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INTERVIEW

2020.08.08

タイ出身の人気YouTuber、MindaRynがついにデビュー!アニソンにかける熱い想いを語った独占インタビュー

アニソンシンガーになることを夢みて、アニソンのカバー動画を中心としたYouTubeでの活動をスタートし、今やチャンネル登録者数が85万人を超えるほどの支持を獲得している、タイ出身の人気YouTuber・MindaRyn(マイダリン)。タイ国内のみならず、マレーシア、インドネシア、シンガポール、台湾などのコンベンションイベントにも出演し、ここ日本でも昨年よりライブ活動を始め注目を集めている彼女が、2020年11月、TVアニメ『神達に拾われた男』のEDテーマ「BLUE ROSE knows」で、ついにデビューすることが決定した。そこでリスアニ!WEBでは、彼女の声をタイからリモートでいち早く届けるインタビューを実施。アニメをはじめとする日本の文化に対する愛情と、アニソンにかける情熱について、日本語でしっかりと受け答えしてくれた。

――MindaRynさんはアニソンカバー動画を中心にアップしているYouTuberとして注目を集めていますが、日本のアニメ・アニソンが好きになったきっかけは?

MindaRyn タイでは日本のアニメを放送する番組があります。私も小さい頃からその番組を観て好きになりました。それと父親が、すごく日本好きなんです。特にJ-ROCKが好きでした。X-JAPANさんの大ファンで、毎日「ENDLESS RAIN」とかを聴いてました(笑)。

――いいご家庭ですね(笑)。MindaRynさんの周りにもアニメ好きの方はいましたか?

MindaRyn YouTubeを始める前は、あまりアニメを知っている人はいなくて。でもYouTubeを始めてからいろんな人に出会うことができました。日本国内ほどではないと思いますけど、タイにも日本のアニメが好きな人はたくさんいると思います。

――なるほど。では、MindaRynさんが今までご覧になった日本のアニメのなかで、特に心に残っている作品を挙げていただけますでしょうか。

MindaRyn キタキタ!(笑)。よく聞かれるんですけど、好きなアニメがたくさんあるので、毎回難しい質問だなあと思います。

――何本挙げていただいても大丈夫ですよ。

MindaRyn オー! じゃあ今回は、私のおすすめのアニメを3つ選びます。まず『HUNTER×HUNTER』。次が『FULLMETAL ALCHEMIST』、日本語だと『鋼の錬金術師』ですね。それと『ヒカルの碁』が大好きです。

――『HUNTER×HUNTER』はどんなところが好き?

MindaRyn 『HUNTER×HUNTER』はゴン(=フリークス)とキルア(=ゾルディック)の友情、絆が大好きです。いつでも一緒に助け合いながら戦っているところが、すごく素敵だと思います。でも実はクラピカも大好きです(笑)。綺麗な顔の男の子が好きなので。どのキャラクターが好きですか?

――逆に質問が飛んできました(笑)。う~ん、キルアも好きですけど、ネフェルピトーですかね。

MindaRyn オー! 私も大好きです!(笑)。ピトーとゴンのところは、すごく印象に残っています。

――ほかの2作品についてはいかがですか?

MindaRyn 『HUNTER×HUNTER』は仲間の絆ですけど、『ハガレン』は家族の愛が描かれているところが好きです。エド(ワード・エルリック)とアル(フォンス・エルリック)のストーリーが素敵だと思います。『ヒカルの碁』は中学生のときに、碁を覚えて学校でクラブを作ろうとしたんですけど、メンバーが3人しか集まらなくてできませんでした(笑)。

――3作品とも少年マンガが原作ですが、日本のマンガも読まれるのでしょうか。

MindaRyn 読みます! 私の部屋にはマンガがたくさんあります。最高の場所です(笑)。今話していた作品のマンガもあるし、ほかにも『ツバサ・クロニクル』とか『ゴッドハンド輝』が好きです。タイには大きな出版社があって、たくさんの日本のマンガを翻訳して売っています。

――そうなんですね。では、日本のアニソンのどんなところに魅力を感じますか?

MindaRyn アニソンは、曲のストーリーとアニメのストーリーがリンクして、もっと心に感じられるところが好きです。例えば、LiSAさんの「紅蓮華」を聴くと、曲のストーリーだけでなくて、『鬼滅の刃』や(竈門)炭治郎、彼の仲間たちの気持ちまで自然に思い出せますし。

――タイの音楽と比較して、違いを感じるところは?

MindaRyn タイの有名曲はほとんどラブソングが多いんです。でも、アニメの曲は、メロディももちろんいいし、歌詞のストーリーもいろんなことが書かれているし、そういうところがすごく面白いです。

――なるほど。日本のアニソンを歌っているアーティストのなかで、MindaRynさんが特に好きな方を挙げるとすれば?

MindaRyn 私はLiSAさんが大好きです。前に初めて生でライブを観る機会があったのですが、可愛くて、かっこよくて、声もすごくパワフルだから、恋に落ちました。LiSAさんの曲を歌いたくて、ハイピッチとかのボーカルテクニックをたくさん練習しました。それとTRUEさんも好きです。2回、ライブを観るチャンスがあったんですけど、すごく力強いパフォーマンスで、(ステージ上を)すごく走るんですけど、歌声がステイブル(安定している)なのが、感動しました。

――歌やアニメ以外の特技や趣味はありますか?

