2019年10月に田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN、THE KEBABS、Q-MHz)× 田中秀和(MONACA)コンビによるシングル「はじめてのかくめい!」でポニーキャニオンよりデビュー、今年4月には田淵プロデュースによるミニアルバム『DREAMY-LOGUE』を発表し、大きな注目を集める8人組声優ユニット、DIALOGUE+。フットワークの軽さも魅力の彼女たちは、コロナ禍の影響で活動が制限されるなか、早くも新曲「あたりまえだから」をリモート制作し、ツイッターで公開して多くの反響を呼んだ。
その話題曲「あたりまえだから」が新たにフルサイズバージョンで制作され、6月17日にきゃにめ&配信限定でリリース。さらに6月20日には、当初予定していた1stワンマンライブに代わり、全世界配信ライブ“ぼくたちのかくめい!オンライン”を実施する。この社会情勢において、新人の彼女たちがアクティブな活動を展開する意味、そしてエンターテイメント業界の未来に向けて提案する可能性とは?ポニーキャニオンの野島鉄平プロデューサーと、彼女たちの音楽プロデューサーを務める田淵智也の両名に話を聞いた。
――まず今回の新曲「あたりまえだから」が制作された経緯についてお話いただけますでしょうか。自分の印象では、コロナ以降の状況を踏まえて生まれた楽曲と感じたのですが。
野島鉄平 元々、こういった状況の中でも、応援してくれるファンの皆様の為にユニットとして活動していたいという気持ちがあるなかで、思いつきではあったのですが、ミニアルバム発売前日の4月7日にDIALOGUE+の公式ツイッターで、ファンの皆さんの質問にスタッフと田淵さんが答えるという企画を行いました。そういった流れからオンラインでなにかできないかということで、楽曲を制作することになりました。
田淵智也 ツイッター企画に参加するなかで、そのときのやり取りだとか、メンバーの子も参加してくれているのを見て、変な表現ですけど、ポッと曲が出てきたんですよ。それを、いま彼女たちが歌っているものでもいいし、当時は6月のワンマンライブも引き続き開催する方向で動いていたので、そのライブで歌えるものとしても両立できるような曲に仕上げて、野島さんに「こんなの作ってみました」ってデモを送ったのがきっかけです。それが4月8日の(『DREAMY−LOGUE』の)発売日だったんですけど、その頃は「家から出るな」っていう状況だったので、リモート制作でできるところまで作ってみようという話になって。それからメンバーに話がいき、広川(恵一/「あたりまえだから」の編曲を担当)くんやバンドメンバーにもご快諾いただいて、という流れでした。
――田淵さんは「ポッと曲が出てきた」ということですが、何か具体的な足掛かりみたいなものはありましたか?
田淵 まず、彼女たちの「頑張る対象」を作らないといけないと思ったんですよね。この状態の中で何か取り組むことがないとやる気がなくなっていく可能性はあるし、それに気付けるかどうかで踏ん張れるかが決まるだろうな、っていうことを自分の肌感覚でも思ったところがあって。一方で彼女たちの話として想定したときに、4月8日に満を持してミニアルバムを出して、ファンの人たちもすごく楽しみにしてくれていたのに、そこに対して「頑張る対象」を見失わせてしまうのが、僕的に嫌だなというのがあったし、彼女たちが自分で率先して考えてことを動かすみたいなことはまだ不慣れだと思ったので、僕ら周りの大人がやることを提案するのは悪いことではないなと思って。だから、彼女たちのやる気がなくなっていくことを食い止めるため、というのはちょっとありました。
野島 ちょうど発売日のタイミングでCDの販売店さんがお休みになったり、5月に予定していたライブイベント“DIALOGUE+JAM Vol.2”も中止になってしまって、僕的にもこれからというタイミングで何もできないじゃないかと……相当へこみましたし、多分メンバーもファンの方もへこんでいる時期だったと思うんです。ただ、この状況の中でも毎日何かしらの動きを見せることがアーティストにとって重要だと考えていて。それでツイッター企画からまずはスタートしたのですが、それをきっかけに田淵さんから曲をいただけたのはありがたかったですね。
――「あたりまえだから」の歌詞には、再会を願う気持ちが強く感じられますが、田淵さんはこの曲を通じて、メンバーにどんなことを歌ってほしかったのですか?
