東海エリア出身・在住の9人のメンバーで結成されたBOYS AND MEN。2019年1月に念願だった名古屋ドームでの単独ライブを成功させ、波に乗る彼ら。2018年にアニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」のオープニング曲「進化理論」を歌い、新幹線好きの子供たちをはじめ、アニメファンにもその名を浸透させてきたボイメンが、長きに渡ってタッグを組シンカリオンと改めて手を組む。現在公開中の『劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』の主題歌となる「ガッタンゴットンGO!」は今やシンカリオンの顔とも呼べる「進化理論」とは違った彼らを感じさせる1曲。そんな楽曲について話を聞いた。
――2018年4月クールからアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』のオープニング曲「進化理論」を歌ってきたBOYS AND MENの皆さん。今やこのアニメの顔と言っても過言ではないほどにシンクロした一曲でしたが、シンカリオンとの付き合いも長くなってきましたね。
水野 勝 まさかこんなに長く使っていただけるとは思っていなかったです。
吉原雅斗 『新幹線変形ロボ シンカリオン』のおかげで、これまでボイメンを知らなかった方たちにもめちゃくちゃ僕らの歌声が浸透したことを感じました。
――そして今回は劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来から来た神速のALFA-X』の主題歌「ガッタンゴットンGO!」を歌われます。改めてここまで寄り添ってきた『新幹線変形ロボシンカリオン』の魅力を教えてください。
平松賢人 めっちゃリアルなんですよね。車内描写とか新幹線の描写が。電車が好きな子供たちにとってはすごくそれが楽しいと思いますし、駅とかにしても大人だったら行ったことのある場所が出てきたりもして楽しんでくださっているんですね。よく反応であるのが、電車好きな方たちの「そこを描くんだ!?」という驚きの声。それくらい、胸が熱くなる展開がこの『シンカリオン』の魅力だと思います。
本田 それこそさっき話していたような、グランクラスに置いてある雑誌に至るまで細かく描写をしていたりするんですね。鉄オタの人も納得な表現になっていると思います。
水野 それと新幹線が変身するところですよね。ロボットは男が大好きなモチーフですし、主題歌をやっていることもあってこのアニメはずっと見ているんですが、やっぱり新幹線が変形するっていうのは夢があるし、楽しいんですよね。シンカリオンを自分たちで組み立てる、という番組の企画があったんですが、高まりましたね。見たことのある、乗ったことのあるものが変身するという着眼点も面白いなと思います。
吉原 必殺技が電車にまつわるネーミングになっているんですが、「超フミキリシュリケン」とか「カイセイサンダー」とか「グランクロス」にも「ミカワアンジョウ・グランクロス」とか「オオマガリ・グランクロス」があって、絶妙なポップさのあるその名前がいいなぁって思うんです。武器でも「カイサツソード」とかあって。関連付けているだけにすごく覚えやすいんです。それがすごくいい視点だなって思うんです。僕自身、幼い頃からロボットアニメが好きだったので、くすぐられます。
本田 メカデザインが秀逸だけど、改札感とかがすごく親近感あるんだよね。
吉原 そうそうそう。
辻本達規 あとこの作品は声優の皆さんがすごく豪華ですし、電車とロボットだけではなく制作するスタッフの皆さんや声優さんも強力タッグが組まれているので、子供のみならず大人も見ていて楽しめるようになっているのが魅力ですね。
田村侑久 ストーリーもしっかり作られていますからね。もうひとつ言っておきたいのは、今回の映画では僕の友だちである辻本達規が出演しているので、そこも楽しんでもらいたいです。
――その劇場版の主題歌の「ガッタンゴットンGO!」ですが、劇場版主題歌を歌うことが決まったときのお気持ちを教えてください。
辻本 アニメのオープニングも普通は長くても半年くらいだと思うんですけど、その後も評判の良さから1年半くらいやらせてもらっていたこともあって、僕らとしても『新幹線変形ロボシンカリオン』への愛情は深まっていたんです。だから劇場版の制作が決まった、というお話を耳にしたときにも「絶対に劇場版の主題歌も歌いたい」って思っていたんですね。それもあって決まったときにはメンバー全員ですごく喜びました。
平松 アニメの制作陣も僕らが作品を愛しているのと同じように、僕らの歌を大事にしてくれていたんだな、ということを感じられました。
――映画の曲というと、やはりTVシリーズのオープニング曲とは少し違う雰囲気になっていますね。実際に楽曲を聴いて、どのような印象がありましたか?
