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INTERVIEW

2019.03.07

コアラモード.TVアニメ『逆転裁判~その「真実」、異議あり!~Season 2』新EDテーマ「ビューティフルデイズ」インタビュー

コアラモード.TVアニメ『逆転裁判~その「真実」、異議あり!~Season 2』新EDテーマ「ビューティフルデイズ」インタビュー

コアラモード.が通算7枚目となるシングル「ビューティフルデイズ」をリリース。この楽曲は、TVアニメ『逆転裁判~その「真実」、異議あり!~Season 2』のEDテーマとして放送中。その楽曲の魅力はもちろん、最新シングルにまつわるいろんな想いをメンバーのあんにゅと小幡康裕に伺った。

――TVアニメ『逆転裁判~その「真実」、異議あり!~Season 2』(以下、『逆転裁判2』)のEDテーマへ起用中の「ビューティフルデイズ」はジワジワと胸に染み入る楽曲ですよね。とくに、サビ頭の“守りたいビューティフルデイズ”という一節を聴いた瞬間、気持ちがグッと高まりました。この楽曲は、『逆転裁判2』の世界観ともリンクしたうえで書いた楽曲なのですか?

小幡康裕 はい。TVアニメ『逆転裁判 2』用に書き下ろした楽曲です。アニメの題材になっているのが「裁判」。「裁判を通して守りたいものは?」というところから考え始め、「じゃあ、自分たちが守りたいものって何だろう?」と想いを巡らせていくなか、「日々の中から生まれた大切な記憶」や「家族や恋人のような守りたい存在」などのテーマが浮かびました。同時に、昔ストックしていたメロディのフレーズが甦り、そこへ“守りたいビューティフルデイズ”という言葉が重なったことから、最初に生まれたのがそのサビ頭のフレーズなんです。そこから「“守りたいビューティフルデイズ”とはどういったものか?」と想いを巡らせ、その世界観を広げる形でこの曲は誕生しています。

――そうやって、この曲が生まれたんですね。

小幡 「ビューティフルデイズ」を作るうえで大切にしたのが、あえて具体的な説明を避けること。今までのコアラモード.は「説明的な表現」や「具体的に言い切ること」を大事にしていて、そこへ重きを置いてきました。でも今回に関しては、あえて「語りきらない」と言いますか。「解釈は聴いてくださる方々に委ねよう」ということで作りました。だから、A・Bメロではあえて抽象的に、それこそ風景の描写風に書き記し、そこからすんなり世界観へ想いが溶け込んでいけるようにと歌詞を書いています。

――個人的な解釈になりますが、この歌を聴いていたら、今は出会えない、それこそ亡くなってしまった人への想いが甦ってきました。

あんにゅ 私もこの歌詞を書くときに、「自分にとっての守りたいものは何か」と考え、浮かんだ想いを箇条書きにしていきました。その中には、「亡くなった祖母との大切な思い出も守りたいビューティフルデイズだな」という想いもあって。「ビューティフルデイズ」の歌詞はあえて具体的な表現をしていないように、そこは、聴く人それぞれに想像を膨らませてもらえたらなと思っています。

――この曲がアニメのエンディングで流れると、気持ちがグッと揺さぶられますからね。

あんにゅ 『逆転裁判 2』は、ギャグセンスも高く、楽しいシーンもたくさんある作品なので、はじめは、ちょっと静かなバラード系の楽曲だったので心配しましたが、「ビューティフルデイズ」が流れるのは、物語がシリアスな展開へ向かっている時期。実際にアニメのエンディングとして流れたときには、アニメ映像がさらに楽曲を引き立たせてくれたように、物語へしっかり寄り添えた楽曲になれたなと思えたし、観ていてとても感激しました。

――コアラモード.は、これまでにも、TVアニメ『四月は君の嘘』のOPテーマ「七色シンフォニー」や、TVアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のEDテーマ「花鳥風月」など、素敵なアニメソングを生み出してきましたよね。

あんにゅ コアラモード.は以前から、明るさの中にもちょっと切なさが顔を覗かせる楽曲を作り続けてきたせいか、アニメソングとの相性が良いみたいです。しかも、物語がだんだんシリアスになっていく過程とコアラモード.の楽曲の相性も良いらしく、それもありがたいことだなと受け止めています。

