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INTERVIEW

2020.11.25

日本で大きな夢を叶えたLiyuuの今、そしてこれから――。TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』EDテーマ「カルペ・ディエム」リリースインタビュー

昨年、リスアニ!が中国・北京にて初開催した“リスアニ!LIVE BEIJING”に出演したLiyuu。日本のアニメへの想いが高じてコスプレイヤーとして活動していた中国出身の彼女は、今年1月にTVアニメ『はてな☆イリュージョン』のOP主題歌「Magic Words」でデビューを果たした。憧れのアニメを生み出した日本で、アニメソングを歌うという大きな夢を叶えた彼女がリリースする2ndシングルは、TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』のEDテーマ「カルペ・ディエム」。前作とはガラリとテイストを変えて、アッパーなエレクトロチューンだ。新たな表情を見せたLiyuuに、これまでのことや今現在、そしてこれからのことまで余すことなく話を聞いた。

――中国・北京で開催された“リスアニ!LIVE”に出演されたLiyuuさんですが、実はリスアニ!のインタビューは初めてですね。まずはLiyuuさんがどんな方なのかを紐解いていきたいと思います。そもそもコスプレイヤーとして活動していたということですが、日本のアニメを好きになったきっかけを教えてください。

Liyuu 初めて観た日本のアニメは『カードキャプターさくら』でした。キャラクターの可愛さと物語の楽しさ、幼稚園の頃夢中になりました。

――コスプレも日本のアニメ作品のキャラクターをされていたんですか?

Liyuu そうです。中学生の頃は本当にアニメが大好きだったので、いろんなアニメ作品を、それもとてもたくさんの作品に触れていたのですが、ネットで色々と作品について調べているとコスプレイヤーさんの写真がたくさん上がっていて、衝撃を受けました。そういった経緯で、コスプレの文化について知りましたし、どんどん調べていくようになったんです。好きなアニメのキャラクターの姿になれる、そんなコスプレをやりたい!と思ったけれど、当時はまだ中学生だったこともあって、情報もそこまでたくさん得られるわけではないですし、お小遣いではやれないですし、学生なのでちゃんと勉強もしなくてはならないので衣装を制作するような自由な時間もなくて。なので諦めていたのですが、高校生になったときには幼かった中学時代とは違って時間も上手に使えるようになりましたし、今ならやれる!と思って挑戦するようになりました。

――高校生になってからコスプレをされるようになったそうですが、中国での活動から日本へ。日本でコスプレイヤーとして活動をすることについてはどんな想いがありましたか?

Liyuu 夢みたいでした。“コミックマーケット”のあるタイミングで日本に旅行へ行こうと決めていたので、初めて“コミケ”に行くことができたときは、本当に幸せでした。

――普段はどんなキャラクターのコスプレを選ぶのでしょうか? 例えばなにかご自身の中で「これ」という基準があったり?

Liyuu 好きなアニメの中に、私に合いそうなキャラクターがいると、「今度はこのキャラクターをやろう!」と思うんです。なかでも『Re:ゼロから始める異世界生活』のレムちゃんはお気に入りのコスプレです……でも、コスプレしたキャラクターはどれも全部大好きなんですけどね! だけどレムちゃんは優しい女の子なのですごく好きなんです。特に主人公であるナツキ・スバルにすごく優しい。そこが大好きです。

――そういったコスプレイヤーとしても活動をしてきたLiyuuさんが日本でデビュー。アニメのタイアップ曲を歌うことになりましたが、そもそもLiyuuさんの思うアニメのOP曲、そしてED曲は作品にとってどのような存在でしょうか。

Liyuu OP曲は、ストーリーのイメージを視聴者にそのまま伝えるような勢いや力のある曲で、ED曲は静かな曲が多いのかな、と個人的には思っています。ストーリーを観終えて、その余韻を味わうような、そんな存在だと感じています。私の中で印象深いのはTVアニメ『エロマンガ先生』のOPテーマだったClariSさんの「ヒトリゴト」と、TVアニメ『四月は君の嘘』のEDテーマの「オレンジ」(seven oops)ですね。

――現在ではLiyuuさんはOP/EDテーマどちらも歌っているアーティストとなりましたが、日本で音楽活動をすることになったときはどのようなお気持ちでしたか?

