リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2019.08.26

リスアニ!10周年イヤープロジェクト第一弾!!“リスアニ!LIVE SPECIAL EDITION ナツヤスミ”濃密レポート!

リスアニ!の“10周年イヤープロジェクト”第一弾となるライブイベント“リスアニ!LIVE SPECIAL EDITION ナツヤスミ”。ここからは、綾野ましろ、岸田教団&THE明星ロケッツ、田所あずさ、May’nの4組が出演した2日目“SUNDAY STAGE”の模様をレポートする。

1日目“SATURDAY STAGE”と同じくフロアを埋め尽くすほどのオーディエンスが集まり、夏の暑気を上回るほどの熱気が感じられた会場。まずは2日間のMCを務めた冨田明宏氏と「リスアニ!」編集長・馬嶋 亮が、夏らしい装い(麦わら帽子にハーフパンツ)でイベントの注意事項をアナウンスすると、カウントダウン映像が流されてついに“SUNDAY STAGE”が開幕。この日のトップバッターを務めたのは、2010年にメジャーデビューして以降、数々のアニメタイアップ曲を担当しているロックバンド、岸田教団&THE明星ロケッツだ。

ichigo(vo)、岸田(b、g)、はやぴ~(g)、みっちゃん(ds)の4人にサポートメンバーのT-tsu(g)を加えた5人編成でステージに上がった彼らは、ichigoの「最高にブチ上がっていきましょう!」「一緒に歌ってね」という声を合図に、TVアニメ『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』のOPテーマ「天鏡のアルデラミン」からライブをスタート。オフショルダーの黒いイブニングドレスのような衣装を纏ったichigoは、スカートも邪魔とばかりに片足を上げたりするクールな立ち回りでかっこよくパフォーマンス。バンドの熱気溢れる演奏に引っ張られるように、観客も歓声やクラップで熱く応える。

そこから間髪入れずにTVアニメ『ストライク・ザ・ブラッド』のOPテーマ「ストライク・ザ・ブラッド」に突入し、アグレッシブ極まりないバンドサウンドはさらにヒートアップ。会場には赤のペンライトが灯り、ichigoの「みんな今日はここに最高になりにきたんでしょ!」という言葉に応じてOiコールの嵐が巻き起こる。タフでワイルド、そしてエネルギッシュ。ブレーキ知らずな集団である岸田教団&THE明星ロケッツが起こす狂騒によって、Zepp Tokyoというスペースが最高のライブハウスに塗り替わっていく。

“リスアニ!LIVE ナツヤスミ”というイベント名に絡めて、「もしかして人生ずっと夏休みのやつおる?」(岸田)と彼ららしい夏休みトークを繰り広げたバンドは、続いてクールな雰囲気の出だしから一転、一気に加速して激しさを増す「Blood and Emotions」を投入。さらにTVアニメ『博多豚骨ラーメンズ』のOPテーマ「ストレイ」を演奏して、会場のボルテージをどこまでも引き上げていく。そこから、昨年末にリリースされた彼らの最新アルバム『REBOOT』より、ソウル~R&B調のシックなリズムが新機軸となる「Code : Thinker」で濃密な一面を見せると、最後は『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』のOPテーマ「GATE~それは暁のように~」を披露。はやぴ~がステージのへりに座り込んだりといった奔放な動きでも盛り上げつつ、サビ終わりではichigoの「歌って~!」という呼びかけに、客席は怒号のような声を上げて「ウォウウォ~ウォ~♪」と歌う。ラストはジャンプで締めくくり、ナツヤスミの2日目はこれ以上ないほどの熱狂で幕を開けた。

<岸田教団&THE明星ロケッツ セットリスト>
01. 天鏡のアルデラミン
02. ストライク・ザ・ブラッド
03. Blood and Emotions
04. ストレイ
05. Code : Thinker
06. GATE~それは暁のように~