小幡 普段、僕らが楽曲を作るときは、僕ら自身の体験や、僕ら自身の中に生まれたインスピレーションを大切にしていくんですけど、アニメ作品とのタイアップの場合は、自分たちが持っている以外の世界観に触れたときに生まれたインスピレーションを大切に表現していく。その出会いが、結果的に自分たちの表現の幅も広げてくれます。それは、今回の「ビューティフルデイズ」にも言えると思います。

――歌が進むごとに、気持ちと歌声、楽曲とがすべて重なり合い、心がジワジワとうれしい感動を覚えながら沸き立ってゆく。アレンジ面も含め、あの世界観が大好きです。

小幡 完成した「ビューティフルデイズ」は、ストリングスも加わり、天井の高い壮大なアレンジになっていますけど。もともとは、あんにゅが四畳半くらいの部屋でアコギを弾きながら作ったように、もっと身近な距離感を持った作品でした。当時は、タイトルも違ってたんだよね。

あんにゅ 仮タイトルとして、「みんなさみしいんだ」と付けてました。

小幡 その楽曲が、アニメ『逆転裁判 2』と出会ったことで、今の「ビューティフルデイズ」へ繋がるテーマが生まれ、楽曲自体もより味わい深く広がりを持った表情に進化していったわけなんです。

――エンディングに向かってジワジワと気持ちに歌や曲が染みていけば、心もちょっと潤う感動に浸される。「ビューティフルデイズ」はそういう楽曲だと感じます。

小幡 もちろん、アニメのEDテーマとして起用しているように、89秒の中でしっかり想いを届ける構成にしています。最期に記した「ありがとう」の歌まで聴くことで、聴き終わったあと、ジワーッと胸に歌が染み渡る、そんな余韻も残る楽曲にしたかったんです。
――それって、まるで……。

小幡 本を読み終えたあとの読後感と言いますか……。その余韻を楽しむのと同じような感覚。それを、「ビューティフルデイズ」を聴き終えたあとに感じていただけると思います。

――「ビューティフルデイズ」は、“守りたいビューティフルデイズ”のように、胸をキュッと揺さぶる言葉と、聞き手の想像を膨らませる余白を持った表現とがうまくミックスされた楽曲。そこも想像を掻き立てられて好きなんです。

小幡 「ビューティフルデイズ」には一文字ひと文字の中へ、その人だからこその感覚で想いを想起させる言葉を選び抜いていますからね。

あんにゅ “朝焼け空 うたう鳥”というフレーズひとつを取っても、「さえずる」なのか「うたう」なのかいろいろ考えたうえで選んだように、歌詞の随所へこだわりを持って選んだ言葉たちを記しています。そこも感じ取っていただけたらうれしいなと思います。

――気持ちの揺れが見えてくるあんにゅさんの歌声も、「ビューティフルデイズ」に聴き惚れてしまう要因だなと感じています。

あんにゅ 実際に歌うときも、「私にとってのビューティフルデイズ」と言いますか、大切な思い出を胸に感じながら歌いました。理由は、私自身がビューティフルデイズという想いを感じてないと、聞き手の方にも伝わらないなと思ったからです。思い出って、それが楽しいものでも、つらく悲しいものであろうと、けっして消えはしないもの。だからこそ、その想いを大切にしてほしくて“忘れないでビューティフルデイズ”と想いを込めて歌いました。

――「ビューティフルデイズ」には、忘れたくない思い出を作ってくれた人に対しての愛情がとても感じられますからね。

小幡 誰にだって「ビューティフルデイズ」な思い出があると思います。それが家族や友だち、恋人と過ごした日々だったり。そういう思い出に背中を押されることだって、ときにはあると思います。それらの思い出を甦らせるきっかけがこの曲には詰め込まれています。そのうえで、聴く人それぞれに、自分の中の「ビューティフルデイズ」を思い返してもらえたら……。

あんにゅ 卒業式も「ビューティフルデイズ」ですよね。卒業式って、人生の中、何度も味わえるものではないからこそ、友だちと過ごした日々や教室の景色は、守りたい大切な思い出としてずっと心の中でキラキラしながら残り続けていくもの。私の中にも、あの頃の体験や風景は、「ビューティフルデイズ」として残り続けています。

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