田淵 〈必ずまた会えるんだ〉ということを、彼女たちに口にしてほしかったというのはありましたね。例えば、イベントの予定がどんどん飛ぶことで目の前にあった楽しみがなくなっていって、ユニット活動へのモチベーションが下がってしまうかもしれない状況で、ちゃんと口に出して自分たちに信じさせることが大切だと思っていて。僕は当時から、ライブはこの先1~2年できなくなってもおかしくないと思っていましたけど、もしそうなっても楽しんで生きていれば必ずワクワクは続くし、きっと会いに行くやり方もほかにいくつもアイデアは出てくるはずなんですよ。彼女たちがしっかり〈また会えるんだ〉と口に出して歌うことで、本人たちもそう思ってくれるだろうし、ファンにとっても未来に生きていく励みになると思ったので、そこは声に出してもらいたかったですね。
――歌詞に“また笑って会えることだって 君の目を見て歌うことだって 楽しんで生きていくことだって 当たり前だから大丈夫”とありますけど、当たり前のことが当たり前ではなくなった今の状況の中で、このフレーズはメンバーにとってもファンにとってもとても心強いだろうなと思って。
田淵 僕はスーパーポジティブ人間だから、どんな状況でもワクワクすることはできるって思えるところがあって。変な話になりますけど、ノストラダムスとか地球温暖化が話題になったとき、東日本大震災のときに、毎日暗く考えていようが結局どうにかなるっていう自分の中の経験則があって。今回のように社会の形が変わったとしてもワクワクは作れるし、なるようになるっていう。結局ネガティブに考えてもプラスにはならなくて、そのぶん、地球温暖化について調べたりすると、世の中の理が何となくわかってきて、「じゃあ自分がとるべき態度は?」っていうのを今まで繰り返してきたので。だから今回に関しても、ウイルスのことはとりあえず勉強したから、こういう対策と心構えで行けば面白いアイデアは出てくるんだろうな、っていう心の余裕は僕的にはあったんですけど、もちろんそうじゃない人もいると思っていて。
――不安やストレスを感じている人も多いと思います。
田淵 でも、「これいつまで続くんだろう」って考えてるくらいなら、どうにかなるし、どうにかしかならないんだから、前向きに生きようっていうのがあるんですよ。その自分の経験則をメンバーが声に出して歌うことで、メンバーに符合するところがあれば意味のある歌になると思ったので、こういう曲を歌うことに関してメンバーにもちゃんと意向は聞きました。本人たちが頑張ると言ってくれたので「責任をもってこの歌を歌おう」っていう覚悟が作れたんじゃないかなと思います。ある種、8人が示すべき方向がみんなの間で奇しくも少しすり合ったというか、この時期だからこそ結びつく絆もあったと思うので、そこに関しては諦めずに話しにいってよかったなと思いますね。
――メンバーはこの曲への取り組みに対して、どのような反応をされていましたか?
