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INTERVIEW

2020.07.16

【スペシャル企画】リスアニ!×DJ和 MIX CD完成までの道!!!!「第1回目:リスアニ!とDJ和、MIX CD作るってよ!」

2020年に創刊10周年を迎えたリスアニ!は、昨年からアニバーサリーイヤーと銘打って、本誌やWEBでの様々な企画、ライブイベントなどを開催してきました。そしてこのたび、新たなアニバーサリープロジェクトが始動!

なんと!リスアニ!10年を彩ったアニソンを収めたMIX CD『リスアニ!MIX by DJ和』のリリースが決定しました! 収録曲は、『Jアニソン神曲祭り』シリーズや『ラブとポップ』シリーズなど、数々のJ-POPやアニソンMIX CDで知られるDJ和とリスアニ!編集部がセレクト!

この連載ではDJ和とリスアニ!編集長・馬嶋 亮を迎え、『リスアニ!MIX』の気になる中身について、発売まで徹底的に追いかけていきます! 初回となる今回は、『リスアニ!MIX』のプロジェクトが生まれるまでの話を和さんと馬嶋編集長に語っていただきました。

――リスアニ!10周年イヤーのなか、『リスアニ!MIX』制作というビッグプロジェクトがスタートしました! 初回はこのプロジェクトが生まれた経緯からお伺いします。このプロジェクトがスタートしたのはいつ頃でしたか?

DJ和 スタートしたのは去年ですかね。うちのレーベル(ソニー・ミュージックレーベルズ)の島田(泰)さんが馬嶋さんと会って。

島田 馬嶋さんと鶯谷の萩の湯という銭湯に行く話を前からしておりまして、サウナに入りながらこの話をしたのが最初です(笑)。

馬嶋 亮 そのあと浅草のおでん屋に行って企画をまとめるという(笑)。それが“リスアニ!LIVE”より前の出来事かな?

島田 1月になりますね。

 僕はそのあとに話を聞いて、やらせていただけるならぜひ、という。

島田 DJ和のアニソンMIX CD作品としては昨年に『平成アニソン大賞 mixed by DJ和』を出したのが最後で、次に何を出すかDJ和チームで企画を出し合ったのが昨年末なんですよね。

 MIX CDのシリーズとしては基本的には毎年何かしらリリースがあるというのを目標としていまして、今までは『J-アニソン神曲祭り』シリーズというのがあって、そこでいろんなノウハウを得ていろんな方と知り合えて、自分としても勉強になったシリーズでした。そこからもう一段階何かステップアップできるような、そんな企画がいいなっていうのをチームで話していたところ、島田さんが企画を持ってきたという感じですね。

――その企画を最初に聞いた馬嶋さんはいかがでしたか?

馬嶋 リスアニ!としても去年の4月から10周年イヤーがスタートして、それがこの前の4月で満10歳となりました。そこからまた10周年プロジェクトを1年続けていくにあたっていろんなネタをずっと探していたんです。去年は海外のライブを含めてライブシリーズとして公演をたくさんやろうというのがあったんですが、それだけだとライブのみになっちゃうし、メディアとして記事なり企画なりというものも残したかった、というのもあって。雑誌としての表現やWEBでの企画、そういうアイデアを考えていたなかでこのMIX CDのお話をいただけたので、聞いたときは「素晴らしいな」「ぜひとも形にできればな」っていう、すごくありがたい思いがありましたね。

 僕としても、初期の頃から“リスアニ!LIVE”を観に行かせていただいていたり、“リスアニ!ナイト”とかに参加させていただいて、馬嶋さん含めリスアニ!編集部の皆さんとはいろんなところでお会いすることが多かったので感慨深いです。基本的に酒飲んでいる現場が多かったんですけど(笑)。

――ほぼ酒が入っている現場(笑)。

 8割9割は酒の現場ですね(笑)。そういうのもあって、勝手にかなり身近に感じていたというか、アニメやアニソンで酒が飲めるという時点ですでに仲間という。さらに、音楽が好きででっかい音で聴くのが好きという間柄で「ずっと一緒に過ごしてきたよな」って勝手に親近感を抱かせていただいたというか、もっと一緒に楽しむことができそうだなってずっと思っていたので。

――和さんとしてはこれまで数々のMIX CDをリリースしてきましたが、アニソンMIX CDというのは、どういった行程で作られていくのですか?

 それぞれシリーズごとにざっくりしたテーマはあって、『神曲祭り』シリーズで言うと基本的にはここ2~3年にリリースされた盛り上がるアニソンをコンパイルするというイメージで作っています。なのでそこである程度選曲の幅を狭めることはするんですよね。そこからその幅の中で曲を限りなくリストアップしていきます。で、この曲は絶対に必要だよねとか、その曲との組み合わせを考えたりと、多いところから減らしていく作業をするのが通常の行程です。リスアニ!さんの場合、この10年でリスアニ!さんと関係してきたアーティストさん、またライブや誌面に出られた方ってたくさんいるんですよね。そこから絞ったり選んだりするというのは、やる前からかなり難しいだろうなという気はしていました。

――やはり一度網羅する作業が発生するわけですね。

 1回全部出すみたいなのは必ずやります。もちろん1枚のCDを約80分ぐらいに収めるという制約はいつもあるんですけどね。一度、79分58秒まで入れたことがあって、それはCDの限界だと言われていて、それで50曲ぐらいだったかな? それがミックスの限界ではあるので、平均40曲台ぐらい。そこまで絞るのはとにかく苦しい作業で。これは外すしかないかとか、収録NGだったりする曲もあるんですけど、そういう地道な作業がありますね。

――その作業を現在、和さんとリスアニ!編集部で行っているわけですが、馬嶋さんとしてもやってみていかがでしたか?

