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2018.10.25

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」”最強の場所(チーム)”ゲネプロ前囲み会見レポート

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」”最強の場所(チーム)”ゲネプロ前囲み会見レポート

小学生のときにテレビで観た小さな巨人のプレーに衝撃を受けてバレーボールを始めた背の小さな少年、日向翔陽。彼の運命は天才セッターにして孤高の存在でもあった影山飛雄との出会いによって大きく変わり、そんなふたりの存在によってかつてのバレー名門校にして“飛べない烏”と呼ばれる烏野高校排球部の運命の歯車が回っていく。手に汗握る迫力の舞台・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」の最新シリーズ”最強の場所(チーム)”がいよいよ開幕した。開幕前日に開催されたゲネプロならびに囲み会見の模様をレポートする。

「最強の場所(チーム)」を賭けて、烏野高校排球部の壮絶な戦いが幕を開ける!
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」は、2015年11月の初演から重ねること5シリーズを数え、いよいよ6シリーズ目となる”最強の場所(チーム)”が10月20日のTOKYO DOME CITY HALLにて幕を開けた。ここで烏野高校排球部は、春高バレー出場を賭けた宮城県大会予選の最後の一手へと挑戦する。

開演に先駆け行われた記者会見には、この作品で演劇「ハイキュー!!」を卒業する烏野高校から日向翔陽役の須賀健太、影山飛雄役の影山達也、月島 蛍役の小坂涼太郎、山口 忠役の三浦海里に加え、本シリーズで烏野高校の前に立ちふさがる青葉城西高校キャプテン・及川 徹を演じる遊馬晃祐、白鳥沢学園のエース・牛島若利を演じる有田賢史、さらに演出・脚本を務めるウォーリー木下氏、そして今回は舞台上で生演奏で劇伴をつけていく音楽担当の和田俊輔氏というメンバーが登壇した。

まずは意気込みを訊ねられた登壇者たち。

「今回で最後と言うことで。卒業と大々的に謳っておりますが、気持ちとしてはいつもとまったく変わらず、一公演一公演、この作品を大切に演じ切るということに尽きると、僕自身は思っています。そして今回は音楽の和田さんが生で、僕らと一緒に44公演、音で僕らを支えてくださいます。演劇「ハイキュー!!」としてはいろいろな要素がたくさんあって、それがひとつになってこそのハイパープロジェクション演劇というものになっていると思っています。そのひとつの集大成を今回、見せられるのではないかなと思っていますので、怪我しないように全員で最後まで走り抜けたいと思います。応援の程、よろしくお願いします!」(須賀健太)

「今回、簡単そうに見えてすごく難しいことがたくさん増えています。例えば息合わせを全員でやったりもするんですけど、そういったところの難しさだったり、演劇の楽しさをすごく感じております。体力の限界もあると思うんですけど、そこを越えた演劇の新しい境地をみんなで見に行きたいと思います」(影山達也)

「今回は音楽が生演奏なのですごくて。やっていて、今までと違う演劇「ハイキュー!!」になると感じているので、楽しんでほしいです。よろしくお願いします」(小坂涼太郎)

「今回も新しいことにいろいろと挑戦しています。それと今まで僕らがずっと培って積み重ねきたものとの融合が、いい化学反応を起こして、すごい舞台が出来上がったんじゃないかと思います。僕は個人的に挑戦させていただいていることもあったりもして、いろんな意味での緊張はあるんですけど、それも含めて楽しんでいただけるように精一杯頑張りたいなと思っています」(三浦海里)

「僕たち青城は約1年ぶりの登場なんですけど、今回は”最強の場所(チーム)”ということで、チーム感にすごくこだわって作っています。もちろん青城はまとまったチームではあるんですけど、よりそこに細かく、ダンスにしてもバレー(ボール)の動きにしても本当にこだわっていて、最強の場所(チーム)を作れるように稽古をしてきました。そしてキャストは新チームとなって、新しいメンバーも増えて、一年前の“勝者と敗者”とはまた違うチームになっているので、そこを皆さんには楽しんでもらいたいです。本当に熱量が毎回、すごいんです。この作品はすごく成長する作品だと思うので、44公演、上をめざして頑張っていきたいと思います」(遊馬晃祐)