野島 この曲の制作中は一回もリアルで会っていなくて、オンラインミーティングで話を進めました。まず最初にメンバー全員と田淵さんにも参加していただいて打ち合わせをして、その後にメンバーそれぞれ一人ずつ、本人とマネージャーさんと僕と田淵さんで今後についての話をしたんです。不安そうな子もいたし、普段と変わらない子もいましたけど、やっぱり何か動きがあることに対してはみんな嬉しそうでしたね。田淵さんからの提案で、毎週宿題を出していたんですよ。自宅で録った歌を提出してもらったり、ダンスも振り付けの沢口かなみさんに家で踊れるものを見てもらって。そうやってこの状況を乗り越えていた感じはありました。
田淵 自分が面談でメンバーに今一度聞きたかったのは、もしこの状況を受けてやる気がなくなってきていることがあれば、正直に言ってもらいたいということで。今までは普通にレコーディングして、リリースして、イベントにいっぱい人が来てくれていたけど、そこにユニット活動の楽しさを見出していたのだとすれば、今後それが当たり前じゃなくなるし、できなくなる可能性もあるということを最初に伝えて。ただ、僕や野島さんはどんな状況でもワクワクごとを考える才能が充分あるので、そこは安心して任せてほしいし、どんな状況でも君らはファンのことを考えろと。そしたら、8人ともファンのために何かをしたいということだったので、みんな素直でいいなと思いましたね。僕としても少し意地悪な質問をしたつもりだったので、多少圧迫面接みたいになっちゃったけど(笑)、みんなYESと答えてくれたのは嬉しかったです。
――今回の楽曲は、まず田淵さん制作のデモ音源が4月12日に公式ツイッターで公開され、その後、飯塚麻結さんと村上まなつさん歌唱による〈Ver2.0〉、そのお二方に緒方佑奈さんが加わって振り付けも初公開された〈Ver2.5〉、広川さんのアレンジ音源に内山悠里菜さん、稗田寧々さんが歌った〈Ver3.0〉、守屋亨香さん、鷹村彩花さん、宮原颯希さんによる〈Ver3.5〉、バンドメンバーによる演奏に8人全員の歌が乗った〈Ver4.0〉と、制作過程に合わせて様々なバージョンが段階的に発表されました。
野島 本来なら完成したものだけを公開しますけど、せっかくなら宣伝的な意味も踏まえて段階的なバージョンで見せていきたいなと。基本的に週一で更新していきたいなと考えていたので、イベントが飛んだりしてファンの楽しみが減ったなか、毎週バージョンアップしていくことで、次どうなるのかな?っていう楽しみを提供したかったんです。そもそも田淵さんのガイドメロ入りデモ音源は、おそらくこれまで一回も世に出たことはなかったのですが、それも含めて田淵さんに相談して、ご快諾いただきました。
――DIALOGUE+らしいアクティブな試みだったと思います。ツイッターに公開されたバージョンはすべてリモートで制作されたとのことですが、実際に作業していかがでしたか?
田淵 (リモートによる新曲の制作は)ほかにもいろんな人たちがやっていたし、プロジェクトのドラマ性という意味では、でんぱ組.incとかのほうが華やかですけど、僕的には、広川くんであれ、バンドメンバーの人たちであれ、連絡をしたら二つ返事で協力してくれたのが嬉しかったですね。やっぱりみんな音楽でワクワクしたい人たちだなと思ったし、僕はいい人たちと付き合ってきたんだなっていうのは感じましたね。
野島 DIALOGUE+は活動のスピード感を大事にしていて。普通の声優さんのユニットの場合、これだけのスピード感で動画を撮ってもらうことは難しいんですよ。でも、DIALOGUE+はメンバーの所属事務所がバラバラであるにも関わらず、どの事務所さんも本当に協力的で、すごいスピード感で対応してくださりました。メンバーが同じ事務所のアイドルのスピード感には追い付けないかもしれませんが、声優アーティスト業界においては基本的に難しいことができたと思いますね。動画も簡単に上げてるように見えますけど、実は舞台裏は結構大変で、ダンスの映像を撮るにしても、今までならみんなで集まって5分で撮れたのが、リモートだと何時間もかかってしまうんですよ。タイミングがずれていると撮り直してもらわなくちゃいけなかったり。ただ、改めてミニアルバムまで楽しく活動してこれたので、こういった状況でも皆さんが楽しさに乗っかってくださって、スタッフ全体が同じ方向を向いていることを感じられたので、その意味ではリモート制作をやってみて良かったなと思います。
――アイドルのスピード感にはかなわないということですが、配信やオンラインという形だけでなく、CDシングルを6月17日にリリースするという意味では、他にあまり例のない速さだと思います。田淵さんが楽曲のデモを作ったところから考えても、2か月ちょっとじゃないですか。