MindaRyn 私はソフトウェアエンジニアの大学を卒業したので、コーディングに興味があります。最近は時間がないので、あまり作っていないんですけど。私は大学のとき、いろんなプログラミング言語のなかから、Rubyをメインで選んだんですけど、それも日本で開発された言語という理由で選びました(笑)。

――とことん日本好きなんですね(笑)。そんなMindaRynさんが、YouTubeで活動を始めたのには、どんなきっかけがあったのでしょうか?

MindaRyn 実はきっかけはすごくシンプルでした。私はYouTubeを始める前は、同じように(アニメに)興味を持っている友達があまりいなかったんですけど、アニソンが好きになって、誰かに聴いてもらいたくて。なのでYouTubeにアップし始めました。

――それが今やチャンネル登録者数85万人という人気YouTuberになったわけですが、どのタイミングで大きな反応を得られるようになったのですか?

MindaRyn 最初は携帯で撮影したすごく簡単なビデオで、ミックスもあまりよくなかったので、少しだけしか観られていませんでした。でも、ある日、YouTubeを通して音楽を作れる友達と出会って、その人に音楽を作ってもらうようになって。そして、いいカメラも買って、もっとクオリティをアップさせた動画をアップしたんです。それがLiSAさんの「crossing field」を歌ったビデオだったのですが、それが初めてたくさんのビュー数をもらえた動画になります(筆者注:現在の再生数は242万回)。

――LiSAさんのカバーがきっかけで広く知られるようになったわけですね。ちなみにタイでのLiSAさんの人気はいかがですか?

MindaRyn 去年も『鬼滅の刃』がすごく流行っていて、たくさんのタイの人がLiSAさんのことを知るようになりました。私も「crossing field」のカバーが広まるきっかけでしたけど、最近いちばんビュー数が多かったのは「紅蓮華」のカバー動画になります(筆者注:現在の再生数は719万回)。

――LiSAさんの楽曲のほかにも、RADWIMPS「スパークル」や女王蜂「火炎」といった近年の話題曲を中心に、和田光司「Butter-Fly」、MAKE-UP「ペガサス幻想」などの定番ナンバーまで、幅広くカバーされていますが、選曲はどのように決めていますか?

MindaRyn ほとんどは自分の好きな曲を歌っています。ファンの方たちからいただいたリクエストも参考にしながら、そのときの気持ちに合うもの、メロディとか歌詞が面白くてカバーしたいなあと思う曲をピックアップしています。得意ジャンルは可愛い曲なんですけど、いろんなジャンルの曲を歌ってみたいので。

――かわいい系の楽曲で、日本のファンに観てほしいお薦めのカバー動画は?

MindaRyn 「恋愛サーキュレーション」の動画です! あの動画は、初めてロングテイクの撮影をしたんです。1日がかりでした(笑)。キューとか編集とかすごく時間がかかりました。けど、すごく楽しかったです。あの動画に登場したメンバーもみんなアニメが好きです。

――たまにアニソン以外の楽曲もアップしてますよね。いろんな日本の曲をご存知なんだなと思ってビックリしました。

MindaRyn そうですね。日本のカルチャーが大好きですから、アニソンのほかにもいろんな曲を聴いています。例えば(米津玄師の)「Lemon」はアニメの曲じゃないですけど、すごく人気じゃないですか。あの曲は初めて聴いたとき、すごく綺麗な曲だなと思ったのでカバーしました。

――個人的には、BiSHの「プロミスザスター」のカバー動画が良かったです。

MindaRyn ありがとうございます! 私、BiSHが大好きなんです。アイドルの曲はあまり知らないんですけど、BiSHはすごく力を届けられるアイドルだと思います。かっこよくて、すごくいいと思います。

――黒うさP「千本桜」、蝶々P「心做し」、Neru「ロストワンの号哭」など、ボーカロイドの曲もいくつか歌っていますよね。

MindaRyn ボーカロイドも好きです。特に(鏡音)リンちゃんとレンくんが好きです(笑)。

――MindaRynさんは、ボカロPのれるりりさんが8月26日にリリースする新作『10th Anniversary Original & Best ALBUM 羞恥心に殺される』に、ボーカリストの一人として参加しているんですよね。バラード曲「愛してる」をれるりりさん本人のリアレンジでカバーされたとのことですが、いかがでしたか?

MindaRyn ストーリーが“愛”のことを書いていて、すごく綺麗な歌詞だと思いました。スロウソングだから、すごく気持ちを入れたくて、歌詞をたくさん勉強してから歌いました。(日本語の曲を歌うときは)難しい言葉もありますけど、自分で調べて、翻訳したりします。

――先ほど、日本のカルチャーが大好きとおっしゃっていましたが、アニメ・アニソンのほかに、日本の文化で好きなものは?