田村 子供向けアニメではありますから、「進化理論」のような、キャッチーな歌詞で躍動していくような楽曲になるのかな、と思っていたんですが、最初にデモを聴いたときには意外性があって「これは面白いな」って感じました。映画となると最後の方に流れることも多いと思いますし、きっと作品を新鮮に彩っていくんだろうな、と思いました。それにスクリーンから流れる、というのもあって、レコーディングに向けての気合も入りました。
本田 「進化理論」はオープニングという前提で作られていますし、僕らもその意識で取り組んだんですが、映画となると物語の余韻となるように、最後に流れるので、そういう意味でも僕らとしてもメッセージの込め方も「進化理論」とは変わるな、と感じました。楽曲も今どきの表現をするならすごくエモさのある曲。もちろんそこにはボイメンの曲らしくキャッチーなフレーズ、「ガッタンゴットン」という言葉もあって、大人にも子供にも響くような、いい意味で幅広い世代に放つ曲だなって感じました。
――実際に歌ってみていかがでしたか?
平松 「進化理論」は子供向けに元気いっぱいに、という想いでレコーディングに臨んだんですが、本田くんも話してくれたように今回はエモさやメッセージ性がすごくある曲だったので、そのあたりの意味も捉えつつ、サビの「ガッタンゴットンGO!」の部分は元気いっぱいに歌って、それ以外の部分では魂に訴えかけるような、気持ちを乗せていくような歌唱になりました。
――劇場版の歌だからこそ、と意識したところはありましたか?
吉原 シンカリオンが2年間やってきたことで、主要キャラクターも成長しますし、ストーリーも進んで、色んなキャラクターも登場してきていて、絆を育んだり、出会っていったりというところを落とし込んで歌ってください、というディレクションがあったんです。劇場版ということでスケールも大きくなりますし、今まで「進化理論」を歌うときに意識していた“子供心”プラス成長を意識しながら歌いました。
――実際に出演もされる辻本さん。歌いつつお芝居もありますが、どのような想いがありますか?
辻本 最初の歌い出しを僕が歌わせていただくことになって。歌の入りとして、いい場面で流れるときに、物語の情景にマッチしていないといけないし、ここは大事な場所だ、とわかってもいたので、想いを込めました。歌詞的には切なさもありながら、それでも超えていかなきゃいけないんだ、という想いを出せるように歌いました。でも声優をやることは全く別物として考えていましたね。だからボイメンの辻本としての、作品への想いを込めた歌になっています。
――実際に映画のアフレコはいかがでしたか?
辻本 音響監督の三間雅文さんはアニメ界に於ける巨匠で。アニメを知っている方は誰もが「おお……!?」という反応をしてくださるんですが、僕はなにも知らずにスタジオに乗り込んで行ってしまったんです(笑)。ゲスト声優はさらっと録って終わり、ということも多いと思うんですが、三間さんは一言一句に対してこだわりを持って、納得いくまで何回でも撮り直してくださったんです。だからこそ僕自身も「もっとこうしてほしい」という三間さんの言葉にどこまで近づくことができるか、ということを経験もない中で考えながら必死に頑張ったので、すごくいい経験になりました。出来上がりについても、アフレコを見ていた方たちから、普段の僕とは全然違っていたとも聞いたので、完成したものを見るのが楽しみでした。
――そんな「ガッタンゴットンGO!」。完成したものを聴いて、どんなボイメンが息づいていると感じられましたか?
水野 「これからのボイメン」が詰まっているように感じました。今までいろんなことがあったんですが、それを経ながらたくさんの人に応援をしていただいてきた今の僕らが表現されていると感じます。大人にも刺さる歌詞なんですよね。僕ら自身にも語り掛けてくれるような歌詞の世界ですし、今までやってきたことを胸に未来へのレールの上に乗って走っていくんだ、という想いが込められていると思います。
――ご自身の中で「ここはグッときたな」と感じたのはどの部分でしたか?
水野 “伸びていく僕らの道のりは”というところはいちばんリンクしているな、と感じます。
――MVはどんなふうになりましたか?
本田 ストーリー性がある作品になっています。少年が新幹線の運転士を目指していて、そんな少年とボイメンが出会う、というような物語を軸に、さっき話にも出たリニア・鉄道館での撮影を敢行しました。歴代の新幹線の並ぶ中でダンスシーンを撮ったので、鉄道好き、新幹線好きの方にも熱い映像になっていると思います。僕らも新幹線の前で踊るのは滅多にない機会だと思いましたし、曲にマッチしたMVになっていると思います。
田村 振り付けもあるので、そこは皆さんに一緒にやってもらいたいですね。あの「ようかい体操第一」の振りをつけたラッキィ池田先生が振りつけをしてくださいましたし。
――はなわさんのカバーである「大阪府」をはじめとした2曲のカップリングも含め、バラエティに富んだこのシングルで2019年を締めくくった皆さんですが、この2019年はどんな年でしたか?