そして2組目としてステージに登場したのは田所あずさ。今年1月の“リスアニ!LIVE 2019”にも出演していた彼女だが、今回は自身のライブのサポートバンドである「あずさ2号」を引き連れての参戦。神田ジョン(g)、長澤トモヒロ(g)、二村 学(b)、MIZUKI(ds)という名うてのメンバーが支える。そう、“リスアニ!LIVE ナツヤスミ”の1日目は、リスアニ!バンドが全アーティストのバックを務めていたが、2日目は出演者4組がそれぞれのバンドを率いてライブを行うという、完全な対バン形式のイベントになっていたのだ。

田所は自身がヒロインのクトリ・ノタ・セニオリス役で出演したTVアニメ『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』のOPテーマ「DEAREST DROP」でライブをスタート。会場からは彼女の歌い出しと同時に絶叫のような歓声が沸き、田所も力強さのなかに悲痛さを忍ばせたその歌声を全力のパフォーマンスで届ける。続くTVアニメ『転生したらスライムだった件』のEDテーマ「リトルソルジャー」ではステージを右から左へと移動しながら、まるで客席に歌いかけるようかのような仕草を見せる彼女。間奏ではクルクルと回ったり、ステージを存分に楽しんでいる様子だ。

田所いわく「つよつよの2曲」を冒頭から連続で披露し、会場は早くも興奮モードに入っていたが、ここで彼女から「今日はワンマンぐらいの気持ちでいきたいので、ここで新曲を披露したいと思います」と宣言されると、さらなる大歓声が。ここで歌われた新曲「イコール」は、8月21日にリリースされたニューシングルの表題曲として、作詞・きみコ、作曲・高橋 諒、編曲・堀江晶太という豪華クリエイター陣が手がけたナンバー。「ファンとの繋がりを歌った曲」ということで、みんなで歌えるパートもたっぷりと含まれており、ライブ初披露ながらも客席からは大きな声が上がって団結感が高まる。間違いなく今後のライブで成長してアンセム曲となることだろう。

その後、バンドメンバーの紹介を挿み、最後に田所自身がステージ前方の台に乗って自身をアピールすると、3rdアルバム『So What?』収録のドライブ感溢れるロックチューン「ギミーシェルター・ブライトネス」に突入。ギターのふたりもステージ前方に乗り出し、田所は彼らと背中合わせになったりしながら、ブギーでワイルドなロックンロールをいつもとは違った雰囲気でクールに乗りこなす。そして最後に歌われたのは、彼女もルル役で出演したTVアニメ『無彩限のファントム・ワールド』のED主題歌「純真Always」。自身にとっては初めてのアニメタイアップ曲でもある思い出の詰まったナンバーを、どこまでも晴れやかな歌声を届ける田所。ときにバンドメンバーにぶつかりにいくようなハイテンションぶりで、彼女が心からライブと音楽を楽しんでいることが伝わってくる。ラストはみんなで手を振りながら、最高の笑顔で“純真さをいつも胸に”と歌い、万雷の拍手と喝采を浴びながらステージを終えた。

<田所あずさ セットリスト>
01. DEAREST DROP
02. リトルソルジャー
03. イコール
04. ギミーシェルター・ブライトネス
05. 純真Always

続いては、デビュー5周年イヤーを迎えてますます勢いに乗っている綾野ましろが登場。フロアは瞬く間に、彼女のイメージカラーである白のペンライトに染まり、それとは対照的に全身黒のコーデで統一した綾野は、「みんな、盛り上がっていきましょう!」「いくよ、3、2、1、GO!」と威勢よく声を上げ、まずはTVアニメ『Re:CREATORS』のEDテーマ「NEWLOOK」を元気いっぱいに歌う。広末 慧(g)、シンイチ(b)、遠藤勝彦(ds)から成る、通称・ましろんバンドのエネルギッシュな演奏の後押しもあって、彼女特有の伸びやかなロングトーンも聴き手の胸に真っ直ぐ突き刺さる。

