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2018.10.31

『ファンからのサプライズに感動! ベストアルバム収録のカバー曲も披露した「春奈るな LIVE 2018 “LUNAtic Typhoon”」レポート!

『ファンからのサプライズに感動! ベストアルバム収録のカバー曲も披露した「春奈るな LIVE 2018 “LUNAtic Typhoon”」レポート!

アーティスト・春奈るなの約1年ぶりとなるソロライブ「春奈るな LIVE 2018 “LUNAtic Typhoon”」が2018年10月7日、東京・品川インターシティホールにて開催された。12thシングル「桃色タイフーン」を引っ提げて行われたライブで全27曲を熱唱。誕生日間近に行われたライブだったためファンからのサプライズもあって、熱く盛り上がりつつも温かい雰囲気のライブとなった。

会場は座席があるコンサートホールだったが、ステージ上には5人のバンドメンバーが並びライブハウスのような雰囲気。クラップが起こる中で登場した春奈るながまず歌ったのは、ゲーム『Fate/EXTELLA LINK』OPテーマの「JUSTICE」だった。疾走感のあるロックサウンドで最初からぶち上がっていく。3曲目の「Flutter」ではステージに倒れ込むエモーショナルなパフォーマンスも見せた。

「今日はセットリスト過去最多曲数ということで、みんな楽しむ準備はできてますか?」と最初のMCで期待を煽ると、春奈るなの代表曲のひとつといえる「Overfly」を歌唱。TVアニメ『ソードアート・オンライン』フェアリィ・ダンス編EDテーマで、序盤にこの曲をつぎ込んでくるというセットリストの厚みが感じられる。次は『SAO』つながりでゲーム『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』EDテーマの「夜の虹を越えて」を歌い、ここから落ち着いた曲が続く。バラードでは歌詞に合わせた表情のつけ方が巧みで、ビジュアル的な表現力はさすがといったところだ。

9曲目の「YuRaYuRa」からはまた一転してロックテイストの激しい展開に。続く「TRUE STORY」ではイントロから大きな歓声が起き、前半の「君が好きだよ」という歌詞のところでは春奈と客席のファンがお互いに指をさし合う温かい光景も見られた。さらにここからは「いろんな形で曲をお届けしたい」ということでずっとやりたかったというアコースティックアレンジのコーナーへ。「空は高く風は歌う」は哀愁漂うエキゾチックなアレンジが秀逸で、スタンディングで盛り上がっていた観客もこのゾーンは着席して聴き入っていた。

春奈るなのファンは“るな充”と呼ばれており、ファンとしての活動は“るな充する”といわれる。ジャケットを脱いで気合を入れた春奈は「みんな、まだまだ声出せますかー!? るな充できますかー!?」とるな充たちを煽り、ここからは怒涛の後半戦に突入。まず「ステラブリーズ」では「せーの!」とコールを煽ったり、「いつかきっと…」というセリフで大歓声が起きたりと、元気さいっぱいで盛り上がった。「恋せよ乙女」は観客とのコール&レスポンスがあって、エアギターのパフォーマンスを見せるなど本当に楽しそうな姿が印象的だった。

ライブタイトルの由来にもなっている「桃色タイフーン」はライブ映えする和テイストの曲。コールも入りまくりで新曲とは思えない盛り上がりだ。間奏のところでは「るな氏(※自分のことをこう呼ぶ)はこの曲が大好きなんですけど、みんなは?」「ライブも超好きです! みんなは?」と問いかけ、「俺も―!」とるな充たちが答えていた。このリアクションに気を良くしたのか「るな氏の大好きな食べ物はカレーなんですけど、みんなも一番好きな食べ物はカレーだよね!?」と無茶ぶりをする場面も。最後は「やっぱり、るな充が大大大大大好きだー!」と絶叫すると、るな充たちから「俺もー!」と絶叫が返ってくるというコール&レスポンスがなされた。なお、この曲では客席が桃の形に見えるようにサイリウムをピンクと白と緑で色分けするというるな充のみなさんによるサプライズも仕掛けられていた。そんなるな充たちの粋な計らいもあって、愛にあふれた光景が展開されたのだった。

