リスアニSCREEN mode、3年ぶりのフルアルバム『With You』は、今だからこそ伝えたい前向きなメッセージを込めた珠玉の1枚。話題のアニメタイアップナンバーやセルフカバー曲に加え、同じランティスレーベルの仲間であるGRANRODEOのKISHOW、歌姫・TRUE、気鋭の畠中祐をゲストボーカルに迎えた楽曲を収録。二人の得意なR&Bテイストをソフトに盛りこんだ畠中祐とのデュエット曲「陽だまり」(SCREEN mode feat. 畠中祐)の制作エピソードを、SCREEN modeのボーカル・勇-YOU-と畠中の二人に語ってもらった。
――SCREEN modeのニューアルバム『With You』がついにリリースとなりました。フルアルバムとしては2018年の『1/1』から3年振り。『With You』というタイトルにも感じ取れるのですが、とてもハートウォーミングな1枚になったのかなと。
勇-YOU- そうですね。そもそもは……やはり今のご時世に出すアルバムだというのがまずあって。コロナ禍で厳しかったり、辛かったりという状況を、みんなの力を合わせて乗り越えていこうぜ!という。すごくシンプルなコンセプトなんですよ。
――あなたと一緒に。
勇-YOU- はい。みんなで一緒にと。そこに加えて、ちょっとしたギャグセンスというか。
畠中 祐 ギャグセンス? どういうことですか?
勇-YOU- うん。“アーティスト・勇-YOU-と一緒に”みたいなミーニングも(笑)。
畠中 勇-YOU-さんと一緒。なるほど!(笑)
勇-YOU- だったら僕らの大好きなアーティストたちと、コラボを多めにやってみたらどうかな?というところで、この畠中祐くん、GRANRODEOのKISHOWさん、女性アーティストではTRUEさんに声を掛けさせてもらったんです。
――お三方とも、SCREEN modeとは同じランティスのレーベルメイトですし、プライベートで親交のある皆さんですからね。
勇-YOU- そうなんですよ。コラボをやりたいと思っても相手がいることだから、なかなか簡単に実現するものじゃない。でも、こういう状況の中でアルバムを出すのなら、僕らが信頼していてめちゃくちゃ大好きな仲間にお願いして、めっちゃ豪華なアルバムに仕上げられたらなぁと。KISHOWくんと祐は事務所(賢プロダクション)の先輩・後輩で、役者としての付き合いも長いし、TRUEさんはデビューが同時期な事もあって仲良くさせて頂いてます。
――勇-YOU-さんの歌唱力の高さは存じ上げていますが、コラボアーティストの皆さんもめちゃめちゃ歌がお上手な方ばかりですからね。楽曲を聴かせていただく前から、ワクワクしてました。
勇-YOU- そこは雅友さんの狙いもあるのかも(笑)。こいつもね、上手いですからね~(と、隣の畠中を見る)。
畠中 え?……俺すか?(汗) いや~、マジでとんでもない!
――お三方とのコラボのために書かれた楽曲たちにも、『With You』のコンセプト、こういう時期だからこその想いを反映しようと?
勇-YOU- そうですね。ただ、一緒に頑張っていこうよ!といっても、いろんなニュアンスがあると思うんですよ。祐と歌っている「陽だまり」は、一緒に肩を組んで仲良く歩いていこう!みたいなニュアンスですけど、KISHOWくんと歌った「ALIVE」は、困難があってもくじけないぞ!みたいな熱量の高い曲。TRUEさんとの「今夜も月がきれい」はまたテイストが違う曲になっていて、同じテーマでもいろんなニュアンスの楽曲が詰まっていますね。雅友さんも、1枚のアルバムにひとりずつではなく、コラボ曲を全部注ぎ込みたいと、アルバム制作が決まったときから言っていたので、皆さんが快諾してくれて、本当に良かったです。
――というわけで、ここでは畠中さんとのコラボナンバー「陽だまり」のお話をお聞きします。畠中さんには、勇-YOU-さんからオファーされたそうですね。事務所とレーベルの先輩だぞ、言うこと聞けよ!と(笑)。
畠中 うはははっ!