その溌溂としたロックチューンから、休む間もなくTVアニメ『ガンスリンガー ストラトス』のOPテーマだった2ndシングル「vanilla sky」へと移行。先ほどとは趣きの異なるドラマチックな旋律と、力強くもどこか影を備えた歌声、あらゆる悩みや迷いを振り払ってくれるような鮮烈極まりないハイトーンで、会場の熱気を完全に掌握する。続くMCで「いつも一緒にやっているバンドとZeppに立ててうれしいです!」と喜びの気持ちをあらわにした彼女は、ここで改めて9月25日にニューアルバム『Arch Angel』をリリースすることを告知。「1曲1曲、皆さんの拠りどころとなるような、太陽のような存在になればと思いながら作っています」と語り、新作に対する期待を高める。

そのあとに彼女は、この7月にリリースしたばかりの最新シングルより2曲を連続で披露することを宣言。「気持ちをぶつけてくれますか!」と客席に向けて檄を飛ばし、まずはTVアニメ『パズドラ』のEDテーマ「GET OVER」を、まるで空を自在に駆け巡るような心地よい歌声とともに届ける。サビの印象的なフレーズ“いっせーの、JUMP!で”の部分では、オーディエンスもタイミングを合わせてジャンプし、一体となって盛り上がる。その次に歌われたのは、Elements Gardenより楽曲提供を受けたナンバー「confession」。流麗かつ激情的なロックサウンドに身を寄せながら、どこか切実さを滲ませたパワフルボイスを聴かせる綾野。終盤、一気に駆け上がるような高音には心を震わせるような気迫が乗っていた。

そして綾野は「最後の1曲です」と語ると、ここで自身のデビューシングルでもあるTVアニメ『Fate/stay night』のOPテーマ「ideal white」を投入。ひときわ大きな歓声とクラップに包まれるなか、彼女は5年の活動の積み重ねを感じさせる渾身の歌唱を披露して、会場は劇的な盛り上がりを見せる。2サビ終わりでは、決め部分の“ずっと”をオーディエンスと一緒に大合唱。ラストはギターとベースも前進し、ステージ上にもフロアにも熱狂的な光景が広がる中、綾野が右手の人差し指をかかげて最後の“ずっと”を歌い、会場がひとつとなって彼女のステージは終了した。

<綾野ましろ セットリスト>
01. NEWLOOK
02. vanilla sky
03. GET OVER
04. confession
05. ideal white

2日間にわたった“リスアニ!LIVE ナツヤスミ”も早いもので残すところあと1組。大トリを飾るのはもちろんこの人、いつでも最高の“ライ部”で我々をもてなしてくれる部長ことMay’nだ。今年の“リスアニ!LIVE 2019”では1日目“FRIDAY STAGE”のトリを務めた彼女、今回は堀崎 翔(g)、Shuse(b)、早川誠一郎(ds)という3ピース編成に、ダンサーのMitsuとODANOBUを加えた布陣で夏を迎え撃つ。この日の1曲目に選ばれたのは、TVアニメ『ファイ・ブレイン~神のパズル』のOPテーマとして知られる「Brain Diver」。白ベースの衣装に身を包んだMay’nは、ときに上体をイナバウアーばりに反らしたりと艶めかしい動きを交えつつ、バンドのヘビーな演奏に勝るとも劣らないド迫力の歌声で観る者を圧倒する。

のっけからボルテージを最高潮にまで持っていった彼女は、続いてこの7月にリリースされたばかりのニューシングル「牙と翼」を披露。TVアニメ『胡蝶綺 ~若き信長~』のEDテーマとして好評を博しているこのナンバー、その作品性にもマッチした雄大なロックサウンドにはどこか大河感があるが、ライブでは音源以上に濃厚な演奏によって音の洪水のような状態を生み出され、そのなかを切々と泳ぐMay’nの歌声が非常に胸を打つものとなっていた。

MCで「武道館もいいけどライブハウスでの“リスアニ!LIVE”、超楽しくない!?」とうれしそうに語ったMay’nは、“リスアニ!LIVE ナツヤスミ”が今年初開催のイベントであることに触れ、「勝手なこと言っちゃうけど、来年にまた開催されるかはうちらにかかってると思うんだ」と煽って、すでに熱気十分の客席にさらなる熱を注ぐ。そしてTVアニメ『タブー・タトゥー』のOPテーマでもある情熱的なロックナンバー「Belief」で一気に点火。サビでハイキックをかますなど見た目でも魅せつつ、何もかもをなぎ倒すような激唱で感情を爆発させる。May’nとしてデビューしてから10年を越え、あらゆる大舞台を経験してきた彼女だからこそ実現できる重みの乗った歌だ。

