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INTERVIEW

2019.08.23

BURNOUT SYNDROMES TVアニメ『Dr.STONE』OPテーマ「Good Morning World!」インタビュー

BURNOUT SYNDROMES TVアニメ『Dr.STONE』OPテーマ「Good Morning World!」インタビュー

2016年にアニメ『ハイキュー!! セカンドシーズン』第2クールOPテーマ「FLY HIGH!!」でデビューを果たしたBURNOUT SYNDROMES。その後も『ハイキュー!! 烏野高校VS白鳥沢学園高校』OPテーマ「ヒカリアレ」、アニメ『銀魂.』銀ノ魂篇 EDテーマ「花一匁」とアニメ主題歌を手がけてきた彼らが新たにタッグを組むのは、『Dr.STONE』。突然人類が石化し、滅んだ地球。3700年を経て石化の解けた頭脳明晰な科学オタク・石神千空が、文明の滅びた地上で科学の力と共に人類を進化させていく物語。そんな『Dr.STONE』の幕開けとなる「Good Morining World!」は、どのようにして制作され、物語との絶妙なシンクロはどう生まれたのか。BURNOUT SYNDROMESの3人に話を聞いた。

――今回、リスアニ!初登場ということで、まずは皆さんのパーソナルなところを知りたいという意味も込めて、思い出のアニメソングを教えてください。

熊谷和海 最近聴いていて、いいなと思ったのが、EGOISTさんの「名前のない怪物」です。アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』のエンディング曲ですが、「EGOISTすげぇ!」って思った1曲でした。

石川大裕 アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』での「ナイスな心意気」という、嵐さんが歌っていた曲です。本当に歌詞がいいんです。“ルックスばっかりで勝負するやつにたぶんなりたくないんだ”っていう部分が作品にマッチしていましたし、ジャニーズの方がアニソンを歌うというイメージもなかったので印象に残ってます。とてもキャッチーな曲ですし、心を惹かれた曲です。

廣瀬拓哉 『NARUTO-ナルト-』のオープニング曲だったサンボマスターさんの「青春狂騒曲」です。僕が小学3年生のときに初めてお小遣いで買ったCDなんです。それ以来ずっと思い出の楽曲として僕の心の中で響き続けています。

――BURNOUT SYNDROMESといえば、『ハイキュー!』や『銀魂』などアニメのタイアップも数多く担当されています。アニメーションとのコラボに関しては、だいぶ慣れた頃でしょうか。

熊谷 デビューのきっかけがそれこそ『ハイキュー!』の楽曲ではあったので、慣れたというよりもアニメなくしては僕らのサウンドを語れない、という粋にきているかと思います。

――楽曲の作り方としてはどうですか?アニメのタイアップだとモチーフがあるかと思いますが。

熊谷 デビュー前から既にマンガを読んで書く、ということをメインにしていたので、実はやっていること自体は初期から変わっていないんです。自分の中では勝手にタイアップ。仮想タイアップで作っていた曲も何曲もあったので。

――逆に公式にやるようになっての驚きなどはありましたか?

熊谷 コンペティションで決まることも多い、というのは意外でした。頼まれて制作する、というパターンばかりではないんだな、と。今まではいちアニメファンとして主題歌を聴いていて、アーティストにオファーが来て書くのかと思っていたんですけど、実際には案外コンペが多いんだな、というのもデビューしてから知りました。クリエイターとしては、ヤル気も出るものだとも思います。並べて個性を戦わせるというのも切磋琢磨できて、いいものになるんだなということは感じました。

――アニメソングはベーシックとして89秒、という制約もありますが、そちらはいかがですか?