Liyuu 最初のシングル「Magic Words」がTVアニメ『はてな☆イリュージョン』で流れたときには、画面上に私の名前が出て来た瞬間に「夢みたい!」と思いました。本当に嬉しかったです。まさか自分がアニメのタイアップ曲を歌うような人になるとは想像したこともなかったですし、私が歌っている曲ですが、アニメの絵と重なることで本当に別次元の作品になったような感覚でした。しばらくは「これは本当の話なのかな」とアニメで流れているのに信じられない思いでいました。

――「Magic Words」ですが、この曲がLiyuuさんの初めてのレコーディング経験だったのでしょうか?

Liyuu デビュー曲の前にカバー曲のレコーディングをしたことはありましたが、自分自身の、オリジナルの楽曲を歌うことは初めてでした。だから最初はずっと悩みましたね。この曲をどんなふうに歌えばいいのだろうか、言葉をどう表現していこうかと。でも最終的には自分のペースで歌うことで、自分らしさが出せましたが、その答えに辿り着くまでは色々と歌い方を探したりもしました。結果として私の歌声は、決して力強くはないけれども、聴いてくれる人を安心させられるような歌声なのかもしれないと思えるようになりました。

――すごくいい出会いの1曲になったということですね。そんな1曲を“リスアニ!LIVE BEIJING”で歌ってくれました。約1年前のお話にはなりますが、あの日のライブの感想を教えてください。

Liyuu 私にとっての初ステージでものすごく緊張していまい、あまり上手に歌えなかったと思っています。体がこわばってしまって、ステージの上で自分らしいパフォーマンスをすることもあまりできていなかったように思います。それにステージから、満員のお客さんの顔が見えて、ドキドキしてしまいました。私のことを知らないお客さんが多かったこともあって、「大丈夫かなぁ」と不安もあったうえに緊張も加わったので、その心境は説明することができないくらいのものでした。色々な意味で、忘れられないライブになりました。でもほかのアーティストさんのステージも見せてもらえて、私がずっと聴いていたアーティストさんもいらっしゃって圧倒されましたし、次はもっと頑張りたい!と思えました。そのあとにレーベルのライブにも出演をしたのですが、まだ自分にアーティストとしての自信がしっかりついていなくて、「まだまだだな」と反省のあるパフォーマンスになったので、ライブの経験を重ねながらこれからもっと頑張っていきたいと決心ができました。

――そして2ndシングル「カルペ・ディエム」が完成しました。TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』のEDテーマであるこの曲を最初に聴いたときの印象を教えてください。

Liyuu これまで歌ったことがないタイプの曲だなぁと思いました。なので自分としては斬新なチャレンジになるなと感じました。この曲では歌詞の世界観をとにかくかっこよく表現したくて。曲をもらってすぐのときは、自分らしさを入れたうえでのかっこよさを表現することがとても難しかったので、練習を重ねて、ようやく私が歌うからこそこんな形になるんだ、という歌唱に辿り着けたと思います。

――かっこよく、を目指されたという1曲。疾走感あるサウンドですが、Liyuuさんの歌声でどことなくかわいらしさも滲む印象があります。

Liyuu どうやっても柔らかさは出てしまうんです。でもそこは自分の持ち味として持っていたいなと感じています。

――この曲の中でのお気に入りのポイントを教えてください。

Liyuu 最初の“キラキラ”というところとラップのところです。ラップは初挑戦でしたし、特に頑張りましたが、自分にとっての武器の1つにできたら嬉しいと思ったこともあって、かなり練習もしましたし、私的には満足のいく完成度になっていると思うので、ぜひ皆さんにも聴いてもらいたいです。

――その「カルペ・ディエム」のMVもとてもかわいらしいLiyuuさんが冬の景色に溶け込んでいます。こちらの撮影はいかがでしたか?

Liyuu 雪がすごかったです。寒かったですが、とても楽しかったです。前半と後半の雰囲気が全然違う感じになっているのですが、そこがすごくいいなぁと思っています。

――『100万の命の上に俺は立っている』についてはどんな印象がありますか?