MindaRyn 食べ物だと、私は甘いものが好きなので、日本のうなぎが大好きです。うなぎのソースはすごく甘いですから(笑)。それと場所だと山とか。今年の2月に、初めて九州の別府に行きました。景色がすごく綺麗だったし、温泉にも入ることができて、最高でした。

――日本にはこれまでに何回ぐらい来たことがあるのですか?

MindaRyn 旅行したのは3回になります。最初は東京と大阪でディズニーランドとか、アミューズメントパークとか。あと私はアニメが大好きなので、秋葉原にも行きました。でも、回るのにすごく時間がかかったし、お金もたくさんかかりました(笑)。日本にはいろんなところがありますし、すごくいいところだと思いました。

――昨年から今年にかけて、日本でライブも何度か行っていますね。

MindaRyn はい。タイには日本のようなライブハウスがあまりないので、新しい経験になりました。たくさん素敵な人に出会えてすごく嬉しいです。ラジオ番組にも出演しましたが、私の下手な日本語でラジオは難しかったです(笑)。

――そんななか、10月より放送予定のTVアニメ『神達に拾われた男』のEDテーマ「BLUE ROSE knows」で、アニソン歌手としてデビューすることが決まりました。最初にお話を聞いたときのお気持ちはいかがでしたか?

MindaRyn あのときは本当にいろんな気持ちが溢れました。ビックリしたし、嬉しいけど、すごく緊張もして。私の夢は日本のアニメの曲を歌うことだったので、それが本当のことになって。すごく嬉しかったです。

――楽曲を受け取ったときの印象は?

MindaRyn 最初のデモを聴いたときは、ポジティブなエネルギーをすごく感じました。歌詞もアニメと似ているストーリーになっていて。先に原作のマンガを読んだんですけど、すごく私と近いところがありました。例えば、主人公のリョウマくんは、ある日、新しい世界で新しい人生を授かって、この人生を楽しいものにする!と決めるんですけど、私も日本でデビューするチャンスをもらうことができて。私にとって日本は、新しい世界みたいなものなので、ここから新しい人生にしたいです。なので、リョウマくんと一緒に頑張りたいと思いました。

――どんな楽曲に仕上がるのか楽しみです。そういえば、ちょっと話が逸れますが、タイで声優活動も始めたとか。

MindaRyn はい! タイで7月に公開された『デジモン』の映画(『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』)のタイ語バージョンで、初めてアフレコに挑戦しました。それまでは、遊びでしかやったことがなかったので、本物のアフレコは難しいところがたくさんありました。特に(アニメの)口の動きと私の声のテンポを合わせなくてはいけないところが、すごく難しいところでした。でもすごく楽しかったです。

――国境を越えて活動の幅を広げているMindaRynさんですが、今後、日本/タイ/世界でどのように活躍していきたいですか?

MindaRyn 私は今まで、ステージの下で歌を聴いてパワーをもらう側の人でした。でも、これからは、ステージの上で皆さんにパワーを届けたいです。なので、日本でも、タイでも、世界のほかの国でも、たくさん歌いたいです。そしてタイだけじゃなく、海外のほかの国は、まだ日本のアニソンを知らない人が多いので、もっとアニソンが広がってほしいし、そのコネクターになれたらと思います。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
MindaRyn
デビューシングル「BLUE ROSE knows」
2020年11月18日発売

TVアニメ『神達に拾われた男』テーマ
品番:LACM-24065
価格:¥1,300+税

●作品情報
TVアニメ『神達に拾われた男』

2020年10月より放送開始!
小説家になろう」累計2億7000万PV、シリーズ累計発行部数160万部突破の話題作、2020年10月よりTVアニメ放送!!

◆イントロダクション
ブラック企業にシステムエンジニアとして勤めている39歳の独身サラリーマン竹林竜馬はひとりアパートであっけない最後を遂げる。天界に召された竜馬だったが、創造神、愛の女神、生命の神に協力を求められ、子どもの姿で異世界へ転生!?深い森で一人、のんびり暮らし始めた8歳のリョウマは、魔法でテイムしたスライムたちの研究にのめり込みながら新しい人生を謳歌する。やさしい人たちに囲まれて毎日が楽しい、まったり異世界スローライフファンタジー!

◆スタッフ
原作:Roy『神達に拾われた男』
(HJノベルス/ホビージャパン)
監督:柳瀬雄之
シリーズ構成・脚本:筆安一幸
キャラクター原案:りりんら
キャラクターデザイン・総作画監督:出口花穂
色彩設計:渡辺亜紀
美術監督:柴田 聡
撮影監督:野村雪菜
音楽:堤 博明
音楽制作:ランティス
音響監督:土屋雅紀
音響制作:AMGスタジオ
アニメーション制作:MAHO FILM

◆キャスト
リョウマ:田所あずさ
エリアリア:桑原由気
ラインハルト:小野大輔
エリーゼ:早見沙織
ラインバッハ:子安武人
ミーヤ:高野麻里佳
ウェルアンナ:広瀬ゆうき
ミゼリア:高田憂希
シリア:福緒 唯
ウォーガン:稲田 徹
ガイン:清川元夢
ルルティア:井上喜久子
クフォ:小市眞琴
竹林竜馬:安元洋貴
田淵:古川 慎

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