熊谷 驚きました。むちゃくちゃ大変です。みんな、すごくうまくこの制限の中に楽曲の個性を詰め込んでいるんだなとも感じます。ただ、僕自身様々なアニソンを聴いてきて、画面で流れているのとは違って、フルになったとたんにものすごい構成になってしまう曲について「どうしてフルだとこんなに広がるんだろう」と思うこともあったんですが、その謎が解けました。ただ89秒でひとつの楽曲を表現するのって、すごく難しくて。そのためにいっぱい切ったり貼ったりして、泣く泣くイントロをカットしたり、技術が必要になっていくわけで。そこも含めてアニソンって面白いなって僕はずっと思っていて。何の制約もなく、何分になってもいいよと言われるより、「89秒です!」と言われた方がアニソンっぽくなる。89秒だとどうしたって構成も決まってきてしまうので、そこは日本のひとつの独特の文化としての89秒。それが醸し出すジャパアニメーションの感じというのがある気がしていて、僕は好きです。

石川 89秒にすることで楽曲の新たな一面が生まれるところが僕は好きなんです。僕自身はバンドの中でライブを担当しているんですけど、たとえばフェスのライブのリハで89秒バージョンを演奏すると、待っているファンの皆さんにすごく喜んでもらえるんです。それを本編でちゃんと4分で届けることができたりするのもまた、ファンの人には喜んでもらえるし、僕らからしてもありがたいなと思えています。

廣瀬 89秒で楽曲を表現しよう、というときに熊谷はよくいろんなSEを入れるんです。僕はそこがすごく好きなんですね。たとえば「FLY HIGH!!」だと、いちばん最初の「飛べFLY」のところですごくリバーブの効いたバスドラがドーン!と入っているんです。そこに浮遊感が入っていたり、いろんなことを考えて構成してくれるので、89秒の中でいろいろと考え尽くして落とし込むのが得意だな、と感じます。89秒の熊谷は絶対的な信頼があります。

――先ほどもおっしゃっていたように、89秒の先、フルサイズで世界を拡げていく楽しさもありそうですしね。

熊谷 曲を聴いている側からすれば、アニメ尺を聴いて「良かったな」となって、フルを聴いて「うぉ!こうなってるんだ!?」みたいな驚きがあるとさらに楽しめるじゃないですか。そういうところを目指したいなって思っていて。あと89秒って、言ってもAメロBメロサビ、くらいのものになっちゃうんですけど、アニメーションだとその展開では少なくなってしまうんです。アニメの絵が付くということで、クリエイターさんのことを考えたときにできるだけキメを作るというか。「ここに絵をください!」というアニメーターさんへのパスをたくさん入れることが大事だなと思っていて。そこが普通にJ-POPを作るのとは違うように感じます。1分半で絵が変化していくのを考えながら作るって昔からアニメを観てきた人間にしかわからない不文律みたいなもののような気がしています。

――先ほど廣瀬さんもおっしゃっていたように、「FLY HIGH!!」も印象的ですよね。溜めやキメという部分でも。

熊谷 あれもサビ前に絵を入れたいから何かキメを入れてくれ、というオーダーだったんです。元々はスッとサビに入っていたんですが、結構ゴチャっとしたリフを入れたのは、アニメ側からのオーダーに1週間くらい考えて出した答えだったんです。でもそのときに、アニメ屋の意見というのがあるのだな、と思って。そこからその視点を持つようになりました。絵をつけるときに「どうだろう、ここにもうひとつ山がほしいんじゃないだろうか?」とか、考えるようになりました。

――全力コラボレーションですね。

熊谷 アニメサイドの要望は最大限反映します。今回の「Good Morining World!」もそうでした。結構、メロとか構成もアニメタイアップが決まってからもいじっていましたし、アニメサイドのオーダーに対して「NO」は基本的に言わないです。あちらの思っているものが正解だと思っているので。

――その「Good Morining World!」は、アニメ『Dr.STONE』のオープニング曲です。『ハイキュー!』『銀魂』ときての今回。非常に週刊少年ジャンプ色の強いバンドとなってまいりました。

熊谷 そうなんです。僕らきっと、「人間少年ジャンプ」なんだなって思います(笑)。僕自身、生き方が「少年ジャンプ」なんだろうなっていうのは自分でも感じています。友情、努力、勝利。……恋愛までいかない(笑)。

石川 友情止まり(笑)。

熊谷 そういうところ。それがジャンプなのかな、と。根っことしては「少年ジャンプ」のアニメを観て育っていますから、そこは頷けるなと思っています。

――今回はどんなオーダーだったんですか?