本田 名古屋ドームの単独ライブからスタートした年だったので、2019年を振り返る上で欠かせないですね。今はホールツアーやユニット分かれての活動、それにフェスにも出演したので、今年はボイメンというチームとしてたくさんのステージに立たせていただいた年になりました。初めて僕らを見る人たちに向けてどんなパフォーマンスをしたら刺さるんだろう、ということを悩んだりもした時間でしたが、たくさんの経験をさせていただいたことでボイメンのライブの形やパフォーマンスがいい意味で固まった時間でした。
田村 やっぱり結成当初からずっと夢として掲げてきた名古屋ドームでしたし、ステージに立ってペンライトの光を見た瞬間「やってきて良かった」と思いましたし、夢は諦めなければ必ず叶う、ということを体現できた幕開けだったので、充実した一年だったと思います。
――そのドームを経て多くのステージに立たれたということですが、手応えは変わってきましたか?
平松 名古屋ドームを機に初めてライブに来てくれた人たちもいたんです。あのライブはみんなに名古屋に来てもらったんですが、ツアーでは皆さんのところに会いに行くことが出来ているので、そこでファンの皆さんが喜んでくださっているのを感じて、改めてライブでの手応えを感じています。
――ライブを通して見えた今後の課題はありましたか?
吉原 今までのライブはボイメン総力戦で臨んでいたんですが、今回のツアーでは2人でやったり3人でやったり、という初めての挑戦をしたんです。魅せ方をすごく考えながらやっているんですが、今後は少人数での楽曲も増やしていきたいですし、これからのライブの幅を広げていけたらいいな、と思っています。
――そんなボイメン。2020年はどんな年にしたいですか?
辻本 ツアーが決まっているんですが、今回ホールツアーをやってもっともっと僕たちが成長していったりボイメンを広げていかないと、僕らが思い描くアリーナツアーには到達できないと思うんです。この1年で飛躍的にボイメンを知ってもらえたので、一人ひとりががむしゃらに動き回って、アリーナツアーという目標に向かって全力で突っ走っていかないといけないなと思っています。
――最後に2020年の目標を漢字一文字で表してください。
水野 「結」。結果、そして結束。それらを求められる年になると思うんです。アリーナツアーもありますが、それを実際に成功させる、という結果をつけたいですし、ファンのみなさんと、そしてこれから出会う皆さんとも「結ぶ」年にしていきたいです。
Interview & Text By えびさわなち
Photography By 山本哲也
●リリース情報
「ガッタンゴットンGO!」
12月25日発売
【初回限定盤A(CD+DVD)】
品番:UICV-9318
価格:¥1,840(税込)
<CD>
1. ガッタンゴットンGO!
2. 大阪府
3. 粋やがれ
<DVD>
ガッタンゴットンGO! -Music Video-
ガッタンゴットンGO! -Making of Music Video-
【初回限定盤B(CD+DVD)】
品番:UICV-9319
価格:¥1,840(税込)
<CD>
1. ガッタンゴットンGO!
2. 大阪府
3. 粋やがれ
<DVD>
ガッタンゴットンGO! -Music Video-
ガッタンゴットンGO! -Making of Jacket Photos-
【初回限定盤C(CD+グッズ)】
品番:UICV-9320
価格:¥1,840(税込)
<CD>
1. ガッタンゴットンGO!
2. 進化理論
<グッズ>
オリジナルアクリルキーホルダー
サイズ:90×65mm 厚さ3mm
素材:アクリル
表面デザイン:シンカリオン運転士7人(「ハヤト」「アキタ」「ツラヌキ」「シノブ」「リュウジ」「セイリュウ」「少年ホクト」)の描き下ろしイラスト
裏面デザイン:BOYS AND MENのメンバー写真プリント
【通常盤(CD Only)】
品番:UICV-5082
価格:¥1,100(税込)
<CD>
1. ガッタンゴットンGO!
2. 進化理論
※ジャケット写真は、シンカリオン5体(「E5はやぶさ MkⅡ」「ALFA-X」「923ドクターイエロー」「ブラックシンカリオン 紅」「ブラックシンカリオンオーガ」)の描き下ろしイラスト
●作品情報
劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』
公開中
【スタッフ】
監督:池添隆博
脚本:下山健人
キャラクターデザイン:あおのゆか
メカニックデザイン:服部恵大
音楽:渡辺俊幸
音響監督:三間雅文
アニメーション制作:OLM
アニメーション制作協力:SynergySP
CGアニメーション制作:SMDE
制作:小学館集英社プロダクション
製作:超進化研究所
配給:東宝映像事業部
【キャスト】
佐倉綾音 沼倉愛美 村川梨衣 真堂圭 竹達彩奈 杉田智和 雨宮天 うえだゆうじ 山寺宏一/
釘宮理恵 伊藤健太郎 吉田鋼太郎
主題歌:「ガッタンゴットンGO!」BOYS AND MEN(ユニバーサル ミュージック)
アニメーション制作:OLM
アニメーション制作協力:Synerg
©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・TBS ©カラー
©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・The Movie 2019
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