2019年8月8日・Zepp Tokyoにて、声優・逢田梨香子の1st EP『Principal』発売記念 Birthdayイベントが行われた。彼女のBirthdayイベントは昨年も行われていたが、今年はタイトルにもあるように6月にリリースされたデビュー作『Principal』を引っさげたものということもあり、ソロ・アーティストとしての初めてステージを目撃すべく会場には多くのファンが詰めかけた。そのオフィシャルレポートが到着したので紹介する。
会場が暗転するとステージ上のスクリーンには、逢田の幼い頃の写真が多く映し出され、それはやがて『Principal』のアーティスト写真やレコーディング風景のものに変わっていく。それはまるで、この日がBirthdayイベントという側面がある一方で、彼女のアーティストとしてのもうひとつのBirthdayを迎えたことを示すようなでもある。そして最後にスクリーンに映し出された「Happy Birthday 2019.08.08」の文字とともに記念すべきイベントは幕を開け、細かいチェックのトップにシルバーのロングスカートを身につけた逢田が大歓声とともにステージ上に登場した。ちなみにこの日は彼女のオフィシャルメンバーサイト「Us(アス)」がオープンしたのだが、水色の「Us」のオフィシャルユニフォームを着ている観客も多く、「水色率高いですね! ということは、みんな「Us」メンバーになってくれたんですね!」と早速ファンとの交流を楽しんでいた。
イベント最初のパートは、アニメ好きで知られるフリーアナウンサーの松澤千晶をMCに迎えてのトークパートから。女子同士のガールズトークらしい雰囲気がありながら、いくつかのキーワードとともに逢田自身がアーティスト活動を始めて、現在に至るまでの心境が赤裸々に語られたのが印象的だった。最初の「ソロアーティストとしては無色透明」というキーワードのなかでは、デビューするにあたって「自分が主役だと思わなくてはならない。自信をもってたくさんの方を引っ張れるようなアーティストになりたい」という決意が伺える一方で、続いてのキーワードでは「単独ライブは考えただけで怖い」と素直な心境もうかがえた。たしかにこれまでのライブ活動はユニットがメインだっただけに、ひとりでのステージは未知数。だが最後は「いつか頑張らなければならないときが来るので、みなさん楽しみにしていてください!」と笑顔でファンとの約束を果たした。そして最後のキーワードに選ばれたのは、「ここから叶えたい夢を 数えながら踏み出そう」という、『Principal』のリードトラックである「FUTURE LINE」のフレーズからの引用となる。畑 亜貴が書いたこの歌詞に、逢田自身も「夢ってひとつじゃなくていいんだ、たくさん大きい夢を持ってもいいんだって思わされたし、恐れずにチャレンジしていこうって励まされた」のだそう。そうしたたくさんの夢のひとつとして逢田は「作詞」と答え、「しっかりと自分の言葉でみなさんにメッセージを届けたいと思います」と今後に向けての抱負を語った。
テーマトークのあとは「逢田梨香子の初体験チャレンジ」と称し、彼女がまだやったことのない初体験を、ステージ上でチャレンジしようというコーナーがスタート。ダーツや早押しクイズ、そしてテーブルクロス引きと逢田自身がやってみたい初体験に挑戦し、結果いずれも見事大成功を収めた。その後VTRでは食パン作り(生地をこねるだけで満足してしまったので未遂)、高級食パンの食レポなども行われ、誕生日を迎えて新たな一歩を踏み出した彼女にふさわしい(?)チャレンジの数々に会場も大いに湧いた。
続いては、声優・逢田梨香子の一面を見せる朗読劇が行われる。「電子プレリュード」と名づけられた本劇は、コミュニケーションアプリを通じてのとある女子ふたりの友情を甘酸っぱく描いたもので、逢田と個人的にも仲の良いゲストの北原沙弥香とともに、表情豊かにセリフを発していく姿がステージ上で展開された。ちなみにふたりは昼夜公演でお互い演じる配役を入れ替えて行われ、自身にとっても初めての朗読劇というものを、魅力たっぷりに演じることができたようだ。
