11月14日に、『閃乱カグラ SHINOVI MASTER -東京妖魔篇-』エンディング主題歌に起用されたMia REGINAのニューシングル「純正エロティック」が発売となった。収録されている3曲すべての作詞を、今回初めてMia REGINAの作詞を手がける只野菜摘が担当した。そのきっかけやそれぞれが楽曲に込めた想い、3曲に共通した裏テーマのほか、対談ならではの話題をお届けする。
――今回只野さんが作詞をされることになった経緯というのは?
只野菜摘 Mia REGINAとしてデビューされたときにすごく魅力的だなと思っていて、『アイカツ!』シリーズ(Mia REGINAの3人が歌唱を担当)のライブで3人にご挨拶させていただいたタイミングで「今度歌詞を書かせてください」と言っていたんです。そうしたら、すぐに今回のお話をいただけました。
――表題曲「純正エロティック」はどういったイメージで作られましたか?
只野 いつもぱっと出てきたタイトルを直感的に採用して、そのタイトルから歌詞を作ることが多いのですが、今回は「純正エロティック」という言葉がぱっと浮かんできました。初めは「『エロティック』ってどうなんだろう」とも思ったんですが、「エロティック」は『閃乱カグラ SHINOVI MASTER -東京妖魔篇-』、「純正」はMia REGINAさんというイメージで、Mia REGINAの「いいオンナ感」を醸し出せる歌詞にしようと思いました。
――Mia REGINAの皆さんは、最初にそのタイトルを聞いて率直にどう思われましたか?
上花楓裏 「すごいエロティックな曲だったらどうしよう」と思いました(笑)。でも、歌詞も曲もそこまでエロティックな感じではなかったので安心しました。
ささかまリス子 結構バーン!とくるタイトルですよね。
霧島若歌 そうそう。お客さんもきっとタイトルを聞いて「どんな曲がくるんだ!?」って身構えたと思うんですが、そういうギャップがあるのもよかったです。
ささかま 歌詞を読んだら、自分と同じ年代の人が思いそうなことが書かれていて、早く歌いたくなりましたね。一番最後は「ha-」が3回続いて、そのあと「はー」で締めるんですが、ここを歌うのをとにかく楽しみにしていました(笑)。「元気、元気、元気、けだるげにしよう」って。レコーディングの順番は私が最初だったので、自由に歌いました。
――おふたりはどんなイメージでレコーディングされましたか?
霧島 いつもは少し若めに歌うことが多いので、エロティック感を出すために、かわいく歌うのか、大人っぽく歌うのか、最初は探りながら歌っていました。今回は「自分に寄せてもいいんだな」と思って、大人なイメージに落ち着きましたね。あと、1番Bメロで“右膝についたアザ”という歌詞があるんですが、当日はちょうど右膝にアザがあったんですよ(笑)。
一同 (笑)
霧島 2番の“シンプルな女になりたい”という歌詞も共感できるし、Bメロは「もしかして私のことかも……」と思いながら歌っていました。
上花 私も、エロティックを大事にしようと思って、元気になりすぎないように歌いました。あまり大人な感じで歌ったことがなかったので、かわいくてちょっとセクシーな歌を意識しましたね。只野先生もレコーディングに来てくださったんですが、先生の前で歌うのは緊張しました。
只野 今回初めてレコーディングの現場にお邪魔して、あのときは私も少し緊張していましたね。でも、みんなするっと歌われていましたよ。歌詞は決定稿が出た時点でそのアーティストさんのものになるので、こちらからは特に「こうしてほしい」と言わず好きなように歌っていただくのですが、最後のひらがなの「はー」は見事にひらがなで歌ってくださって。すごかったです。
ささかま それは只野先生に直接自分の気持ちをぶつけることができたからですね(笑)。私は本当に只野先生の曲が大好きで、そのすべての曲に「この部分が好き!」っていう印象的なフレーズがあるんですよ。『アイカツ!』シリーズだと“アウトロが終わるとイントロがながれてくる”(episode Solo)とか、“女の子のぶんだけ ティアラはちゃんとある”(チュチュ・バレリーナ)とか……。
――好きな曲はまた後ほど語っていただきましょう(笑)。カップリングの2曲についてもお伺いしたいのですが。
只野 もともと作詞のお話をいただいていたのは「純正エロティック」の一曲だけだったんですよ。プロデューサーの臼倉(竜太郎)さんが、「純正エロティック」に出てくるすごくいい女の子=純正ちゃんに恋をしてしまったみたいで(笑)。「もっといろんな純正ちゃんが見たい」ということで、この2曲も書かせていただけることになりました。「ピンヒール・ムーン」を2番目に書いたのですが、これは「純正ちゃんがパーティーに行ったらどうなるのかが見たい」というオーダーでしたね。
霧島 歌詞のイメージが、すごくリス子に近いものでした。
ささかま この曲も大好きなんですよ!
霧島 私が最初にレコーディングすることになったので、頭の中でリス子に歌わせて「きっとリス子はこう歌うんだろうな」というのを想像していました(笑)。レコーディングで一番手ってあまりないから本当に緊張して。なかなか思い通りに歌えなくて、心が折れかけましたね。
ささかま 私は家で練習しているとき、楽しくなっちゃって何十回も歌っていました。レコーディング中も、「ソロ曲だったらそれでいいんですが、もうちょっと落ち着きましょうね」ってよく言われていました(笑)。
只野 リス子ちゃんの歌は本当に愛があふれていました。
上花 私は大人な感じで歌うのがとても苦手なので、ちょっとでも曲に合うように頑張ったんですが、完成した音源でリス子の歌を聴いて「うわー、すごーい」と。
霧島 そうそう、思った。やっぱりリス子の歌を先に聴いておきたかったです(笑)。
只野 これは今後のライブが見逃せませんね。
――「Enchante」はどのようなオーダーから生まれたのでしょうか?