野島 社内では怒られましたけどね(笑)。会社にはGW明けの、ファンに情報解禁するのと同じタイミングくらいに言いまして。正直厳しかったですけど、社内でも何かエンタメを発信しなくてはいけないというのがあったので、全工程に関わる皆さんが協力してくださりました。本来は1か月ちょっとでCDを作るなんて、絶対断られるスケジュールなんですよ。エンタメに関わる皆さんの何かしたいという気持ちがあったから、実現できたんだと思います。
――しかもCDには、メンバーのうち二人によるペア歌唱版が全組み合わせ分、計28バージョン収録されるとか。
野島 ツイッターで公開した〈Ver2.0〉が思いのほか反響が良かったので、田淵さんと「二人バージョンも収録しましょうか」という話になったのですが、そこで田淵さんから全パターンを収録するアイデアが出てきまして。
田淵 最初は、ファンが組み合わせを選んで「あなただけのCDを作ります」っていうのをやると、買う側も楽しいかなと思ったんですよね。ただ、それはエネルギー的に難しそうという話だったので、じゃあ全部入れようって。
野島 それときゃにめの通販限定で1曲だけを収録するよりは、面白いことをしたいというのもあったので。聴いてみると組み合わせによって全然違いますし、マスタリングエンジニアの多田さんにも「毎回発見があって面白い」と言っていただけて。ただ、TDのエンジニアさんの藤浪さんと多田さんには、本当に申し訳なかったです。歌う人が変わるので、結局全部のバージョンのバランスを見てもらったんです。しかもレコーディングが終わって2日後くらいにはTDしてマスタリングというスケジュールだったので……。
田淵 「こうするとファンが喜ぶんですよ」っていう魔法の言葉があるんですよ。みんないい人だからそれを言われると断れないっていうのもあるかも(笑)。
野島 あと、そもそもCDをリリースしようと思ったきっかけの一つに、オンラインラサイン会をやりたいというのもありました。オンラインでできることをいろいろ考えるなかで、オンラインライブもそうですが、オンラインサイン会も以前から調べてやってみたいと思っていたんです。ツイッターとかに写真をアップするのもそうですが、ファンの皆さんとメンバーとの接点というか、生で動いている彼女たちを見られる機会を作りたくて。それもあって急遽CDをリリースすることにしたんです。
――今オンラインライブの話も出ましたが、DIALOGUE+は6月20日に全世界配信ライブ“ぼくたちのかくめい!オンライン”を、電子チケット販売プラットフォーム「ZAIKO」で有料配信することが決定しています。こちらの取り組みについてもお話を聞かせてください。
野島 この日は元々1stライブを予定していたのですが、それが延期してどうなるかわからない状況のなか、でも間違いなくいいライブになりそうだから、どんな形であれ早く届けたいという気持ちがすごくあったので、オンラインライブをやることにしました。多分アニメ声優業界的には動きが早いと思うのですが、僕としては変な話、ほかのユニットや声優さんにも「ライブの生配信をやりましょう」と思ってほしいな、というのがあるんですね。
――少し話が逸れますが、野島さんが担当されているアーティストでは、三森すずこさんがアコースティック配信ライブ“夕焼けのカーテン”を6月14日に実施、内田真礼さんもフルバンドによる生配信ライブ“Hello, ONLINE contact!”を7月5日に開催する予定です。野島さんはオンラインライブにどのような可能性を見出していますか?
野島 道しるべというとおこがましいのですが、僕の中ではある種、実験というところがあります。三森さんも内田さんも「ファンの皆さんのために何かしたい」ということを日頃言っていて、オンラインライブという可能性をご提案したら、ぜひやりたいと言ってくれました。僕は表現者の皆さんが表現する場所を奪われているなかで、その「何かしたい」という気持ちを大事にしたいんです。それにちゃんと対応していくことで、業界全体が配信ライブというやり方でもOKという流れになれば面白いし、それが収益化できれば、いろんな方が続いてくれると思うので。なので今回、(DIALOGUE+、三森すずこ、内田真礼の)チケット代をみんな一緒にしていて、お試しとして3,500円という金額にしました。今までネットライブにお金を払う感覚は、自分も含めてあまりなかったと思うんですけど、ちゃんとそれだけのものは作るし、アーティストの皆さんもそれだけのパフォーマンスを絶対するので、ちゃんと有料にしようと。これはたまたまですが、1か月近くの期間で3回、ポニーキャニオンとしてオンラインライブをやることで、ほかのメーカーさんも「なんかやらないとまずくない?」となれば、アニソン業界やファン的にも楽しくなると思うし、そういう流れが作れたらいいなと思います。
――田淵さんも、UNISON SQUARE GARDENの有料生配信ライブ“USG 2020 “LIVE (in the) HOUSE””を7月15日に控えるなど、オンラインライブという取り組みについて自分なりの考えをお持ちだと思うのですが、いかがですか?