朗読劇も終わり、スクリーン上に『Principal』のメイキング映像が流れたあとは、いよいよアーティスト・逢田梨香子初となるライブが幕を開けた。白いドレスに身を包んだ彼女がステージに中央に立った瞬間に聴こえたのは「ORDINARY LOVE」の優しいイントロダクション。TVアニメ『川柳少女』のEDテーマであり、ソロ作としていちばん最初に届けられた楽曲が、逢田にとっての最初の歌唱ステージでの1曲目となった。ミディアム・ナンバーという、いわゆる「聴かせる」楽曲がソロとしての第一声となること、そしてステージ上にはバンドもいない彼女ひとりというシチュエーションは、観ている側からしてもその緊張感は痛いほど伝わってくる。彼女自身もまた緊張したような面持ちで、序盤Aメロの低めのメロディを丁寧に歌っていく。楽曲としてはそこから徐々に盛り上がりを見せるのだけど、それにつれて彼女の声も高揚しだし、サビでは実にエモーショナルな歌唱を聴かせていた。歌っている姿もまた、伏し目がちに歌っているような序盤から、曲が展開するにつれて正面を見据えるようになっていくようで、サビでは客席に向けて手を伸ばし、地に足をつけるように足幅を広げて力強く歌うさまは胸に迫るものがあった。歌い終わったあと、万雷の拍手のなかで少しほっとしたように笑顔を見せたのもまた印象的だった。
MCでは、この日が初の歌唱ステージであり、緊張感溢れるなかでこの日を迎えたことを話していたが、観客と会話することでそれも少しほぐれているように思える。そこから「続いての曲、いっちゃいたいと思います」と威勢良く観客に告げたあとの曲は、WEAVERの杉本雄治が提供した、歌謡テイストを感じさせる情熱的なロックナンバー「アズライトブルー」。ミディアムな1曲目からアグレッシブなサウンドにシフトしたことで、彼女もまたリズムに乗って体を揺らしながらパワフルな歌唱を聴かせ、青一色に染まった客席からの熱狂を受けながら、会場が一体となるパフォーマンスを展開していった。また生で聴いて改めて感じることだが、こうした泣きのメロディには逢田の少し艶がかった声がよく合う。ファンの人気も高い曲ということだが、今後もこうした楽曲は彼女にとっての大きな武器となりそうだ。
直後のMCでは改めてこの日を迎えるまでを振り返り、「不安でドキドキしていて、8月が来ることが恐怖だった」とソロ活動するにあたっての不安を素直に吐露する。しかし、「リリイベとかでみなさんにたくさん声をかけていただいて、”私はひとりじゃないんだ”ってだんだん自信がつくようになってきたというか、やっとアーティストとして一歩踏み出すことができたんじゃないかという気持ちです」と、このファンの温かい声援を受け、アーティスト活動への自信を深めていった様子。とにかくここでのMCは実に感動的で、途中言葉を詰まらせ、涙ぐみながらもちゃんと自分の言葉で伝えようとする姿を見るにつけ、改めて多大なプレッシャーのなかで生きてきた彼女が、ファンと出会えたことで新しい一歩を踏み出す勇気を持てたのだとわかる。そしてそんな彼女のひたむきな姿にファンは惹かれていくのだということも。
「私も、ちょっと迷っている人とか、誰かの辛いときに手助けをできる、微力かもしれないけど背中を押してあげたいと思うようになりました。これから素敵な作品を通して感謝の気持ちと届けていきたいと思います!」という、力強いコメントのあとで鳴らされたこの日最後の曲は、『Principal』の1曲目に収録されている「FUTURE LINE」。畑 亜貴(作詞)、光増ハジメ(作曲)、EFFY(編曲)といった、「これまでの彼女」を支えてきたクリエイターたちがアーティスト・逢田梨香子のために作った、未来に向けて一歩踏み出すことを力強く歌ったこの楽曲。そこで彼女は、これまでの緊張から解き放たれたかのように、ここで初めて満面の笑顔を見せて歌っていた。先ほどのMCを受けてのこの楽曲だけに、改めて、ここから逢田梨香子の音楽という物語が始まるんだ、ということが実感できるパフォーマンスだった。そこに観客も思い思いのペンライトの色で応えるという多幸感溢れるムードが会場を包んだまま、ライブパートは幕を閉じた。
エンディングでは観客との記念撮影……の前に、サプライズでバースデー・ケーキが登場するなど、最後まで祝福的なムードで進んだこの日のBirthdayイベント。そしてもうひとつ、緊張感を持ったままこの日を迎えたという彼女の心情も垣間見えることができたイベントでもあった。彼女が「これは一生忘れない」としみじみ語っていたように、この日踏み出した始まりの一歩は、彼女にとって、彼女を支える「Us」メンバーにとっても大きな一歩になったようだ。
そんな彼女の”さらなる一歩”として、イベント終演直後にはスクリーンに「特報」の文字が映る。そして続いて、11月13日に逢田梨香子の1stシングル(TVアニメ『戦×恋(ヴァルラヴ)』OPテーマ)がリリースされることが発表された。アーティスト・逢田梨香子はまだ始まったばかり。しかし彼女が踏み出そうとする未来はすでに輝いて見える。彼女の今後に期待したくなる、そんな一日となった。
Photography By 石井亜希
●リリース
1st Single
「タイトル未定」
11月13日発売
<CD>
1.「タイトル未定」(TVアニメ「戦×恋(ヴァルラヴ)」オープニング主題歌)