馬嶋 和さんが言うようにとにかく地道。楽曲を絞り込むのにも何回も会議しましたし。そこでちょっと似ているなと思ったのは、毎年開催しているライブのブッキングなんですよね。似ているというか、まったく同じですね。全体の尺が決まっていて、枠が決まっていて、そのなかでメディアとしてその年のトレンドも意識しつつ、全体のブッキングの意志を明確に出したいというのがあって。それでもこの人もいいあの人もいいってなって、やっぱり泣く泣くオファーしないっていうのはたくさんある。なので『リスアニ!MIX』の選曲もすごく難しい作業なんだというのを痛感しています。これを和さんは何十枚も作っていると思うと「すげえな」って人事のように思っちゃう(笑)。

――ある意味普段の作業と共通するところは多いと。

馬嶋 あと、これってやっぱり雑誌の編集とも似ているんですよね。そういう意味でも普段の仕事にも通じるところはあったし、そのぶん改めてメディアって大変だなって責任感が出るというか。

――現在は選曲真っ最中というところで、誰のどの曲が収録されるかは現時点ではまったくわからないのですが(笑)、選曲したあとの曲順などの構成についてはどのように進めていくのですか?

 例えばライブだったらこれで始まるという曲があって、アンコールにはみんなで歌える曲という絞り方ってあるじゃないですか。まさにそれと同じなんですけど、今回リスアニ!さんの名前が冠についた『リスアニ!MIX』という作品の1曲目やラストというのは、それと同じくらい意味合いがないと絶対にいけないなって思っています。リスアニ!さんならではの流れとか、そういうのを考えなきゃいけないなというのが今回のポイントかなと思います。

――例えばクラブでのプレイだとBPMが近いものなどで繋いでいくことが多いですが、こうした企画だと必ずしもそうはいかないですよね。昨年の『平成アニソン大賞』もそうですが、BPMに応じて選曲しているわけではないというか。

 『平成アニソン大賞』も、最初に100曲決めようという企画があって、それをCD化しようという流れを踏んでいるんですね。あれを100曲そのままCDにできたらいいんですけど、そこから収録時間内に収めたのがあのCDなんです。で、基本的にDJをやるうえで曲のBPM、曲のテンポってすごく大事な要素なんですけど、それが『平成アニソン大賞』では曲を挙げる段階では一切考慮されないから、まあバラバラなんですよね。平成に生まれたアニソンというだけでジャンルもロックやテクノ、ピアノだけのバラードとかもあるし、そういうあまりにもバラバラすぎる曲を繋ぐのって……「もうやるしかない」って感じなんですよ(笑)。

――やるしかない!(笑)。

 難しいって言っている暇はないというか、決めたらやるという。

――“リスアニ!として意味のある選曲”となる今回もそれに近い形になると。

 それはあると思います。でもCDを作るときの繋ぎ方と、クラブでプレイするときの繋ぎ方って全然違うんですよ。スタイルを変えているというか、完全に別ものだと思っています。クラブでやるようなことは現場で聴けばいいじゃんというのがあって。

馬嶋 ああ、なるほど。

 クラブでのプレイは常にリズムが後ろにあって、ほぼリズムで繋いでいくと思うんですけど、こういうCDで聴く場合の繋ぎって、何か作業をしたりとか移動中だったり、常に何かしながら聴くと思うんですよね。こういうCDを正座してずっと聴いている人ってあまりいないと思うし、やっぱり移動中が多いのかなと分析しています。僕も音楽をいちばん聴くのが移動中だし、そこでリズムが常に一定で、それが30分とか1時間ある必要はないと思うんですよ。やっぱり1枚の中で緩急は欲しいし、だとしたら曲やアニメ作品のテーマとかで数珠繋ぎしたり、BPM以外の繋ぎ方を考えられたら面白いなって感じでいつも曲順を考えています。

馬嶋 こだわりのポイントとしては1曲1曲にリスアニ!としての思い入れがあるということですよね。それをキーワードにしていたから、そりゃ選曲もなかなか決まんないよっていう話で(笑)。

――どの曲を聞いても、リスアニ!の10年の歴史が見えるような選曲、そして構成になっているというわけですね。

馬嶋 前後の繋ぎとかBPMとかからも選んでないからね。

 そこは強く言っておきたいですね。

馬嶋 1曲1曲がリスアニ!との思い出を語れるかという点で選んでいるので、あとはそれを使わせていただけるのかどうかという話です。

――そんなCDが秋に出るということですが、その頃にはこの制作秘話が話せるイベントなどを開催できるといいですよね。

馬嶋 この状況が好転してきたら、必ずやりたいですよね。この前アーティストやメーカーの方々に渡す企画書にも書かせてもらったんだけど、このCDを聴いてリスアニ!の「歩み」と「繋がり」を、聴く人たちにも感じとってもらいたいなと思っています。そこからもう一度繋がるとしたらイベントとして、リアルで繋がるのが最高だし、そもそもそういうマインドを持っているシーンだから、そこに向けて進めていけたらいいなと思います。

第2回目に続く……

INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一


●リリース情報
『リスアニ!MIX by DJ和 ~10th Aniversary Selection』
今秋発売予定
品番:AICL-3928
価格:¥2,400+税
収録楽曲:順次公開予定

続報は本連載にて随時更新!どうぞお楽しみに!!

●本誌掲載情報
最新号「リスアニ!Vol.41」にて特集掲載!
「リスアニ!×DJ和 MIX CD制作決定大会議」

本日7月16日(木)発売の最新号「リスアニ!Vol.41」にてこのインタビューのロングバージョンを掲載!
詳しくはこちら

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