勇-YOU- いやいやいや、そんなパワハラ感ないですって!(笑) たしか、去年、祐がクルマの免許を取るバラエティ番組(『祐&勇のドラ★スク』)を二人でやっていて、その収録のときですね。今度こういうコンセプトでアルバムを出すんだけど、祐の歌が好きだから一緒に歌ってほしいんだよねと伝えたんですよ。
畠中 「え? 僕でいいんですか?」って聞き返しちゃいました。だって、めちゃくちゃ光栄じゃないですか。勇-YOU-先輩の歌はほんと尋常じゃない。俺にとってはボーカリストのトップ・オブ・トップの方だから……。
勇-YOU- マジか! ぜひいろんなところで言ってください(笑)。
畠中 もちろん快諾させていただきましたけど……内心は、一緒に歌ったら、俺なんてボコボコにされちゃうよなってビビってました(笑)。
勇-YOU- 祐と歌いたいというのにも、僕の中ではいろいろ理由があるんですよ。彼もR&Bをよく聴いてて好きだし、俺も音楽を目指したルーツがそこだから、音楽の趣味が合ってる。今回のレコーディングでも、合間にR&Bの歌い方について話し合ったりね。
畠中 あのフェイクどうやってやるんですか?って聴かせてもらったり、めちゃめちゃ勉強になりました。
――そもそもですが、お二人が同じ曲をデュエットするということから、まず新鮮ですよね。過去にありました?
勇-YOU- 唯一、『夢色キャスト』のキャラクターソングがあるくらいですかね。
畠中 作品ではそうですね。珍しいことだと思います。
――畠中さんは、SCREEN modeの音楽をどう感じています?
畠中 まずジャンルが幅広いですよね。雅友さんが作る楽曲の幅の広さと、何でも歌いこなしてしまう勇-YOU-先輩の高レベル次元の戦いがあるから為し得る世界がある、みたいな。
勇-YOU- なんで、俺と雅友さんがバトルしてる雰囲気なの。仲悪いみたいじゃない(笑)。
畠中 違います、違います! 音楽のすべてにおいてレベルが高いから、僕なんかから見てると空中戦……すごい高い所でのバトルみたいに見えるんですよ。
――『ドラゴンボール』みたいですね(笑)。
畠中 いや、ほんとそうですよ。1枚のアルバムの中に“居酒屋で飲んでて、君の表情がかわいいね”っていう曲から、オーケストラが入る曲もあり、ゴリゴリのロックまで全部ある。どれだけ引き出しあるんですか?といつも思ってます。
勇-YOU- いろんなニュアンス試してみようという、チャレンジ精神はあるかもしれない。ラップもやればダンスも踊るし(笑)。
畠中 だから僕も、底なしの音楽性を持つSCREEN modeのおふたりとコラボって、いったいどうなっちゃうんだ?と思ったんですよ。自分にとってはチャレンジでもあるし、個人的には、勇-YOU-先輩のグルーヴについていく楽しさがありましたね、今回は特に。
勇-YOU- いやいや、祐もすごかったよ。
――「陽だまり」をどんな楽曲にしようか?は、どう決めたんですか?
畠中 どういう曲を歌いたい?と聞いてくださいましたよね?
