山北早紀、芹澤優、茜屋日海夏、若井友希、久保田未夢、澁谷梓希の6人からなる声優アイドルユニット・i☆Ris。彼女たちのデビュー7周年を記念したライブ“i☆Ris 7th Anniversary Live ~七福万来~”が、11月24日(日)パシフィコ横浜 国立大ホールで開催された。今年の周年ライブは、“ご来場頂いた全ての皆様に福を届けたい”という想いから『七福万来』というタイトルに。チャイナ風の衣装に身を包んだ6人が会場を埋め尽す5000人ものファンに“福”を送り続けたライブの模様をお届けする。
EDMに中華なメロディを配したトラックと共にOPムービーでメンバーが紹介されると、そこからシームレスに「Ready Smile!!」につながれ勢いよくライブがスタートした。さらに茜屋の「Ladies And Gentlemen!」の呼びかけから最新楽曲「FANTASTIC ILLUSION」が展開し、メンバーは多数のセリフで声優アーティストの本領を発揮。「幻想曲WONDERLAND」冒頭の久保田による「あれ、ここどこだろう?」の台詞には「パシフィコ横浜!」の声が多数寄せられる。間奏の若井の周囲をほかのメンバーが動き回るパートでは、腕を前に伸ばした“キョンシーポーズ”で飛び回るという公演テーマに沿ったアレンジも。最後は久保田による「今日は1日、i☆Risと一緒に盛り上がっチャイナよ!」の言葉で最初のブロックは締めくくられた。
自己紹介を交えた最初のMCでも、メンバーはテーマ色の強いコメントを残していく。山北は「後ろ髪をラーメンマンみたいな髪型(辮髪)にしてもらった」とアピールし、久保田は中華テイストで統一された衣装やセットに触れて「(公演が)1回しかないなんて」と惜しむ。一方、澁谷は一足早く到着したリハーサルで客席の広さにひとりで鑑賞に浸ってたことを告白。しかし、のちに現れた久保田は「へ~、ここがパシフィコか~」と語りあっけらかんとしていた様子を明かして会場の笑いを誘った。
ライブ中盤は緩急を付けたセットリストでファンの感情を揺さぶる。ライブに来るファンの心情を怒涛のごとく歌う「DIVE TO LIVE」は途中から“フィーバータイム”に突入。ステージと客席の間で幾度となくコミュニケーションしながら扇子やペンライトが振り乱される。さらに「ドリームパレード」を挟んで久々の披露となった「徒太陽」や芹澤が感無量の表情で投げキスをカメラに送った「§Rainbow」と、まずはテンションの高いナンバーが続いた。
次のブロックでは「Changing point」や「Defy the fate」といったシリアスなロックナンバー、i☆Risのワンマンライブでは初披露となるバラード「泡沫の光」などで、大人な一面で魅せていく。「Endless Notes」後には6人の写真を収めた本が閉じられる映像演出と共にメンバーが一旦退場。すると映像内で雨が降りしきる中、メンバーがイメージカラーの傘を持ってステージに再登場し、「YuRuYuRuハッピーデイズ」へ。2017年のデビュー5周年ライブに向けて行われたユーザー投票で1位になったキュートなポップスで会場の雰囲気をリセットすると、続く「鉄腕ガール」では芹澤が1番の歌詞「今夜くらいあたしを見て」を「今夜くらい“セリコ”を見て」とアレンジ。澁谷による「ちょっとちょっと!」のツッコミと、ファンの歓声を引き出すことに成功する。
6曲続けて披露した6人は、互いの健闘を労いながら抱きしめ合い「年に数回しかない」という“仲良しタイム”を堪能する。そして始まったラストスパートではステージに2体のパンダが登場。「アルティメット☆MAGIC」「Make it!」でメンバーに混じってキレのあるダンスを見せ、ステージ上のチャイナ色をより強める。パンダが退場し、ステージに残った6人が最後にパフォーマンスしたのは「ミラクル☆パラダイス」。i☆Risの魅力が1時間30分強に詰め込まれたライブ本編を完走する。充実の表情でメンバーそれぞれに感謝の言葉を述べる中、山北は「私達も国民的人気になれるように頑張りたい」と語りステージから去っていった。