そのシリアスモードから一転、かわいらしい振り付けも込みで華やかなムードを引き寄せたのが、彼女がシェリル・ノームstarring May’n名義で歌ったナンバー「ギラギラサマー(^ω^)ノ」。“ナツヤスミ”にピッタリの最高なサマーチューンだ。間奏ではフロアのオーディエンスに向けてウェーブを促し、会場には見事な波が出現。May’nとダンサーはそのビッグウェーブの動きに合わせてステージをクロールで泳ぐようなポーズで移動し、さらなるサマー気分を演出する。

そこから「ウォーオーオー!」というコール&レスポンスを行って一体感を高めたあとは、「新曲やります!」と宣言。「私たち、いろいろあるじゃん?」「でも、そんな一人ひとりに、大丈夫だよ、と言いたくて」と語り、最新ミニアルバム『YELL!!』より「全部大丈夫」を歌唱。明るく煌めき感のあるサウンドに、例え不安な毎日でも元気よく引っ張ってくれるような歌声。サビでの“Whoh Wooh Wooh”という大合唱は、そこにいる人たちがお互いを鼓舞し合うような声として響く。その感動的な光景に続けて、「ラストも一緒に歌いませんかー!」と大声で呼びかけた彼女は、ここでMay’n名義の1stシングルでもある「キミシニタモウコトナカレ」を歌唱。ステージに胡坐をかいて、目の前のお客を見つめながら歌を届けるMay’n。そこにいる観客の全員に対して、一人ひとりに歌をうたうというのは、彼女が“ライ部”で大切にしていることのひとつだ。2番の歌詞に“正しいことも憎しみや怒りも 弧描くように全て巡るけど”とあるが、それでも精一杯の想いを込めて“キミシニタモウコトナカレ”と歌うMay’nは、この日、我々に歌を通して大切なメッセージを届けてくれた気がした。

<May’n セットリスト>
01. Brain Diver
02. 牙と翼
03. Belief
04. ギラギラサマー(^ω^)ノ
05. 全部大丈夫
06. キミシニタモウコトナカレ

まるでヒマワリのように力強い生命力を発散させ、会場中に満開の笑顔が咲いたMay’nのステージをもって、2日間にわたる“リスアニ!LIVE ナツヤスミ”は無事に終幕を迎えた。彼女が途中のMCで言っていたように、再びこういった形でイベントが催されるのかは今のところ未定だが、少なくともまた夏が訪れるたびに、この2日間の記憶が甦ることは間違いないだろう。なぜなら、夏休みの思い出とはそういうものなのだから。

TEXT BY 北野 創(リスアニ!) PHOTOGRAPHY BY 能美潤一郎


●“リスアニ!LIVE SPECIAL EDITION ナツヤスミ”放送情報
10月に音楽チャンネルMUSIC ON! TV(エムオン!)にて今回のイベントの模様が放送決定!放送を記念し、プレゼント企画も実施予定!
番組&プレゼントの詳細、視聴方法は、MUSIC ON! TV(エムオン!)公式サイトをご覧ください。

MUSIC ON! TV(エムオン!)は、スカパー!、J:COM、ケーブルテレビ、ひかりTVなどでご覧いただける音楽チャンネルです。
※放送アーティストは未定です

●イベント情報
リスアニ!LIVE SPECIAL EDITION ナツヤスミ

2019年8月3日(土)“SATURDAY STAGE”
開場17:00 /開演18:00

2019年8月4日(日)“SUNDAY STAGE”
開場16:00/ 開演17:00

会場
Zepp Tokyo

出演者(※各五十音順)
8月3日(土)“SATURDAY STAGE”
寿 美菜子/戸松 遥/西田望見/早見沙織/halca

8月4日(日)“SUNDAY STAGE”
綾野ましろ/岸田教団&THE明星ロケッツ/田所あずさ/May’n

関連リンク

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP