リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2018.10.04

TVアニメ『学園BASARA』テーマソング「Be Affected」を配信リリース!西川貴教インタビュー

TVアニメ『学園BASARA』テーマソング「Be Affected」を配信リリース!西川貴教インタビュー

元々は『戦国BASARA』シリーズのアンソロジーコミックから生まれた『学園BASARA』。スピンオフ作品とはいえ、アニメ化に際して楽曲を担うのは無論、西川貴教。Fear, and Loathing in Las Vegasとタッグを組んだ「Be Affected」で、『BASARA』らしくもあらたな『BASARA』楽曲を誕生させたその経緯は、武侠ファンタジー人形劇『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』の2期OPテーマ「His/Story」とEDテーマ「Roll The Dice」で行った澤野弘之とのコラボとも紐づいている。西川貴教はいちシンガーとしてさらに前へと突き進む。

西川貴教の声を多方面から聴かせるタイミング

――まず、『学園BASARA』でFear, and Loathing in Las Vegasと組むことに至った経緯を教えてもらえればと思っているのですが。

西川貴教 それについては、『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』の話まで遡ることになるのですが(笑)。以前からありがたいことに、虚淵(玄)さんから「2期でもお願いします」というお話をいただいていたんです。そのとき、以前から澤野(弘之)さんの楽曲に惹かれるところがあったので、ぜひご一緒したいと考えていました。澤野さんの劇伴アルバムを個人的に買っていたくらいだったので(笑)。その結果、オープニング・エンディングと非常にいいコラボになって。例えば「His/Story」に関しては、1期のメインテーマを再構築するという非常に実験的な楽曲でもあり、完成度が高いと自負しているんです。作品に対しても、虚淵さんが楽曲を活かすような演出をストーリーに入れてくださったり、僕自身が浪巫謠(ロウフヨウ)役として出演させていただけたり、深く関わらせていただいているんですが、たまたま同じクールで『学園BASARA』もスタートすると決まりまして。ふたつの作品を同時に楽しんでいただけるすごくありがたいタイミングだな、と。『Fate』(『Fate/EXTRA Last Encore』)で神前(暁)さんとコラボレーションさせていただき、今回は澤野さん、ということで、いちボーカリスト「西川貴教」の声というものをあらたな角度で聴かせていくポイントに今、きているんじゃないかと思ったんです。しかも、『学園BASARA』はこれまでの『戦国BASARA』とはかなり方向性が違いますし(笑)。応援してくださるファンのみんなに対して、音楽でも何か違ったものが届けられたら、というところがありました。それに加えて、前作『戦国BASARA Judge End』では僕が楽曲提供することがちょっと難しい状態で、その打開策として(プロデューサーの)小林(裕幸)さんがキャストとして招聘してくださったんですが。

――酒井忠次役ですね。

西川 そうなんです。なので『BASARA』との関係性は引き続き担保できつつも、主題歌はどうするという話になったとき、Fear, and Loathing in Las Vegasを推薦しました。そういった流れを汲んだ結果、Las Vegasとコラボレーションすることに行き着いたんです。

――つまり、シンガー西川貴教が今乗っている流れ、『BASARA』シリーズで派生作品にあたるということで作る新しい流れ、そして前作からの流れ、というところが組み合わさった自然な展開だったんですね。

西川 そうなんです。『BASARA』を通じて派生したものがきちんと紡がれて帰結する、というのはドラマチックですよね。

――Las Vegasは『BASARA』の世界観を知り、かつ『イナズマロック フェス』でも共演している相手なので、ある程度楽曲について結果をイメージできたと思いますが、一緒にやることで何が期待できると思っていましたか?

西川 そこに関しては、まず「やりたいことをやってほしい」というリクエストをしました。制作期間があまり多くは取れないなかでLas Vegasとのコラボを思いついたので、「こんなに時間なくて引き受けてくれるのかな」みたいな気持ちもあったんです。でも、聞いてみたらすぐに「やります!」って返事をくれましたし、そこからのスピードもすごかったです。

――最初のリクエストの言葉は、短い期間で彼らの持ち味を出してもらうための言葉ですね。

西川 はい。でも、楽曲を聴いたら期待以上にやらかしてくれていました。僕に合わせることなんてまったく考えられていなかった。Las Vegasのカラーがきちんと出ていて。なので、むしろ僕自身がどう乗りこなそうか、という感じでしたね。エンジンもシャーシも積まれた状態で納車されて、あとは運転するだけ、みたいな感じでしたから。その意味では、期待以上のものができたと思っています。おそらく、僕の楽曲をご存知の方も、Las Vegasのファンの方も、どちらも聴いたことがない曲になったと思うんですよ。だってこれ、楽曲提供というよりは、Las Vegasに西川貴教がボーカルで入るという形のコラボレーションなので。今は、「西川としてもいい結果になったな」「これができたならもっといろんな形ができるんじゃないかな」という可能性をすごく感じています。他のバンドにどんどん侵食していけますよね。例えば、リリース前の曲を引っ張ってきて本来のボーカルではなく僕が歌ってしまうとか(笑)。

――最初は西川バージョンで楽曲を世に出してしまう?

西川 そう。バンドのボーカルが歌うバージョンはのちのちリリースすることにしてもらって。そういうのを次々と。

――仮歌シンガーみたいですね(笑)。

西川 そうそう(笑)。でも、それも面白いと思いましたね。バンドのファンも僕のファンもそれぞれが新しいものを聴いている感覚になってもらえたらうれしいですよね。

――実際に歌ってみて感じた難しさは?

西川 Las Vegasの曲として完成しているので、彼らの声で歌が聴こえてくるんですよ。それをどう払拭するか、でしたね。僕がいなくても成立している曲なので(笑)。

――レコーディングは最初からトップギアを入れるような感覚で?

西川 いや、もうそこしかないですよね。攻めるしかない(笑)。でも、その分本当に面白い楽曲になったと思います。

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP