REPORT
2019.03.05
「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」発のCD「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 12 D/Zeal」と「THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 13 りるきゃん ~3 little candy~」の合同リリースイベントが2019年3月3日、都内某所で開催され、ジュリア役の愛美、最上静香役の田所あずさ、篠宮可憐役の近藤唯、野々原茜役の小笠原早紀、伊吹翼役のMachicoが出演した。
CDに関するトークでは、まずはD/Zealの話題に。愛美が田所とオリコンウィークリー1位祝いで食事に行ったエピソードを明かし、「ころちゃんに愛美さんって普段どうやって歌ってるんですかって、歌についていろいろ聞かれたのが、静(しず)っぽくていいなと思った」と語ると、Machicoがふたりの距離が近づいたことに嫉妬する場面もあった。
そんなD/ZealのCDドラマには、Machico演じる翼も出演している。田所が「テンションが落ちた静香に最初はMachicoさんがテンションを合わせてくれていたけれど、いつも通りの翼でいいよとディレクションされてた」と明かすと、Machicoさんも「翼の明るさで、少しでも明るくできてたらうれしい」とはにかんでいた。
りるきゃんについては、進行役の近藤が「りるきゃんはドラマCDの内容と歌詞がリンクしてる」と語ったものの、小笠原は照れまくってなかなか言葉が出てこない。その後小笠原は「少女漫画みたいな甘くてふわふわしたお話だから照れちゃうんですよ。女子会みたいな歌なので、振り付けもキュンキュンしてます」となんとか語ったのだった。
「アウトオブシアターデイズ」のコーナーでは、「どこで」「何を」「アイドル名が」のお題に沿ってのエチュードをそれぞれが行なった。隙あらば他のメンバーを引っ張り込もうとするのはもはや定番だ。一番手を引き当てた近藤は「温泉で」「お寿司を食べながら」「篠宮可憐が」というお題に沿って、わさびを中心にした演技を披露。ところがここで愛美から「温泉要素は? (可憐に)温泉につかってほしい。それではどうぞ」と無情のリテイクが入ってもう一度やり直すことに。審査のハードルの高さに戦慄するキャスト陣だった。宇宙で仲良く「ミリシタ」をプレイする茜と可憐、保健室でいちゃいちゃするジュリアと翼、お花見で管を巻く静香などを5人が演じて、コーナーは大いに盛り上がった。
後半のミニライブはりるきゃんから。「ハルマチ女子」では、「ミリシタ」のキュートな振付を再現してみせた。歌いだしで3人がぎゅっと集まって、女子会トークを交わすような距離感が印象的だ。今回の会場では照明をきめ細かくセッティングできたこともあり、「彼氏になってよ。」でソロパートを担当するメンバーが順番に光の中に浮かび上がって色づく演出が美しい。キラキラした表情豊かな小笠原と、キュートな歌声の表現力に特化したMachicoが左右から支え、センターに立つのは近藤。「震えてるけどねぇ聞いて!」のフレーズで、文字通りに声をふるわせながら勇気を出す姿は可憐そのものだった。
D/Zealが歌う「ハーモニクス」は鮮烈な赤と青に染め分けられる照明、客席を射貫くように見据える田所と挑戦的な笑顔を浮かべる愛美、何もかもが対称的だ。クラップを呼びこむふたりの歌声と存在が絡み合い、「世界中に鳴り響いて」のフレーズで溶け合うと、ステージの光が紫に染まる。アウトロの美しいファルセットの余韻が消えるまで、2人の存在に魅入られるようなステージだ。
「ドラマを聞いてもらえれば、「鳥」が示すものが伝わると思います(田所)」「言葉を噛み締めながら歌いたいと思います(愛美)」の言葉と共に「餞の鳥」へ。抒情的でケレン味がある愛美の歌声と、突き抜けるようにまっすぐで清涼な田所の歌声の二重奏。少しでもバランスが崩れたらすべてがほどけてしまいそうな、危ういバランスの中で互いの歌声がしのぎを削り、互いを高めていく。背後から2人を照らし出すライトが、左右の壁面に別々の影を映し出した。
特記したいのが「餞の鳥」のラストでふたりが見せたポーズだ。近すぎず、遠くもない絶妙な距離感の2人が片翼を象った指先をお互いに差し出すと、2人の手元が空を舞う鳥のシルエットを作り出す。それは互いが片翼しか持たないがゆえに、つがいで支えあわなければ飛べない、比翼の鳥をイメージさせた。伝承によれば、比翼の鳥は赤と青の翼を持つそうだ。
ラストの挨拶で近藤はミリオンのリリイベを安心できる場所だと語り、そう思えるようになったこと自体が成長の証であることを伝えた。愛美はD/Zealはふたりでひとつだからこそチームワークが試されると語ると、「こうやってふたりの時間を重ねていけたらなと思います」。田所は「餞の鳥」を「ちょっとでもずれると崩れていっちゃうような楽曲」と評しながら、今日までに重ねた準備と努力を語っていた。
Machicoはしっかり引っ張ってくれる近藤と、いつも自分をフォローしてくれる小笠原への感謝を語ると「トークの楽しい気持ちが「ハルマチ女子」にそのまま乗っていると思います」。小笠原はりるきゃんの等身大の女子会のような良さを語ると、「ドラマパートが切ないような甘酸っぱいようなお話で、いろんな気持ちをこめて歌ったので、伝わっていればうれしいです」と語った。
イベントを締めくくったのは、ちょっと久しぶりにも感じる「Brand New Theater!」。さっきまで鋭いオーラを出していた田所が、センターで満開の笑顔で歌っている姿が印象に残った。平成最後のミリオンリリイベを終えて、次なる劇場は4月27日、「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR Angelタイプ」仙台公演だ。
Text By 中里キリ
©窪岡俊之 ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. ©BNEI/PROJECT iM@S
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