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INTERVIEW

2021.03.21

May’nが活動15年を機にレーベル移籍を発表!15年走り続けた彼女は、今何を想い、今回の決断に至ったのか――。「ありのままの自分」を語ったリスアニ!WEB独占インタビュー!

「ありのままの自分をさらけ出すという意味ではこの15年間と変わらないけれども、ファンの方には新鮮さを楽しんでもらえるかもしれないです」

――アニメの主題歌単発ではなく、長期的かつ継続的な音楽活動を?

May’n はい、がっつりお仕事してみたくなりました。きっと、ずっと応援してくれたファンの皆さんにも喜んでもらえる楽曲が今後たくさん出てくると思っています。

――田中プロデューサーがMay’nさんを誘われた理由はお聞きになりましたか?

May’n いや、聞いてないです(笑)。

田中 そこに関して言えば、今所属しているサイバーエージェントやDigital Doubleという会社はオンライン関係に元々強かったですが、コロナの影響でアニソン歌手の方が国内外でイベントができていない状況を迎え、ABEMAやOPENRECなどのプラットフォームを使ってのオンラインライブという点で一気に経験値が積み上がってきました。ただ、オンラインで唯一とも言える必要要素って歌が上手いことなんです(笑)。「本物」じゃないとオンラインライブって無理なんですよね。そこでホリプロインターナショナルさんとのやりとりの中で、「歴史の短い我々ですが、新しい取り組みによって積み上げられたデジタルエンターテインメントの経験値は絶対May’nさんに活かせます」というお話をさせてもらいました。

May’n 私が海外に行かせてもらうようになったのは12年くらい前なんですけど、当時はYouTubeやダウンロード配信も発達していなくて、まだまだCDを買うのが主流の時代でした。だから、海外の人たちは日本のCDをなかなか手に入れることができないし、ライブももちろんそんなに見れる機会がありませんでした。その中で高い送料を払って日本からCDやDVDを買ってくれていたんですね。その頃も漠然と、私の音楽をもっと届けたいという思いはありましたけど、コロナ禍になり、逆にオンラインライブでみんなと出会えるようになったことで、「実際に会うことがやめられないね」ということに気づかされもしました。海外を含め、東京以外の人にも楽しんでもらえるようになったんですね。それがオンラインコンテンツの良さであり、だからデジタルが持つ可能性にもすごく惹かれています。自分の想いが色々な技術で形にできるのかもしれない、という期待感はあります。

田中 OPENRECで「アイ・マイ・ミー・マイン・May’n!」というサブスクリプション型の番組を放送していて、そこがファンとのオンライン上のコミュニティになってもいるんですが、これまで中心だったバラエティ的な内容に加えて、アルバム制作の進捗や色々な発表をする場にもなっていきますので、そちらを覗いていただければ、最新情報はキャッチできると思います。

May’n やっぱり、今は実際に会う機会が少なくなったことで、自分を出したり自分から近づこうとしたりすることが必要になっているとも思うんですよ。物理的な距離が離れてしまっているからこそ、心の距離を詰める作業が必要で。「話しましょう」というアクションを起こさないと、話すことができないという状況でもあります。そこを自分の音楽性に当てはめたとき、「この曲はこういうふうなストーリーがあって生まれたんだよ」という部分を知ってもらうことが距離を詰める方法だとも感じたんですね。

――May’nさんとしてもデジタルコンテンツを活かすことで、制作途中からインタラクティブにファンの反応を感じ取ることができるし、その結果、始動しているニューアルバムに反映されたり影響を与えたり、という部分が生まれるかもしれませんね。

May’n それに、リリースをお知らせするときって作品はある程度完成しているし、インタビューに関しても「こういう曲になりました、聴いてください」になりがちですよね。15年もこの業界にいるとそれが当たり前のように感じていたんですけど、作品って本当に想いや時間をたくさんかけながら完成するものじゃないですか。どういう曲にしようかという曲集めから始まり、歌詞を書くときも色々な失敗を重ねるとか。そういう部分にも改めて気づきました。あと、田中さんにもスタッフさんに「May’nさんってもっと“歌姫”みたいな感じかと思ってました」って言われたんですよね(笑)。でも、私は全然そんなつもりはなくて、トーク番組やラジオやOPENRECに出させていただいてもプライベートな部分なんて隠してもいないんです。だから、そこも目からうろこでした。そういったところからもっとMay’nを知ってもらう、という部分もあるというお話にもなりましたね。

――隠してはいなくても、伝えようとしないと伝わっていかない面はありますよね。

May’n 今は、音楽活動と自分のパーソナルな部分を繋げていくというところにも意識が向き始めているんです。そこを出発点にしたら、ファンの方たちが「May’nと一緒に作り上げた」と思ってもらえる活動ができるんじゃないか、それこそが新しいMay’nが生まれるということなんじゃないか、と思っているところですね。ガラリとビジュアルを変えます、メイクや衣装も変えます、楽曲のイメージも変わります、ということではなく。ありのままの自分をさらけ出すという意味ではこの15年間と変わらないけれども、ファンの方には新鮮さを楽しんでもらえるかもしれないです。

――May’nさんは自分に厳しいイメージがあるのですが。

May’n 自分に厳しいのは本当なんですけど。自分に厳しく人にも厳しく、が私の人生ですね。バンドメンバーには「ドMでドS」とは言われています(笑)。

――それは言い得て妙な(笑)。

May’n 自分で言うのもアレなんですけど、めちゃくちゃ練習するんですよ。自分でも「真面目だな」とは思います。デビュー当時はそういうのを一切出したくなくて、「練習してません。でもできちゃうんです。天才なんです」というアーティスト像にすごく憧れていたんです。というのも、私にとって安室(奈美恵)さんへの憧れがスタートだったので。安室さんが練習しているところなんて想像つかないので、生まれたときから安室奈美恵、という感じがありましたし、引退された今は「本当に存在してたのかな?」って錯覚に陥るというか、自分と同じ人間には思えないんです。だから、歌詞を覚えるという点でよく褒められるんですけど、「プロとして当たり前だから」って顔をするのも、安室さんのそんな姿に憧れていた部分があると思います。すごく近しいスタッフさんは、そういうMay’nをすべて知ってくれていて。認めてくれるし応援してくれてもいるんですけど、かといって、「実はこんなに苦しいんですよ」と言いたいわけではなくて(笑)、ただ、「頑張るのって大変だよね。私もたくさん頑張ってきたからね」と言い合える仲間にもっと近づけたらいいな、という想いがあるのは事実です。それが自分の思う「部長」像なのかとも思っているので。

――部員も、強い部長像というイメージを持つ人が多いかもしれないですね。

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