会場に響き渡るアンコールに応えて始まったのはスペシャルムービーの上映。まず始まったスタッフインタビューでは「芋臭かった」デビュー時からの付き合いという振付師を筆頭に、久保田の化粧面における成長を褒めちぎるメイク、「まだ通過点」「老若男女問わずi☆Risを好きになってほしい」と熱っぽく語るマネージャーなどが登場していく。メンバーインタビューではライブでここまでに歌った曲を振り返ったのち、「まだ歌ってない」「鮮やかな曲」のタイトルを言うよう観客に要求。力強いタイトルコールを受け、デビュー曲「Color」でアンコールは開幕した。その後の撮影タイムではサプライズでケーキが登場すると、芹澤が食べかけた苺を山北が食べ、その勢いに乗って澁谷は若井に口移しで苺を食べさせる。その様子にほかのメンバーから「百合どころの騒ぎじゃない」「いい夫婦の日(11月22日)にしなさいよ」といった声が飛ぶ中、山北は「今日はいい西(11月24日)の日だから、(澁谷と若井がアニメで演じた)ウェストの日ってことでいいんじゃない?」とフォローを入れた。またグッズのステッカーを紹介する際は、真中らぁら風におどける茜屋に対し、すかさず芹澤が「もう、真中さん!」と劇中で違反チケットを貼って叱るくだりを再現してファンを喜ばせる。
そんな和やかな雰囲気も「7周年でアンコールで絶対に歌おうと思ってた」(山北)という「Thank you forever!」で一変。手書きで書かれた歌詞がディスプレイに表示される中、6人は顔を見合わせながら噛みしめるようにメンバー、観客、スタッフへの感謝の歌を紡いでいく。間奏後のソロパートで山北が涙を見せると、澁谷ももらい泣き。そんな彼女たちのこれまでの頑張りを祝福するかのように、最後には盛大に銀テープが撃ち出された。
ラストナンバー前の最後の挨拶では、澁谷はアンコール前に流れた映像を自作したこと、ムービー内の発言をテロップとして入力した際にエモくなったと振り返る。久保田は突然「私は普段はとてつもなくメンバーに対して冷めている」と爆弾発言を飛ばしてから「でもステージに立っている久保田は、ファンに負けないくらいi☆Risが大好き!」と宣言。その言葉に涙を流した若井が「少しも疲れていない。もう1公演できるくらい」と元気な様子を見せると、最年長の山北は負けじと「私もあと3回くらいできる」と張り合った。
茜屋は「あっという間で濃い7年だったけど、『まだ7年か』とも思う」とこれまでを述懐しながら8年、9年と続けていくことに意欲を見せる。さらにメンバーからの振りに応えて、自身が演じるアニメ「キラッとプリ☆チャン」の金森まりあの口癖「かわいい」を披露。それに対抗するように芹澤は「“かわいい”が得意な芹澤優です!」と笑顔を見せてから「これから先、いろんなことがあるかもしれないけど、背中を預けられるのはこの5人しかいない」と語り、茜屋に背中を支えてもらって2人で人の字を作る。
「私って変じゃないですか?」と切り出した最後の山北は、メンバー6人のバランスの良さに触れながら「i☆Risがこの7人でよかった」と人数を言い間違えてメンバーと客席から総ツッコミを受けるはめに。それでも気を取り直して春にツアーをして秋に周年ライブをするというユニットにとって定番のサイクルが自身の支えになっていると訴え、ファンにこれまでと変わらない応援をお願いした。
そんな涙と笑いに満ちた挨拶後、若井の「みんなで新しい世界に行って、新しい福を呼び込もうぜ!」という言葉から届けられたのは「Happy New World☆」。満面の笑みで人気ナンバーを歌い終えた6人は口々に「楽しい!」と発しながらステージ中央に集まり、ふたたび抱き合ってこの日2回目の仲良しタイム。山北が「ただただ楽しかった!」と言い切るほど“福”に満ちたイベントの幕を閉じた。
なおアンコールでの告知タイムでは、2020年3月4日に約2年半ぶりとなる4thアルバムをリリースすることや、4月18日から6thツアーとして埼玉・三郷市文化会館を皮切りに全国8都市で15公演を行うことを発表。さらにニコニコチャンネルでの冠バラエティ番組「ガチ! i☆Ris」の放送など初の試みも明かされている。リーダーの山北がアンコールで「まだまだ留まる気はない」と語ったように、2020年もi☆Risはさらなる挑戦を見せてくれそうだ。
Text by はるのおと
「i☆Ris 7th Anniversary Live ~七福万来~」
2019年11月24日(日)パシフィコ横浜 国立大ホール
<セットリスト>
01.Ready Smile!!
