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INTERVIEW

2019.12.11

水樹奈々、新曲11曲を含む全17曲入りの今作に込めた想いとは――。約3年ぶりのニューアルバム『CANNONBALL RUNNING』リリース記念ロングインタビュー!

目の前にいる自分の大切な人を幸せにすることで世界が平和になるようなものにしたい

――そして新曲のなかでも新鮮に感じたのが、アコギメインのアコースティックなナンバー「マーガレット」。この曲は水樹さんが自ら作詞していますが、どんなイメージで作ったのですか?

水樹 これもデモテープ会議で一聴き惚れした曲です。「METANOIA」や「FINAL COMMANDER」といった音の要素が詰まった曲を多く作ってきたなかで、アルバムだからこそそれらとは180度違う、音をシンプルにそぎ落とした曲を作りたい気持ちがあって。この曲は聴いたときに、小さなチャペルで結婚式を挙げている風景が浮かんで。最近ファンの方々からも「奈々ちゃんの曲を式で使いました!」といったハッピーな報告をたくさんいただいているので、そんななか私は「激しい曲ばかりでごめんよ」と思ったりしつつ(笑)、花嫁さんが両親への感謝や旦那さんへの気持ちを歌う曲があるといいなあと思っていたんです。この曲を聴いたときに、まさにフィットしそうだなとピンときて。最初のワンコーラスの伴奏はアコギ1本なので“ナナラボ”の影響もすごく受けた1曲です。

――「マーガレット」の花言葉は「真実の愛」ということで、永遠の愛を誓う歌になっていますね。

水樹 「これだ!」と思ってタイトルをつけました。前作のアルバム『NEOGENE CREATION』に「絶対的幸福論」という曲があるのですが、これが男性から女性に向けてプロポーズするようなシチュエーションの曲だったので、この曲はそのアンサーソングとなるような歌詞にできればと思って書きました。

――水樹さんの歌声を含め幸福感いっぱいのナンバーで、結婚ソングの定番になりそうな予感です。

水樹 そうなるといいですよね。この曲なら、お友達にギターが弾ける人がいればギター1本で歌えます! 豪華なストリングスとか呼ばなくても大丈夫です(笑)。

――それと個人的に今回のアルバムを聴いて感じたのが、この「マーガレット」をはじめ、「ALL FOR LOVE」や「Light Births Shadow」など、新曲には「愛」について歌った曲が多いなということで。

水樹 たしかにそうですね。特別何かを意識したわけではなく、自然とそうなりました。いつも歌詞は曲を聴いたときのイメージで作詞家さんにお願いしたり、自分で書いたりするのですが、今回は自然と恋愛がテーマになったものが多くなって。「ALL FOR LOVE」もデモを聴いた瞬間に壮大なイメージも浮かんだのですが、そこで人類愛を歌うよりも、目の前にいる自分の大切な人を幸せにすることで世界が平和になるようなものにしたいなと思って。いろんな経験を積んで、ようやく運命の人に出会えた、大人の女性のラブソングにしたいと作詞の岩里さんにお願いしました。

――水樹さんはこれまでにも「愛の星」(2013年)など壮大な愛のバラードを歌ってきましたが、それらはそれこそ人類愛や宇宙的な神秘を感じさせるものでした。ですが今回の「ALL FOR LOVE」は、より等身大の人間らしさを感じさせる愛の歌になっていて。

水樹 愛の美しさだけでなく、生っぽい感情が溢れる歌にしたかったんです。私は「NEVER SURRENDER」や「METANOIA」といった宇宙規模の戦いを描いた作品の歌をうたうことが多いので(笑)。アルバム曲ではもっとミニマムな世界も歌いたいという気持ちが自分の中に強くあったので、人と人との繋がりを描く恋愛の曲が多くなったのかもしれないです。

――なかでも「Light Births Shadow」は個人的に今回のアルバムのなかでも大好きな曲でして。

水樹 ありがとうございます。この曲は実は2年ぐらい前から温めていた曲なんです。三嶋(章夫)プロデューサーもこの曲がいち押しで、「これはおじさんホイホイ曲やから」って言ってました(笑)。

――すごくわかります(笑)。この曲、めちゃくちゃ甘酸っぱいですよね。

水樹 いろいろな方にインタビューしていただいたなかでも、実はこの曲がいちばん人気です(笑)。このなんとも言えない青さと甘酸っぱさ。ノスタルジックな雰囲気や、冬の寒い時期に聴くと胸がきゅっとなるような要素も入っていて、私もこの温度感がすごく気に入っています。松井五郎さんの歌詞も本当に素晴らしくて。私はこの曲を聴いたときに「絶対恋愛ソングにしたい! しかもとびきり初々しい曲にしたい!」と思ったんです。そこで、片思いで悩んでいるのではなく、両想いでもうお付き合いが始まっているのに、好きになればなるほど消えない不安をもどかしく思っている女の子の気持ちをぜひ描いてほしいです、とお願いしたんです。シンプルなのに深い歌詞、そこにこのキラキラしたメロディラインが融合したときグッときました。

――松井さんの歌詞ももちろんですが、自分は水樹さんの切ない乙女心に溢れた歌唱にやられました。

水樹 ありがとうございます! 30代ラストイヤーですけど「まだまだアイドルいけます!」という気持ちで歌いました(笑)。女性はいくつになっても乙女心を持ち続けているものですから、そういった一面を出せたらいいなと。私は演じているキャラクターのイメージもあるんだと思いますけど、曲もゴリゴリしたものが多くて、どうしても強い女性に見られることが多いので(笑)。これもアルバムだからこそやりたかった曲ですね。

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