――そんな学生時代の「ビューティフルデイズ」も、何年か経つとカップリングに収録した、再会を祝す「カンパイ!」になるわけですね。
あんにゅ そうなんです(笑)。再会って、あの頃のいろんなことを笑いあえながら話せる場にもなりますからね。「カンパイ!」は、シングルが3月リリースということから、その時期にピッタリな歌として選びました。同時に、コアラモード.の「さくらぼっち」(2016年3月発売のシングル)が、TikTokで支持されたことからの影響も加味されています。
――そこ、気になります。
あんにゅ 昨年の秋頃に突然、いろんな人たちから「『さくらぼっち』っていい曲だね」と言われ出しました。「さくらぼっち」をリリースしたのって、その時点でもう2年半くらい前のことなんですね。しかも、さくらの時期とは関係ない秋にそう言われだして。その理由を聞いたら、TikTokで「さくらぼっち」を背景に踊ってる動画をみんなが次々とアップしているからだと。そのお話を聞いていたことから、「カンパイ!」に込めた「君と出会えたことに感謝しながら、これからの新しい日々にも感謝していこう」の想いと、またTikTokでいろんな人たちと出会えたらという想いも重ね合わせ、この曲を収録しました。
――同窓会も含めてですが、何年かぶりに友だちに会うと「カンパイ!」に描いたような風景や気持ちが生まれますね。
あんにゅ そうなんですよね。学生時代の友だちって、久しぶりに会っても、やっぱり学生時代の頃と変わらぬ気持ちで接していれば、あの頃のような無邪気な関係に戻れるじゃないですか。それっていいなぁと思い、「カンパイ!」を作りました。
――無邪気な少年少女時代に戻りつつ。でも、しっかり今の現実も直視している。そこが見えてくる内容なところも、この歌にリアルさを覚える要因になっているんでしょうね。
あんにゅ そこなんですよね。私も「カンパイ!」の歌詞のように、実際に久しぶりに会った友だちがいたんですけど。昔話はもちろん、そこは同級生のように、同じ世代だからこそ特有の同じ悩みがあれば、それを話しあってもいました。昔、失恋してすごく落ち込んでいる姿を見ていたけど、今は「好きな人ができたんだ」とうれしそうに話してくれれば、それを聞いて「やっと次へ進めたんだね」「かんぱーい!」と一緒にはしゃいだり。そんな経験談も背景にありつつ、「カンパイ!」は生まれています。
――「カンパイ!」の歌詞からも見えてきますが、そうやっていつまでも青春していられる関係って素敵ですよね。
あんにゅ そうなんです。青春って何歳になってもしていけるんです、(横の小幡を見ながら)覚えておいてください(笑)。
小幡 「ビューティフルデイズ」は、過去を振り返りながらも、最期に記した“ありがとう”の言葉を通して前を向き、未来へ進んでいく歌。「カンパイ!」も、実際にカンパイしている瞬間は、紛れもなく再会を祝した今現在の時間ですけど、そこから話す内容は、過去の思い出だったりもするわけじゃないですか。でも同時に、今を踏まえた未来の自分たちの姿もそこへ重ね合わせ語りだしていくこともある。つまり「カンパイ!」は、現在という時間を軸に、過去を振り返れば未来も見据えてゆく内容。どちらも「未来を見てる」という面では共通しているなとも僕は感じています。
――そして3曲目には、「地区センターに行こうよ」という、ウキウキ心を弾ませる楽曲を収録しました。
あんにゅ 地区センターって、いわゆる公民館のことなんですけど、私達の生まれ育った横浜市では、公民館のことを昔から地区センターと呼んでいるんですね。私達は、地元の横浜を盛り上げるためのひとつの方法として、横浜のご当地芸人の横浜ヨコハマさんらと一緒に、2016年より横浜にある18区の地区センターをまわるライブを続けてきました。そのツアーを始めるときに作ったのが、「地区センターに行こうよ」になります。ツアーも昨年12月に終了。その楽曲を埋もれさせるのはもったいないと思い、このタイミングにとの想いから収録をしました。
小幡 地区センターは、僕ら自身が小さい頃から慣れ親しんできた存在。言ってしまえば、地区センターは僕らを育ててくれた場所であり、僕らの中のビューティフルデイズなんですよ。
あんにゅ 何でもビューティフルデイズになっちゃってる(笑)。
小幡 でも、実際に小さい頃や学生時代は通ってたでしょ。
あんにゅ 私なんか、赤ちゃんの頃から母親が連れてきていたくらいだからね(笑)。だから「地区センターに行こうよ」の歌詞にも、私達はもちろん、施設を利用したことのある人なら「あるある」と納得してもらえる、いろんな「あるあるな事柄」を詰め込んでいます。
――それが地区センターであれ、公民館だろうと、同じような経験をしているように、「そうだなぁ」と思わされました。
あんにゅ 皆さんも、聞けば「そうそう」となると思います。
――ライブ感を持った楽曲になっているところもいいですよね。
小幡 実際に地区センターツアーをやっていたときのアコギとカズーとヴォーカル、そしてお客さんたちとの掛け合いなど、あの当時の姿をそのまま詰め込めば、お客さんたちの掛け合いの声も、最終日の模様をライブレコーディングし、それを使っています。広い会場ならではのリバーブのかかったお客さんたちの声にも、臨場感を覚えますよね。
――完成した最新シングル「ビューティフルデイズ」、それぞれどんな作品になりましたか?
小幡 今後のコアラモード.へ向け、またあらたな広がりを与えてくれた作品になりました。
あんにゅ 「ビューティフルデイズ」は、3月という卒業や別れの季節に似合う歌。「カンパイ!」は、4月という新しい生活を迎えた時期にぴったりの歌。またコアラモード.の中に新しい春ソングが加わりました。とくに「ビューティフルデイズ」、ちょっと浸りたい気分のときに聴いて、あったかい気持ちになってください。
小幡 歌がジワーッと胸に染み渡るからね。
あんにゅ 「ビューティフルデイズ」の最期で“ありがとう”と歌ったのも、その感謝の想いを伝えることで、自分も、まわりの人たちも前向きになれるなと思ってのこと。このシングル作品には、「ここからまた先に進もう」という気持ちも込めているので、そこも感じていただけたらと思います。
Interview & Text By 長澤智典
●リリース情報
TVアニメ『逆転裁判~その「真実」、異議あり!~ Season 2』EDテーマ
7thシングル
「ビューティフルデイズ」
3月6日発売
【初回生産限定盤(CD+DVD)】
品番:BVCL-954~5
価格:¥1,500+税
<CD>
1.ビューティフルデイズ
2.カンパイ!
3.地区センターに行こうよ
4.ビューティフルデイズ Instrumental
<プロフィール>
『横浜発!カラフルメロディーとピュアボイスが奏でるサウンド・ア・ラ・モード..』2013年に結成。
ボーカルあんにゅとサウンドクリエイター小幡康裕(おばた やすひろ)からなる横浜出身の男女二人組ユニット。
2015年「七色シンフォニー」でメジャーデビュー以降、数々のTVCMタイアップやNHK「みんなのうた」など活躍の幅を広げている。
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