Run Girls, Run！初めてのツアーを完走！“Run Girls, Run！ 1st LIVE TOUR 止まってなんかいられない”東京公演レポート！

声優、林鼓子・森嶋優花・厚木那奈美の3名による声優ユニットRun Girls, Run！。彼女たちの初のライブツアー“Run Girls, Run！ 1st LIVE TOUR 止まってなんかいられない”が品川ステラボールで開催された。1年間走ってきた彼女たちの今を表現した、とても元気で爽やかなツアーとなった。ここではファイナルとなった東京公演の昼の部をレポートする。

「カケル×カケル」のギターのイントロが鳴り響き、ステージに飛び出したRun Girls, Run！（以下：RGR）。林鼓子が「最後まで駆け抜けていくぞー！」と気合いの入った叫び声をあげると、最初から全開でぶっ飛ばしていく。熱いコールを送るファンに向けて、駆け出したばかりの自分たちの熱い想いを歌詞に乗せて届けると、続いてはWake Up, Girls！のカヴァー曲「地下鉄ラビリンス」を、RGRらしい元気さいっぱいのダンスと歌で表現。途中のラップ部分もカッコよく決め、ステージ狭しと駆け回る。続いてi☆Risのカバー曲「Make it!」。今TVアニメ『キラッとプリ☆チャン』でがっつり共演しているi☆Ris先輩の魂を受け継ぎつつ、力強く歌い上げていた。両曲とも振りはほぼ同じなのだが、各ユニットごとの色の違いというのは顕著に出るなと感じた。

3曲全力で歌い終わったあとは自己紹介タイム。「こんもちわ～」（森嶋）、「ここんにちは」（林）、「ごきげんよう」（厚木）と挨拶をすると、続いてはソロカバーのブロックへ突入。

トップバッターはリーダーの森嶋。「みんなも一緒に盛り上がってくれたら！」と、TVアニメ『探偵オペラミルキィホームズ』のOPテーマ「正解はひとつ!じゃない!!」を歌う。ファンもさすがの対応力で、一緒に歌うところやコールが完璧！森嶋もステージを大きく使って、会場の隅々まで笑顔と歌声を届けていた。続いて、飛び切りの笑顔で飛び出してきた厚木は、アニメ史に残る名曲『おジャ魔女どれみ』のOPテーマ「おジャ魔女カーニバル!!」を披露。間奏に煽りのMCも挟みながら盛り上げていく。コミカルなサビをかわいらしいダンスと共に優しく歌う。なんだか歌のお姉さんみたいな、そんな癒やしオーラに溢れていた。最後は林が登場。イントロからすぐにわかる伝説の曲「Snow halation」（『ラブライブ！』挿入歌）を、まっすぐな歌声で歌う。冬の切なさと同時にエモさを感じるのが彼女の個性なのだろう。とても力強い「スノハレ」だった。

それぞれが個性を出した歌声を披露したあと、衣装チェンジした森嶋と厚木が登場。カバー曲の感想を話していく。ちなみに「おジャ魔女カーニバル!!」の振り付けは「昔ちょこっとやっていたi☆Risさんの振り付けを真似ました」とのこと。さらにふたりのトーク中に同じ衣装に着替えた林も再登場。自身が歌った「スノハレ」については、「毎公演、ソロパートのテーマを決めていて、大阪は“今”、仙台は“過去”、東京は“憧れ”というテーマだったんです。小学校の頃『ラブライブ！』を観て、それが声優になるきっかけになったので、ここで歌わせてもらいました」と語っていた。

続いては、響 – HiBiKi Radio Stationのラジオ番組『Run Girls, Radio！！』の出張版。ユニットの絆を深めてスキルアップをしていこうというラジオの趣旨があるのだが、その中でもメンバーが苦手にしているコーナー『シチュエーションで、よーいドン！』を会場でやってしまおうという企画。リスナーからのお題に対して、誰がみんなの心を射止める即興セリフを言えるのか！ということで、早速スタート。

最初のシチュエーションは「コンビニでバイト中、発注ミスで弁当が1000個届きました。かわいらしいひと言でお客さんを呼び込みお弁当を売り切れにしてください」というもの。
元気に「お弁当を買って」とアピールした厚木と、かわいくアピールした林。自分の食べかけの弁当を売るという謎の方法でアピールした森嶋と、三者三様だったが、厚木と森嶋が同じくらいの票ということで、ここでは最終的にじゃんけんで厚木が勝利。

続いて「寒そうにしている彼の手を握ったあと、心がポカポカしちゃうような一言！」というお題には、「しんどい」「きゅんきゅん系が苦手！」「全然思いつかない！」とぶーぶー文句を言っていた3人だったが問答無用でスタート。メンバーが彼氏役を務めるなか、「まるおくん（＝林）のことは、私が温めてあげるねっ！」とかわいく言い放った厚木が圧勝！結果、厚木の完勝で終わった。

