INTERVIEW
2019.07.17
綾野ましろが活動5周年を間近に控えた7月17日に8thシングル「GET OVER / confession / GLAMOROUS SKY」をリリースした。表題曲はTVアニメ『パズドラ』という新境地へ挑む楽曲で、ほかにもElements Gardenとの初コラボや中島美嘉のカバーと盛りだくさんのトリプルA面シングルだ。歌詞や曲作り、歌い方とそこかしこから感じられるライブとファンへの思いをたっぷりと語ってもらった。
──これまで綾野さんが歌われた主題歌は深夜帯のアニメが多かったので、今作の1曲目「GET OVER」は、夕方帯のTVアニメ『パズドラ』の主題歌でということで、あらたな層にアピールできるのではないかなと思います。
綾野ましろ そうですね。『パズドラ』は私も知っていましたし、親戚の子やまわりの友達もゲームをプレイしているみたいで、活動5年目に突入するタイミングで新しいリスナーに知ってもらえる機会になってうれしいです。歌詞を書いているときもワクワクして、歌い方も“綾野ましろらしさ”を出しつつ聴きやすく、歌詞がしっかり届くよう大切にレコーディングできたと思います。
──“綾野ましろらしさ”という言葉がありましたが、今のタイミングでご自身としてはどのような部分を“らしさ”と捉えていますか?
綾野 パワフルな陽のエネルギーというよりは、月のエネルギーかなと。これまでは、背中を押すような歌詞はあえて選ばず、寄り添う内容が多かったんです。「GET OVER」は、ファンの方々と一緒に音楽を通じて作ってきた居場所が4年間でしっかり出来たからこそ、「ついてきてね!」という気持ちで歌えた曲なのかなと思います。
──ファンの方との絆を感じさせるお話ですね。綾野さんは普段、どんな言葉に助けられますか?
綾野 例えば海外のフェスに呼ばれて、「明日は大丈夫かな」って心細くなるときはSNS上で見かける皆さんの言葉に励まされることが多いですね。ファンの方とアーティストって、鏡になっていると思うから、優しい考えを持ってくれる人たちがいると確認できると、それが自信に繋がるんです。
──今回も歌詞は宇田川 生さんとの共作ですが、どのように行いましたか?
綾野 まずは全体像をいただき、1番は宇田川さんにお預けする形でした。そのあと2コーラス目から私の言葉がたくさん入り、落ちサビの部分で深く入り込んだ歌詞には私からお伝えしたい言葉をたくさん入れていきました。『パズドラ』は小学生やその下の子たちも大勢観る作品なので、そういった世代の子には「言葉を大切にしてほしい」という思いを伝えたかったんです。SNSなどで恐れなく心ない言葉も発信できてしまう時代ですが、そんな今だからこそ直接話し合うことの大切さを忘れないでほしいなと思います。2A の“胸に宿 ることばは 争いの道具じゃない”という歌詞は、SNS 上で言葉を使って傷つけ合う光景をよく目にしたのがきかっけになっています。この曲は、「あなたはどういうポジションでいたいですか?」という問いかけをしています。アニメのストーリーはバトルを繰り返して進んでいきますが、言葉が武器ではないし、心と心でぶつかっていけば戦友同士になれる。どうせなら熱く戦う温かい気持ちを持とうよ、と。この歌詞からそういったメッセージを感じ取ってもらえたらうれしいです。
──収録はいかがでしたか?
綾野 レコーディングが忙しいタイミングと重なって、実はちょっとナーバスになっていたんです。でも、歌ったらまた元気になっていて。やっぱり歌う力ってすごいし、私は歌が好きなんだな、と改めて感じました(笑)。5年目もたくさんライブをしてたくさん音楽を届けて、もっともっと素敵な音楽の輪を広げていきたいなと思っています。
──歌で自分自身すら励ましてしまうなんて、本当にお好きなことが伝わってきます。
綾野 歌うこと自体がストレス発散というか、自分の趣味は音楽しかないんじゃないかというくらい、音楽が好きです。ライブをしたり音楽を出せたりすることはありがたいのですが……でも、反面怖くもあって。
──それはどうして?
綾野 この5年で築き上げてきたなかでも、ファンの方はある程度入れ替わるし、今ってそれが起こりやすい時代なのかなって思うんです。だから、次の作品で最後かもしれないという思いはつねに持ちながら歌っています。当たり前になってしまうと大切に思えなくなってしまうんだろうなと思います。もちろんずっと変わらず応援してくれる方もいて、そういう方たちへも含め、大げさじゃなく、命を削って歌っています。
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