田淵 僕は3月の時点でオンラインライブに移行すべきということと、それはしっかりお金を取るべきだということを言っていて。3月は無料配信合戦みたいになってましたけど、僕的にはナンバーガールがクオリティ的に段違いだったこともあって時期的にもピークだったかなと。それ以降は次の世の中に向けて、経済を回すというよりは、オンラインライブという楽しみ方もあるということを、アーティスト側もユーザー側もわかって、一つの共犯関係みたいなものを作って、社会をアップデートするべきだと思っていて。
――オンラインライブに対する価値観を更新すると言いますか。
田淵 僕は無観客でやるオンラインライブが、エンタメが退化したものだとは思っていなくて、いいこともたくさんあるはずなんですよ。今まで地方に住んでいて、東京でしかやらないライブのために高い交通費を払っていた人が、家でお酒を飲みながらライブを観られるっていうことだったり、そういう楽しさを今から共通認識として作っていくことのほうがワクワクしませんか?っていうのを伝えたいと思っていて。元々“DIALOGUE+JAM Vol.2”も配信でやろうという動きがあったぐらいで、アーティスト側に関しても、お客さんがいなくてもライブで音楽を楽しむことは全然できると思っていたので、メンバーにも早いうちにその感覚を掴んでほしかったんですよ。そこに対してお金を払うという仕様にして、お金を払ってもらっただけのクオリティをちゃんとみんなで作るってこと。そうすることで社会に新しい共通認識ができるんだったら、僕は単純にエンタメが進歩したことになると思うし、もし世の中が好転してお客さんを入れてライブができるようになったとしても、配信との2ウェイでやるべきだと思っていて。
――なるほど。ライブの楽しみ方の選択肢が増えるわけですね。
田淵 ちょうどこういう世の中になる前に、カラオケ店でライブビューイングをやっているのを知って、それがすごくいいなあと思って。カラオケ店の音響施設を使って、友達3~4人と飲みながらライブが観れるって、すごい時代が来たなっていう。会場に集まって楽しむことがすべてのエンタメにとっての正解でもないということを、エンタメ側が早めに示したほうがいいと思っていて。生の音に勝てないといったことは当然あるかもしれないけど、例えばホームシアター作りにせよ5.1chサラウンドヘッドホンができたり、今後も技術によってアップデートしていくものが出てくると思うので、オンラインライブに関しては、やらないよりやったほうがいいし、それがインフラになったほうがいいし、そこにお客さんが楽しんでお金を払う感覚、金を払った分だけ価値があった、いいもん観た!ってなるような世の中作りを、こちら側がちゃんと仕掛けていかないと。社会情勢に引っ張られて引き算で物事を考えるよりは、自分たち発信で楽しめることを提案していかないといけないし、そういうワクワクを作っていくのが音楽の役目だったんじゃないですか?っていうのを一度問いたいというのがあって。僕的にはこれが当たり前になったらいいなと思ってます。
――今の状況も、音楽やエンターテイメントが進歩するきっかけにできるかもしれないと。
田淵 あと、配信のデメリットとしては音環境をしっかりしないと、歌とか演奏が結構クリアに聴こえるので、下手だとすぐばれちゃう。そこはもちろんDIALOGUE+の子たちには頑張ってほしいところで、ちゃんと練習して少しでも成長していかなくちゃいけないし、UNISONとかのロックバンドとかにしても演奏が上手くないとオンライン配信に耐えられない。それってライブハウスでは昔からあったことで、演奏が上手じゃないとお客さんが付いてこないっていうことが、オンラインだとさらに素っ裸になったみたいなところがあったりするので、それによって発信側の基準も上がっていくことを、僕は期待しています。
――そう考えると、オンラインならではのやり方を考えることで、いろんな新しい可能性が生まれていきそうですね。
田淵 今回のチケットを販売しているZAIKOさんは、今プラットフォームみたいになっていて、あのサイトに行けば今週は何やってるのかをチェックできるし、そこをサーフィンしてライブのチケットを買うっていうのもいいなっていう。それこそオンラインライブのキュレーションサイトみたいな感じで、「今週はこういうライブありますよ」っていうプロモーションをすることで、世の中の人たちが「なんか今流行ってるみたいだから見てみよう」っていうふうにチューニングされていくと思うし、ライブのクオリティだけじゃなく、ユーザーが買いやすいようにインフラを整えたり、こういうライブいいじゃんって思わせるようなアジテートが必要だと思っていて。それは業界全体が急ピッチでやったほうがいいと思うし、そうすることで今あるものより更に進化した新しいエンタメの形が出てくるんじゃないかと思います。