「前作では白鳥沢学園高校から牛島若利ひとりの登場だったんですけれど、今作で満を持して、白鳥沢の個性豊かなキャラクターが揃って登場します。今回“最強の場所(チーム)”というタイトルがある通りに、絶対王者のチームとして個性豊かなメンツと一緒に、本当の王者のチームを、圧倒的熱量を持って演じていきたいと思います」(有田賢史)

そして今回、演劇ハイキュー!!史上初めての生演奏を担う和田俊輔氏。これまでも初演から演劇「ハイキュー!!」の音楽を作ってきた彼の想いとは。

「これまでウォーリーさんと一緒に培ってきた、稽古のメソッドみたいなものが演劇「ハイキュー!!」では出来上がっていたんですけど、それをこの期に及んで全部ぶち壊そうと思いました。ゼロからの稽古方針に変えて、そこから僕がどんな音楽をあてたいかを考えさせて、と話して。そこから一ヵ月二ヵ月と経て見えてきたのが、やっぱり烏野メンバーを含めて全員が試合を、その場その場で生きている、と言うか、物語を全部知っていて、段取りもつけているんだけど、絶対にそこで勝つか負けるかわからない試合をしているっていうのが僕的にはすごく感動のポイントだったので、自分もそれを音楽に録り込もうというのがひとつです。つまり音楽はその場、その場で作っているんです。キャストの熱量を感じたり、お客さんの熱量を感じたり、そこで感じた一期一会を公演として音楽で出そうとしているのが音楽のテーマであります。観ていただければわかるし、毎回同じ公演がないと思うので、そういう楽しみもあると思います」(和田俊輔)

さらに演出でのこだわりを訊ねられたウォーリー木下氏は、

「「ハイキュー!!」は、普通の高校生が誰もが一度は通ったような、部活をやったりチームというものに所属をしたことがある人なら経験したことがあるようないろんなドラマがたくさん詰まっている原作なんですけど、それがバレーボールのコートの中で全部起きるのが演劇「ハイキュー!!」の魅力かなと思っています。今回はずっと試合なんですけど、その試合の中にたくさんのドラマがあり、その人間ドラマが試合の進行と共に進んでいくという、試合を見ている感動なのか人間を見ている感動なのかわからなくなるような演出を仕掛けています。原作の良さを引き出したいという想いがあって、今回はそういう作品にしています。生演奏もその一環で、やっぱり生きた役者さんがその場で発する空気みたいなものを、どうやってよりお客さんに届けたり、もしくは一体感を作るか、というときに音楽が生演奏だと全然違いますね。もちろん音楽もそうだし、照明とか映像とか色んなものが会場で同時にカチッとハマるというか、その良さが演劇「ハイキュー!!」にはあると思うんですけど、それがより明確になって伝わるかな、と思います。」

今回のシリーズでの卒業が発表されている烏野高校のキャストたち。2015年の初演から自身の役を演じ続けてきたキャストも多く、また途中からの参加となったメンバーにとっても、色濃く過ごして来た時間はとても大きなものだったと言う。