そんな楽しいラジオコーナーを終えると、「女の子のドキドキと切なさが詰まった曲です」と「秋いろツイード」へ。優雅で緩急の効いたダイナミックなダンスと、3人の透き通る歌声が素晴らしい1曲。続いて打ち込み主体のポップチューン「サクラジェラート」。ロック調の曲が多いRGRだが、こういう切ない曲でもその魅力を十二分に発揮してくれた。この曲は厚木が振り付けしていたそうで、歌い終わったあと「メンバーのことをよくわかっているからこそのフリにしている」と笑顔で語っていた。この2曲のような楽曲は、ユニットの音楽的幅広さを証明している。3人だから個も目立つのだが、ダンスなどの一体感は3人だからこそ出せるものがあると感じた。

そんな切ない季節の2曲のあとは、ラストへ向けて、まずは「スライドライド」で会場を徐々に熱くしていく。続けて1月から始まるTVアニメ『ガーリー・エアフォース』のOPテーマ「Break the Blue!!」も披露！この曲はI’ve Soundの楽曲なので、やはりシンセのフレーズが印象的だったし、3人が髪を振り乱しながら歌っているのも熱かった。ちなみにアニメのヒロイン役を森嶋が務めるということで、この曲のサビでは森嶋がセンターで歌っていた。声をユニゾンするところの力強さと青く染まった客席のテンションも最高だった。

そして、テレビアニメ『キラッとプリ☆チャン』の新OPテーマ「Go! Up! スターダム！」へ。とてもキラキラした輝かしい曲。みんな輝くために生まれてきたという曲に込められたメッセージが、今まさにステージに立ち、輝こうとしている彼女たちに重なる。きっと彼女たちも、自分たちの想いを歌詞に重ねて歌っていたに違いない。胸に響いてくるものがあった。さらに『劇場版プリパラ＆キラッとプリ☆チャン～きらきらメモリアルライブ～』の主題歌「プリマ☆ドンナ？メモリアル！」をキュートに歌うと、最後は再び『キラッとプリ☆チャン』から、最初の主題歌「キラッとスタート」。3曲立て続けの『プリ☆チャン』楽曲に、観客のボルテージも最高潮。３人もそのパワーに負けないくらいの力強い歌で応え、最高の笑顔でステージをあとにする。

“Run Girls, Run！”“Run Girls, Run！”という特大アンコールに応え、テレビアニメ『プリパラ』から「Pretty Prism Paradise!!!」（真中らぁら＆南みれぃ＆北条そふぃ）をカバーし、アンコールがスタートする。この曲は、東京公演のみの披露となったが、とてもうれしいサプライズとなった。

「このツアー全体を通して、こんなにたくさんの方に出会えると思っていなくて、本当に楽しい時間を過ごすことができました。精一杯最後まで駆け抜けていきたいと思います！」（厚木）
「皆さん楽しかったですか？私もめちゃめちゃ楽しかったです！皆さんの前に立てていることが幸せです。皆さんが楽しんでくれたなら、このツアーはもう成功になるんじゃないかなと思ってます。最後の最後も盛り上げていきたいと思います。ステラボールの一番星になるぞー！」（林）
「ステージに出る前から歓声や応援の声が聞こえてきて、曲中の楽しそうな笑顔が見られて、ステージに登ってこられてよかったなと思ってます。3人揃ってステージに立てるのは当たり前のことではないし、みんなが応援しに来てくれることも簡単なことではなく、皆の気持ちがあって集まってくれるわけだから、そのみんなと楽しい時間が過ごせて本当に良かったなと思っています。ラストまで力を合わせて駆け抜けていきますので、これからも応援よろしくお願いします！」（森嶋）

そして「ラスト1曲はみんなで盛り上がっていきたいと思います！首にかけてるタオルを手にとって！ラストの曲行くよ！」と「カケル×カケル」をもう一度歌う。3人はお立ち台に上がったり、ステージを降りて客席の真ん中で歌ったりしてライブを楽しんでいた。

まだまだ荒削りな原石。そんな1stツアーだったと思う。彼女たちの勢いや笑顔のパワーをたっぷりと感じられたステージ。同時にまだまだ成長していきそうな、そんな可能性もビシビシと感じるライブだった。

Text By 塚越淳一

Run Girls, Run！1stライブツアー
“Run Girls, Run！ 1st LIVE TOUR 止まってなんかいられない”
2018年11月10日（土）東京・品川ステラボール

＜Vol.1（昼の部）セットリスト＞
M1.カケル×カケル
M2.地下鉄ラビリンス
M3.Make it!
M4.正解はひとつ!じゃない!!（森嶋優花ソロ）
M5.おジャ魔女カーニバル!!（厚木那奈美ソロ）
M6.Snow halation（林鼓子ソロ）
M7.秋いろツイード
M8.サクラジェラート
M9.スライドライド
M10.Break the Blue!!
M11.Go! Up! スターダム！
M12.プリマ☆ドンナ？メモリアル！
M13.キラッとスタート
En.1 Pretty Prism Paradise!!!
En.2 カケル×カケル