02.FANTASTIC ILLUSION
03.幻想曲WONDERLAND
04.DIVE TO LIVE
05.ドリームパレード
06.徒太陽
07.§Rainbow
08.Changing point
09.泡沫の光
10.Defy the fate
11 Endless Notes
12.YuRuYuRuハッピーデイズ
13.鉄腕ガール
14.アルティメット☆MAGIC
15.Make it!
16.ミラクル☆パラダイス
EN1.Color
EN2.Thank you forever!
EN3.Happy New World☆
●リリース情報
『i☆Ris 4th アルバム(仮)』
3月4日発売
【CD+Blu-ray+PHOTOBOOK盤】
品番:EYCA-12848B
価格:¥8,000+税
【CD+Blu-ray盤】
品番:EYCA-12849B
価格:¥5,000+税
【CD ONLY盤】
品番:EYCA-12850
価格:¥3,300+税
<CD>全11曲収録
『Memorial』(テレビアニメ「アイドルタイムプリパラ」第4クールOPテーマ)
『Changing point』(TVアニメ「魔法少女サイト」OPテーマ)
『Endless Notes』(TVアニメ「グリムノーツ The Animation」EDテーマ)
『アルティメット☆MAGIC』(TVアニメ「賢者の孫」OPテーマ)
『FANTASTIC ILLUSION』(TVアニメ「手品先輩」OPテーマ)
『泡沫の光』(ミステリーアドベンチャーゲーム「Root Film(ルートフィルム)」主題歌)
他5曲収録
<Blu-ray>
『Memorial』-Music Video-
『Changing point』-Music Video-
『Endless Notes』-Music Video-
『アルティメット☆MAGIC』-Music Video-
『FANTASTIC ILLUSION』-Music Video-
『アルバム新録曲(タイトル未定)』-Music Video-
『アルバム新録曲(タイトル未定)』-Off Shot Movie-
●ライブ情報
『i☆Ris 6th Live Tour 2020(仮)』
4/18(土)埼玉県 /三郷市文化会館
13:30 / 14:00 17:30 / 18:00
5/4(月・祝)福岡県 / Zepp Fukuoka
14:00 / 14:30 18:00 / 18:30
5/6(水・祝)神奈川県 /関内ホール 大ホール
14:15 / 15:00 18:15/ 19:00
5/10(日)北海道 / Zepp Sapporo
14:00 / 14:30 18:00 / 18:30
5/23(土)宮城県 /仙台PIT
14:30 / 15:00 18:30 / 19:00
6/6(土) 大阪府/Zepp Namba
14:00 / 15:00 18:00 / 19:00
6/13(土)愛知県 /日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
15:00 / 16:00
6/14(日)東京都 /中野サンプラザ
14:00 / 15:00 18:00 / 19:00
チケット:全席指定 ¥7,200(税込)
小学生以上有料。未就学児童は入場不可。
※Zepp公演: ドリンク代別途
※枚数制限:4枚
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