熊谷 「ちょっと洋楽っぽく」というオーダーだったんです。結構、ざっくりとしていて。洋楽っぽいカッコいいものにしてくださいということだったので、英語の歌詞が必須だなと思っていて。日本語詞と英詞ってかっこよさが断然違うんです。英語の良さは日本語では出せないものですね。日本語は母音によって優しく丸みのある音になるので。だからおそらく英語の歌詞がどこかにほしいんだろうなと思って、いちばんふさわしい言葉として考え至ったのが「Good Morining World!」。原始世界から太陽が昇ってくるような曲にしたいなと思って入れた歌詞でした。でもオーダー自体はそれくらいで。あとは決まってから「サビにもう少しパンチをくれ」と言われて、プロデューサーのいしわたり淳治さんと1~2週間会議をして、アニメサイドにいくつもデモをあげて、最終的に完成したのが今の形です。ただサビの後半に「バチンッ!」とした感覚がほしいというアニメサイドの考えは、いちアニメファンとしてもすごくわかるんですよね。だから「殴りつけるような」というメールをいただいたこともあって、メロディで殴る感じにした思い出があります。

――そんな今回の『Dr.STONE』についてどのような印象がありますか?

石川 第一話から衝撃があって、人生でいちばん引きこまれた作品じゃないかなを思っていて。男の子の心をくすぐる内容なんですよね。例えば、無人島とか冒険とか好きですし。それに加えて、なにかを作っていくというのも男ゴコロをくすぐる。マンガも全巻持っているんですけど、今回「決まったよ」と言われて、本当に感動しました。この作品を通していろんな方に科学にハマってもらえたらなって思います。

熊谷 僕はこれ、ナウい作品だなって思って。時代をすごく反映していますよね。というのも、この作品の本質は「クラフト」だと思っているんです。物を作る、武器を作っていく。そこに面白さを見出せるかだなと思っていて。それってごく最近の主流だと思うんですよ。はじまりは「モンスターハンター」。その前なら「アトリエ」シリーズのゲーム。最近だと「マインクラフト」で爆発したような流れ。あの感じって元々のRPGのゲームにはそこまで焦点は当たっていなかったんですよね。「ドラクエ」の人気も、敵を倒す快感だったと思うんですね。それがだんだんと近年に近づくなかで、敵を倒すことより武器を作っている方が楽しいんじゃないか、という流れになってきて。最近の「ドラクエ」も「ビルダーズ」もそうですが、このマンガはそこに焦点を当てている気がして。

――ほぉ、たしかに。最近はクリエイティブなゲームが増えましたね。

熊谷 そうなんです。それともうひとつ、主人公が無双する感じも最近の流れのように思っているんです。何かしらかの修行をすることで無双になっていくのとは違って、最初からある程度無双できる能力を携えている。昔は『ドラゴンボール』然り『SLAM DUNK』然り、ある程度修行はしていたんですが、今は最初から無双。それが最近っぽいなって思っていて。そのふたつを兼ね備えているのが『Dr.STONE』だなと感じていて、こういうパターンもあるのかと。非常に今風で、作り手のマーケティング力の高さも感じました。そりゃ面白いよ、と思いながら、すごくナウいマンガだと感じています。

廣瀬 第一巻を読み終わったあともすごく楽しめる作品ですよね。普通なら読んでいるときはすごく楽しいんですけど、読み終わると「次が楽しみだな」と思うくらいなんですけど、『Dr.STONE』は読んだ後に「自分だったらどうするだろう」と妄想をしていけるというか。「自分だったらどうなるだろう」って想像してなりきってみるといった、子供の頃はすごくやっていたことを、大人になった自分もまたやっている。想像力を掻きたてられるところが面白いなと思います。

――その物語の幕開けを彩る「Good Morining World!」。制作にあたって、いちばんインスパイアされたのはどんなところですか?

