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INTERVIEW

2020.12.15

無限の可能性広がる大空へ、いま飛翔―― 大橋彩香3rdアルバム『WINGS』インタビュー

無限の可能性広がる大空へ、いま飛翔―― 大橋彩香3rdアルバム『WINGS』インタビュー

絶対に3曲並べたかった、中盤のロックゾーン

――では、その他の新曲についても順にお伺いします。まずDECO*27さんが手掛けた「HOWL」は、まさに“らしさ”全開のサウンドで。

大橋 DECOさんには「自由に、DECOさん節で書いて欲しいです」とか、「『人間が歌うから、ここはちょっと優しくしよう』みたいにはしなくて大丈夫です」というお願いをしたんです。そうしたら……やっぱりめちゃくちゃ難しい曲で(笑)。でも「やったる!」みたいな気持ちになりました。

――曲に込めたい想いなどについては、リクエストされました?

大橋 最近自分が抱えている悩みだったりとかをお話しさせていただいたんですけど、『WINGS』というタイトルなのでただ負の感情だけではなく、最後にはちゃんと「自分は変わっていくよ」みたいな意志を出せるような曲をお願いしました。

――葛藤と、その先に向かっていくエネルギーを。

大橋 そうですね。ちょっと早口な部分からダウナーな部分まであって、サビではエネルギーをわっっと出せるようにもなっている、自分の声の表現をいろいろと盛り込める最初から最後までクライマックスみたいな感じの曲なんですよ。だから3分少しという短い曲なんですけど、とても盛りだくさんな曲だなと思いました。

――メロラップになっている2番のAメロは、サビとのコントラストがすごく際立っていますね。

大橋 私、昔はそういう部分がすごく苦手だったんですよ。「Break My Jail」とかにもあるんですけど、羞恥心に負けそうでうまく歌えていない気がしてて(笑)。

――技術などではなく、マインドのほうで。

大橋 はい。でも今は「……ラップ?やります!」みたいな気持ちになってきたので、今回「よっしゃ!」って思いましたし、音源を自分で聴いても成長を感じました。

――ちなみにこの曲も、リード曲に続いてMVを制作されたんですよね。

大橋 そうなんです。DECOさんの楽曲って、アニメーションとか演出がすごくてMVもとても印象的じゃないですか?楽曲とあわせて見ると本当にその曲の世界感に入り込めるなとずっと思っていたし、特にDECOさんはボカロ曲でMVをすごくしっかり作る先駆けの中のおひとりだと思うので、お願いすることになりました。今お話している時点では登場するキャラ絵ぐらいまでしか見ていないので、私自身もすごく楽しみにしているところです。

――続く「Winding Road」も、タイトルどおりこれまでの道のりを反映した曲になりました。

大橋 そうですね。やっぱり、ここまでストレートに来たわけじゃないので。180°ぐらいアーティスト観も変わりましたし、ファンの皆さんに助けられたことも悩んだこともたくさんあったし……だから、タイトルを見たときには今までの思い出がすごくフラッシュバックしました。あと、この曲はダンス曲として作っていただいたんですけど、今まで多かったEDMではなくてちょっとロックな曲でお願いしまして。旗を掲げてスタートを切るような、違ったアプローチでのスタートダッシュ感がある曲になりました。

――今回そうしたのは、なぜですか?

大橋 ちょうどロック系のダンス曲にめちゃめちゃハマっていた時期だったんですよ。普段のシングルがアニメ主題歌になっていることが多いぶん、アルバムの新録曲ではとても自由に希望をお伝えさせていただいていまして(笑)。そのときにハマっている音楽ジャンルがすごく顕著に現れるんです。だから前のアルバムを聴くと、「当時はこういうの好きだったな」って思うんですよね。

――歌詞は大橋さんのこれまでを踏まえられたものだと思うんですが、作詞された岡嶋かな多さんはご一緒される機会も多いのもあって、大橋さんのことをすごくよく見られているなと感じました。

大橋 そうですね。私のことをわかってくださっているので気持ち的にも歌いやすいですし、踊りやすいようにサビの歌詞が少なく作ってあるんですよ。この曲は最初からはだいぶキーが上がったんですけど、踊りながらしっかり歌えるようにしていきたいなと思います。

――一方、続く「MASK」はややキーが低めで。

大橋 そうですね。大橋彩香の曲って高いキーを頑張って歌っている曲が結構多いんですけど、「MASK」はずっとダウナーな感じなんですよ。なので、母にキーチェック音源を聴いてもらったら「えっ、低いね」と言われて(笑)。自分でも、すごく新しい歌い方に挑戦できたように思っています。

――それでもスピード感もあるしメロも強くて、ロックしていますよね。

大橋 私、この曲のインスト版欲しいです(笑)。だって、GRANRODEOさんのチームにやっていただいた演奏がかっこよすぎて!サウンドも結構ゴリゴリしているんですよ。でも「ちょっと明るい感じがいいです」とお願いしていたサビは、しっかり開けていく感じになっています。

――この曲も岡嶋さん作詞ということもあって、ここ3曲からは特に今の大橋さんを感じました。先ほどアーティストとしても180度変わったというお話もありましたが、このアルバムの新曲のような曲がこれまでシングルのカップリングになっていたと知ったうえで「MASK」を聴くと、よりそう感じられてきて。

大橋 ほんとですか?でもたしかに、今だから歌える歌詞になっている気はしますね。いきなり「仮面の下には何が隠れてるかって?」って言い始めますから(笑)。

――「誰も知らない間に生まれ変わるから」とも歌っていますから。

大橋 そうなんです。皆さんも働いてるときや友達と会ってるとき、家にいるとき……っていろんな自分があると思うんですけど、「知り用も無いし知りたくもないの」って、なんかすごいファン側の気持ちですよね(笑)。

――なので、いろいろな挑戦が詰まったアルバムの中盤にこの3曲が並んだのは、すごくいいなと感じたんです。

大橋 自分で考えたものをベースに相談して曲順を決めたんですけど、絶対この3曲は並べたいなと思っていました。それで、ちょっと陰なロックゾーンみたいに固めたあとに、シメにちょっと明るいロック「NOISY LOVE POWER☆」に変わる、という流れにしたかったんです。

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