勇-YOU- 去年の9月、僕らが“おれサマー”(「おれパラPRESENTS ORE!!SUMMER 2020」)にゲストで出たときですね。祐のクルマに乗せてもらった帰りの道中で、曲の内容を詰めていこうと話をして。せっかくなら、二人とも好きなR&Bテイストの曲にしたい。あと、単語でいいからテーマを出そうということになって、彼が言ったのが「順応していく」という言葉だったんです。
畠中 そう。ここから先の世界って、今までとはぜんぜん違うじゃないですか。いままでのやり方にこだわらず、君と一緒にいるため、これから繋がっていくためには、プラスな方向で考えた新しいアプローチが必要だなって思ったんですね。芝居の形もライブの形も。軸の部分は大事にしながらも、臨機応変に変わっていきたいなという話をして、プラスな気持ちになれる歌が歌いたいなと。
勇-YOU- ……というような話を、もっとざっくりと(笑)。
畠中 すみません、すみません! 運転しながらだったんで!(笑)
勇-YOU- でもすごく理解できましたね。僕と祐の共通点って、誰かと一緒にいるときに、“陽キャ”が前面に出てくるところだと思うんですよ。だから雅友さんには、陽キャラな部分のある、聴いてて温かくなれる曲が歌いたいですと伝えて、作曲してもらったのが「陽だまり」。聴いててじんわりと温かくなれるミディアムテンポのR&B。聴いてくれる人が、今日も頑張っていこうと1日の元気をちょっとでも与えられるような曲にしたかったので。
――そんな「陽だまり」は、作詞を勇-YOU-さんご本人が担当されましたね。
勇-YOU- そうなんです。ワンコーラスができた時点で、せっかく祐と歌うんだから、自分で歌詞を書いてみたら?と雅友さんからも提案があって。音楽の素晴らしいところは、直接目と目を合わせなくても、音源を共有して共感できるところだから、この曲を聴いて温かくなってほしい気持ち、ファンに向けての感謝の気持ちを込めた「ありがとう」を、一番込められた楽曲かなと思いますね。
畠中 最初に曲をいただいたとき、めちゃくちゃかわいい!って思いましたね。
勇-YOU- かわいい!……たしかに!(笑)
畠中 あと、歌詞カードに名前が書いてなかったから、書いたのが勇-YOU-先輩だってレコーディングまで知らなくて!
勇-YOU- あははは! そうそう、スタジオで雅友さんが、「今からレコーディングをする祐くんに、歌詞を書いた勇-YOU-さんからなにかアドバイスを!」ってひと声があって、「え? え? 勇-YOU-さんが書いたんですか?」みたいな感じで(笑)。
畠中 そう! ビックリしました。でも等身大の勇-YOU-先輩が、シンプルに歌詞にも表れているから、言葉からすごくぬくもり……人肌を感じましたよね。
勇-YOU- 俺、背伸びできないんですよね、歌詞で(笑)。
――勇-YOU-さん、畠中さんにどんなアドバイスをしたんですか?
勇-YOU- 僕も雅友さんにいきなり言われたから、聴いてくれる人に温かい陽だまりを届けるように楽しく、明るく歌ってくれればいいです、とだけ(苦笑)。
畠中 ……と言われたものの、初めてディレクションを雅友さんにしていただいたこともあるし、勇-YOU-先輩のキーは本来の僕のキーでいうと、やっぱり高めだから、上手く出るかな?というのもありで……いや~緊張しました!
勇-YOU- と言いつつ、祐がメロディーや譜割をさらに変えて歌ってくれたりして、いいスパイスを入れてもらったし、曲を広げてくれたなって印象がありますね。
畠中 それを言ったら、勇-YOU-先輩も不思議なんですよ。メロディーラインに沿って歌ってるけど、そこまでかっちりした感じじゃないというか。流れるように普通に歌ってる状態で、もう遊んでる感じ。フワっとした面白さがあって。ほんとに歌が上手い人がやるヤツを、スッとやっちゃう(笑)。
勇-YOU- 地味に跳ねさせたりね。Bメロの最後とか、歌い方の節回しで全然ニュアンスが変わってくるからね。
畠中 雅友さんからも、「自由にやっちゃっていいよ」って言っていただけたんです。「響かせよう さあ」のユニゾンのフレーズなんかも、勇-YOU-先輩の歌とはちょっと違う感じで、音を階段状に歌わせてもらったんですけど、雅友さんが「それ、面白いから採用してみるか」って言ってくれて。
勇-YOU- 後で聴いたら、違和感なかったっていうね。実際、2人の声の違いも合わせてみるとハッキリ分かるんですけど、ちゃんと統一感がある。僕はクリアで、祐はわりとエッジの効いた、ちょっとかすれているボーカル。そこもいいバランスですね。
――畠中さんはどこがお気に入り?
