌にはSTEREO DIVE FOUNDATIONが登板。
OP主題歌は前作のゴシック感に溢れたサウンドから一変、弦楽の音色が響き渡り、19世紀末のイギリスを思わせる耽美さと都会的な サウンドで聴かせるダンサブルなナンバー。前作 「DYING WISH」で意外性ある歌を聴かせた畠中のカラーと『憂国のモリアーティ』がシンクロして生まれた印象のある1曲だ。STEREO DIVE FOUNDATIONが鳴らすED主題歌は、前クールの「ALPHA」の対となるデジタルダンスナンバー。スピーディに進んでいく作中の登場人物の運命を感じさせ、緊張感ある物語を見事に表現する。戦いの行く末が詰まった2曲となっている。
(TEXT BY えびさわなち)
©竹内良輔・三好 輝/集英社・憂国のモリアーティ製作委員会
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