野島 ZAIKOさんはチケット購入者のデータを見ることができるのですが、今のところDIALOGUE+のチケット購入者のうち、東京の人は11%で、90%近くの人が海外を含めたいろんな地域から購入されているんですね。そういう意味では、今後は東京公演とオンライン公演がダブルスタンダードになると面白いし、オンラインライブはアーカイブもあるので、試しに観てみるっていう楽しみ方も増えると思います。海外でチケットが売れるとは正直思ってなかったので、そういう出会いが面白いですし、今まで応援してくれていたけどライブを観にこられなかった人がものすごく喜んでくれていたり、オンラインライブが広がることで世界が一つになっていくのを感じますね。
――DIALOGUE+の可能性もますます広がっていきそうですね。オンラインライブ以降には、当初6月に予定していた1stライブ“ぼくたちのかくめい!”の振替公演が、9月19日に開催決定していますが、この先どんなワクワクを提案していきたいですか?
野島 今後に関しては、田淵さんと毎日のように連絡を取り合っていて、相当先々まで計画を練っています。とにかくより楽しい形で活動を続けていきますし、新しい曲もたくさんできるんじゃないかな?っていう動きをしています。逆に自粛期間中、いちばん曲を作っていたのが田淵さんなんじゃないかと思うぐらいで(笑)。メンバーもすごく頑張っていますし、田淵さんもそれに感化されて、いろんな取り組みとか仕掛けを考えてくれているので、僕的には“ぼくたちのかくめい!オンライン”もまだ一歩目だと思っています。初めてのライブ、せっかくの最初の一歩なので、いろんな人に見てもらいたいですし、このインタビューで興味を持たれた方は、とりあえずYouTubeにMVがフルで上がっているので、それを観ていただければと思います。先々まで保証されているユニットなので、ぜひこのプロジェクトに乗っかってくれるとうれしいですし、すでに乗っかってくれている人たちは、間違いなく楽しめるので、安心して乗っかってください。
田淵 4月のタイミングでメンバーに「こういう世の中だけど、それでもファンのために一生懸命頑張れる?」という話をしたときに、8人ともやりますと言ってくれたことが、僕の心的にも追い風になって救われたところがあって。野島さんがおっしゃったように、元々ぼんやりさせていた計画を、この自粛期間をいいことに一気に進めたこともあって、社会情勢がどうなろうとプランB・プランCで進められるように脳内でシミュレーションして動いているので、少なくとも僕たちやDIALOGUE+の子たちはワクワクしたまま進んでいけるぞ、というのは楽しみにしていただければと思っています。あと、今回のオンラインライブでうっかり良いのが、カメラワークが寄りで振り付けを撮れることで。今、ダンスの振り付けを映像で見させてもらってるんですけど、「これ全部やるの?」っていうくらいハードなことをやってるので、一回目のライブでここまで振り付け全部やって歌ってっていうのを成し遂げようとしているのは、本人たちにも自信になるんじゃないかと思っていて。それをいい感じのカメラワークで見せられるわけで、これだけ歌と踊りを頑張れるユニットがいるということが、ユーザーの人に伝わるいいブーストになるかなと思うので、これを機にちょっとでも「音源聴いてみようかな」とか「ライブやってるんだったら家で見てみようかな」ってなったらうれしいなと思っています。すでに1年後くらいまで割と綿密に決まってるので、楽しみにしてください、という感じですね。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
【きゃにめ盤】
価格:¥1,818+税
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<収録内容>
1. あたりまえだから
作詞・作曲:田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)編曲:広川恵一
2. あたりまえだから(Instrumental)
3. あたりまえだから(Short size 内山悠里菜&稗田寧々)