熊谷 2パターンあるなと思ったんです。科学に寄り添うか、自然に寄り添うかのどちらかで、それ以外はないな、と。それで僕の主義的に、作品の枠を拡げるのがオープニングだと思っているんですよ。あまり作品に寄り添いすぎても作品を知っている人にしかわからないオープニングになっちゃっても申し訳ない。科学科学しているマンガだからこそ、対極にある神や大自然に焦点を当てた方が、知らない人にとっても「なんだこれ!?」って思うだろうし、作品のファンにとっても「そう書くのか!」と思われた方がいいなと思って、でっかい側の曲にしました。アニメの第一話のラストシーンで千空が「このファンタジーに科学で勝ってやるぞ」って言うんです。そこで言う科学の敵であるファンタジーを書いてあげるのがオープニングの役割かな、と思って。千空が立ち向かうもの。それを削って進んでいってくれ、という意味でオープニングで叩きつけてあげたほうが、作品は面白くなるのかなって思って。だからある種、ラスボスのようなオープニングかな、と思っています。

――シングルのカップリングに収録の「Ms.Thunderbolt」。こちらの曲もどこか『Dr.STONE』に向かっていっている印象がありますね。

熊谷 シングルを作るときにいつも思うのは、カップリングも含めてアニメに寄り添えたらいいなということで。何曲かあった中でこの曲を選んだんですが、「Thunderbolt」ってどこか『Dr.STONE』っぽいかなと感じたんです。「Ms」も「Dr」っぽいかな、というのもあるし、作中でも落雷を使って磁石を作るシーンもあって、タイトルも『Dr.STONE』を彷彿とさせるな、と思って。サウンドが前衛的で、マッドサイエンティストみたいだなとも思ったので、それを敢えてこのCDで我々を知ってくれるかもしれない人にぶつけるというのはかなりマッドでかっこいいんじゃないかなと思って入れました。

――そうした、作品が色濃く楽しめるシングルとなりましたが、そんな皆さんは年をまたぐ2020年までの15周年アニバーサリーツアーが控えていらっしゃいます。どのようなツアーになるのでしょうか。

石川 この「Good Morining World!」がワンマンライブのすべてになると思っていて、この1曲から派生した何かがライブのオープニングからエンディングまでを埋め尽くすようなライブ台本を作っています。楽曲を聴いてライブに来てくだされば、すごく楽しいと思います。僕は、熊谷くんの楽曲のファン代表みたいなものなんです。なので、BURNOUT SYNDROMESのライブは、最高のタイミングで楽曲が響くようになっていくと思っています。「Good Morining World!」から広がる今回のワンマンライブをぜひ楽しみにしてください。

Interview & Text By えびさわなち


●リリース情報
4th Single
TVアニメ『Dr.STONE』OPテーマ
「Good Morning World!」
8月21日発売
ダウンロードやストリーミングはこちら

【初回生産限定盤(CD+DVD)】

品番:ESCL-5270-1
価格:¥1,389+税

<CD>
01. Good Morning World!
02. Ms.Thunderbolt
03. Good Morning World! (Instrumental)
04. Ms.Thunderbolt (Instrumental)

<DVD>
01. Good Morning World! -Music Video-
02. Good Morning World! -Music Video MAKING-

【通常盤(CD)】

品番:ESCL-5272
価格:¥926+税

<CD>
01. Good Morning World!
02. Ms.Thunderbolt

【Dr.STONE盤(CD+DVD)】

品番:ESCL-5273-4
価格:¥1,389+税
※2019年12月末までの期間限定生産

<CD>
01. Good Morning World!
02. Ms.Thunderbolt
03. Good Morning World! (Anime Size)
04. Good Morning World! (KARAOKE)
05. Good Morning World! (Anime Size KARAOKE)

<DVD>
TVアニメ「Dr.STONE」オープニング映像(Non-Credit)
※封入特典
アニメ描き下ろしイラスト絵柄ステッカー

●ライブ情報
『15th ANNIVERSARY TOUR 2019→2020』
2019年12月15日(日) [愛知] THE BOTTOM LINE (17:00/18:00)
2019年12月20日(金) [東京] Zepp Tokyo (18:00/19:00)
2020年1月11日(土) [宮城] RENSA (17:00/18:00)
2020年1月12日(日)[新潟] CLUB RIVERST (17:30/18:00)
2020年1月24日(金)[福岡] BEAT STATION (18:00/19:00)
2020年1月25日(土) [広島] VANQUISH (17:00/18:00)
2020年2月11日(火・祝) [大阪] なんばHatch (17:00/18:00)

チケット一般発売中
前売:4,500円(税込/別途ドリンク代必要) 2歳以下入場不可 /3歳以上チケット必要/ファミリーゾーンあり

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