畠中 歌でいうとラストのサビ。勇-YOU-先輩とのフェイク掛け合いとか超好きですね。歌詞では「離れていてもそばにいるように確かに感じるよ ありがとう」。ここ、めちゃいいですよね。一番、胸にポンとくる。今を反映しているし、今だからこそ大事にしたいこと……離れていてもそばにいる、それをたしかに感じてるよって。その気持ちを1人1人が胸に持って生きるって大事なこと。だから「ありがとう」と言える。
勇-YOU- すっげぇ、くすぐったいよね。自分が書いた歌詞のどこのフレーズが好きか?って言われるの。超恥ずかしい(笑)。
畠中 勇-YOU-先輩の心の温かさが、すごく感じられます。
勇-YOU- いやあ、コミュニケーションって大事ですからね!
――「陽だまり」は、アルバム『With You』としても曲順はラスト。アルバム全体を最後を温かなメッセージで締めくくる曲にもなりました。改めて今回のコラボレーションをどう受け止めていますか?
畠中 スクモさんと一緒に歌わせてもらったことは感無量ですし、本当に最高の曲だなと。完成した音源を聴いたときから、僕はお客さんに届く前にすっかり満足しちゃってました(笑)。勇-YOU-先輩と歌えて楽しかった。その楽しさは、こういう今だからこそ共有したいものかなって思います。歌詞の通り、ものすごく離れていても身近に感じられる歌。僕らが「そばにいる」ことを、感じてもらえたらいいなって。
勇-YOU- いいこと言うなぁ~!
畠中 いえ、勇-YOU-先輩の歌詞、丸パクリしちゃってます(笑)。
――ぜひまたコラボして欲しいですよね。畠中がSCREEN modeの曲を歌ってみるとかも?
勇-YOU- いいですね! だったら今度はゴリゴリのロックがいいかな、「Reason Living」みたいな。
畠中 やばいやばい(笑)! 無理ですよ~。
勇-YOU- ロック歌ってるイメージあんまりないもんね。
畠中 そうなんです、わりとそっちに行かないようにやってきました(笑)。なので、もしそういう機会が来たら、チャレンジということで! 逆に勇-YOU-先輩には、僕の曲を踊りながら歌ってもらうとか? 年末の “おれパラ”で「真冬HEAT」っていう新曲を歌わせてもらったんですけど、それ、勇-YOU-先輩の得意なパラパラの曲なんですよ(笑)。
勇-YOU- あはは、たしかに俺、昔は毎日のようにパラパラ踊ってましたんでね。それならイケるわ(笑)。今年は、雅友さんもファンの皆さんに会える機会を作りたいという願望は言ってましたから、何かしら実現できたらいいな。そして何らかの形で……「陽だまり」を一緒に歌えたらね。
畠中 あー、歌いてぇ!(笑) 楽しみにします!
INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香
●リリース情報
SCREEN mode 3rd Full Album
『With You』
1月27日発売
【初回限定盤(CD+BD)】
価格:¥4,200+税
品番:LACA-35848
【通常盤(CD)】
価格:¥3,000+税
品番:LACA-15848
<CD>
1. ALIVE feat. KISHOW (GRANRODEO)
作詞:松井洋平 作曲・編曲:太田雅友
歌:SCREEN mode feat. KISHOW (GRANRODEO)
2. WRIGHT LEFT
作詞:松井洋平 作曲・編曲:太田雅友
3. GIFTED
作詞:松井洋平 作曲・編曲:太田雅友
4. W:Wonder tale
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:太田雅友
※田村ゆかりカバー楽曲
5. Unforgettable
作詞:村野直球 作曲・編曲:太田雅友
6. 今夜も月がきれい feat. TRUE
作詞:唐沢美帆 作曲・編曲:太田雅友
歌:SCREEN mode feat. TRUE
※芹澤優カバー楽曲
7. 世界で一番ステキな恋
作詞:山本成美 作曲・編曲:太田雅友
8. 君がいる世界
作詞:村野直球 作曲・編曲:太田雅友
9. 陽だまり feat. 畠中 祐
作詞:林勇 作曲・編曲:太田雅友
歌:SCREEN mode feat. 畠中 祐
10. One Wish
作詞・作曲・編曲:太田雅友
<Blu-ray>
01. Unforgettable (Music Video)
02. SCREEN mode 5th Anniversary Live -月光STORY- (Director’s Cut)
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