4. あたりまえだから(Short size 内山悠里菜&守屋亨香)
5. あたりまえだから(Short size 内山悠里菜&緒方佑奈)
6. あたりまえだから(Short size 内山悠里菜&鷹村彩花)
7. あたりまえだから(Short size 内山悠里菜&宮原颯希)
8. あたりまえだから(Short size 内山悠里菜&飯塚麻結)
9. あたりまえだから(Short size 内山悠里菜&村上まなつ)
10. あたりまえだから(Short size 稗田寧々&守屋亨香)
11. あたりまえだから(Short size 稗田寧々&緒方佑奈)
12. あたりまえだから(Short size 稗田寧々&鷹村彩花)
13. あたりまえだから(Short size 稗田寧々&宮原颯希)
14. あたりまえだから(Short size 稗田寧々&飯塚麻結)
15. あたりまえだから(Short size 稗田寧々&村上まなつ)
16. あたりまえだから(Short size 守屋亨香&緒方佑奈)
17. あたりまえだから(Short size 守屋亨香&鷹村彩花)
18. あたりまえだから(Short size 守屋亨香&宮原颯希)
19. あたりまえだから(Short size 守屋亨香&飯塚麻結)
20. あたりまえだから(Short size 守屋亨香&村上まなつ)
21. あたりまえだから(Short size 緒方佑奈&鷹村彩花)
22. あたりまえだから(Short size 緒方佑奈&宮原颯希)
23. あたりまえだから(Short size 緒方佑奈&飯塚麻結)
24. あたりまえだから(Short size 緒方佑奈&村上まなつ)
25. あたりまえだから(Short size 鷹村彩花&宮原颯希)
26. あたりまえだから(Short size 鷹村彩花&飯塚麻結)
27. あたりまえだから(Short size 鷹村彩花&村上まなつ)
28. あたりまえだから(Short size 宮原颯希&飯塚麻結)
29. あたりまえだから(Short size 宮原颯希&村上まなつ)
30. あたりまえだから(Short size 飯塚麻結&村上まなつ)
配信シングルは、フルサイズ、インストのみの2曲収録
リミスタにてオンラインサイン会開催決定!
※全日程完売いたしました。
開催日程: ※全日程19時から開始予定
6月24日(水) 内山悠里菜
6月25日(木) 緒方佑奈
6月29日(月) 飯塚麻結
7月 1日(水) 鷹村彩花
7月 2日(木) 稗田寧々
7月 6日(月) 守屋亨香
7月 8日(水) 村上まなつ
7月12日(日) 宮原颯希
リミスタ公式サイトはこちら
●ライブ情報
全世界配信ライブ
「ぼくたちのかくめい!オンライン」
6月20日(土)
プラットフォーム:ZAIKO
イベント詳細はこちら
開演時間・チケット価格
1.ライブ本編(生配信) 17:00~ ¥3,500(税込)
2.キャスト打ち上げ生放送 19:00~ ¥1,000(税込)
3.スタッフ打ち上げ二次会生放送 20:30~ ¥1,000(税込)
出演
DIALOGUE+
内山悠里菜、稗田寧々、守屋亨香、緒方佑奈、鷹村彩花、宮原颯希、飯塚麻結、村上まなつ
Guitar:新井弘毅
Bass / Band Master:黒須克彦
Keyboards:今井 隼
Drums:鈴木浩之
Manipulator:篠崎恭一
DIALOGUE+ 1st LIVE「ぼくたちのかくめい!」
9月19日(土) ※開催が6月20日(土)より延期となりました。
昼夜2部制/会場開演時間未定
会場:なかのZERO 大ホール
料金:全席指定 6,050円(税込)
出演
DIALOGUE+
内山悠里菜、稗田寧々、守屋亨香、緒方佑奈、鷹村彩花、宮原颯希、飯塚麻結、村上まなつ
チケット申し込み受付期間延長
申込受付期間 8/2(日) 23:59まで
抽選結果発表 8/7(金) 19:00以降
支払手続期間 8/7(金) 19:00 ~ 8/17(月) 23:59
〔枚数制限〕シリアルナンバー1つにつき 各公演1枚
〔支払方法〕クレジットカード・コンビニ決済
〔発券方法〕配送(送料全国一律 税込550円)
※開場・開演時間および出演者は変更となる場合がございます。
※申込多数の場合は抽選となります。
※未就学児童入場不可
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