只野 「ピンヒール・ムーン」と同じく「パーティ」だったので、こちらは女子会にしようと思いました。実は「Enchante」の作詞に入る前に「純正エロティック」のミュージックビデオを見てしまって(笑)。すごく歌詞の世界観を意識して作ってくださったみたいで、ここにもその繋がりを持ってこようと思って「バスルーム」というワードを入れたんですよね。あのお風呂シーン、見ていてドキドキしました(笑)。
ささかま 私たちも出来上がった映像で初めてみんなのお風呂シーンを見たんですが、わか様は本当に「バス」でしたね(笑)。「うわー、ぽいぽいぽい!」「楓裏さんはシャボン玉でしょうね~」とか言いながら見ていました。
只野 最後の「はー」は、梅酒のCMみたいですよね。
一同 (笑)
只野 すごくツボでした。
――レコーディングはいかがでしたか?
ささかま 歌詞に出てくる女の子たちの年齢感についていろんな考え方ができるので、歌い方で迷いました。
上花 私はこういった爽やかな曲を歌うのが得意なので、本当に女子会をしているイメージで、とにかく元気に楽しく歌いました。
霧島 インスタ映えとかイメージしながらね。出だしの音程がすごく高いので不安もありましたが、レコーディング当日はすごく調子がよくて、ノリノリで歌えました。あと、この曲は「コミックの中の毛布みたいに」問題が……(笑)。
一同 (笑)
霧島 私はこの部分をライナスの毛布だと思って歌っていたんですが、みんな何のことかわからなかったみたいなんですよ。
ささかま 「少女漫画の中の何か」だと思いながら歌っていました。『ピーナッツ』は履修してないから見なきゃ。
上花 私も全然わからなかった。だから、そのまま「漫画に出てくる安心できる毛布」を想像して(笑)。
――只野さんは、歌詞の意味をわかってもらえるかどうか、どのくらい意識されるんですか?
只野 あまり気にしないですね。「ちょっとわかりにくいから直してもらいたい」というオーダーがきたらすぐに直しますが、「これってどういう意味なんだろう」という部分があってもいいんじゃないかな、というか、歌の歌詞ってそういうものなのかなと思っています。
――Mia REGINAの皆さんもご自身で作詞をされることがありますが、何か只野さんに聞いてみたいことは?
上花 作詞するときに「表現のバリエーションが増えるから本をたくさん読むといいよ」ってよく言われるんですが、只野先生も本は読まれるんですか?
只野 あまり読まないですねぇ。最近は読書より、NetflixやHuluで映画を観ることのほうが多いです。映像のイメージから歌詞を書いているところはあるかもしれないですね。
霧島 そういえば、リス子が作詞した曲を歌うときに「この映画、このシーンだけでも観ておいて!」って言われたことがある(笑)。
ささかま うん、コアな映画を観せたことがある。あと、11月に3曲をぞぞぞっとライブで披露する予定で、「ピンヒール・ムーン」のダンスとステージングを考えているところなんですが、ふたりに「こんなイメージ」って動画を送りましたね。
只野 それは今言ってしまうとネタバレになりますね(笑)。
――ライブが楽しみですね。最後に、只野さんが作詞を手がけられた中で好きな曲をおひとりずつ教えてください。
ささかま 高垣彩陽さんの「愛の陽」。ほかにも好きな曲はいっぱいあるんですが。これは人生を歌っている歌詞で、どんな人、どんなシーンでも当てはまるんですよね。壮大な曲で、世界観があって、大好きです。
上花 『アイカツ!』で歌わせていただいた「RED MOUNTAIN」ですね。歌うのがとても楽しかったです。
ささかま あの曲の“動物たちの営みや”というフレーズ、私が歌いたかったのに楓裏ちゃんのパートになったんですよ。すごいねちねち言いました(笑)。
一同 (笑)
霧島 私は『アイカツ!』の「ヒラリ/ヒトリ/キラリ」と「Take Me Higher」ですね。“ファム・ファタルの引力”とか“みんな友達だった みんなライバルだった”みたいな、言葉のチョイスが好きなんですよ。エモを感じます(笑)。
只野 うれしいですね。「愛の陽」とか、ちょっとびっくりしました。いつか4人で女子会したいですね。
ささかま やってみたいですね。
只野 一緒にジェラピケを買いに行って(笑)。それを着て女子会しましょう!
INTERVIEW BY 清水耕司(セブンデイズウォー)
TEXT BY 友安美琴(セブンデイズウォー)
●リリース情報
TVアニメ『閃乱カグラ SHINOVI MASTER -東京妖魔篇-』エンディング主題歌
「純正エロティック」Mia REGINA
11月14日発売
品番:LACM-14805
価格:¥1,400+税
<CD>
1.純正エロティック
作詞:只野菜摘 作曲:坂野上陽介, マイケル・ムー 編曲:kume., 桑田健吾
2.Enchante
作詞:只野菜摘 作曲・編曲:太田雅友(SCREEN mode)
3.ピンヒール・ムーン
作詞:只野菜摘 作曲:KURITA 編曲:KURITA, 森 悠也
4.純正エロティック(Instrumental)
5.Enchante(Instrumental)
6.ピンヒール・ムーン(Instrumental)
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