2.「タイトル未定」
3.「M1」 (Instrumental)
4.「M2」 (Instrumental)
【初回限定盤(CD+DVD)】
品番:AZZS-97
価格:¥3,200+税
※40Pブックレット
<DVD>
Music Video 他、メイキング映像を収録
【通常盤(CD only)】
品番:AZCS-2078
価格:¥1,300+税
※トレーディングカード(ランダム封入)
先着予約購入特典
・タワーレコード:タワーレコード限定 L版ブロマイド
・Amazon:Amazon 限定 L版ブロマイド
・アニメイト:<初回限定盤>缶バッジ(56mm)、アニメイト限定 L版ブロマイド/<通常盤>アニメイト限定 L版ブロマイド
・ゲーマーズ:<初回限定盤>A4クリアファイル、ゲーマーズ限定 L版ブロマイド/<通常盤>ゲーマーズ限定 L版ブロマイド
・セブンネットショッピング:<初回限定盤>レコード型コースター/<通常盤>セブンネット限定 L版ブロマイド
・DMM 通販 & A!SMART:DMM 通販 & A!SMART 限定 L版ブロマイド
・一般店舗共通特典:オリジナルL版ブロマイド
<注意事項>
※ 先着予約特典には数量に限りがございますので、なくなり次第終了となります。
※ 一部のネットショップやCDショップで特典が付かない場合があります。事前にご予約されるネットショップ/CDショップにてご確認下さい。
1st EP
「Principal」
発売中
【初回限定盤(CD+DVD)】
品番:AZZS-88
価格:¥3,500+税
【通常盤(CD only)】
品番:AZCS-1081
価格:¥1,800+税
<CD>
1: FUTURE LINE
作詞:畑亜貴 作曲:光増ハジメ 編曲:EFFY
2: ORDINARY LOVE
作詞:Satomi 作曲:青木康平 編曲:田中隼人
3: アズライトブルー
作詞:前田甘露 作曲:杉本雄治(WEAVER) 編曲:湯浅篤
4: 君がくれた光
作詞:前田甘露 作曲:豊田雄登 編曲:APAZZI
5: I will
作詞:Satomi 作曲・編曲:田中隼人
<DVD>
「FUTURE LINE」 Music Video、メイキング映像を収録
※別冊40Pフォトブック、三方背スリーブケース
<イントロダクション>
人類に迫りくる悪魔を迎え撃つ9人姉妹の戦乙女(ヴァルキリー)
彼女らの原動力は1人の高校生との“恋”だった――――
「アクマ」というあだ名をつけられるほどの強面の風貌から周囲に怯えられ、上手く他人と関わることができない孤独な高校生・亜久津拓真。
一人の少女を助けたことをきっかけに、悪魔と戦う9人姉妹の戦乙女(ヴァルキリー)の恋人となって育て、人間界を守ってほしいと頼まれる。
その方法は…
戦乙女と“恋(イチャイチャ)”をすること!!
9人姉妹と恋人契約を結んだ拓真は、彼女らと一つ屋根の下で暮らし、様々な濃いミッションを乗り越え、彼女らを戦いへ導くことに…
恋が世界を救うことを証明せよ!戦乙女(ヴァルキリー)、発動――
【キャスト】
亜久津 拓真(あくつ たくま):広瀬裕也
早乙女 七樹(さおとめ なつき):本渡 楓
早乙女 五夜(さおとめ いつよ):加隈亜衣
早乙女 六海(さおとめ むつみ):日高里菜
早乙女 一千花(さおとめ いちか):内山夕実
早乙女 二葉(さおとめ ふたば ):原 由実
早乙女 三沙(さおとめ みさ):清水彩香
早乙女 四乃(さおとめ しの):逢田梨香子
早乙女 八雲(さおとめ やくも):河瀬茉希
早乙女 九瑠璃(さおとめ くるり):小岩井ことり
スー:新田ひより
犬飼 透(いぬかい とおる):平川大輔
スクルド:種﨑敦美
レスクヴァ:M・A・O
ウル:福圓美里 ほか
【スタッフ】
原作:朝倉亮介(掲載 月刊「少年ガンガン」スクウェア・エニックス刊)
監督:直谷たかし
シリーズ構成:髙橋龍也
キャラクターデザイン・総作画監督:立石聖
音楽:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
アニメーション制作:フッズエンタテインメント
オープニング主題歌アーティスト:逢田梨香子
エンディング主題歌アーティスト:早乙女一千花・七樹・八雲(内山夕実/本渡楓/河瀬茉希)
早乙女二葉・六海・九瑠璃 (原由実/日高里菜/小岩井ことり)
早乙女三沙・ 四乃・五夜 (清水彩香/ 逢田梨香子/加隈亜衣)
製作:「戦×恋」製作委員会
©朝倉亮介/SQUARE ENIX・「戦×恋」製作委員会
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