Liyuu 最近のアニメの王道でもある異世界が舞台なんですが、異世界は異世界でもこれまで観たどの異世界モノの作品とも違っていて、ストーリーもすごく引き込まれるものなんです。アニメ全体的には重いテーマ性もあるのですが、エンディングの絵は乙女な、少女マンガ的に作られていますし、その絵を見ながら歌を聴いて、少しでも心が軽くなったらいいなぁ、と思っています。

――そしてカップリング曲「Cherish」はガラリと雰囲気を変えます。こちらの曲のお気に入りのポイントを教えてください。

Liyuu 乙女の気持ちがたっぷり入っている、ロマンチックなところが好きです。歌っていてもかわいいんですよ。「カルペ・ディエム」がかっこよさを求める方向性だったのに対して、この曲ではどれだけかわいらしさを出すかを考えて、デートを楽しみにするような、明るさや希望のある感じを目指してのレコーディングでした。

――そんな2曲を収録したこのシングル。ジャケットの写真もとてもかわいらしいですね。

Liyuu 実はコロナ禍もあって、ずっと上海にいたので、ジャケットの撮影も上海でやったんです。リモートでデザイナーさんとやりとりをしながら、自分で衣装や靴を選んで撮影したので思い入れも深いです。

――2枚目のシングルをリリースすることで楽曲も増え、今後「こんなことをしたい」という目標などもできたのではないかと思います。この先への意気込みを聞かせていただけますか。

Liyuu 今後もコスプレは続けていきたいということと、音楽的には割と疾走感のある楽曲が続いているので、優しい歌声で言葉を紡ぐような曲も歌えたらいいなぁと思っています。まだまだ成長途中ですが、これからどんどん進化していきたいです。今年の、活動が出来なかった時間は色々なことを考えましたし、練習も重ねているので表現の幅も広げられていると思っています。あともう1つ、意気込みというか夢ができました。今年はファンクラブが立ち上がったので、来年はファンクラブイベントができたら嬉しいです。

――では最後に「カルペ・ディエム」をどのように楽しんでもらいたいですか?

Liyuu 前のシングルでは聴くことのできなかったLiyuuが息づく1枚になっています。全然違うタイプの2曲から、新鮮なLiyuuを感じてもらいたいです。よろしくお願いします!

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち


●リリース情報
TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』EDテーマ
「カルペ・ディエム」
11月25日発売

【初回限定盤(CD+BD)】

品番:LACM-34062
価格:¥2,200+税

【通常盤(CD)】

品番:LACM-24062
価格:¥1,200+税
※描き下ろしイラスト長帯仕様

<CD>
01. カルペ・ディエム
作詞:児玉雨子 作曲・編曲:JUVENILE
02. Cherish
作詞:稲葉エミ 作曲・編曲:5u5hi
03、04. 各曲Off Vocal収録

<BD>
「カルペ・ディエム」Music Video、メイキング収録

●作品情報
TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』
放送中

<ストーリー>
合理的で単独行動が好きな中学3年生四谷友助は、ある日ゲームじみた異世界に転送された――。すでに転送されていたクラスメイトの新堂衣宇、箱崎紅末とともに3人目のプレイヤーとなった彼は、命を懸けたクエストに挑むことに。感情論を廃してすべての要素をフラットに、時には仲間の命すら駒として扱う冷酷な四谷。襲い来る魔物、厄介な事件、そして暗躍する強敵からパーティの全滅を防ぎ、このゲームをクリアすることができるのか?

【キャスト】
四谷友助:上村祐翔
新堂衣宇:久保田梨沙
箱崎紅末:和氣あず未
時舘由香:小市眞琴
カハベル:斎藤千和

【スタッフ】
原作:山川直輝/漫画:奈央晃徳(講談社「別冊少年マガジン」連載)
監督:羽原久美子
シリーズ構成:吉岡たかを
メインキャラクターデザイン:小島えり、舛舘俊秀
サブキャラクターデザイン:大場優子
色彩設計:渡辺亜紀
美術監督:柴田聡
撮影監督:野村雪菜
音響監督:矢野さとし
音楽:伊藤賢
オープニング:高槻かなこ「Anti world」
エンディング:Liyuu「カルペ・ディエム」
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:MAHO FILM

©山川直輝・奈央晃徳・講談社/100万の命の上に俺は立っている製作委員会

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