「3年間この座組みで僕はこの役(日向翔陽)をやらせていただきました。ちょうど高校生活ひとつ分ということで、本当に学生生活をもう一度やったような感覚だし、常々いいチームだなぁ、と思った3年間でした。それで最後の公演が”最強の場所(チーム)”というのは何の因果か、すごく素敵な巡り合わせでそんなタイトルになりました。僕たちが”最強の場所(チーム)”だと思える3年間でしたし、今は本当に振り返れないくらいバタバタで、ギリギリまで稽古をしていて。さっき和田さんも稽古方針をぶち壊して、とおっしゃっていましたけど、ぶち壊された方は堪ったもんじゃない(笑)。でもだからこそ新しい演劇「ハイキュー!!」が今回も生まれたと思いますし、それって僕らがやってきた3年間があったからこそできた新しい演劇「ハイキュー!!」じゃないかと思っています。そこは自分たちをすごくリスペクトしているというか、僕らがやってきたものが基盤に流れているんじゃないかなと思っています。そういうところもすごく素敵で、誇れる今回のポイントだと思っています。(3年間は)長いですね。20歳から21歳になるくらいから始まった作品で、今日(10月19日)、僕は誕生日で、今日で芸能生活20周年ということで、その20周年というところでこの作品が一発目にできたというのはすごくすごく僕の中では幸せなことです。3年間、汗かいて全力で作ってきたものを、僕の役者人生としてこれからが第二章的なものだと思うので、その最初にできたのが本当にとても幸せなことだと思っております」(須賀)

そんな須賀にこの日、サプライズが用意されていた!なんと会見するメンバーの背後から残りの烏野高校メンバーがケーキを持って登場!須賀のバースデーを、そして芸能生活20周年を全員で祝う。驚きに声が出ない須賀。「どうりで烏野のメイクが早く終わったと思った!」と苦笑する。小坂曰く“めっちゃ仲がいい”という烏野ならではの時間となった。

「本当にリアルな人間ドラマの、ある種ひとつ集大成を作れたんじゃないかと思っています。さっき和田さんもおっしゃっていましたけど、本当に僕らは勝つつもりで演じています。どっちが勝つとか負けるとか、物語上は決まっているのかもしれないけど、そういうことではなくどのチームも全力で一点にしがみついていて、全力で勝ちというものにこだわっている。そんなところはもしかしたら役者という枠を越えてひとりの人間としてすごい熱量を持って、演じるというのとももしかしたら違っていて、リアリティのある“生きる”というものに繋がっているのかもしれないですが、そんなところまでいけた作品じゃないかなと思っています。観ていただくことがいちばん早い。音楽に関しても観て聴いて感じてもらうことがこの作品ではいいことだと思いますので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいと思います」という須賀の意気込みの宿る今回の公演は、前作“はじまりの巨人”で条善寺高校、そして和久谷南高校を激戦の末に下してトーナメントを勝ち上がって来た烏野が、インターハイ予選の準決勝で敗れた青葉城西高校と対峙する場面から始まる。練習を通し、試合を通し、常に進化し、変化を恐れることなく自分たち自身に対しても挑み続けてきた烏野高校がついにリベンジの場所に立つ。全国の猛者集まる春高バレー出場を賭け、そして東京・音駒高校の狐爪研磨との「もう一回のない試合をしよう」という約束を叶えるための関門である宮城県予選の準決勝に臨む烏野高校。立ちはだかる強大な壁をどう越えていくのか。そして“最強の場所(チーム)”同士の戦いの結末は?どのチームが勝つかわからないほどの迫力と気迫がビリビリと皮膚感覚で伝わる舞台。息もつかせないその展開を、和田氏の生演奏と共に劇場で味わってほしい。

Text By えびさわなち


●公演情報
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」”最強の場所(チーム)”
2018年10月20日(土)~10月28日(日)【東京】TOKYO DOME CITY HALL
2018年11月9日(金)~11月10日(土)【広島】はつかいち文化ホール さくらぴあ 大ホール
2018年11月15日(木)~11月18日(日)【兵庫】あましんアルカイックホール
2018年11月23日(金・祝)~11月25日(日)【大阪】梅田芸術劇場 メインホール
2018年11月30日(金)~12月2日(日)【宮城】多賀城市民会館 大ホール
2018年12月7日(金)~12月16日(日)【東京】日本青年館ホール

公演に関するお問い合わせ:ネルケプランニング 03-3715-5624(平日11:00~18:00)
チケットに関するお問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)

© 古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会

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