さて、ここで11月7日に発売される春奈るなの初のベストアルバムについてのお知らせがあった。タイトルは「LUNA JOULE」で、この中にはカバー曲も1曲収録されるという。ベストアルバムなのになぜカバー曲なのか? 「12年前ぐらいの曲なんですけど、アーティストが伊藤彩さんという方で……」というと、すぐにピンと来たるな充たちは喜びを爆発させた。実はこの“伊藤彩”は6年後に“春奈るな”としてデビューを果たす人物。つまり春奈るなとしてのデビュー前に歌っていた曲をセルフカバーするということだったのだ。しかもこのカバー曲「キミノテ」を12年の時を超えてライブで披露し、熱い盛り上がりとなった。

「キミノテ」に続いて歌った「狂想リフレイン」はさらにハードなビジュアル系の曲。ヤンデレ要素が入った歌詞に合わせて表情も芝居がかっていて、色気も感じさせる1曲だった。みんなで踊れる曲「PURPLE LOVE(Solo Version)」、「アイヲウタエ」とアッパーな曲が続き、「君色シグナル」ではギターも前に出てきてバンドサウンドならではのハイテンションなパフォーマンスを披露。最後は「君がくれた世界」で大団円となった。

アンコールに応えて再びステージに姿を見せた春奈るな。その目の前にはファンが用意した横断幕が広げられていた。このライブの4日後となる10月11日は彼女の誕生日。ライブ開催と誕生日を祝う、るな充たちの寄せ書き入り横断幕を見て感激した表情だった。さらに、その後バンドメンバーがケーキを持って登場、みんなで「ハッピーバースデー」を合唱するというサプライズ演出もあった。るな充たちに先を越されてしまってバンドメンバーのサプライズはちょっと感動が薄れてしまったのがかわいそうだったが(笑)、サイリウムをケーキのロウソクに見立てて吹き消すという観客参加型のお祝い演出もあって、いつまでも「おめでとう!」の声と拍手は鳴りやまなかった。

アンコール1曲目の「恋の戦士」はみんなでタオルを回して盛り上がる曲。曲が終わって春奈は客席にタオルを投げ込もうとしたのだが、全然あさっての方向へ投げてステージの上に落ちるというちょっと恥ずかしい場面も。だが、恥ずかしがる彼女のかわいらしい表情も見られたので結果的には悪くなかったかもしれない。2曲目は彼女の名前が入った曲「るなティックワールド」で、ライブの締めにふさわしい盛り上がりだった。最後は客席のみなさんと一緒に記念撮影。ここでライブは終わり……かと思いきや、ひとりでステージに残った彼女は「心を込めて全てのるな充に届くように歌います」と言って、「Overfly -orchestra ver.-」を歌い上げた。そして「また絶対、るな充しましょう!」と再会を誓って、温かい拍手の中で幕を閉じたのだった。

バンドサウンドを前面に押し出したパワフルなステージで、春奈るなのライブパフォーマンスの高さが感じられた。さらにアコースティックアレンジにも挑戦するなど、新たな境地も見せてくれた。そして何よりも、るな充たちの愛に満ちあふれた応援が随所に感じられ、さわやかな印象が残ったライブとなった。

Text By 金子光晴

春奈るな LIVE 2018 “LUNAtic Typhoon”
2018年10月7日(日)東京・品川インターシティホール
<セットリスト>
M-01 JUSTICE
M-02 Windia
M-03 Flutter
M-04 LOVE TEARS
M-05 Overfly
M-06 夜の虹を越えて
M-07 Lightless
M-08 Again
M-09 YuRaYuRa
M-10 TRUE STORY
M-11 Startear
M-12 空は高く風は歌う
M-13 祈り
M-14 ステラブリーズ
M-15 恋せよ乙女
M-16 SU・KI・DA・YO
M-17 KIRAMEKI☆ライフライン
M-18 桃色タイフーン
M-19 キミノテ
M-20 狂想リフレイン
M-21 PURPLE LOVE(Solo Version)
M-22 アイヲウタエ
M-23 君色シグナル
M-24 君がくれた世界

EC-01 恋の戦士
EC-02 るなティックワールド
EC-03 Overfly -orchestra ver.-

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